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2010年10月12日 (火)

いのちを育む世界の森を元気に!

 Pa111220 森林組合で働いているSさんからメールが届きました。彼の仕事は森林現場に入って森づくりをしていますが、その彼が検討結果を来月とりまとめて予算化する「森林・林業再生プラン」に関する政府の姿勢に怒っていました。彼は、“山村を潰してしまえば林業は成り立たない。どんな高性能林業機械を導入した専業林業家だけでは日本の森林をカバーできない。”と主張していました。

確かに、このプランは経済優先・木材利用を促進していくことだけが中心になっています。「理念1:森林の有する多面的機能の持続的発揮」と基本理念が書かれていますが、現在、日本の森が衰弱している原因やその対策を通じて森の機能を発揮していく具体策が講じられていません。10年間に豊かな森林をどのように活かしていくか、ということだけがプランとなっています。100年先以上の森を元気にするための政策を進めながら生活の中に木材を利用していくという理念ではないようです。劣悪な労働環境下と現場で森と向き合って汗を流してSさんに拍手です。

Pa111188 近頃、テレビでは生物多様性の番組が目立ちます。今日は「生物多様性オフセット」なることをNHKTVは放送していました。それは企業の開発(=自然破壊)を許可する条件として自然破壊する部分の代償として自然再生する(プラス・マイナス・ゼロ)ことを義務づける、と言うことでした。疑問視する学者の方もいましたが、番組ではこの義務づけをしている国は世界で53ヶ国もあるのに日本は義務化されていない、ということを訴えかけているようでした。

ここでも生物多様性問題は経済優先が先にありました。現代はオフセット云々の対処的な考え方では地球を、生物を守ることはできないことは誰もが実感しているのではないでしょうか。世界の森は悲鳴をあげ、地球は人間の傲慢な生き方に怒っています。森の現場に立たないと秋色(森の素晴らしさ)に感動できないように、COP10もコンクリートジャングルで開催するのでなく世界の森の中で論議すると“森と生きる進路”が見えてくるかもしれません。

当委員会は、11月14日に第3回「森と生きるキャンパスフォーラム2010in慶應」を開催します。報告・討論では日本の森を元気にするための問題と課題を明確にして、対策は政府へ要望し、私たちは日本の森を元気にする運動をスタートさせたいと願っています。

Pa111177

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