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2017年5月の26件の記事

2017年5月 7日 (日)

大量生産大量消費の暮らし方にさよならするライフスタイルを語り合いたい植樹祭!

3日のブログで紹介したカタクリは花を閉じた。と同時に、周囲の木々たちは若葉を広げ、ウワミズザクラは花芽を脹らませました。

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 透き通る青空から降り注ぐ陽ざしによって奥山の凍土化した地中も緩み始めたようです。いつもの生物社会の循環が動き出しているようです。

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 生きものは酸素を吸収して生き延びていますが、供給元は森林でることはご承知の通り。アマゾンの熱帯雨林は世界の森林の13%を占め、広さは日本の14倍である。この森は地球の酸素の1/3を生きものに供給し、排出される二酸化炭素の1/4を吸収している、という。ところがこの森は毎年約300万ha(長野県の2倍)が、伐採と火災で失われている。2000年から10年間には、毎年1.300万ha(日本国土面積の1/3)が失われている、という。(『まんが地球憲章』より)。

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 日本では豪雨による深層崩壊が各地で発生し、森が失われている。森の力で土砂をガードできないほどの雨が降っているのである。

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 昨年のデータによれば、地球上で排出される二酸化炭素の44%が森と海に吸収されていない、という。森が失われていくと水の問題に発展し、それは農作物や漁業に悪影響を与える。

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 地球が厚いビニールハウスに覆われてしまっていることが原因だが、大量生産大量消費の暮らし方にサヨナラしないと大変なことになってしまう気がする。第36回足尾・ふるさとの森づくりで昼食・交流の場である「トーク」では、森とも暮らし方を語り合いたい。(理事 髙橋佳夫)

2017年5月 6日 (土)

森と寄り添う村人の暮らしを振り返る森づくりで会いましょう!

 一昨日、当委員会のブログ「みちくさ日記」で舎人当番の唐澤さんが紹介したモズの写真を見て嬉しくなった。

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 松木沢に棲むモズは他の鳥たちと比べて子育てが早い。このモズの鋭くイキイキとした眼を見ると、間もなく巣立ちを迎えている様子が伺えたので嬉しくなった。

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 若葉が広がっていくと木々には虫たちが寄ってくる。アブラムシを求めて蟻やテントウムシが、若葉を食べに蝶や蛾の幼虫が、アブラムシも水を求めて寄ってくる。そこに鳥やトカゲやカナヘビが餌を求めてやってくる。

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 多分、モズはこのトカゲをゲットしたのではないかと思うと、生物社会の植物連鎖が綿々と行われていることが嬉しい。

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 この写真は狙って撮れるものではない。まして、モズはシャッターを押すまでこのポーズを待っているわけでもない。この時季、“一番早く子育てをするのがモズだ”、という意識がなければ、鳴き声は耳に聴こえてこない。

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 当委員会が植樹している場所は旧松木村跡地。当時の村びとは、鳥たちの囀りで四季の移り変わりを感じ、鳥たちに寄り添って暮らしていたのではないか、と思う。5月20日に開催する第36回足尾・ふるさとの森づくりでは、そんな村人の暮らしも振り返ってみてほしい。(上の写真はハクビシン・理事 髙橋佳夫)

 

2017年5月 5日 (金)

地球温暖化にブレーキをかけられる森づくりでお会いしましょう!

 立夏です。昨日は北海道内では真夏日でした。朝夕は平年並みの気温ですが、日中には先月は夏日、今月に入って真夏日を記録しました。寒暖の差が20度もある日が気にかかります。

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 昨日、足尾松木沢では、20日に開催する「第36回足尾ふるさとの森づくり」の植樹会場のひとつである「臼沢の森」で堀を掘りました。ここは一旦植えたところですが、鹿やウサギの食害に遭い、捕植しなくてはならなくなったところです。

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 うぐいすが鳴く爽やかな陽ざしの中、久しぶりの森作業に汗を流しました。

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 ここまで登るには急斜面の階段を300段以上登らなければなりませんが、この階段は10年以上前に造ったものです。腐っている所もあるので、昨日はその丸太を荷揚げしました。さらに補修する場所には目印を付けました。

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 今日は子供の日、子供たちの命の基盤でもある地球の大地。未来を生きる子供達の命を育む大地が心配です。森や海が地球上で排出される二酸化炭素量の40%が吸収できないようです。昨日の森作業がこの現状を少しでも打開できるのではないか、と思うと疲れが吹っ飛びます。5月20日の植樹祭にお会いできることを楽しみにしています。(報告 水落逸一郎、宮原哲也)

 

2017年5月 4日 (木)

森と生きる暮らしを語り合う足尾・ふるさとの森づくりで会いましょう

 間もなく足尾・松木沢周辺の荒れ地でも「緑」色が目立つようになる。この時季の若葉のパステル調の色は心を和ます。

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 若葉が大きくなると孵化した昆虫たちが若葉に集まり、美味しい若葉を食べて成虫になり、命をつなぐ。

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 足尾・松木沢にもオオルリが鳴きはじめ、間もなくキビタキも囀りだす。若葉に集まる虫たちに支えられて命をつないでいく鳥たち。これから森の中では子育てで忙しくなる。

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 若葉のパステル調色はパソコン等で疲れた目を癒し、鳥の囀りでは気分も和むのが嬉しい。その上、瑞々しい空気に触れると砂漠化した気分が清々しくなるのも有難い。

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 この恵みはお金を支払って得られるものではない。全ての生き物が平等に草木から恵まれている。この時季は草木(森)が全てのいのちの源であることが実感できる気がする。

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 でも、この恵みが無限ではないことに気が付かなければならない。森はその警告を発している。5月20日の開催する第36回足尾・ふるさとの森づくり(植樹祭)では、森と生きる暮らしも語りあいたい。(理事 髙橋佳夫)

2017年5月 3日 (水)

足尾・ふるさとの森づくりでお会いしましょう!

 昨日、足尾では鎌田、松村スタッフが足尾で植樹祭の準備作業を行った。事務所では植樹祭の事務作業と参加呼びかけを行った。

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 八十八夜の昨日、奥山では霜が降った。

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 奥の森は春が始まったばかり。カタクリの花がここぞとばかりに咲いている。10日もするとこの花の勢いはなくなる。

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 この頃になると落葉広葉樹の若葉が膨らみ、その翼を大きく広げてくる。

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 その後、カタクリは日陰で根を広げ、それは料理の味を豊かにしてくれる。木々はカタクリの命がつながっていくまで葉を広げない。紫色の花が衰弱する頃まで、じっと葉を広げずに待っているようだ。

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 人間社会のけん騒の中ではカタクリのいのちを支えるまで葉を広げることを我慢しているような生物社会のひとこまを感じることが少ない。

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 5月20日の第36回足尾・ふるさとの森づくりでは、こんなひと時も感じ取っていただけるような植樹祭にしたいと願って準備をすすめたい。(理事 髙橋佳夫)

2017年5月 1日 (月)

中倉山に、凛として立つ“孤高のブナ” 森ともの理解と協力で守っていこう! 

「孤高のブナ」に合うのが3度目となる「春の感謝デー」は“歴史的な日”になりました。

 “煙害”に耐え生き続けたブナを保護するために、根の上が登山道となっているルートを少し迂回していただくために、根の張っている“根端”の外に杭を打ちロープを張るために30名の“森とも”の一員として中倉山の頂上を目指しました。

 

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鉄筋の杭6本を背負い登山道入り口を8時25分に出発し“孤高のブナ”へと山道を登りました。つづら折りの山道を一歩一歩足元を確認しながら登り、尾根から松木川沿岸の植栽地が見えたときは、植えた木々が根付き育っていることが確認でき感動しました。

 

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一方で、茶色い地肌がむき出しとなった山の斜面を見ると自然が回復するまでにどれだけの年月と労力が必要になるのだろうかと心が痛みました。自然を壊すのに時間はかからないが、回復するには1000年単位の時間が必要なのではないか。それは、一本の木を植えることから始まるということを改めて気づかせてくれるシーンでもありました。

 

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“孤高のブナ”に到着し、林野庁日光森林管理署・浪岡保男署長の指導で鉄筋の杭を打ちロープを張りました。ロープを張るにあたっては、植木職人でもある大塚インストラクターの指導を受け、たるみの無いように張ることが出来ました。

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煙害に耐え、厳しい自然と向きい、今も凛として立つブナは“歴史の証人”として“自然の語り部”として、これからも守り続けなければならないと思います。

 

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筆者も山登りを初めて35年ほどたちますが、登山道を登るときに木の根を踏むのは当然のような行為で、木の根が滑落を防いでくれるといった気持でした。ですから、木の根本付近にある登山ルートを変更されることに疑問を持つ登山者もおられるかと思います。

 「木は根、根は土」と言われ、木の生長には根の働きが重要になります。「植物は知性を持っている(NHK出版)」によると、「根端つまり根の先端に地中での根の成長を正しい方向に導く機能と、水、酸素、養分を探して土の中を探検する機能を持っていることは、一般に知られている。」「各根端は、数多くの変数を計測している。たとえば、重力、温度、湿度、磁場、光、圧力、化学物質、有毒物質(重金属など)、音の振動、酸素や二酸化炭素の有無など。」と報告しています。

 

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“孤高のブナ”も厳しい自然の中を生長していくために、自然の変化を根で捉え根端を伸ばしてきました。山を愛する登山者・“森とも”の理解・協力で“孤高のブナ”を守っていきましょう。

 下山後の昼食には、愛情こもったカレーライス、沖縄から送られた島ラッキョウ、千葉の春キャベツとタケノコのスープ、群馬のこんにゃくの煮つけなどのごちそうが並びました。中倉山のブナを元気にする“恩送り日”と共に、人間は森に生かされていることに感謝し、おいしくいただきました。ごちそうさまでした。

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帰り道の途中で大きな虹が出ました。雨上がりの空に自然のつくる芸術を見ることが出来ました。

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(報告 清水 卓)

森びと検索

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