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2024年5月 1日 (水)

春の「孤高のブナの恩送り」と森作業

Dsc01002_2 4月29日(祝)は晴天の下、私たちとその仲間たちは「中倉山のブナを元気にする恩送り」と松木郷の森作業を行い、怪我もなく終了することが出来ました。
7時になると、「足尾に緑を育てる会」様よりお借りした足尾ダムゲート内の臨時駐車場に参加者が続々と集まりました。早速、乾燥した黒土と種の入った袋を各自のリユックザックに入れて登山道を目指しました。

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Dsc00893_1_2 しばらく登ると稜線に着き、そこからは凛と立つ“無言の語り木“「孤高のブナ」の元気な新芽が私たちを出迎えてくれました。

Dsc01033_4 参加者全員が中倉山の稜線に到着し、11時から保護作業を行いました。まず、森びとの済賀さん、山田さんから種の入った袋に乾燥した黒土を入れて、根の周りの崩壊地に張付けるためのレクチャーがありました。その後、二人一組のペアになって植生袋をつくり、ブナが元気になるようにとの思いを込めて地に張付けました。Dsc00953_3

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Dsc00973_3 昨年に引き続き参加して頂いた那須拓陽高校の池田先生と生徒の皆さんはブナが更に元気になる様にと願い、学校で作った腐葉土を持参してくれました。黒土と一緒に種が入った袋に入れて張付けてくれました。

Dsc00951_3 また、生長観察用の獣害ネットを外して「希望のブナ」の根の周りにもその腐葉土を入れて頂きました。小さいながらもブナの子孫は枝を伸ばし、新芽を沢山付けていました。普段は柵に囲まれて姿を見ることができない子ブナと親ブナが対面ができました。私たちは、親ブナと子ブナの逞しい生長を願いました。尾根筋の斜面一面に生えている笹がニホンジカの餌になっているようだした。しかし、希望のブナの根の周りだけは笹の葉が広がっていました。子ブナの生長にとっては柵が役立っているようで、腐葉土を敷いた後はしっかりと柵を囲いました。

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Dsc01022_2 参加した33名は65枚の植生袋を張り付けてくれました。終了後に、主催者を代表して清水副代表からお礼が述べられ、参加者から感想をいただきました。
 初めて参加された古河市の石塚さんは「渡良瀬川の下流に住んでいますが、上流の足尾の山の植生が回復しないと安心・安全という生活が営めない。今後は、森を育てる活動にも参加したい」と述べられました。続いて、昨年11月3日のブナ保護に参加された父が今年1月に急逝され、慰霊の思いを込めて参加されたご子息の中山雅人さんからは「今回参加して、はじめてこの活動を知りました。父の背中を追いかけながら今後は、自分が活動にかかわっていきたい」と述べられました。最後に、那須拓陽高校の生徒さんは、「昨年、希望のブナを植えました。今日観察出来て生長を感じることが出来ました。参加してよかった。また、活動に参加したい」と述べてられました。
「地球沸騰化」と言われるほどに気候変動が激しくなる中で、参加者一同は親子ブナが自然災害にも耐えられるように中倉山の森を育て、足尾の煙害・松木村廃村の歴史を後世につなげてほしいと願いました。山頂で昼食をとり、全員がケガもなく下山して帰路につきました。

Dsc01041_2 多くの皆様のご協力をいいただきまして、大変ありがとうございました。


松木郷の遊働楽舎“みちくさ”をベースキャンプに待機しているスタッフは、「森びと広場」北側の斜面「こころの園」に、松村宗雄さんが持参してくれた自宅で育てた白南天を植樹しました。

Img_0039_2 「中倉山のブナを元気にする恩送り」に参加されたTBS有志の皆さんは、中倉山下山後に故・岸井成格さん(元NPO法人森びとプロジェクト理事長、NEW23やサンデーモーニングに出演)の育てた森の観察に立ち寄ってくれました。「臼沢の杜」と、岩の多い斜面を開墾して植樹した「臼沢西の杜」の木々の生長を見学していただきました。

Dscn0771_2 また、那須拓陽高校の生徒の皆さんは、2018年に先輩方が植樹をしたエノキの成長を見て喜んでくれました。かつて松木村にはオオムラサキが飛んでいたことを松木村の子孫から聞き、オオムラサキの餌となるエノキを植えていただきました。

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(作成者:橋倉喜一、済賀正文)

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