2018年10月12日 (金)

越冬準備に入った足尾の森づくり

 肌寒い朝方、小雨が降り作業がやりにくいと思っていました。橋倉スタッフを足尾ダムで待っていると天気が回復してきそうな景色が目に飛び込んできました。しっとりした雨上がりの空気が静かに流れていました。

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2  台風24号の猛威が運んできた痛々しい木の根が残っている松木川。そんなことを思っていると、雄猿が不思議そうにこちらを覗きこんでいるようでした。

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3_2  今日の作業は、シロダモとヤブツバキが霜の害にあわないための苗のハウス移動がメインでした。10時過ぎには、作業小屋の修理用と土留め用の甲羅板を購入し、足尾に運び入れました。

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Photo_2  その後は、シロダモの根が凍らない対策として籾殻をハウス内に敷きつめました。

Photo_3  昼食後は、「足尾のみどりを育てる会」へ落葉広葉樹のポット苗を無償提供したのでその記念に写真を一枚。育てる会の皆さんへ足尾の森づくりを託しました。

Photo_4  亡き竹内アドバイザーの想いが宿っているシロダモ。今年の夏に芽を出したシロダモを元気に育てようと、約2千本をハウス内へ移動しました。

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Photo_6  まもなく霜が降りる足尾ですが、苗木たちが元気に越冬できることをスタッフたちは願っています。

Photo_7  午後3時過ぎると太陽が中倉山に隠れる季節となった松木沢でした。本日の森作業は、橋倉、加賀、仁平、福田そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年10月11日 (木)

熊と向き合う暮らしが始まった足尾町の「どくだみ荘」

 昨日、「どくだみ荘」の隣に住む先輩男性(Kさん)から、熊がゴミ置き場をあさっていたという話がありました。塀が台風で壊れ、その隙間から熊が侵入したらしい。ゴミ置き場はブログを更新している部屋から3㍍程にあるので、深夜から朝方にかけては注意することにしました。「どくだみ荘」は古い長屋なので塀や窓そして玄関も木製、熊がその気になれば部屋に侵入しかねない。生ゴミは明るくなってから出すことにしました。

Pa111594 足尾ダムから松木沢方面(足尾グランドキャニオン)

Pa111591 中倉山が見えない朝の足尾ダム

 今日は中倉山に登ってブナを元気にする土留め置き場の調査でしたが、雨のために中止でした。作業は、「みちくさ庭」の柵にネットを張り、入口の支柱を設置しました。どのような入口にするのかはスタッフの知恵を出して完成させます。

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Photo_4  昼食後は、鎌田スタッフが予定していた「民集の杜」入口周辺の草を刈りました。天気は雨が降ったり止んだり、このような日は雨具を着たり脱いだりで、作業は面倒でした。

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Photo_6 「民集の杜」て゜元気に生長するムラサキシキブ

Photo_7 来年度末までに杜の名を刻む松木沢の石

Photo_8  汗と雨で身体が冷えましたので、15時半に作業終了。鎌田順子さんからハヤトウリの浅漬けが届けられましたので、風呂で身体を温め、ブログを更新してからはぬる燗で寝酒、心身ともに身体を温めて、頭の熊から遠ざかって床につきます。

Photo_9  順子さん、ごちそう様です。(報告 高橋佳夫)

2018年10月10日 (水)

温暖化にブレーキを懸ける“希望の松明(たいまつ)”(市民のうねり)を

2018 クレーター(ヤフーより)

 ロシア・サハ共和国内では凍土プレートの割れ目が大きくなり、バタガイカクレーターが出現している報道を観た。深さ100㍍×径が1㎞の大きさで、15年前は巨大穴だったが約50年間で大きなクレーターになった。報道では、何が原因で凍土が溶けだしたのかは不明だという。 D79348ees_2 巨大穴?

  国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達すると予測した。こうなればサンゴ礁の大部分が死滅するなど地球環境の悪化が進むと予測した。気温上昇を1.5度に抑えるためには、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出量(10年比で)を30年には45%減らし、50年頃には実質ゼロにする必要性を強く指摘した。

20180906 厚真町の土砂崩壊

Photo_2  英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿した安倍晋三首相は9月23日、「気候変動問題は予測よりも急速に悪化している」、「気候変動は、世代や国の発展度に関わらず、命にかかわる影響を及ぼす」と指摘し、「すべての国が同じ危機感を共有し、対応しなければならない」と温室効果ガス削減の目標達成を求めた。さらに、「化石燃料の使用を削減すると同時に、経済成長は加速させなければならない」、「新たな事実が判明すれば、それに応じた適切な措置を全世界がとらなければならない」とも述べた。

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P6241279_2  日本の2030年の排出削減目標は「2013年比26%削減」だ。「パリ協定」締約国の削減目標が完全に実施されても「1.5℃」に抑えることは難しいと言われている。日本国内の2012年以降50基におよぶ石炭火力発電所建設計画は7基が中止、8基が稼働となったが、約35基は計画・建設段階にある。“化石燃料の使用を削減しつつ経済成長も加速させる”という安倍首相ですが、この計画建設をどのようにしたいのかは不明。“温暖化にブレーキ”をかけていくことは、こうした政治の動向を市民が見極め、地球の大気中に二酸化炭素を滞留させない政策へ導くために市民のうねりを起こしていくことだと思う。(理事 髙橋佳夫)

初秋、もりだくさんの森作業

10月9日 初秋の足尾です。

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Photo_4 作業小屋の気温は18度、時間は9時天気は晴れ。コーヒーを飲みながらの打ち合わせ、中倉山登山口までの道路整備、ポット苗の草取りと処分、水回り整備、みちくさ庭のスカートの取付けともりだくさんの作業でした。

Photo_5 いざ、中倉山登山口までの道路整備へ。

Photo_6 先の台風の影響で2箇所に流石がありました。四駆車が通れる道を整備しました。また、登山口の草刈り、心あ登山者に孤高のブナを守るために土を運び上げる場所を考えました。

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Photo_19  みちくさ庭では球根が、台風と大雨で土が流されてしまい、それを松村宗さんが補修してくれました。

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Photo_11  先の台風で、ホース内に砂が詰まりを前回作業で取り除いたので池のカワニナも元気に動き回っていました。今後の大雨対策で作業小屋の流し、みちくさ庭のビヨトープの水の迂回を造りました。

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Photo_24 ポット苗の草取りと嫁入り準備では、カシワのポット苗を中心に草取り、残るポット苗を「足尾に緑を育てる会」に嫁がせる事が決まり、足尾の森づくりに引き継ぎができました。うさぎ害防止のみちくさの庭のスカートネットも半分ほど終わりました。

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本日の作業スッタフは、大野、鎌田、橋倉、松村健、松村宗、加賀、報告は小川でした。

2018年10月 8日 (月)

半世紀ぶりに復活させた栃木県立拓陽高校生たちの未来の礎づくり

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Photo_5_3 6日、台風25号が日本海沿岸を北上するなかで栃木県立拓陽高校の生徒たちと大山農場見学▪交流を行いました。「大山農場管理棟」に着くと、足尾の植樹祭(5月)でエノキ植えてくれた池田先生と臼井君が出迎えてくれました。

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  交流は、生徒5名も加わって、まずは「ビオトープ」の設置と活動の報告が生徒達からありました。報告では、「ビオトープは、昔、池があった事を地域の方々から聞き、7年前の3.11東日本大震災で崩れた塀の大谷石を利用してつくった。50年ぶりに水辺が出来て、小魚(メダカ)が繁殖し、カワセミが来るようになった。現在、ナスヒオウギアヤメ、ミヤコタナゴ=オシャラクブナ(方言)やヨシノボリ、マツカサ貝など居場所を失った生物たちの復活を目指している」という報告でした。

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1538962313613  その後、橋倉、加賀スタッフからポット苗の育て方のアドバイス、エノキの実生の植え替え等を手ほどき、22個のポット苗をつくりました。

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 午後は、フリー討論。①黒松は厳しい条件で生えているがキノコ菌と関係があるのか②エノキの根の長さを見て、自然の力強さの凄さを感じた。③足尾にヤシャブシは植えていないのか④温暖化、カーボンニュートラルとは⑤ポット苗は山にいつ植えるのか⑥里山と鎮守の森の違いなどの意見交換を行いました。

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 最後は、当委員会の「山と心に木を植えて10年」のDVDを鑑賞しました。その後、池田先生からは、「地球温暖化による異常気象に向き合うために、本物の森をふやす必要がある。田んぼに水を溜めることによって洪水を止めている、農業の大切さを次の世代につたえていく。足尾のハゲ山が少しずつ緑になっている、出来ることを進めて行きたい」とまとめて頂きました。

1538962252752  生徒と生徒が7年前から「ビオトープ」をつくり、半世紀ぶりに水が流れた瞬間の彼らの感想を聞き、それは生きものたちを大切にする考えが芽生える大切な活動であると感じました。また、改めて水と森と農業の深い関わりを学び、経済性や技術的なことだけに流されずに森に生かされている事から発想していくことの大切さも感じました。私たちシニアから若者へつなぐヒントが見えてきた一日でもありました。(報告 大野昭彦)