2023年4月21日 (金)

色とりどりの花に癒され土運び

 4月20日の足尾は快晴。朝から気温が高く作業小屋の寒暖計を見ると8時半の気温は14度、昼には24度に上がり、午後3時半には28度を示しました。この時期の夏日に驚きましたが、淡い緑の森や色とりどりの草花を楽しみながら森作業に汗を流しました。

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 9時から本日の森作業打ち合わせを行い、責任者の加賀さんより「臼沢西の森」の残りの植樹地(土留め3段)への黒土運びが提案され、早速準備に取り掛かりました。

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 軽トラックに背負子を用意し黒土置き場へ移動。水分を含んだ黒土の袋は10㎏ほどの重さになりズシリときます。“よいしょ!”“はいよ!”と声をかけながら、バケツリレーで14ℓ入りの黒土78袋を荷台に積みました。黒土置き場入口の柵が壊れているので、午後に木のパレットの整理と柵の修繕を行うことにしました。

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 「臼沢の森」の前に軽トラックを止め、各自の体力に応じて1袋、2袋を背負子に載せ、足元を確認しながら「臼沢西の森」へ運びました。荷の重さと暑さで汗が出てきます。体が暑さに慣れていないため、熱中症予防も意識し3往復したら休憩、5往復したら休憩と各自の体調に合わせ、水分補給をしました。

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 黒土を背負うと前かがみの姿勢になりますが、「臼沢西の森」に入ると、通路や1段目の植樹地に紫や白いスミレが点在していました。アリが運んだのか、鳥が運んだのか、「シロガネスミレ」があちこちに咲き出していました。可憐な花たちに疲れも癒されました。

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 ウサギの食害にあった「里親植樹」の苗木たちも枝を伸ばし、葉を広げだしました。2年前に植えたサクラは1.5mほどに成長し、風になびいています。加賀さんが先日の森作業で、幹を食べられないように食害防止ネットを巻いてくれました。

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 一人9往復して78袋を土留めに置き終わりました。残り1段と半分、80袋ですが、時間も11時半を過ぎ、暑さも増してきたことから下山し、昼食をとりました。

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 午後は、広場下のビニールハウスの単管パイプ片付け、黒土置き場のパレット整理、入口柵の修繕を行いました。2時半過ぎに作業の区切りがつき、「さてどうするか」と思案し、「新松木の杜」の散策を兼ねてヤマユリとシロガネスミレの確認に向かいました。

 

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 林床を確認すると小さな花をつけた「シロガネスミレ」を発見。日当たりの違いか、臼沢西の森より小ぶりです。ヤマユリは幹の頭が何者かに食べられていました。

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 モミジの葉が赤く色づき、葉を広げるこれからが見ごろになります。川沿いに向かい、今年はフデリンドウが咲いているだろうかとモミジの根元を探すと、小さな小さなフデリンドウが咲いていました。あたりを探すと4か所に顔を出していました。この時期にしか見られない森の仲間たちを探すことが出来ました。

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 3時半となり、作業小屋に戻り後片付けをして本日の森作業を終了しました。本日の参加者は、加賀さん、山本さん、橋倉さん、柳澤さん、済賀さん、筆者・清水でした。

(報告 清水 卓)

 

2023年4月16日 (日)

加勢の“恩返し”石に名前刻む!

 先日、足尾の森作業後に参加者の皆さんと「エコ散歩in足尾」ついての話し合いをしました。

 2005年、地球温暖化に少しでもブレーキをかけたいと願う会員・ボランティアの皆さんと「臼沢」の斜面に植樹を行い、以降、緩斜面の植樹地に「松木の杜」「新松木の杜」「民集の杜」と名前をつけ森づくりを行ってきました。現在は草刈りや枝払い、獣害柵点検・修繕など育樹活動が中心となっています。会員や多くのボランティアの皆さんと育ててきた森・杜の生長を観察していただく準備を進めています。

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 緩斜面の杜の名称を「民集の杜」に統一し、各杜(北、東、西)の入り口に「民集の杜 北」「民集の杜 東」などと刻んだ石の銘板を設置することにしました。

  杜の入口に置く銘板は、緩斜面にゴロゴロと転がり草の中に露出している石を使わせていただきます。設置には山田組様の協力をいただきました。

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 松木の杜から臼沢の森を眺めると窪んだ急斜面に木々が密集し、宮脇昭先生に教えられた“混植・密植で木々が競争し我慢”、そして、楽しそうに共生する、そんな森の様子を感じました。「この荒廃地で森がつくられれば世界のどこでも森が出来る」と宮脇先生が立った地は18年経ち、芽吹く前の森ですが、風が吹けば木々がなびきハーモニーを奏でるようです。

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 緩斜面に石が堆積していますが、ミズナラやコナラ、ブナなどが足尾の山に生い茂っていた時代は地中深くに静かに佇んでいたと思います。銅の精錬のため樹木が伐られ、亜硫酸ガスや山火事によって大きな石を押さえていた森林と表土が無くなり、緩斜面に転がり落ちてきたのだろうなと草地の岩に目を向けました。

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 実際に、臼沢の森では、所どころで大きな石を木の根元で止めているのを観ることができます。この臼沢の森や民集の杜には、シカやサル、クマ、チョウやカミキリムシなど、いろんな生き物を見かけるようになりました。また、ネムノキやヤマナラシ、ヤマユリやスミレなど、植えた樹種以外の木や草花が森の仲間になっています。風や鳥、動物、アリなど、森に生きる「仲間たち」が私たちの森づくりに加勢してくれます。

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 地中に眠っていた石が今私たちの足元で風雨にさらされています。この石たちも松木村廃村の歴史を見続けてきたのではないかと想像すると、石碑に名を刻む手も震えます。

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 松木村廃村から120年、豊かな森に囲まれ、森に寄り添い生きてきた村民の“想い“を胸に、森への“恩返し”として石碑の字掘りを行います。少しぐらい失敗しても、私たちの「山と心に木を植える」森づくりの想いが観察に来た人たちに伝われば良いのではないかと思います。森に畏敬の念を持ち、石碑に名を刻むという事の意味を大事にしていきたいと願っています。

(運営委員・大野昭彦)

2023年4月13日 (木)

足尾の皆さんを招いた花見、みんな心爽やか!

 今日の足尾は快晴。朝の内は少し肌寒い感じがしたが、心配した「黄砂」は驚くほどではありませんでした。赤倉のロータリーに、本日の参加者(足尾在住者3名、森びと3名)が10時前に集合し、出発です。

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 森びと看板の前で、簡単な自己紹介。今回参加して頂いたのは、ゲートが出来てからは松木に入ったことがないという高橋夫妻、初めて入った石原さんは、草も生えていない「からみ」を眺め、驚いていました。

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とても話し好きの皆さんで、教訓的な話や生活の知恵など、幅広い会話が続きます。

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 ”無言の語り木”(孤高のブナ)に会うために、多くの人たちが足尾を訪れていますが、石原さんはブナに会いに行く決意を固めたようでした。私を含めた高齢者でも、会いに行けるようなペースの登山を考えなければと思いました。

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 今日の為に斎賀スタッフは、みながビックリするような料理を創ってきました。第一回「花見の会」を盛り上げようと、イナリ、のり巻き、タケノコの煮物など、重箱に入れて持ってくるなど気合い十分でした。また、参加者の皆さんやスタッフからの差し入れがありました。ありがとうございます。

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 ノンアルで乾杯!皆さん良い顔でしたよ。

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みちくさ、枝垂桜、カラミ、青空と、いろんな思いを起こさせる組み合わせです。今日参加の皆さんは、「みちくさ」を森びとが素人ながら作り出したことに感心していました。

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 80代半ばを過ぎた方、70代半ばを過ぎた足尾在住のみなさんの目に、今の松木沢はどのように映ったのでしょうか?「こんな素晴らしい場所があるのに」という言葉を聞きましたが、多くの皆さんの来訪を目指し、「足尾エコ散歩」へとつなげていければと思いました。

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 今日一番夢中になったことが、これです。

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 実は、ウワミズザクラの種が落ちて沢山の実生苗がめをだしていたことです。みんな夢中になって見つけました。良く観察しないと見過ごされてしまうことが、「大の大人」を夢中にさせていました。林子さんが見つけて、みんなに伝えたことが始まりです。

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 最後に言われたことは「また来たいね!「来たい人がいる」と紹介してくれたりしました。一緒に過ごした5時間が瞬く間に過ぎていきました。青空の下で爽やかな気持にさせてもらった一日でした。

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 今日のメンバーは、済賀、林子、報告・橋倉でした。

2023年4月10日 (月)

少し寒い潮風を受けながら第1回植樹会場の除草作業を行う。  

 今日(4/10)は、平成25(2013年)年に開催された第1回植樹会場(南相馬市鹿島区南右田)の通路などの除草作業を行ないました。日中の気温は16度。天候は晴れでしたが南寄りの風が少し肌寒く感じました。

 応援隊8名と宮城県ファンクラブ林雄一代表の9名が第1回植樹会場に集合し、作業の打ち合わせを行いました。打ち合わせ終了後、軽トラックの荷台から刈払い機4台をおろし、刈払機の点検・給油を行ない、10時から除草作業を開始しました。

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 途中休憩を取りながら12時までの約2時間、除草作業を行いました。今日は新代表・松林英夫さんの元での初めての除草作業でした。松林さんは「100歳まで生きるのであと20年森づくりをしたい」と語っていました。今年から応援隊は植樹会場の育樹・維持管理にシフトを移して行くことにしました。

 南相馬市もソメイヨシノは散りましたが、第1回植樹会場のヤマザクラは綺麗に開花し始めていました。またヤブツバキの花も綺麗に咲いていました。今日も怪我もなく作業を行なうことが出来ました。参加者の皆さんお疲れさまでした。

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 本日の参加者は、松林代表、菅野副代表、渡部顧問、山田事務局、小川事務局、東城スタッフ、原田スタッフ、宮城県ファンクラブ林雄一さん、筆者・岩橋事務局でした。 

(報告:岩橋 孝)

2023年4月 9日 (日)

お二人の「祈念樹」を足尾に植えましたよ!

 足尾の桜も、例年よりかなり早く満開となりました。ところが今朝(9日)は雪が降ってきて、松木方面は真っ白い雲に覆われて山の姿も見えませんでした。愛宕下の満開の桜も、雪景色に霞んでしまいます。

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銅の精錬過程で出たカラミの山にも雪が残っていました。
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 中倉山の頂上付近は真っ白で、谷筋は雪で覆われていました。

Dscn8908 朝9時の気温は3℃でしたが、作業詰め所には温かい薪ストーブと、清水さん、柳澤さんから差し入れられた美味しい饅頭が待っていました。こどものころの、むかしばなしにも花が咲き、少しほっこりとしました。

 今日は”みちくさ”オープン2日目ですが午前中は全員で、天空に召された青木淳一先生と小井戸スタッフの「祈念植樹」と、岸井元理事長の祈念樹の補植作業をおこないました。

Dscn8910_2青木先生は、土壌動物や微生物の研究では第一人者で、森びとのメンバーにも大きな影響を与えてくれました。ミミズやササラダニ、微生物が植物の栄養を作り、植物の光合成によって酸素が作られ、動物が生きていける事を分かり易く教えてくれました。

 先生の祈念樹は「コシアブラ」の木を3本、森びと広場に植えました

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 次は岸井元理事長の祈念樹「ホウノキ」の補植です。動物の食害に遭って枯れてしまいました。そのため、幹ガードで厳重に囲いました。宮脇先生のイヌブナは、元気に育っています。

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 最後に小井戸スタッフの祈念樹「ハリギリ」を2本、松木の杜に植えました。道路からも見え、足尾ジャンダルムを仰げる場所に植えました。初めて出会った樹ですが、”まっすぐ伸び、鋭いトゲを刺す”小井戸さんにはぴったりの木だと思いました。天空で鋭いトゲを磨いて、私たちに、叱咤激励をしてください。

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Dscn8920  今日は4人の方が”みちくさ”に寄って頂きました。茨城県からお見えのお二人さん。松木は50年前からの付き合いだという事、当時と比べるとみどりの豊かさは雲泥の差がある事などを強調していました。

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 次の組は、桐生からバイクで足尾に来られた親子です。時間がない中で、松木渓谷を散策してきたそうです。次は、ゆっくりとお話をしましょう。
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 午後、鎌田、柳澤のお二人は、広場からみちくさに登る階段の補修を行ってくれました。材料不足で途中で作業を打ち切りました。
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 みちくさ横の枝垂桜が開花してきました。今週には足尾の皆さんをご案内できるように取り組んでいます。多くの皆さんが訪ねて来てもらえること楽しみにしています。Dscn8933 昼頃には晴れてきて、気温も13℃になりました。愛宕下の桜が青空に映えて美しく輝いていました。しかし、満開の桜に降る雪を見てしまった心は、こんな天気に首をかしげてばかりです。Dscn8937今日の”みちくさ担当”は、清水、橋倉。森作業は鎌田、柳澤でした。