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2020年7月26日 (日)

猪、鹿、熊の“ふるさと”になる松木の森(杜)たち

 本日7月26日は「臼沢の森」上部の草刈りを計画していましたが、昨日から続く雨天のため、斜面での刈り払い機やカマの使用は危険なため安全を考慮し中止と判断しました。

 森作業に参加を予定していた栃木県ファンクラブ会長の加賀さんから連絡があり、「日光城山の森づくり」の資材準備で鎌田さんと足尾に入りたい」と連絡があり、筆者も作業予定であった「臼沢の森」の草刈り予定地の状況把握のため、3人で足尾入りすることにしました。

P7260741_2 雨天の中、8時30分に足尾ダムゲートに集合。「森びと広場」に向かうと、松木の杜の中から『何しに来たんだい?』というような顔を向けているシカがいました。 

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 作業小屋で朝のミーティングを行い、「日光城山の森づくり」の資材準備終了後に「松木の杜」の獣害柵点検とシカの追い出しをすることにしました。

 松木の杜の草も伸びており、シカが草に隠れるとなかなかみつかりません。笛を鳴らしながら鹿追をしました。獣害柵に穴の開いた箇所が見つからないため、柵を超えて入ったようです。松木の杜の中の幼木も草に埋もれていることから、鎌田さんと加賀さんは松木の杜の草刈りを行うことにしました。筆者は「臼沢の森」を目指しました。 

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 「臼沢の森」の階段を登ると薄暗く、林床は雨に濡れしっとりとしています。年度ごとの森の生長の違いが感じられます。上部の植樹地は食害防止のため外網の内側にもう一つ網を張っていますが、長雨の影響か大きな石が落石し網を破っていました。落石を受け止めた金網が大きく曲がっています。

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P7260808 落ち葉の積もった表土のあちこちに掘られたあとがあり、耳を澄ますと会話のような声が聞こえました。よく聞くと「ブーブー」というかわいい鳴き声で、斜面を見上げると小さなイノシシが数匹草むらに隠れていきました。イノシシの親子が落ち葉の中のミミズを探していたようです。

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  注意を払いながら登り、草刈り予定地につくと、ここも土が掘り返されていました。幼木を確認すると草から頭を出している木と草と背丈が同じくらいになっている木がありました。梅雨が明けると蒸し風呂になりそうです。あらためて草刈り日を設けて幼木に松木渓谷の風を送りたいと思います。 

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 下山は東側の金網点検を兼ねておりました。前回修繕した場所の下の土が掘られ行き来する穴が数か所つくられていました。イノシシやシカの獣道がつくられています。岩を置いて塞いだ場所の横の金網を持ち上げて侵入するなど、動物たちの生きる知恵に感心します。

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 午前中は「松木の杜」の草刈りと獣害柵の点検がしやすいように柵の内側の草を刈り、午後は、幼木の周りの草を刈りました。

 

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  松木渓谷の天候は11時頃から空が明るくなりましたが2時半を過ぎるとまた雨が降り出しました。 「民集の杜」の東側入口近くの金網が曲がっているので森の中を確認すると、クワの木が折られていました。赤く熟した桑の実を狙ってクマが侵入した様子で、クマ棚が出来ていました。桑の実は全部食べられてしまったようです。 

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  「臼沢西の森」を通り、「臼沢の森」で休憩し、「民集の杜」で食事をとるクマの姿が想像できます。クマにも認められる杜に育ったと思うとうれしくなります。木の実のなる時期の森作業には鈴やラジオなど音の出るものを持って入るなど注意をしなければなりません。折られた箇所から桑の木の枯れが広がらないよう枝切りを行いました。

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 雨も強くなりそうなので道具を片付け、3時で作業を終了し帰路につきました。

P7260903(報告 清水 卓) 

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