« 南相馬市の森の防潮堤応援作業納め | メイン | 森の力を信じて“山と心に木を植えた”1年間、健やかな新年をお迎えください »

2018年12月30日 (日)

雪に覆われた松木の山里。落葉した杜に生き物の暮らしを発見。

今年最後の作業日となった29日は日本海側を覆った寒波により足尾も雪に覆われました。
朝、育苗作業で足尾に向かう橋倉スタッフに足尾在住の塚原さんから「足尾は3cmくらい雪が積もっているから気を付けて」と連絡が入りました。道路状況や作業の安全を気づかいしてくださる塚原さん、ありがとうございます。

Pc297997

松木の作業小屋までの道は雪で覆われ、スリップに気を付けながら徐行で向かいました。
作業小屋に到着し温度計を確認すると氷点下3℃です。つららも下がり、森びと広場は7cmほどの降雪です。ストーブに火を入れ、作業の打ち合わせを行いました。

Pc298044

Pc298032

Pc298034

Pc298027

本日は橋倉スタッフの知人で児童文学協会理事の高橋秀雄さんが参加してくれました。橋倉スタッフと高橋さんは下苗床ビニールハウス内の苗木撒水、筆者の清水は作業小屋へのランプ増設とソーラー発電の点検です。

Pc298053

Pc298098

ビニールハウス横の露地の苗は雪をかぶり寒さに耐えています。ハウス内のポット苗には霜柱が立っているものもありました。寒さで散水機が動かず、ジョウロでの撒水となりました。

Pc298073

Pc298077

Pc298085

Pc298083

作業小屋にはランタン(LEDランプ)が提げてありますが、北側の明かりが不足しているため、サラダボールをランプの傘にした手作りのLEDランプ(60W相当)を増設しました。曇りの日や中倉山に陽が隠れた後の打ち合わせも明かりのもとでできるようになります。

Pc298063

 

ソーラーパネルに雪が積もり発電が十分に行えないため、ソーラーの雪を払いました。舎務室のソーラーは台座を木材で仮設していたので鉄骨の台座を作成し付け替えました。冬場の強風にも耐えられます。今回は舎務室にランプをつけることが出来なかったので来年2019年の宿題にします。


Pc298071

2018_1229_115404dscn6038

Pc298108

Pc298112

12時頃3人のハイカーが松木渓谷に向かっていきました。水源確認を行っていた橋倉スタッフが声をかけると「滝を見に行ってきます」と雪の中を松木川上流に向いました。

Pc298131

昼食休憩では、橋倉スタッフ持参の干し芋をストーブで温めいただきました。アツアツ、ホクホク。焼いたことで甘さの増した干し芋は最高に美味しかったです。ごちそうさまでした。

Pc298157

「みちくさの庭」内の池が心配で見に行くと、池の8割程が氷と雪で覆われていましたが水はちょろちょろと流れていました。カワニナは春を心待ちに冬眠しているのでしょうか。

Pc298190

Pc298191

ミツマタの花が咲き始めていましたが雪をかぶり縮こまっています。植えた花木が足尾の厳しい冬を耐え、春に花開く様子が楽しみです。


2018_1229_121423dscn6045

Pc298195


Pc298173


Pc298174

民集の杜の土砂流入で壊れた柵がスタッフの手で修繕され、様子を見に行きました。無事でした。北側の杜を見るとウグイスの巣に雪が積もっていました。葉が生い茂っているときは見つけることは困難ですが、落葉後に森の生き物たちの暮らしの跡を見つけることが出来ました。


Pc298221


Pc298223

国土交通省は26日、2018年に発生した土砂災害は茨城、栃木、東京を除く44道府県で3451件に上ったとの速報値を発表しました。集計を始めた1982年以降で最多。17年までの年平均の3.4倍となりました。地球温暖化による豪雨や台風の増加が懸念されています。(12月27日付・下野新聞)
また、気象研究所(茨城県つくば市)などの研究チームは日本の今年の猛暑は地球温暖化の影響がなければ、ほぼ起こらなかったとする分析結果をまとめました。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」では産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満にすることを目指していますが既に1度上昇しています。チームの今田由紀子・気象研主任研究官は「温暖化が進み1.5~2度上昇すれば、過去数回しか経験したことがないような猛暑が当たり前になる可能性がある」と指摘しています。(12月29日付・毎日新聞)
温暖化の原因でもある二酸化炭素の排出量を抑えることと同時に、吸収源である世界の森の状況にも目を向けなければなりません。

松木周辺の山々が雪に覆われると白と黒、茶色の景色が広がり、かつて煙害や山火事で木を失った様子を想起させます。人間の壊した自然は人間の手によって回復させなければならないと、「山と心に木を植える」ため、2005年ここ足尾で植樹を開始しました。臼沢の森は木の根元で落石を抑え、水を貯え、土砂流出防備林・水源涵養林としての機能を発揮しています。松木・民集の杜は多様な生き物の暮らす命の森へと生長し続けています。人間も生物社会の一員として森に生かされていること捉え返さなければなりません。


Pc298116

 


Pc298041


地球温暖化にブレーキをかける運動は“待ったなし!”
2019年も多くの森ともの皆さんと共に“人間の命と自然を大切にする心”を育み、地球温暖化にブレーキをかけていきましょう。
本日の森作業は橋倉スタッフ、高橋秀雄さん、筆者・清水でした。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/330076/34164257

雪に覆われた松木の山里。落葉した杜に生き物の暮らしを発見。を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

森びと検索

最近のトラックバック