森の友だちに感謝したい5年目の3.11
昨年3月、3千人のボランティアで植えた森の防潮堤。その木々たちはごらんの通り、浜風に耐え抜いて生きている。
苗木を支えているのは根だが、この根は5年前の大震災で被災した市民の悲しさ、悔しさ、そして笑い声などの想い出を包み込んだ盛土に張っている。
近くでは30年以上かかる廃炉作業が続けられ、広大な放射能汚染地域では今でも10万人が避難生活を強いられている。その上、30年もの間に原発事故が起こらないかとの心配、その作業が終わったとしてもプルトニウムの恐ろしさは消えない。
そんな中で、農家の方は風評被害で農業をする元気が湧かない。漁師もしかりである。子供たちは、生きる技を学べる森にも入れない。政府は森林の除染をやらないことにした。
3月27日には3回目の植樹祭が南相馬市で実施される。この「鎮魂復興市民植樹祭」には多くのボランティアが集まってほしい(上の写真:今年の植樹会場)。
その出番を待っているのが、写真のような幼木たちである。JR東労組の組合員・家族、その活動を支援している全国の里親、そして苗木提供などの植樹祭応援をしている当会によって、この幼木は出番を待っている。
後10年もすると、この幼木たちは全ての生きものたちの命を育む森に育つ(写真:南相馬市・岩橋孝事務局員)。
やがてそれは“原発に頼らない新しいふるさと”の基盤に育つ。森(自然)は人間の努力を無駄にせず、加勢していることを忘れてはならない。「復興」の基盤は森づくりにあると言っても過言ではない。私は森の友達に感謝したい。(理事 髙橋佳夫)
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