新たな10年の森づくりへ、志と情熱を振り返る・・その5
間もなく4年目を迎える3・11の今日。その日から私たちは“原発に頼らない森と生きるライフスタイル”を創造し、描き、実践することを提案しています。これはスローガンだけではなく、私たちが2008年から開催してきた「森と生きるキャンパスフォーラム」の5年間の実績に基づいているものです。
当会の事業のひとつである「文化交流事業」として、08年の横国大から始まった「森と生きるキャンパスフォーラム」では、日本人の森と生きてきた先人の知恵の結晶たる日本の文化を探り、日本の森をめぐる現状を把握して、討論を深めてきました。
そこでは日本の森が衰弱している現状に危機感を持ち、早速、新潟県佐渡市、山形県小国町、福島県会津若松市の森を調査しました。
その結果とフォーラムでの討論をまとめ、2009年12月には「日本の森を救う緊急提言」としてまとめ、林野庁長官、当時の民主党政府へ提出してきました。それ以降も林野庁には森を元気にする話し合いを続けています。
また、3・11以降の東大安田講堂での第5回キャンパスフォーラム(最終回)では、宮大工の技術力と木材建築の素晴らしさを再認識し、同時に、飯田哲也氏からは原発の恐ろしさと暮らしの在り方を提案され、それならば私たちは何をなすべきかと、それを理事会と通常総会で審議し、結果として“原発に頼らない森と生きるライフスタイル”を創造・実践し、社会へ拡げていこうとなりました。
その実践のひとつが南相馬市の復興事業のひとつである森の防潮堤づくり応援であり、原発事故に被災した南相馬市民と向き合って今もその暮らしのスタイルを探っています。3月15日招集予定の第10回通常総会では、森ともの皆さんと共に進めてきたこれらの事業を振り返り、今後10年の事業計画を審議していただきたいと思っています。
東京の花屋さんには小さい桜の花が咲いていました。また、仕事を終えて事務所から自宅へ帰る途中、日の入りが遅くなっていることを感じるこの頃です。(理事 髙橋佳夫)
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