現場に起って、「死んだ気になって本質に迫れ」!
「高き住居は児孫の和楽 想え惨禍の大津波 此処より下に家を建てるな」ということが宮古市の小高い場所の石碑に刻んであります(『道21世紀新聞』第32号より)。この新聞には、「畏怖・共生の自然観に戻り復興青写真」という見出しで、「復興に当たっては自然と対立し、自然を人間の都合の良いように改造すること、そのような考えでは対処できないだろう。自然を科学の技術で人間の都合の良いようにコントロールできるかの考え方を転換し、これまでの日本人が抱いていたような、自然を敬い恐れ、自然と共生し、自然から恵みをいただいて生きるという自然観に立ち返って検討される必要がある」と述べています。
ところで5年前から植えてきた足尾・松木の杜では写真のように若木が黄緑色の葉を広げ、多くの生き物のいのちを育んでいこうとしています。足下にはスミレも咲き、ビロウドモウズイカの葉も日毎に大きくなっています。宮脇昭最高顧問の厳しい指導のもとで足尾ではふるさとの木によるいのちの森が育っています。
未曾有の大震災を経験した私たち大人は、今までの観念を根底からひっくり返して見る必要があります。そこでお奨めなのが5月10日に発行された『次世代への伝言』(宮脇昭先生と池田武邦建築家の対談・地湧社)がひとつの進路を指しています。特に、Ⅳ章が人間の未来の生き方として参考になると思いました。
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