来夏を彩る紫陽花の開花を願い「こころの園」に移植
11月26日(火)、足尾「松木郷」は灰色の曇に覆われ、9時の気温は2℃、昼になっても7℃と寒くどんよりとした天気です。作業小屋に入るとストーブに火が入れられ、体の芯まで暖まります。森の恵み(薪)に感謝です。
作業責任者の大野さんより今日の森作業が報告され、「みちくさの庭」から「こころの園」にアジサイの移植を3班に分けて行うことにしました。1班は「みちくさの庭」のアジサイの掘上げ(鎌田、本間、田村)、2班はアジサイの運搬(加賀、田城、清水、橋倉)、3班は、「こころの園」に植付け(大野、栁澤、坂口)と担当分けし、作業を開始しました。
「みちくさの庭」のアジサイの株が生長して密集しており掘り上げるのも一苦労です。加賀さんが運び出しをしてくれましたが、重いものは二人で運び出しました。
枯れた枝と長く伸びた枝を剪定して、一輪車に積み込み「こころの園」に運びましたが、石がゴロゴロし、坂あり、砂場ありで、押したり引いたりと四苦八苦しながら、72本のアジサイを運びました。
サルの食害にあわないように運び出し口のネットをふさぎ、全員で植付け作業を行いました。事前に掘った穴が小さく、株の大きさに合わせて穴を広げ、黒土を入れて植えました。
階段東側に51本、西側に21本を移植することができました。来年は森づくり20年になります。サクラの開花が過ぎた6月から7月の梅雨時期にアジサイの大輪が花開き、「松木郷」を訪れる皆さんの目と心を楽しませてくれることを願い移植作業を終了しました。午後まで掛かると思いましたが12時に終了し、昼食にしました。
午後は、「果樹園」の防草シート剥がしと「りんねの森」の生長調査を行いました。
苗置き場だった「果樹園」では防草シートに生えた草の根がガッチリとシートを押さえているため、手で剥がすことができない場所もあり、つるはしで草の根を切り離しながら数人がかりで剥がしていきました。ブドウ棚、ビニールハウス内、外側全部を剥がし終えることができました。シートを押さえていた金具は一輪車に一杯となりました。次回は、もみ殻を敷き、木の根を温めたいと思います。
「りんねの森」の木々の生長(樹高)調査は、各エリアで一番樹高の高くなった木を測定しました。2022年10月に植えた時は60㎝程だった苗木たちですが、砂地のヤマハンノキは樹高5mにもなり、驚くような生長を見せていました。改良地のヤマザクラは1.9m、赤土のヤマボウシは2.4m、湿地のカツラが2.2m、河川敷のネコヤナギは2.3mと順調に育っています。
森の調査で、びっくりする発見もありました。砂地のヤシャブシの木に実が生っているのかと見たら、モズのハヤニエ(速贄)でトカゲが刺さっていました。干物にして保存食にするようですが、森の生長に伴って生き物が増え、食物連鎖がつくられていく様子を垣間見ることができました。
赤土エリアでは、9日にJREU大宮地本OB会の皆さんが草刈りを行ってくれたおかげで林床が見えるようになり、「フユノハナワラビ」を見つけました。花を3本見つけ、枯草をかき分けると葉があちこちに見られました。数年後には「民集の杜」のように苔むした林内に変化するのではないかと想像しました。
作業小屋での終了ミーティングでは、柳澤さんから「森はともだち!カルタ」の紹介がありました。19年の森作業を通じて学んだことや森に生かされていると感じたことを四十四句につづられたもので、森づくりを思い出す内容です。「みなさんが体験・経験してきたことを句にしていきましょう!」とチャレンジしていくことを確認し、本日の森作業を終了しました。
今日は朝早くから日光市の「衛生管理センター」の作業員の方々が「みちくさ」と「森びと広場」の簡易トイレの「し尿処理」に来てくれました。ありがとうございました。
本日の森作業は、大野さん、加賀さん、鎌田さん、橋倉さん、本間さん、栁澤さん、坂口さん、田村さん、田城さん、林子さん、筆者・清水でした。
い:「いつまでも いのちをつなぐ 森づくり」(作 柳澤 肇)
(報告:清水 卓)
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