“宝の山”は独り占めできない
春の森(山)は“宝の山”の息吹が聴こえてきます。タラノキは間もなく天ぷらで食し、一週間ほど待つとコシアブラの若葉の胡麻和えを食することができます。
足元の花にはミヤマカラスアゲハが蜜を吸っています。なんと美しい羽根を羽ばたいているのでしょう。春の森は、美術館で心を休められるような雰囲気です。初夏にはアサギマダラが羽を休め、シジミ等は秋の終わりまで美術館を華やかにしてくれます。
ヤマボウシは白い花を帽子の形のように咲き、真夏には真っ赤な実を付けて、熟すと美味しいジャムという食材になります。
ブナの若葉はやがて艶のある葉になって輝き、実を付けて生き物たちの餌になり、やがては稲穂のような黄金色に輝き、心に森の感動を伝えてくれます。
その時季には、ナナカマドも赤い紫色の化粧をして、赤い実を小鳥たちに与えています。
ところで日光市では小水力発電で年間1000万kWhを超える電力を供給できる、と言います。この量は、総世帯数(約3万3千世帯)の10分の1以上をカバーできる発電量です。
このエネルギー源は水ですが、森が元気である限り、森は持続的に安定した水を流してくれます。再生可能エネルギーに頼った暮らしをするには、森が元気で、森の力を発揮してくれることが前提なようです。(写真はホウノキ)
“宝の山”の森には、人間の力が及ばない未知の力が秘められている気がします。この力に感謝し、力を発揮できる努力と我慢が人間の責務ではないでしょうか。(写真はハリキリ:理事 髙橋佳夫)
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