“里親植樹”の木々が豪雨と猛暑、草に負けず生長しています。
9月23日(火)、「彼岸の中日」の松木郷は、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、これまでの暑さが嘘のような涼しさを感じる日となりました。
足尾の天気は晴れ、9時の気温は15度。15日に続き「臼沢西の森」の草刈りを行うには最高の気温となりました。
今日の森作業は、午前中は、新型コロナウイルス感染が蔓延した2022年に植樹希望者に代わり苗木を植えた“里親植樹”地の草刈りと、“里親植樹”以外に森びとスタッフが植樹した苗木の樹種調査。午後は、足尾町民の方から提供していただく、シャリンバイ、メグスリノ木、ウド、サンショウの木の移植場所の選定と穴掘りを行うことにしました。
ススキやカヤが生長し茎も硬くなっているため、カマの他に刈り込みバサミを準備し、刈払機の刃も通路の柵と石で跳ねられ幼木を傷つけないようにワイヤーに取り替えました。
森作業の安全を願い「臼沢西の森」に向かう途中にある祠に手を合わせました。
階段下から植樹地を見上げると、背丈を超える草に木々が覆われていることがわかります。今日は森作業には10名のスタッフが参加していますので、ハチに刺されないように注意を呼びかけ、植樹地の各段に入って草刈りをスタートしました。
草と一緒に苗木を切らないように、草をかき分けながら刈っていきました。鎌田さんはワイヤーの刈払い機で通路の草刈りを行いました。松木川から吹き上げる沢風に当たりながら草刈りを進めますが、やはり汗ばみますので「休憩!」と声をかけ水分補給をしながら作業を行いました。
“里親植樹”以外に森びとスタッフが植樹した苗木の樹種調査を行っていくと、幹ガードが付けられている苗木は食害や草の影響をあまり受けないため大きく生長していますが、やはりウサギの食害や草に埋もれて枯れてしまった木も見受けられます。それでも根元から枝を伸ばす“孫生え”(ひこばえ)を見ると、荒廃地で懸命に生きようとする樹木の“生命力”に「がんばれ!」と声がでます。
草を刈り進めていくと、草で見えなかった西側の獣害柵が内側に大きく傾いていることがわかりました。大雨で斜面上部の岩が崩れ土砂と一緒に亀甲金網に覆いかぶさっていました。
済賀さんが指揮をとり、倒れた獣害柵の西側に、新たに柵を設置しました。11時30分になっていましたが昼前に終わらそうと、手わけして柵、亀甲金網、単管、大ハンマーなどを広場に取りに行き、手際よく取り付けました。冬の降雪量を考え小動物が入らないように上部にも亀甲金網を張り付けました。森づくり20年のベテラン勢の手にかかるとアッという間に新しい柵ができました。
気候変動の影響により、日本国内はもとより世界各地に土砂崩壊や洪水被害を与えていますが、ここ足尾では、荒廃地に木を植えて“備える”ということの大切さを強く感じました。
午後は、4月25日の「花見の会」に参加いただいた足尾町民の方から提供いただける樹木を植える穴掘りを行いました。メグスリノ木は、生長した時に参加者の日よけになるようにと「うんしゅう亭」の前に植えることにしました。根がしっかり張れるように1m×1mの穴を掘ろうと、山内さんが石の多い地面を掘り進めてくれました。
シャリンバイは強い日差しを嫌がるので、森びと広場西側の桜と柿の木の間に3つの穴を掘りました。こちらでも、スコップを入れるとすぐに石に当たるため、ツルハシで地面を柔らかくしながら掘り進めました。
最後に、10月に森づくりを応援して下さっているJREUの組合員・OB会の皆さんが松木郷の森散策(エコ散歩in足尾)にきてくれます。その際の記念植樹の樹木選びと植樹場所の選定を行い、森作業を終了しました。
森びとスタッフの皆さん、大変お疲れ様でした。
本日の森作業は、鎌田さん、本間さん、橋倉さん、大野さん、加賀さん、済賀さん、山内さん、矢口さん、田口さん、筆者・清水でした。
(報告 清水 卓)
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