2023年7月25日 (火)

東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出

 本日7月24日、小池百合子・東京都知事に対し、神宮外苑再開発によって樹齢100年の樹木を含む約1,000本の木々が伐採される計画に反対する意見書を提出しました。

 意見書の提出には桜井代表、清水副代表、大野運営委員、岩田事務サポーターが参加し、東京都議会・山口拓議員(立憲民主党)、他同党議員に同席をいただきました。

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 清水副代表から意見書提出の経緯・理由を説明。森びとプロジェクトの桜井勝延代表から東京都の都市づくり政策部土地利用計画課・課長に手渡しました。

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 桜井代表からは「経済活動をすることの前提は命をしっかり支えること。そこを企業の原点として、都民なりあらゆる地域の人々の命を守ることを前提として活動を進めるべきではないか。地上だけの生物だけではなく、地下の生物の活動が合って私たちの命が保たれているということを事業者の皆さんに理解していただくよう都、都議からも伝えてほしい」と述べ、「東京都は、神宮外苑開発に当たってエコシステムの衰弱・破壊につながる神宮外苑の再開発による樹木の伐採を中止すること。また、電柱を地中化した地上部や都内の廃屋跡地や放棄地、遊休地に木を植え、温室効果ガス吸収源の緑を増やすこと等、都民の森づくり運動を実施すること」を要請しました。

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 東京都側からは「皆さんの声は都から事業者側に届けていく。伐採を減らすために移植する先を広く探せないか、生かせる木は生かそう。単純に切るのではなく、守れるものは守ろうとやっていきたい。そのために知恵を絞っていく」と返答をいただきました。 

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 神宮外苑再開発を行う三井不動産、伊藤忠商事等の説明では、現在あるラグビー場と神宮球場、第二球場が老朽化したため、第二球場と外苑の森を解体・伐採した跡地に全天候型ラグビー場を建設、ラグビー場跡地に野球場を建設、神宮球場跡地には文化交流施設を整備し緑地面積を増やすとし、高さ180mを超えるホテルや商業ビルも建設されることが計画されています。住民や環境団体からは、「憩いの場が無くなる」「景観が悪くなる」「ビルや野球場の塀により、イチョウ並木が枯れる」など、不安の声が開発事業者や認可する東京都に上げられています。

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 神宮の森は国費で、外苑の森は広く国民からの献木、献金によって作られたといいます。植樹には全国からボランティアが参加し、多くの先人が後世に生きる私たちに豊かな森を残したいと「希望の森」をつくり育ててきたのだと思います。

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 現在、神宮外苑の森は都民の「心のふるさと」となり、都会の空気の浄化、現在の地球温暖化に対しては二酸化炭素を吸収し、都民ばかりでなく世界の人々のいのちを守っています。そして、100年の森を育ててきたのは、私たち人間だけではなく、落ち葉を分解し豊かな土をつくり木々に栄養を与えてくれる土の中の生き物たちであり、樹木の伐採は100年以上、地面の下で森を支えた生物の命を奪うことでもあります。人類生存の危機に陥れないためには、即、二酸化炭素排出削減を野心的に実行し、温室効果ガスの吸収源である森を守り育てなければなりません。

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 神宮外苑の再開発は森の生態系を壊し、人類の生存を脅かす地球温暖化にアクセルを踏むものです。都市づくり戦略は樹木の伐採ではなく、二酸化炭素吸収源の緑を増やし、森の多機能が発揮される森の中での生活環境づくりです。持続可能な生存があっての人間活動が「都民ファースト」ではないかと思います。

(報告 清水 卓)

2023年7月22日 (土)

35名の訪問者に森びとの活動を紹介しました。

 7月22日(土)、8:40天気は快晴、気温27℃、連日の暑さからは少し解放されたような、爽やかな足尾松木沢です。「みちくさの庭」に咲く花を写真に収めようと1周したところ、草が伸びており午前中は草刈りをすることとしました。今日も「仁平村長」は門番をしてくれています。

Img_0167 Img_0156 Img_0170以下、「みちくさの庭」の花です。Img_0160 Img_0161 Img_0162 Img_0165 Img_0168 草刈りをしていると、一人の男の人が訪ねてきて、数年前、松木沢の奥にC.W.ニコルさんと立松和平さんと一緒にホンダの社員の皆さんが植樹をした場所を、ホンダの皆さんが何年振りかで見に来て、帰りに立ち寄るので「森びとさんが20年近くも活動していることを10分位でお話しして欲しい。」と依頼がありました。突然でしたが、快く歓迎をしてお話しすることにしました。

 12:30頃皆さんがお見えになりましたが35名もの大人数は遊動学舎「みちくさ」には入らないので、ベンチのある外でお話ししました。植樹した方々が多いのかと思っていましたが、多くの方は初めて松木沢に来る方でした。私からは、「臼沢の杜」を眺めてもらい、18年間お世話をしてきて森ができたこと、温暖化に少しでもブレーキを掛けるために活動していること、中倉山のブナ保護の活動、これから行う「エコ散歩?足尾」にお越しを。などのお話をさせていただきました。

 「また来てみたい。」「宮脇昭先生のエピソードなどを聞かせてほしい。」「今は木が多く森になっているが、前はどんな状態だったのか?」「中倉山のブナ保護活動に参加したい。」などの感想・質問を頂きました。有難うございました。

Img_0172 Img_0175 昼食後、「果樹園」に水遣りを行い、様子を見ました。ブドウは葉が虫に食べられているところもありますが、実が成ってきているのもあります。ブルーベリーはそろそろ終わりかなと思います。みかんも緑の実が成っています。美味しく食べられる日が待ち遠しいです。Img_0178 Img_0180 Img_0183 Img_0184 Img_0185 ヒグラシがかまびすしく鳴いています。今日は朝からセミの声がうるさいくらいに鳴いていましたが、シカや猿の姿は見えせんでした。

今日の舎人は、大野さん、筆者加賀でした。(報告:加賀春吾)

2023年7月20日 (木)

横須賀石炭火力訴訟控訴審が始まる

 本日10:30より、東京高等裁判所101号法廷にて、横須賀石炭火力訴訟の第1回控訴審が行われました。これは、今年5月27日にシンポジウムでパネラーとして報告をしていただいた鈴木陸郎さんが原告団長をされている訴訟であり、今年1月27日東京地裁において気候変動の問題や環境アセス手続きの不当性を容認し、「原告らの請求をいずれも棄却する」という不当判決が出されたことによる控訴審です。20230720_180646   森びとからも4名が傍聴券獲得のために並び、無事全員法廷に入ることができました。

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20230720_101231 今日は控訴人側の口頭弁論意見陳述が行われ、まず弁護団より訴訟の意義と原判決の問題点が語られました。ポイントとしては、生命・健康・財産を守るために、科学的知見や客観的事実を認めていないために控訴人の救済に道を閉ざしたものであること、代替案を検討するのが環境アセスメントの核心だが重大な瑕疵があること、漁業関係の調査が欠落していること、等パワーポイントを活用して説明がありました。

6 その後に行われた報告集会では、小島弁護団長から「裁判所には地球温暖化の被害に向き合ってもらいたいので、江守正多さんの承認申請をしている」ことが報告されました。また、浅岡弁護士からは「経験していないこと(異常気象)が起きている。今の対策だとこれからどうするのかということが語られていない。メディアには報道することを投書等で呼びかけて欲しい。2030年までに今の排出量の半分にしなくてはならないということをどこも言わない。だから私たちは裁判をしている」と語られていました。参加された方から「国が相手になっているが、対立点を明確にして欲しい」と質問があり、小島弁護団長から「裁判所の言い分は時の政権の意向(選挙で選ばれた議員)の意向が国の意見である。最高裁判事は内閣が決めるので憲法違反ではない。建前は三権分立だが、そうなっていない。多くの人に問いかけていきたい」と人権の砦と言われる裁判所の独立性に疑問を呈し、公正な裁判を求めていく決意が語られました。

Photo 次回は10月20日10時30分~行われます。生存の危機を訴えて闘うこの裁判を多くの人に広め、不当性を訴えていきます。(運営委員・小林敬)

2023年7月18日 (火)

東電福島原発事故と住民訴訟

    昨年11月に仙台高裁は福島原発南相馬訴訟について、故郷の変容による慰謝料などを認め、東電に一審を上回る損害賠償金の支払いを命じる判決を出した。上告した東電は今年3月、上告を取り下げたため、判決は確定した。

    7月16日、東電は南相馬訴訟の原告団に対し、福島復興本社の高原一嘉代表は「取り返しのつかない被害と混乱を及ぼしてしまったことについて、心から謝罪いたします。事故の反省と教訓を胸に、あのような大きな事故を二度と起こさないことを固く誓います。」と福島県南相馬市内で謝罪した。

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    原発事故は損害賠償金を支払えば解決するものではない。最悪な環境汚染をもたらし、事故前の状態に戻ることはない。事故から12年経っても使用済核燃の取出しも見通しが立たない。廃炉は決定したもののいつ終わるのか分からない。

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    このような中、国と東電は漁業者との約束さえ守らず汚染処理水の海洋放出を強行しようとしている。「福島の復興なくして日本の再生なし」と誓った政府は、福島の復興をしないまま原発の再稼働と新増設を決定した。政府は、原発事故を教訓にするつもり全くない。

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    このことが世界から取り残される原因だと思う。(運営委員会代表・桜井勝延)

2023年7月17日 (月)

酷暑の中、草刈りと桜の苗木植え

 7月17日3連休の最終日、松木ダム駐車場には20台ほどの車がありましたが、殆どが中倉山に行ったようで、松木渓谷方面には人は現れません。天候は快晴、気温は8時40分、すでに34℃ありました。「みちくさ」の仁平村長も麦わら帽子を被り熱中症対策です。

Img_0095 Img_0098 Img_0146 今日は、急遽舎人の変更があり、6月に開催された「第4回森びとプロジェクト総会」で足尾森づくりサポーターに選出された山田さんが初めて舎人として参加してくれました。打ち合わせを行い、「民集の杜(北)」の中にある「糺(ただす)の森」の草苅りと大野さんが桜の木の苗を3本持ってきてくれたので、これも「糺の森」に植えようということになりました。それにしても太陽が照り付ける酷暑の中での長い作業は耐えられません。15分ほど作業をしたら森の中に退避し休憩をとりながら作業を行いました。森の外の気温は47℃、森の中は34℃で結構熱いのですが、13℃も差があり森の中はすごく涼しく感じます。

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Img_0131 Img_0141 Img_0123_2 Img_0132 花見をしながらジャンダルムを眺められる日が来ることを楽しみにしたいです。

 その後、先日の草刈りで残した「民集の杜(北)」の南入口付近の中と外の草刈りを行って午前の作業を終了しました。

Img_0143 Img_0142Img_0144Img_0130 昼食後のデザートに橋倉さんが今年初のスイカとブドウを持ってきてくれました。私(加賀)は外で食べたほうがよりおいしく食べられると思いベンチに行きましたが、暑さのほうが勝り敢え無く室内に戻りました。

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Img_0148 午後は、酷暑で作業は無理と判断し、4人で今後の足尾森作業の事やサポーター・スタッフとしての心構えなどについて1時間ほど話し合いました。Img_0150 今日は猛暑を考慮し早めに終了することとし、本日の日程を終了しました。訪問者はいませんでした。舎人は、山田さん、筆者加賀、森作業は、橋倉さん、大野さんでした。暑い中、大変お疲れさまでした。(報告:加賀春吾)