2024年3月19日 (火)

原発回帰はあり得ない

    4月6日(土)に森びとプロジェクトと一般財団法人日本鉄道福祉事業協会の共催で「原発回帰と気候危機に向き合う生活を考える」意見交換会を開催します。

   「沸騰化」する地球環境、頻発する異常気象によって私たちの暮らしが脅かされています。今、世界の潮流は「化石燃料から再生可能エネルギー」へと転換を進めていますが、日本政府は「電力の安定供給と脱炭素化を同時に進める」ためとして「原発回帰」へと突き進んでいます。東日本大震災から13年が経ちましたが、いまだに福島第一原発の廃炉処理は進まず、帰宅困難区域への立ち入りも制限されています。また、漁業民や市民の不安を払拭されることなく、行き場のない放射能汚染水は海洋放出されています。

    そのような中、2024年1月1日に最大震度7を観測した石川県能登半島地震が発生し多くの方が被災されました。被災地では断水や停電、雪降る寒さの中での避難生活を余儀なくされています。「志賀原発」では主変圧器の絶縁油漏れや外部電源の一部停止、使用済み核燃料プールから水が溢れ、放射線モニタリングポストが故障するなど、地震の影響が明らかとなりました。また、原発事故が発生した場合の屋内退避や30キロ圏外への避難は不可能であることなど多くの問題が露呈しています。

    石川県能登半島地震の現実から、これから生きる私たちは何をしなければならないのか。被害に遭われたた珠洲市ではかつて原発の建設計画があり、計画の断念までの28年間住民が二分するほど熾烈なたたかいを反対の立場で中心で闘ってこられた住職の塚本真如(まこと)さんから当時の闘いの苦労や震災を受けて感じていることなど、私たちへビデオメッセージをいただきます。そして、長年原発問題を追求してきた科学ジャーナリスト倉澤治雄さんより問題提起をいただき、「原発回帰と気候危機」について共に考えます。

  1. ※再下部にあるYouTubeは、3月9日にTBSの報道特集で住職の塚本さんが取材を受けている動画(18分33秒あたりから)ですので、是非ご覧下さい。

(運営委員・小林敬)

                                                                     記

【開催日】2024年4月6日(土)13:30~16:00

【会 場】目黒さつきビル2F会議室、及びオンライン(Zoom)

【共 催】森びとプロジェクト、一般財団法人 日本鉄道福祉事業協会20240319_211119

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  1. 志賀原発の避難計画“絵に描いた餅” 能登半島地震 各地で道路寸断、「どこに逃げれば…」女川で募る不安、地震と原発はいま【報道特集】 | TBS NEWS DIG
    YouTube: 志賀原発の避難計画“絵に描いた餅” 能登半島地震 各地で道路寸断、「どこに逃げれば…」女川で募る不安、地震と原発はいま【報道特集】 | TBS NEWS DIG

2024年3月16日 (土)

AIは世界を楽園にするのか、破滅に導くのか

 

1 加速度的に進化しているAI。この先、人間は食べるために働く必要はなくなり、したいことだけをするユートピアが実現するのか。あるいは冒頭、人工知能同士の争いが都市間戦争に発展する手塚治虫の「火の鳥 未来編」やシュワルツネガー主演の大ヒット映画シリーズ「ターミネータ」が描くようなディストピアとなってしまうのか。

 日経新聞2月28日の「オピニオン」欄に興味深い記事が出ていた。AI研究の第一人者であり「深層学習」の基礎を築いたトロント大学名誉教授ジェフリー・ヒントン氏によれば、「AI同士が学んだことを共有しあい『集合精神』が誕生すれば、人間に対する絶大な優位性を手に入れる」といい、日経3月10日のインタヴュー記事では「AIに気候変動を止めるよう指示すれば、目的のために人類を排除する手段に出る可能性がある」「今後10年以内に自律的に人間を殺すロボット兵器が登場する」とも語っている。

 また、今年のアカデミー賞7部門を受賞した「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督は「今一番心配しているのはAIが核ミサイルの発射ボタンを押すことだ」とインタヴューで応えていた。

 江戸から明治へと時代の大変革を体験した当時の日本の市民のように、いま私たち地球に暮らす全ての市民が時代の大変革に立ち会っているのかもしれない。できれば変化を見届けてから死にたいものだと強く思う、春には67歳となる私です。

 冒頭にあげた写真は長野県千曲市の春を彩る「あんず」の花の丘。いつもなら4月中頃かな、見ごろは。(運営委員・井上康)

2024年3月11日 (月)

東日本震災から13年、鎮魂の願いを込めて祈念植樹

 本日は3月11日。2011年に発生した東日本大震災、東京電力福島第一原発事故、津波被害から13年目を迎えました。南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊は、鎮魂の願いを込めた祈念植樹を行うため、第1回植樹会場(2013年・鹿島区南右田地区)に10時に集合しました。

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 参加者全員で打ち合わせを行い、応援隊の松林英夫代表から、「あっという間の13年が過ぎましたが、当時の教訓を忘れず語り継いでいかなければならないと思います。」とのあいさつをいただきました。その後、海に向かって東日本大震災による犠牲者に哀悼の意を込めて全員で黙とうを行いました。

 祈念植樹は、シロダモ、シラカシの2樹種、各15本を昨年同様に植樹会場の東側の盛土に丁寧に植樹しました。

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 植樹後は森の中を散策しました。2013年10月に植樹した苗木が樹高も6メートル以上となり、木々の生長ぶりに応援隊スタッフ一同感動していました。

 植樹地の散策終了後、菅野副代表の自宅にお伺いし、震災の犠牲となられたご家族の仏前にお線香をあげさせていただきました。その後、墓前にもお線香をあげてさせていただきました。菅野副代表からは「月日の経つのは早く感じるが、応援隊での育樹・植樹活動や相馬野馬追等の取り組みを通じて頑張っていく」ことを改めて話されました。

 東日本大震災から13年。原発事故による帰還困難区域は今も7市町村約310平方キロも残り、避難者は2万9328人にのぼります。1月1日に発生した石川県能登半島地震で犠牲になられた方や避難生活を余儀なくされている皆さんへの思いも馳せて、一日も早い復興と震災の経験を風化させず鎮魂の願いを強くした祈念植樹となりました。

 今日の参加者は、渡部顧問、松林代表、菅野副代表、山田事務局、小川事務局、道中内スタッフ、松本スタッフ、宮城県ファンクラブ林代表、筆者・岩橋でした。大変お疲れさまでした。

<お知らせ>

 来る6月9日(日)第12回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が、南相馬市小高区塚原地区において開催されます。全国の森林ボランティアの皆さん、森びとの皆さん多くの方々の参加をお願い致します。

(報告 事務局 岩橋 孝)

 

 

 

 

 

2024年3月 6日 (水)

春を迎える森作業

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Dsc09860   足尾では昨晩から朝方にかけて降雪がありました。本日(6日)は、ダムゲートで10cmの積雪がありました。足尾町内には除雪車が出動していました。森びと広場の気温は2℃(9時)でした。雪は止み、肌寒い曇り日でした。作業小屋の薪ストーブの暖とホットコーヒーを飲みながらの作業打合せ。

Dsc09884 作業責任者の加賀さんからは、ひとつは、柳澤さんが運んでくれた散歩道整備資材の竹を各杜の入口に設置グループ、「臼沢西の森」の獣害ネット補修のグループ、「臼沢の森」内の貨物労組植樹地の獣害ネット補強のグループに分かれた作業内容が伝えられました。午後は、全員でみちくさ前に保管してある縦杭の移動と保管をすることにしました。

 早速、修繕資材を持って「臼沢の森」内の雪上を登っていくと階段では滑り易く、転ばないように注意しながらの作業でした。

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Dsc09936「臼沢の森」内は樹皮が食べらた痕が多く見られました。餌の少ない時期に木の皮を食べて生きようとする動物の生命力に驚かされました。その樹皮はモミジ系の木に多く見られました。また、地面近くには樹皮の食べ残しがあり、シカか猿の食事の跡ではないかと想像しました。Dsc09896

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Dsc09912JR貨物労組の植栽地内では幼木の幹がナイフで切られたような跡が多く見られ、現地ではウサギの食害ではと話しました。西側斜面のネットには金網目の小さい金属に雪が吹き溜まりっていました。これではうさぎの出入りは自由になり、別の金網で補強しました。傾斜が30度位の植樹地に積もった雪上での作業では身体を維持することが大変でした。

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Dsc09926 12時に下山。金網の網目の細かい金網から網目の大きい金網に交換しなければと話し合いました。また、作業の安全確保のために階段を設置することも話し合いをしました。

Dsc09943 作業小屋に戻ると、足尾在住の橋倉さんがけんちん汁を用意してくれました。宿直後に自宅でつくった暖かい汁に冷えた身体と心が温まりました。ごちそう様でした。

Dsc09947 午後作業は、太い縦杭を「うんしゅう亭」の軒下に移動しました。一人では持ち上げられない太い杭はの移動は大変でしたが、無事に運びました。Dsc09956

Dsc09959 Dsc09964雪上の辛い森作業でしたが、終わってみると春を迎える準備が順調に進んでいることに心が和みました。Dsc09960 本日の作業者は、加賀、大野、清水、鎌田、松村(宗)、橋倉、柳澤、坂口(敬称略)と筆者でした。ご苦労様でした。(報告者:済賀 正文)

2024年3月 4日 (月)

命と健康を守るアクションを求めて

Photo  千葉県FCから送信された桜とメジロ

 4月6日、「原発回帰と気候危機に向き合う生活を考える意見交換会」が開催されます。開催にあたり私は、原発回帰と気候危機に向き合いながら、この地球で健康で生きていく生活を続けていくためにはこの課題は避けて通れないと思っています。多くの方々も「自然災害が頻発・激甚化するなか、自然に対して謙虚に向き合っていくべき」、あるいは、自然界を狂暴にしているのは地球を温め過ぎている私たちの生活の問題ではないか、と感じているのではないでしょうか。

 TVニュースや新聞報道では能登半島地震の災害・被害、そして救援等をめぐって原発と気候危機に向き合ってきた政府・行政の姿勢と政策を問い、私たちにも問題提起がされていると思います。政府機関の原子力規制委員会、地震調査研究推進本部、石川県等が従来の考え方を見直す作業に入っています。20240207 銅精錬の滓体積場跡に生きるヤシャブシ

 私たちも問われている中で開催される意見交換では、“待ったなし!”とか“謙虚になるべき!”という意思表明をするだけではなく、また、政府や行政を問うだけではなく、原発回帰と気候危機に向き合う方々との出会いをどのようにつくりだすのかという意見を出し合うことが大切ではないかと思っています。今、日本社会で求められていることは出会いから連携へ、そのアクションとしての市民力ではないでしょうか。足尾町、宮城県、岩手県八幡平市、福島県南相馬市の森の樹々は私たちのアクションに期待しているのではないでしょうか。(アドバイザー・高橋佳夫)