2024年11月 2日 (土)

秋の空気が澄んで晴れ渡る中で「貨物の森」育樹活動

 11月1日(金)の天気は晴れ。8時時半の気温は15℃でしたが昼には20℃と暖かな1日となりました。今日は、JR貨物労組の森ともの皆さん10人が、5月に続き2回目の育樹活動(草刈り)に来てくれました。

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 サポートする森びとスタッフは、加賀さん、清水さんと筆者の大野。8時30分に森びと広場に到着して、参加者用のヘルメットや軍手、ノコギリ鎌などを用意しました。また、草刈りが早めに終わった時のことを考え、シカ、ウサギの食害を防止するため幹ガードの取り付け作業行う事にしました。幹ガード、鉄筋、針金、ハンマーを準備し、軽トラックに積みこんで準備完了。

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 準備が出来たので3人でコーヒーを飲みながら一日のスケジュールを確認し、ダムゲートにJR貨物労組の皆さんを迎えに行きました。作業小屋に9時45分頃到着し、筆者から熱烈歓迎のあいさつをしました。貨物労組の仲間たちからは、ペットボトルの水2箱とお菓子、ドリップコーヒーの差し入れを頂きました。

 打ち合わせを終え、臼沢の森の上部に「貨物の森」があるのでヘルメットを着用し、手袋、ペットボトルなどを各自が持って臼沢の森に向かいました。

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 臼沢の森入口で軽トラックの荷台に積んである荷物を全員が手分けして持って階段を登りました。鉄筋32本(約20キロ)を背負子で荷揚げしてくれた方は、途中で少し休みましたが「貨物の森」まで登り切り真下。その姿を見た私は感服しました。

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 現地に到着し、草刈り組と幼木に幹ガード取り付け組に分かれ、加賀さんの合図で作業に入りました。急な斜面のため草刈り中でも足が滑ります。草と幼木を見極めながら怪我をしないように気を付け作業をすすめ1時間30分位で草刈りは終わりました。そして、31本の幼木に幹ガードを取り付けることが出来ました。

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 12時30分に作業小屋に戻り昼食をとりました。昼の休憩を取った後、森びと清水副代表から感謝が述べられ、JR貨物労組関東地本の菊池委員長から『2009年から始めた「貨物の森づくり」、時間はかかるが木々が生長するようにしっかりやっていく』と挨拶がありました。

 その後、民集の杜(東)に入り、モミジ平の紅葉と林床に生える「冬の花ワラビ」を観察。次に、民集の杜(西)に入り、林床に広がる苔の感触を楽しみ、木々の生長によって保水力が高まり森の植物が豊かになっていく様子を観察をしました。

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 作業小屋に戻って、一日の感想をそれぞれからいただきました。

 参加者からは「半袖でいられる気候に異変を感じた」「昨年より木が大きくなっている。貨物の森が森になるのを見たい」「5月に幹ガード設置した木が大きくなり、幹ガードから枝葉がはみ出していた」「手を入れることによって木は育つ」「足尾に来たことがない人を誘いたい」「5,6年ぶりに来たが木の生長を実感した」など感想が出されました。東條さんのまとめでは「森づくりは、地球温暖化や原発推進の問題を考えるきっかけになる。豪雨災害が起きているが輸送をつかさどる私たちの仕事もままならなくなる。貨物の森を見て100年後、200年後の森を想像する。負の遺産に森をつくったと言えるよう森びとの皆さんとの交流をしていきたい。」と話されました。

 参加された皆さんは、地道ですが森づくり活動が重要であり、負の遺産を「希望の森」にするため、皆に広めていかなければと感じて帰路に着きました。JR貨物労組の皆さん、お疲れ様でした。またのお越しをお待ちしています。

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 本日のJR貨物労組の「森の育樹作業と観察」サポートは、加賀春吾、清水卓、そして筆者の大野昭彦でした。<報告は大野昭彦>

 

2024年11月 1日 (金)

森びと先人の志が宿る足尾の森を歩く

 10月下旬、足尾の森づくりに尽力された故・小井土さんは森づくりスタッフとの話し合いを大切にしてきました。その場では対立がありましたが、納得いくまでの間は緊張感もありました。このようなスタッフ間の話し合いのうえに現在の森があり、人が集って20年を迎えられています。このような人と人とのつながりに支えられている秋の森の生長を見てほしいと願って、先日、奥様とその友人を案内しました。

Cimg0038 奥様からは、「この地で夫と森づくりをした時のことを想いだしました。懐かし場面が込み上げ、今は亡き主人の記念樹を見ながら、本当に良くやってきたと思います。人間が壊した荒廃地での森づくりは100年、200年もかかると言われていますが、20年足らずで素晴らしい森を歩くと、素晴らしい人生を送ったと思いました」と、感想が述べられました。

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 “素晴らしい人生”という言葉を聞いて私は、故・小井𡈽さんの目的を実現していく気質(人間性)とそれを受け入れてきた森びと諸先輩の人間性から、今の自身を振りかえらなくてはならないと感じました。植林ボランティアの皆さんと森びとスタッフの私たち、そして私たちを支援してくれた方々に自信をもって観ていただきたい足尾・松木沢の小さな森。

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 この地を散歩すると、この地で生活していた旧松木村人の生活の息吹が聴こえてきそうになる「松木郷の森」。そんな気がする世界に誇れる森を育ててくれた小井𡈽さんご夫妻。天空の森の故・小井𡈽英一さんは、「森づくりを始めて15年が経ち、育てている生き物たちの息吹が聴こえるのがとても嬉しい。身体が動くうちは森作業を続け、本物の森の姿を見てみたい」(要旨)と、森びとノートにメッセージを遺しています。20年後の森づくりは母なる森にむけて森びと先人の志を森びと次世代へバトンタッチしていくことだと思いました。

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 衆議院選挙後の世論で感じることは、「国民を守る・・・」という裏に党利党略が透けて見え、有権者が立候補者に託した要求の実現が霞んでいるということです。反面、有権者の健康が守られ、生活を改善できる絶好のチャンスだと思っています。このチャンスを逃さないためには有権者のつながりにパワーを貯え、それを発揮することが求められていると思います。

 人間の全ての活動の根底にある条件は生きていることです。故・小井𡈽さんをはじめとした森びと先人の志もそのつながりに加え、世界中の“森の友だち!”とスクラムを組んでいければ嬉しいと思っています。生物社会の一員が言う“民意”とは、エコシステム内の生物が生きていることが前提になっているのではないかと思います。(運営委員 大野昭彦)  

2024年10月28日 (月)

もっと市民力をつけ、傲慢な力に立ち向かう

 本日、10時から清水副代表、坂口スタッフとともに、市民団体などと一緒に明治神宮伐採反対行動に参加をしました。先週25日金曜日、新宿区が事業者(三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事)からの樹木伐採・移植の申請を許可し、衆議院議員選挙が終わった直後のどさくさに紛れて樹木の伐採を強行するという知らせを受け、抗議の場に立ちたいと現場に向かったのです。

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20241028_163949 昨年7月、森びとでは第4回総会での会員の意見に基づき運営委員会で議論をし、東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出しました。要請文では「私たち人間を含む生物は、循環に支えられた森に生かされている」とし、森が持つ機能を「都民の命を守るもの」と指摘、再開発は「人類の生存を脅かす地球温暖化へアクセルを踏むもの」であると強く批判しています。

森びとブログ: 東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出Img_3119

 現在、市民団体が新宿区に対して違法である訴訟が起こしました。裁判は係争中であるにも関わらず、なぜ拙速に伐採をするのか。住民や市民への説明や対話が不十分であると批判も多い中でのことです。2020東京オリンピック、前年開催のラグビーW杯開催で新国立競技場の建設にあたり、都営アパートの解体と強制退去が行われました。この時も東京都による住民への丁寧な説明はなかったと記憶しています。市民の声を無視して開発を進める傲慢なやり方はおかしいし、自分の生活する地域のために声を上げることは当たり前のことです。まして、企業や一部利権を貪る政治家の金儲けのために、貴重な自然を破壊することや自分の生活を奪われることを黙っているわけにはいきません。政治家の力はもちろん必要ですけれども、市民が声を上げて行動することに共感し、今後も連帯した活動をできればと思います。

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20241028_103117 この抗議行動で何人の方から東京都や事業者への怒りの声、叫びが話をされました。特に20代の女性からは、地面の下の生物の気持ちについて話がされ、共感しました。一度木を伐採したら元には戻らないですし、移植するにしても土の中で生きる生物の声を聴いたのかを問いたい。生物の声も無視して進める伐採や移植の現実を決して忘れません。そのような怒りを込めて「神宮外苑の樹木伐採反対!」のシュプレヒコールをあげました。

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 私たちは午前中で引き揚げてしまいましたが、その後に樹木の伐採が始まったという知らせを聞きました。力のあるものは何でもやってよいと許せますか。今回の衆議院選挙で争点の1つになった裏金の問題と何ら変わりはないと思います。こういう議員を選んだのも私たちですし、NOを突き付けるのも私たちです。私たちはいのちと生活を守るために「騙されない」「諦めない」市民力をつけていかなければならないと感じた悔しい1日となりました。(運営委員・小林敬)

2024年10月27日 (日)

足尾・松木郷の紅葉は色づき始め

 10月27日(日)、9時「みちくさ」の寒暖計は13℃でした。天候は曇り、少し肌寒く感じます。

 足尾へ向かって車を走らせていると、いろは坂・中禅寺方面へ行く車が多く、奥日光は紅葉真っ盛りのように感じました。足尾に着くと、銅親水公園の駐車場は満杯で道路まで溢れていました。中倉山の尾根付近は紅葉が始まったと聞きました。「松木郷」はシラカンバの黄色だけが目立ちますが、私たちが植えた臼沢などは、まだまだこれからのようです。

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柿(渋柿ですが)は、たわわに実っています。カラタチの実も緑から黄色に色づきました。
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「民集の杜・東」のモミジは上のほうは赤くなってきましたが、今年の色は鮮やかさが足りないように感じました。やはり暖かい日が続いていることが影響しているのでしょうか。Img_0088 今日は昨日やり残した「みちくさ」を豪雨から守る側溝工事の続きを行います。一つは、東側の側溝の最先端が「みちくさの庭」側にむき出しの状態になっており、このままだと土砂が流される恐れがあるため、先端に「浸透桝」を設置して流れを緩めようというものです。早速、穴掘りをはじめましたが想定した以上に石ころもなく柔らかい土で、楽に桝が収まる穴が出来ました。砂利を敷き、重いコンクリート製の桝を納め、揺れ具合をみて、3回ほど出したり入れたりしながら固定し、安定したので蓋をしました。Img_0047

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Img_0066 11時には「桝」の設置が終わったので、早めに昼食を取りました。

 昼食後は、昨日排水溝を設置した「みちくさ」の北側の溝を掘った残土の処理をします。側溝の両側の隙間に土を入れ、余った土は東側の窪んで水たまりになる部分に撒き、それでも余った土は杭を打った所に撒きました。最後に土を均し、側溝をに入った土を箒で履いて綺麗にしました。Img_0068

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 今日は、「みちくさ」の訪問者はいませんでした。工事をしている二人の声、「ピューロー」と叫ぶ雄鹿が雌を呼ぶ鳴声だけが聴こえるのどかな「松木郷」でした。

今日の「みちくさ」担当は、橋倉さんと筆者加賀でした。(報告:加賀春吾)

小春日和の中、総勢100名で除草・補植活動を行いました

 10月26日、小春日和の中、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭実行員会主催の除草・補植作業を小高区塚原地内で行いました。年4回の実行委員会主催の企画ですが、今年は猛暑を避ける観点から10月に集中し午前と午後の部に分けて行うことを決め進めてきました。前回(10/12)に引き続き、今回は小高区塚原地内の第7回・第10回・第12回植樹会場の除草・補植作業となりました。

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 会場には、市役所の職員をはじめ広報誌のボランティア募集を見て参加された高校生や市民ボランティアの皆さんが続々と集まりました。開会式では実行委員会の農林水産部・廣田次長のあいさつ、応援隊の松林代表からのあいさつを受けました。午前の部(8:30~10:30)には70名、午後の部(13:00~15:30)には30名のボランティアで総勢100名で作業を行ないました。

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<参加された原町高校生と宮城県ファンクラブの林代表も参加しました>

 作業にあたっての注意事項では、無理せず、怪我せず、脱水症状を起こさないようにこまめな水分補給と休憩を取りながら作業をしていただきたいとの話しがなされ除草作業に移りました。

Img_0963720241026_2  第7回植樹会場は、今から5年前に植樹した場所。木々も大きく森へ生長していました。除草作業は、隣の2年前に植樹した第10回植樹会場を行うことにしました。かなり、セイタカアワダチソウが一面に繁茂しておりカヤ、蔓等も伸び放題で参加者も悪戦苦闘しながら作業をしていました。
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20241026_10<刈払機で草刈りに専念する応援隊スタッフ>

20241026_11<除草する前の植樹地もボランティアの行動で除草でき苗木に新風を吹き込みました>

20241026_12 応援隊スタッフは、森びと宮城県ファンクラブの林代表が用意してくれた5樹種(シラカシ、アカガシ、シロダモ、ヤマザクラ、エノキ)100本を、ボランティアの参加者にも一緒になって丁寧に説明し補植してきました。20241026_13

 「初めて参加した高校生は、5年前の植樹した苗木、2年前、今年の植樹地を比較し全体を観ることができました。植樹しても3年間は下草刈りの大切さを学ぶことができ楽しかった」「セイタカアワダチソウには手を焼き悪戦苦闘し疲れてしまった」「来年の植樹祭には参加してみたい」「木を植えることの大切さ」などの感想が出され無事、怪我もなく終了しました。年内の除草作業は終わりましたが、応援隊は、市役所との連携をしながら12植樹会場の植樹地の調査・点検等を行い今後も育樹・補植・除草作業に力を入れていくことをお互いに誓いあい、片付けし散会としました。

 <参考:これまでの南相馬市鎮魂復興市民植樹祭の経過・内容>

20241026_14今回、協力していただきました市民ボランティアの皆さん、大変お疲れさまでした。

 応援隊の参加者は、渡部さん、松林さん、岩橋恵美さん、筆者(東城)、宮城県ファンクラブの林さんでした。

                        (報告 東城敏男)