宇都宮市で”森づくりでエコな暮らし”を考えました
栃木県宇都宮市で『森づくりでエコな暮らし 原発に頼らない暮らしを考える市民フォーラム』を開催しました。森びと・栃木県ファンクラブ(栃木県メンバー)が、一から手作りしたフォーラムで、県内外から50数名の方にご参加いただきました。
フォーラムの主旨は「私たち市民の目線で『エコな暮らし』を考える」です。この主旨にご賛同いただき、快く登壇を引き受けてくださったのが、那須野ヶ原土地改良区連合 参事 星野恵美子さんです。
星野さんは、日本三大疎水の一つである「那須疎水」の水の管理と共に、疎水の勾配を利用して小水力発電事業を成功に導いた実績をお持ちです。さらにはご自身で1ヘクタールもの土地を手に入れ、農業にも参入しておられます。
プログラムは、まず、開会挨拶を栃木県ファンクラブ会長・鎌田スタッフが述べ、続いて「森びと10年の歩み」のDVDを橋倉スタッフの案内で観ていただきました。司会は、唐澤スタッフが担当しました。
続いて、星野さんが事業内容をご説明され、いよいよ、星野さんと、森びと・高橋佳夫副理事長の「トーク&トーク」が始まりました。約70分間、会場はトークに耳を傾けて『エコな暮らし』について考えました。
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高橋副理事長からは、東日本大震災と原発の恐ろしさ、近年報告に暇がない異常気候や気象、企業やメディア依存型の暮らしへの疑問、地産地消やフードマイレージ、私たちは自然に生かされていること、いま私たちができることは何か?等、さまざまな角度から提言があり、星野さんはご自身の立場からご発言されました。
●原発の恐ろしさと自然エネルギーについて
「那須塩原市の放射線量も低下していますが、いまだに水路や窪地には5~10μSv/hの高放射線量が測定されます。」
「原子力の恐ろしさは暴走したら止められないことにあると思います。私たちは、小水力発電やバイオマス(家畜糞尿を活用)等の自然エネルギー開発を進め、実用化につなげてきました。身近なところに水路があれば、ぜひ小水力発電をやってみてください。お教えしますよ。」
(会場からもご発言いただきました)
●自然環境の変化について
「平成に入ってから、水路の水量がどうも変なのです。那珂川の水源の深山ダムから太平洋の河口まで川沿いに調べたことがありました。すると、断流(水が枯渇してる)箇所がいくつもあったのです。つまり、欲しい時に水門から水が取れない状況が続いており、自然界がおかしいと感じています。現在は、水が行きわたるように、各水門を調節するよう努めています。」
「農家の方から『山や雲や夕焼けから気象が読めなくなった』と聞きます。21世紀は水問題が深刻化するという予測もあります。人間は“工夫”して暮らしを変えてきましたが、言い換えれば“破壊”だったのかもしれません。昔に戻れとは言いませんが、電力もガスも原子力もなかった<過去の暮らし>は、もしかしたら<未来の暮らし>かもしれません。命を守るためには、まず食べるものを変えたり、地域のものを地域で食べたり、できることから実践することだと思います。」
●食料自給率と私たちにできること
「現在、日本人は61%もの食料を海外に頼っています。私たちの身体はもはや「国産」ではありませんね(笑)。また、輸送船6000隻超のうち、日本船はたった95隻に過ぎません。何か起きたら日本はあっという間に食糧危機に陥ってしまうでしょう。そもそも人は、自分で自分を生かす、家族を生かすために苦労を積んで来ました。皆さん、スーパーのビニール袋で構わないので、土を入れて、じゃがいもを埋めてみてください。芽が出て、じゃがいもができます。そうやって「できる」と実感することが大切だと私は思っています。」
「牛肉を1kg作るために12kgのトウモロコシや大豆の飼料を与えるのですが、こうした“迂回生産”をするよりも、直接トウモロコシや大豆を食べて、たんぱく質を摂取すれば良いのではないでしょうか。」
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最後に、稲葉理事の挨拶でフォーラムは閉会しました。
星野さんは、那珂川の上流で「1000年の森プロジェクト」を進めています。森びとも1000年の森づくりを目指しています。水の源・食の源・命の源は森にある、という実感も共有することができたフォーラムだったと思います。
星野恵美子様、高橋副理事長、誠にありがとうございました。
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【参加者の声(アンケートより)】
◆ポリ袋に土を入れてじゃかいもの苗を植えてみんなに配る。じゃがいもができて、土の大切さに気づいてくれてアスファルトだらけの庭が少しずつ土の見える庭に変わって行ったら、温暖化を防ぐ、少しの助けになるのではと思った次第です(下野市・女性)
◆星野さんや高橋さんのトークを拝聴して感じた事は、もう一度自分自身の環境を考え直してみたい。(宇都宮市・男性)
◆忘れかけていたエコな暮らしを学ぶ機会にふれてとても勉強になりました。エコの大切な事、改めて考えて行きたいと思います。(埼玉県・女性)
◆私たちができること、それは、自然エネルギーを第一にしていくことであり、今後も原発に頼らない生活をしていくことがたいせつであり、あまり欲をもたない。それ相応の生活をしていく。生活を工夫して、自分の家族を命を守っていきたい。(福島県 男性)
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栃木県ファンクラブのメンバーは、フォーラムの成功を目指して共に頑張り、結束もさらに強まりました。メンバーは稲葉理事、鎌田会長、橋倉、加賀、小川、福田、清水、小柴、唐澤、そして新メンバーの滝沢千春さんでした。お疲れ様でした。
森びとのフォーラムは、4月に福島県南相馬市でスタートしました。6月は千葉県と神奈川県で開催です。(栃木県ファンクラブスタッフ&事務局スタッフ 唐澤真子)
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