未来を見据えた森づくりが大切だ!
東京は冬に逆戻りという天気だそうですが今日の母島は爽やかな夏のようです。天気に恵まれた今日は母島固有種が多く棲息している原生林を観察しました。9時過ぎ、堺ケ岳登山口を出発して約6時間ほどメグロやメジロ等の鳥がさえずる原生林の中を観察しました。 広域に生きている樹木はモクタチでこの木の寿命は短く、枯れて土に還る働きをしています。そこに主木のウドノキ、アカテツ、オガサワラグワ、ホルト、ハツバキ等が原生林となって生きています。ウドノキは大人4名が手を回しても届かないほどの巨木になり、オガサワラグワも巨木であったことを物語る切り口がいくつもありました。星さんの案内によるとオガサワラグワは明治神宮の門を作製するために多く切り出されたようです。
この原生林で問題になっているのはアカギが増えすぎて母島固有種の樹木を弱体させていることです。戦時中、この地では昭和18年頃まで鰹節作りが盛んに行われましたが、この年頃から引き上げ者が内地へ戻ってしまうと鰹節作りは収束しました。燻り出す燃料としてアカギが鰹節作りには欠かせない木であったと言います。そのために国の政策としてアカギを植林しましたが、引き上げ以降は放置されそれが貴重な固有種を弱体化させています。現在、伐ったり薬剤を注入したりしてアカギを枯らしていますが、現場ではアカギの勢いが強いと感じました。房総のマテバシイ植林と放置による森の衰弱、杉の植林と放置による森の衰弱と同じような問題が母島では起きていました。
案内してくれた星さんは母島固有種を絶やさないために種から苗木を育て、母島の原生林を守っていました。星さん、茂木さんありがとうございました。
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