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2020年3月22日 (日)

人生の一歩を踏み出す“森の卒園式”。子供たちの未来を守るために豊かな森を育てよう!

 新型コロナウイルス感染防止のため、各地で時間短縮や出席者を制限して卒業式が行われる中、3月17日埼玉県内の幼稚園が日高市の雑木林で卒園式を行ったことをニュース(3/18毎日新聞)で知りました。ニュースによると、同幼稚園は春と秋に自然体験をする雑木林を初めて卒園式の会場に選んだそうです。

 

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 卒園生と在園生、父母が出席し行われた卒園式は、園児たちが園で学び体験した中で、頑張ったことを一人ずつ発表し、園長先生から卒園証を受け取ると、誇らしげに掲げて見せました。在園生からは「分からないことを教えてくれてありがとう」などの言葉とプレゼントが贈られ、最後に全員で一緒に歌を歌いました。卒園生たちは「園内より林でやれて良かった」と笑顔がこぼれたようです。子供の成長を見守ってきた保護者からも、“森の卒園式”は「最高でした」と感想が述べられていました。
 森の中のかけっこ、木登りや枝に吊るしたブランコ遊び、拾い集めたドングリの工作、ふかふかの落ち葉のじゅうたんづくりなど、楽しそうな子供たちの様子が頭に浮かびます。

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 人生最初の「節目」となった“森の卒園式”の経験は、木々や竹と同じように、小さな子供たちが、これからを生長(成長)していく上で、困難に遭遇しても強く、高く伸び、前に進むことができることでしょう。そして、森での自然体験は「知恵」と「五感」「思いやり」も育ててくれたのではないかと思います。

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 当委員会も「親子自然教室」を開催し、親子で森に入り木々に触れ、風の音を聞き、感じたことを語り合いました。一人ひとり感じ方や表現の仕方の違いを受け止め、互いを尊重し共生していくことを学びました。森の下で栄養豊かな土壌づくりをしているミミズやササラダニなど人間以外の生き物とも共生していることも学び、私たち人間は森に生かされていることを実体験しました。
 子供たちの冒険心・芸術心を沸き起こし、安心して遊べる雑木林を育てている方々のご苦労も思い浮かびます。

2008  【2008年 森びと親子自然教室】

Dscf7203  【2008年 森びと親子自然教室】

 私たちに『人間の都合で森は育てられない』ことを15年の森づくりが教えてくれました。シカやサル、ネズミなどによる食害、地震や台風が襲来すれば落石で獣害柵が破れ、雨が降らない日が続くとポット苗が枯れしまう。草刈りも放置するとあっという間に幼木が隠れ枯れてしまいます。学校や幼稚園の校舎内では学べないことが森の中にはたくさんあります。幼稚園の在園生同様、大人になっても「分からないこと」は多く、森から学ぶ日々が続いています。
 足尾の森びとスタッフは年間100日以上森作業に入り、育樹・育苗、道具の手入れ、森の案内等々、森を育ててくれています。朝のミーティングでは、一緒に森作業を行うスタッフの体調にも気づかい、互いに、元気に森づくりができる環境づくりのこころ配りをしてくれます。

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 国連のグテレス事務総長は新型コロナウイルスの感染拡大について「国連75年の歴史にない地球規模の衛生危機」(3/19)と国際社会の結束を呼びかけました。新型コロナウイル同様、気候変動・地球温暖化によって「地球規模の危機」が拡大し続けています。人間社会への警鐘を受け止め、地球温暖化にブレーキをかける運動は世界の人々の「結束」が重要です。

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 28日の総会には、東日本各地で森づくりを担う“強者ども”が結集します。子供たちの未来を守るために「地球温暖化防止は待ったなし!」、故岸井成格前理事長をはじめとする先人の遺志を継承していく情熱と志を共有したいと思います。

(理事・清水 卓)

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