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2017年5月 1日 (月)

中倉山に、凛として立つ“孤高のブナ” 森ともの理解と協力で守っていこう! 

「孤高のブナ」に合うのが3度目となる「春の感謝デー」は“歴史的な日”になりました。

 “煙害”に耐え生き続けたブナを保護するために、根の上が登山道となっているルートを少し迂回していただくために、根の張っている“根端”の外に杭を打ちロープを張るために30名の“森とも”の一員として中倉山の頂上を目指しました。

 

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鉄筋の杭6本を背負い登山道入り口を8時25分に出発し“孤高のブナ”へと山道を登りました。つづら折りの山道を一歩一歩足元を確認しながら登り、尾根から松木川沿岸の植栽地が見えたときは、植えた木々が根付き育っていることが確認でき感動しました。

 

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一方で、茶色い地肌がむき出しとなった山の斜面を見ると自然が回復するまでにどれだけの年月と労力が必要になるのだろうかと心が痛みました。自然を壊すのに時間はかからないが、回復するには1000年単位の時間が必要なのではないか。それは、一本の木を植えることから始まるということを改めて気づかせてくれるシーンでもありました。

 

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“孤高のブナ”に到着し、林野庁日光森林管理署・浪岡保男署長の指導で鉄筋の杭を打ちロープを張りました。ロープを張るにあたっては、植木職人でもある大塚インストラクターの指導を受け、たるみの無いように張ることが出来ました。

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煙害に耐え、厳しい自然と向きい、今も凛として立つブナは“歴史の証人”として“自然の語り部”として、これからも守り続けなければならないと思います。

 

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筆者も山登りを初めて35年ほどたちますが、登山道を登るときに木の根を踏むのは当然のような行為で、木の根が滑落を防いでくれるといった気持でした。ですから、木の根本付近にある登山ルートを変更されることに疑問を持つ登山者もおられるかと思います。

 「木は根、根は土」と言われ、木の生長には根の働きが重要になります。「植物は知性を持っている(NHK出版)」によると、「根端つまり根の先端に地中での根の成長を正しい方向に導く機能と、水、酸素、養分を探して土の中を探検する機能を持っていることは、一般に知られている。」「各根端は、数多くの変数を計測している。たとえば、重力、温度、湿度、磁場、光、圧力、化学物質、有毒物質(重金属など)、音の振動、酸素や二酸化炭素の有無など。」と報告しています。

 

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“孤高のブナ”も厳しい自然の中を生長していくために、自然の変化を根で捉え根端を伸ばしてきました。山を愛する登山者・“森とも”の理解・協力で“孤高のブナ”を守っていきましょう。

 下山後の昼食には、愛情こもったカレーライス、沖縄から送られた島ラッキョウ、千葉の春キャベツとタケノコのスープ、群馬のこんにゃくの煮つけなどのごちそうが並びました。中倉山のブナを元気にする“恩送り日”と共に、人間は森に生かされていることに感謝し、おいしくいただきました。ごちそうさまでした。

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帰り道の途中で大きな虹が出ました。雨上がりの空に自然のつくる芸術を見ることが出来ました。

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(報告 清水 卓)

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コメント

中倉山”孤高のブナ”恩送り日では大変お世話になりました。

孤高のブナとの出会いは感動でもあり、衝撃でもありました。帰ってきてからも折々にブナのメッセージを考え続けています。

初めはブナに対して「逞しく生き続けてくれてありがとう」という気持ちでしたが、日が経つにつれ、山から消えて行った無数の生命の怒りと無念さを伝えるために過酷な環境を生き抜いているのではないか。

そう思った時、孤高のブナは、昔の行者が山中に奉った不動明王像のような気がしたのです。(不動明王は、悪と煩悩を鎮め、すべて生あるものを救うために忿怒の姿をしているらしいので・・・)


その貴重なブナを守る一助を担わせていただき心より感謝しております。


写真をお送りくださるとのメールまでくださり本当にありがとうございます。

上記メールアドレス宛てにお送りくださると助かります。よろしくお願いいたします。

20日の植樹祭にも是非参加させていただきます。


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