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2024年5月の3件の記事

2024年5月16日 (木)

エゾハルゼミとオオルリの鳴き声に癒されて森作業

 5月16日、足尾松木の天気は小雨、気温は13℃、少し肌寒く感じます。Img_0004 今日は、JR貨物労組の方9名が参加してくれます。貨物労組が植樹した苗木はウサギの食害でなかなか育ちません。そこで、食害防止の幹ガードを付けることにしました。前段で、幹ガードを切り、鉄筋を60本を背負子に取付、ヘルメットを準備しました。

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Img_0006 9:30大野さんの座長で、それぞれ自己紹介を行った後、先日調査をし、苗木の頭が食害にあっていますが、下から新たな芽が出ている木に目印のテープを巻いたものが80本あり、それに幹ガードを巻くことと作業説明がありました。 

Img_0011 出発前の元気なうちに、これから登る「臼沢の森」をバックに記念写真を撮りました。天気も、雨が上がり青空が覗いてきました。

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Img_0016 鉄筋20本と幹ガードを付けた背負子は、結構重くずっしりと肩にくい込みます。日頃の運動不足がたたり、途中で休みをとり、呼吸を整えゆっくりと登っていきました。Img_0023

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Img_0031 植樹地に着くと、先日階段を作ったことに気づき、貨物労組の人たちは「登りやすくなった」と喜んでいました。その後、筆者加賀が幹ガードの取り付け方をレクチャーして、作業に取り掛かりました。Img_0033

Img_0034 急斜面では、足をを滑らせ尻もちを着く場面もありました。Img_0039

Img_0045 1時間半ほどで64本の苗木に幹ガードを付けることが出来ました。20本ほど残りましたが、鉄筋・幹ガードが足りなくなり作業は終了しました。Img_0055

Img_0051 下山途中でオオルリの綺麗な鳴き声がしていました。鳴き声すれど姿見えずで残念ながら写真は撮れませんでしたが、目を上に向けると新緑が目に優しく輝いていました。Img_0029

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 昼食後には、2本のイチョウの木を記念樹として植えました。
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Img_0085 貨物労組、中島さんから美味しいコーヒーを頂きました。有難うございました。Img_0064 最後に意見交換を行い、秋には草刈りに来ること、今日の参加者がそれぞれ一人を連れてくることなどの決意が述べられました。帰途に着くころには、空が晴れ上がり、エゾハルゼミの鳴き声も聞こえ始め、松木郷は確実に季節が移り替わっていることを実感しました。

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Img_0066 本日の作業者は、JR貨物労組関東地本の永島さん、菊地さん、東條さん、中島さん、池田さん、根岸さん、小室さん、稲葉さん、秋元さんと森びとから、橋倉さん、大野さん、清水さん、筆者加賀でした。お疲れさまでした。(報告:加賀春吾)

2024年5月15日 (水)

天空の森の先人に見守られながら、「民集の杜北」の散策路を整備

 5月14日(火)、済賀さんが一足早く森びと広場の作業小屋に入り、森作業参加者の受け入れ準備をしてくれました。8時13分の気温は10℃、前日の雨で足元は湿っていますが雲も上がり青空が広がってきました。昼には20℃まで気温が上がりました。

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 作業参加者が到着し打ち合わせ。責任者の済賀さんから、「民集の杜北」の散策路の整備、草刈りと竹囲いを行うことが提案されました。前回の作業では加賀さんが竹囲い作りの指導をしてくれましたが、今日は加賀さんが不在のため、技術指導を受けた柳澤さんが手本を見せて竹囲いづくりを行いました。本日はJREU大宮の西垣さん、大室さんが参加してくれました。

 民集の杜(北)の銘板のある中央通路の整備を2人から3人のペアを組み作業をスタートしました。

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 大野さんと足尾町の中田さんが刈り払い機で通路の草刈りを行いました。

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 竹囲い担当は、通路の両脇に囲い用の長い竹を並べる担当、縦の支え竹を60㎝の長さに切り、90㎝の鉄筋を竹に通すために節を抜く担当、横の長い竹に鉄筋を刺す穴を3か所ずつあける担当などに分かれ作業を行い、通路入り口から組んでいきました。

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 縦の支え竹の芯になる鉄筋を地面に打ち込みますが、石にぶつかりハンマーを持つ手がしびれます。組み立ても慣れてくるとペースが上り、午前中は準備した鉄筋60本分、両側に20組つくることが出来ました。

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 昼食休憩をとり、午後は鉄筋100本を軽トラに積んで「民集の杜北」へ出発。

 午前中に継続して竹を組んでいきました。

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 5月15日が岸井成格さんの命日です。「民集の杜北」の東側入口には2018年に卒寿記念で植えた「ホオノキ」があり、大野さんが草刈りをしてくれました。新芽が伸び、天に向かって葉を広げ始めました。

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 今年は岸井さんの7回忌にあたり、NPO法人森びとプロジェクト委員会の結成から20年になります。「地球温暖化にブレーキをかけよう!」と宮脇昭先生(故人)と足尾の荒廃地に立ち、多くのボランティアの皆さんと森づくりを進めてきました。生長した森は生き物たちが命をつなぐふるさととなり、小中高校生や市民のみなさんが森に生かされていることを体感する場としても育っています。

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 天空の森から私たちの活動を見守ってくださっていると感じながら、杜の散策路整備にも力が入りました。

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 中央通路から左に折れる林内の道の「糺の森」入口までつくったところで15時を過ぎたので作業に区切りをつけました。午後は両側に33組の囲いをつくることが出来ました。

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 通路途中の広場には済賀さんが、丸太と甲羅板でベンチをつくってくれました。これから暑くなる季節、柔らかな日差しが降り注ぎ、風が吹き抜けるベンチは気持ちよさそうです。

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 道具を片付け、終了ミーティングをおこなって本日の作業を終了しました。

 本日の森作業参加者は、済賀さん、大野さん、橋倉さん、柳澤さん、田村さん、足尾町民の中田さん、JREU大宮の西垣さん、大室さん、筆者・清水でした。

(報告:清水 卓) 

2024年5月 1日 (水)

春の「孤高のブナの恩送り」と森作業

Dsc01002_2 4月29日(祝)は晴天の下、私たちとその仲間たちは「中倉山のブナを元気にする恩送り」と松木郷の森作業を行い、怪我もなく終了することが出来ました。
7時になると、「足尾に緑を育てる会」様よりお借りした足尾ダムゲート内の臨時駐車場に参加者が続々と集まりました。早速、乾燥した黒土と種の入った袋を各自のリユックザックに入れて登山道を目指しました。

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Dsc00893_1_2 しばらく登ると稜線に着き、そこからは凛と立つ“無言の語り木“「孤高のブナ」の元気な新芽が私たちを出迎えてくれました。

Dsc01033_4 参加者全員が中倉山の稜線に到着し、11時から保護作業を行いました。まず、森びとの済賀さん、山田さんから種の入った袋に乾燥した黒土を入れて、根の周りの崩壊地に張付けるためのレクチャーがありました。その後、二人一組のペアになって植生袋をつくり、ブナが元気になるようにとの思いを込めて地に張付けました。Dsc00953_3

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Dsc00973_3 昨年に引き続き参加して頂いた那須拓陽高校の池田先生と生徒の皆さんはブナが更に元気になる様にと願い、学校で作った腐葉土を持参してくれました。黒土と一緒に種が入った袋に入れて張付けてくれました。

Dsc00951_3 また、生長観察用の獣害ネットを外して「希望のブナ」の根の周りにもその腐葉土を入れて頂きました。小さいながらもブナの子孫は枝を伸ばし、新芽を沢山付けていました。普段は柵に囲まれて姿を見ることができない子ブナと親ブナが対面ができました。私たちは、親ブナと子ブナの逞しい生長を願いました。尾根筋の斜面一面に生えている笹がニホンジカの餌になっているようだした。しかし、希望のブナの根の周りだけは笹の葉が広がっていました。子ブナの生長にとっては柵が役立っているようで、腐葉土を敷いた後はしっかりと柵を囲いました。

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Dsc01022_2 参加した33名は65枚の植生袋を張り付けてくれました。終了後に、主催者を代表して清水副代表からお礼が述べられ、参加者から感想をいただきました。
 初めて参加された古河市の石塚さんは「渡良瀬川の下流に住んでいますが、上流の足尾の山の植生が回復しないと安心・安全という生活が営めない。今後は、森を育てる活動にも参加したい」と述べられました。続いて、昨年11月3日のブナ保護に参加された父が今年1月に急逝され、慰霊の思いを込めて参加されたご子息の中山雅人さんからは「今回参加して、はじめてこの活動を知りました。父の背中を追いかけながら今後は、自分が活動にかかわっていきたい」と述べられました。最後に、那須拓陽高校の生徒さんは、「昨年、希望のブナを植えました。今日観察出来て生長を感じることが出来ました。参加してよかった。また、活動に参加したい」と述べてられました。
「地球沸騰化」と言われるほどに気候変動が激しくなる中で、参加者一同は親子ブナが自然災害にも耐えられるように中倉山の森を育て、足尾の煙害・松木村廃村の歴史を後世につなげてほしいと願いました。山頂で昼食をとり、全員がケガもなく下山して帰路につきました。

Dsc01041_2 多くの皆様のご協力をいいただきまして、大変ありがとうございました。


松木郷の遊働楽舎“みちくさ”をベースキャンプに待機しているスタッフは、「森びと広場」北側の斜面「こころの園」に、松村宗雄さんが持参してくれた自宅で育てた白南天を植樹しました。

Img_0039_2 「中倉山のブナを元気にする恩送り」に参加されたTBS有志の皆さんは、中倉山下山後に故・岸井成格さん(元NPO法人森びとプロジェクト理事長、NEW23やサンデーモーニングに出演)の育てた森の観察に立ち寄ってくれました。「臼沢の杜」と、岩の多い斜面を開墾して植樹した「臼沢西の杜」の木々の生長を見学していただきました。

Dscn0771_2 また、那須拓陽高校の生徒の皆さんは、2018年に先輩方が植樹をしたエノキの成長を見て喜んでくれました。かつて松木村にはオオムラサキが飛んでいたことを松木村の子孫から聞き、オオムラサキの餌となるエノキを植えていただきました。

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(作成者:橋倉喜一、済賀正文)

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