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2021年10月12日 (火)

富士山も中倉山の無言の語り木(孤高のブナ)を見守っていました。

 本日は10月11日、早朝の足尾は霧に覆われていましたが、陽が昇り始めると徐々に霧が晴れ、青空が広がる暖かな1日となりました。

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  今日は、11月3日(文化の日)に開催する『中倉山「無言の語り木」(孤高のブナ)を元気にする恩送り』の下見で中倉山に登るため、足尾ダムゲートに7時10分集合。一路登山口を目指しました。

登山口までの道路は、落石が除去され歩きやすくなっていました。台風が来ると斜面の岩や石、倒木が道路にひろがり、歩きづらくなっていますが、整備していただきありがとうございます。ダムゲートから30分程歩くと砂防ダムが現れますが、工事中の為、登山者用に迂回路が整備されていました。 

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 8時に登山口に到着。呼吸を整え登山開始です。ブナの根を保護し、斜面の流出を抑えるために10ℓの黒土と植生袋をリュックに詰めていますので、無理せず足元を確かめながらつづら折りの登山道を登りました。

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 東側の備前楯山に陽が昇ると林内に光が差し、木の葉が輝きだします。足もとを見ると、ミズナラのドングリが沢山落ちていました。済賀さんは、自宅でポット苗をつくるために拾いながら登っていきます。時折、コーン、コーンとドングリの実が木に当たる音が林内に響きます。

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 9時40分に最初の尾根に到着。小休止し、ミズナラの森を直登します。直登が終わると少し下りになるので足が楽になります。木々の隙間から、中倉山の尾根に立つ「孤高のブナ」が見えました。“待っててくれよ!“と心の声が漏れます。 

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 尾根コースにルートを取り、歩を進めると赤く染まりはじめたツツジが現れました。北側を流れる松木川。眼下には森びと広場、臼沢の森、松木・新松木、民集の杜が広がっています。紅葉はまだのようですが、ヤシャブシの濃い緑の中に、明るい緑の森が点在しています。11月3日の「恩送り」の日には紅葉が楽しめることでしょう。 

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 尾根筋の笹の中に、可憐な紫色の花のフデリンドウが点在していました。

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南の山々を見渡すと、遠くに富士山が頭を出していました。いつもは雲がかかり見ることができないのですが、今日は見渡すかぎり青空が広がり、北には男体山の山頂が見渡せました。 

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 南側の山の斜面の中には赤や黄に染まり始めた木々が出始めました。これから本格的な紅葉に変化していきます。 

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 山頂を超えると、尾根に凛と立つブナが見えてきました。久しぶりに“家族”に会える気持ちになり足が速くなります。10時50分ブナに到着し、まずは根を保護するために張り付けた植生袋の確認をしました。生えた草はしっかりと斜面に張り付き根を保護していました。背負い上げた植生袋に黒土を入れ、土壌がむき出しになっている部分に張り付けました。

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 次に、ブナの幹、枝、葉、根を観察し、ブナが衰退していないかを点検しました。樹木の専門家ではないので十分ではありませんが、枝が枯れていないか、葉は小さくなっていないか、幹に傷はないか、根はむき出しになっていないかなどを観察しました。

  見上げると、枝の枯れが目につきました。風が強い尾根に生えているので、葉っぱは小さく、風で葉が傷つけられている様子も見受けられます。

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  故宮脇先生から「木は根、根は土」と指導を受け、ブナの根を保護するために植生袋を張り付けてきましたが、北斜面の崩壊は尾根中央を通る登山道にも及んできているようです。11月3日、森ともの皆さんと「無言の語り木(孤高のブナ)」に会いに来ますので、ブナの声を掴みたいと思います。 

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 11時40分下山を開始。下りは膝に体重がかかるので、あわてず、急がず、一歩一歩を着実に、下山しました。13時15分に登山口に無事到着。森びと広場に向かい、“みちくさ”に到着すると高橋さんが昼食の準備をして待っていてくれました。遅めの昼食をとり一息つくことができました。ごちそうさまでした。 

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 明日は、JR貨物労組の皆さんが臼沢の森の植樹地の補植に来てくれます。昼食後に、植える苗木にたっぷりと水を吸わせ、「臼沢の森」の前の金網の中に置き準備をし本日の森作業を終了しました。 

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小さな苗木が「いのちを守る本物の森」の一員になれるように育てていただくようお願いします。

本日の森作業は、済賀さん、坂口さん、清水、地上での連絡員兼舎人の高橋さんでした。

(報告:清水 卓)

 

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