2023年6月12日 (月)

第11回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭終える

 昨日、第11回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が開催され、1,500名(主催者発表)が参加し、18種類20,000本の苗木にいのちを吹き込んできました。2011年3月11日に発生をした東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により、南相馬市では636名の方が犠牲になり、今回の植樹祭は13回忌の意味を持つものであり、単に11回目の植樹祭ではありませんでした。高盛土にはがれき等を活用した海岸防災林に被災した方々の一人ひとりの思いや祈りを込めて植樹を行い「鎮魂の森」をつくり、震災の経験や教訓を忘れずに後世に継承する場をつくるために、「いのちを守る森の防潮堤」の実現を目指しています。

1686557696450    開会宣言に立った実行副委員長である森びとプロジェクト桜井代表からは、鎮魂復興市民植樹祭の意義、未来を生きる子どもたちのための森づくりであることが語られ、参加者の心に響く開会宣言がされました。

20230612_171958    朝から恵みの雨が降る中、植樹会場に移動をし、植樹リーダーである市役所職員とそのサポートをした私たち森びとは、心構えとして一つひとつの作業(植樹説明・苗木運搬・植樹・マルチング・ロープ張り・集合写真撮影)を区切り、参加者の協働作業で最後まで丁寧に植えよう!を徹底してきました。

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1686557719673    コロナもだいぶ収まってきましたが、植樹祭への参加者が少なくなってきていると感じたのは私だけではないと思います。今までの延長戦上での植樹祭ではなく、どう多くの市民に“いのちを守る森の防潮堤づくり”に参加をしてもらおうとするのか植樹祭実行委員会では検討していただきたいと思います。

(報告:運営委員  小林敬)

2023年6月 8日 (木)

梅雨入り、新たな仲間と森作業

本日、足尾ダム・ゲートで迎えてくれたのは満開のヤマボウシと素敵なシカでした。 

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  作業小屋でいつものようにコーヒーを飲み打ち合わせ。嬉しいことに、中倉山ブナ保護の新聞記事を読んで、「お祭り的でなく地道にやっている」ことに興味を持った宇都宮市野沢町の矢口さんが本日の森作業に参加してくれました。少しの時間でしたが自己紹介をして相互に交流を深めました。
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今日の責任者は加賀スタッフ。前回のブログで「臼沢西の森の金網に石が落ちてきて修繕が必要」と報告にそって午前中は金網修繕作業を行い、午後は黒土の移動を行うことにしました。

森に向かう途中の森の中ではエゾハルゼミが大合唱をしていました。また、梅雨の晴れ間の森の爽やかさを感じました。

現場は単管が折れ、岩が金網を曲げ倒していました。網の外と内に分かれて私たちは、急斜面の場所で怪我や事故が起きないように手順を確認しながら単管を交換し、ロープを張り直し、金網を張り替えました。他の場所でも何カ所が金網が倒れ掛かっていたので修繕しました。

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昼食後は、梅雨入りで大雨により土が流れて崩れてしまう恐れがある「森びと広場」周辺の斜面に黒土の袋が破れてしまっている古い黒土を移動しました。
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約90袋の黒土の移動を終え、後片付けをしていると、週末の朝、古河橋ロータリ―近くのベンチで数人が「懇談」している中の一人、中田さんが私たちを激励に来てくれました。中田さんは、ダンプの運転手のかたわら30歳のころに「植生盤貼りのバイトをしたこともある」と言っていました。新たな出会いに嬉しくなりました。

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作業の最後は、初めてボランティア参加してくれた矢口さんから「臼沢西の斜面での作業は本当に大変でした。体験しないと分からない。下から見ているだけとでは大違い。コツコツと地道に手をかけたところが良いものが出来る。やりがい、生きがい、夢がある有意義な一日でした。」と感想を述べせれました。また、矢口さんは「希望のブナ」を心配していましたので、13日に行う「希望のブナ」調査に同行することになりました。今日の森作業は、矢口さん、中田さんと私たちの心をひとつにして“山と心に木を植える!”ことを願う日になりました。本日の森作業は、橋倉、加賀、済賀、矢口、そして筆者の大野でした。<報告:大野>

2023年6月 5日 (月)

新緑の足尾に散策に来ませんか!!

本日(6/4)足尾に向かう途中の、サービスエリアで休憩して、ふと空を見上げると朝焼けに染まっていて、幻想的な風景が広がって、感動した。Photo_17

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足尾のダムから流れる水量は、山に降った雨の影響でいつもより水量が多いようで、ゴーというものすごい音が響いていた。空は、雲がなくて真っ青な青空でしたが、お昼頃には雲が広がっていたが、風も吹いていたが、ほてった体を冷やすのには、丁度良い風量だった。

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打合せで、暑くなりそうなので作業中は、こまめな水分補給・休憩をとり安全に注意しなが作業をするようにしようとお互い言いながら、作業に向かった。

作業に出かけようと外に出ると、キジが暑いから気をつけてねと言っているかのように、甲高い声で鳴いていた。異常がないか、みちくさ庭園の周りを点検していた。森の中からも、セミを励ますように鳴いているようにきこえた。

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臼沢西の金網フェンスに石が落ちてきてフェンスの補修に行った斉賀さんが、石が大きくて動かせないので、応急処置をし後日改めて補修作業をする。筆者の私は、みちくさ前の駐車場の草刈りをおこなった。みちくさ横の階段の補修作業に使う木を軽トラで、広場のところに運び午後の作業の準備をした。Photo_21

お昼頃に、千葉から松木沢のジャンダルムにロッククライミングをしてきた、男女2名の方が、寄ってくれた。初めて登ったがすばらしいところなので、また登りに来ますと言っていました。

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午後からは、みちくさ横の広場の草刈り、広場からみちくさに上がってくる階段の補修作業を行いました。

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本日 斉賀・武田  天候 晴れ

2023年6月 3日 (土)

青空に誘われて松木散策!

 本日(6月3日)の足尾・松木の気温は14℃(8時30分)でした。雨も風もなく晴天です。昨日からの台風の影響による大雨の日本列島とは別世界です。 

Dsc09028 JREU大船支部の10名の皆さんが足尾・松木に散策に来てくれました。いつもは最年少の福原さんと筆者は、今日に限り最年長者でした。作業小屋に到着し、歓迎の言葉と本日のスケジュールを確認して早速、「松木の杜」と「新松木の杜」を見学しました。新緑の木々を見ながら「混植密植」と「土地本来の木を植えてきた」ことや「木は根、根は土」と植樹後の3年間は下草刈りをする宮脇先生の教えと人間の都合で苗木は育たないお話をさせて頂きました。

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Dsc09004 熱心にメモをとる人もいました。何もしない土地と人間が手を加えた場所の違いを見て頂きました。Dsc09003_2 昼食後は、「臼沢の杜」に入り強い日差しが遮られ、森に生かされていることを実感して頂きました。Dsc09009 次に「臼沢西の杜」に入り里親植樹会場で、松木川からの心地よい風に吹かれながら苗木の成長を見学しました。

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Dsc09020 一通りの散策が終わり作業小屋に着くと20℃でした(14時)が高原の爽やかな風が森びと広場に吹いていました。

Dsc08985 感想をお伺いすると「壊した自然は人の手を入れないと戻らないことを感じた」「臼沢の杜が広がっていてイメージが変わった」「杜の中に入って涼しくなり温度差を感じた」「何か協力できることがあれば協力したい」等ありがたい感想が出されました。

 短い時間ですが、森を見て森の中に入り人間が生かされてることの実感をして頂いた充実した時間をありがとうございました。また、足尾・松木にいらして下さい。お持ちしています。Dsc08992  尚、本日の森作業はみちくさ庭横のバラの苗木に幹ガードを設置と旧上の苗床の培養土が獣害に荒らされていましたのでネットを補修しました。

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Dsc08997 本日の案内と作業者は、福原サポーターと筆者でした。福原さんありがとうございました。(報告者:済賀正文)     

 

地球環境危機下で「いかに生きるか」を考えるシンポジウム④

 5月27日に開催されたシンポジウムでパネラー報告された樹徳高校OB・神田涼さんの後輩の皆さんから、シンポジウムの感想が届きました。

 神田さんは高校生時代に環境教育に熱心な先生に誘われ、足尾の荒廃地の森づくりに参加。現在、大学の研究で地球温暖化の原因となる温室効果ガス・CO²の削減に向けた研究に取り組んでいます。技術開発にも取り組んでいますが、これ以上地球を暖めないためには木の有効活用と森林や海が吸収できる量の排出に制限すべきと、私たちの暮らしや経済システムの見直しを提言されています。

 後輩の皆さんから届いた感想をお届けします。

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《高校生Aさん》

 今日の環境シンポジウムを経て、発表された4名の方々の話は全てが実体験だったので、ニュースで知るものや本やネットで見るものとは異なっていて興味深かったです。

特に、発表者それぞれが地球環境危機の影響を具体的に述べていて環境危機の実感が湧きました。

 私は始めて「シンポジウム」というものに参加したのでそれぞれの専門分野を持った参加者の話を聞けて良かったです。時には各自の持ち時間を大幅に超えてまで話に夢中になる方もおられて興味深かったです。

 《高校生Bさん》

 教科書で学んだこと以外のことを知る事ができた。太陽光発電の電力を使って飲食店経営と自家用車の発電をこなせることに驚いた。また参加していた多くの人が、若者が環境問題や社会問題に関心を持つことが必要だと言っていたので勉強だけでなく世界にも目を向けたい。

2017(2017年 民集の杜での植樹体験)

2017_2(2017年 民集の杜 ”いのちの木を植えたぞー!”)


《高校生Cさん》

 貴重な体験になりました。CO²を減らすために経済抑制をするという考えは革新的だと思いました。しかし短期的に見るとデメリットがやはり大きいのではないかと思います。地球のために経済発展を止めろというのは南北問題の原因にもなっているので、抑制が最善とは思えません。私には良案が浮かびませんが、今日の経験を参考に精一杯模索しようと思います。

 《高校生Dさん》

 地球環境という共通のテーマに対して、いろいろな立場の人からの意見を聞くことができました。神田先輩の発表は、経済の抑制という視点が新しく、日々の生活をダラダラと過ごすのではなく何事にも疑問を持つことが重要なのだと感じました。私も少し研究職に興味があるので、とてもいい機会になりました。今日はありがとうございました。

2018(2018年 民集の杜の育樹・下草刈り)

2018_2(2018年 民集の杜 生長の早い幼木は背丈ほどに)

《高校生Eさん》

 今日の地球環境に関するシンポジウム、とても面白かったです!普段、環境について深く聞く機会がないので、環境について知る良いきっかけになりました。

 神田先輩の、カーボンニュートラルのお話を聞いて、もっと詳しく知りたいと思いました。二酸化炭素を減らすために、木を伐採するという方法や、経済活動を抑制するという方法を聞いて、そんなやり方もあるのかと驚きました。自ら足尾銅山に行って実際に感じたことから研究に繋げていくことが、より説明に説得力が増すこともわかりました。疑問に思ったことも答えていただけて良かったです。森林を伐採する上でかかるコストのことや、どうやって経済を抑制していくのかについてはまだ解決策がないことを知って、自分なりにも考えてみようと思いました。

 発表の内容はもちろん素晴らしかったのですが、資料や原稿のまとめ方という点も素晴らしくて、私も神田先輩のように発表が上手くなりたいと思いました。またこのような機会があったら積極的に参加しようと思います。

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(2023年5月 多様な生物の暮らす杜に生長)

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 群馬県桐生市内を流れる渡良瀬川の源流に位置する日光市足尾町・旧松木村。樹徳高校の皆さんが松木村跡の植樹地「民集の杜」に植えた木々は大きく生長しています。40cmほどだった苗木は4mほどに生長し、一生懸命CO²を吸収していることでしょう。

 理科部の皆さんも、是非足尾の杜の観察と植樹にいらしてください。お会いできる日を楽しみにしています。

(報告:清水 卓)