2024年12月17日 (火)

寒さに負けず、森作業が順調に進みました!

 本日(12月17日)の足尾・松木の気温は3℃(8時40分)でした。晴天で風もありません。しかし、寒いので私は背中をまるめて歩いています。靴下は厚手の物です。全員が揃いましたので9時30分に森作業の打合せを行ないました。

11月にJREU大宮OB会の皆さんが、森作業と森の観察に来られて「自分たちに出来ることとして足尾の森作業に参加します」と言ってくれた田口さんが初参加です。

Dscn3399 作業責任者・済賀より、作業ひとつめは「みちくさ」の大雨対策の桝の設置の完成と玄関のひさしの柱の補修です。二点目は、昨日、足尾の住民の方から頂いた伐採したクリの木を薪にすることを提案し、作業にとりかかりました。

 軒下の補強は、柱の下に腐食が見えますので車のジャッキアップの機材で柱を持ち上げ、柱の周りの石や砂利を敷き、腐食した部分を切断し、新しいコンクリの台に固定しました。慣れない作業で、みんなで知恵を出しながら無事に昼前に柱の補強は終えました。

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Dscn3415 午後の早い段階で、排水桝の設置も終了しました。
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 薪割りに初挑戦の田口さんは、斧で力強く綺麗に薪を割っていました。綺麗に薪が割れて薪を見て、田口さんは”ニコニコ顔”でした。

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Dscn3400 薪割の体験がある深津さんも軽々と斧を使い、栗の木割りを楽しんでいるようでした。早めに作業が終りましたので、コンテナ脇の二本の幼木の獣害ネットが傷んでいましたので、スチール製のネットに交換しました。この方法は、福原さんが考案しましたので「福原方式」の獣害ネット補強と皆さんが呼んでいました。見た目も美しく、獣害に負けないで幼木が大きく生長出来る獣害ネットです。福原さんありがとうございました。

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Dscn3421 本日は、予定した以上の森作業が無事に終わりました。寒いと気持ちが重くなりますが、今日は田口さんのヤル気で心が温かくなりました。寒い中での森作業にご協力ありがとうございました。

 本日の森作業者は、橋倉さん、加賀さん、田口さん、深津さんと筆者でした。

(報告者:済賀正文) 

2024年12月16日 (月)

身の丈にあった活動を仲間とともに

12月15日、宮城県ファンクラブは仙台市荒浜・名取市閖上の「いのちの森」の観察会を行いました。仲間達6名と森びとから清水副代表・田城運営委員と共に、現地に向かいました。

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 新緑や紅葉の時季には、私たちの目や心を癒し、広げた葉が日陰を作り暑さを遮り、草の生長を抑制してくれた、落葉樹の木々は葉を落とし(カシワは春に新芽が出るまで葉を落とさない)、寒風の吹く厳しい冬の寒さに耐えていかなければなりません。

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 今年は3回の育樹作業を行い、1回目(5月25日)に森の中に足を踏み入れた時、ケムシの大発生に驚かされました。改めて人間の活動による気候変動によって、生態系に影響を及ぼしていることを、現場で実感しました。

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 2024年も気温上昇は止まらず、観測史上最高を更新し、「誰も想像がつかないほど異常な速さで温暖化が進んでいる状況」になっています。できることを実践すると共に、仲間達と危機意識を共有し、持続可能な社会のためどう変われるか考え、活動していきたいと思います。

(宮城県ファンクラブ代表・林雄一)

2024年12月15日 (日)

私たちの暮らしに原発回帰はプラスにはならない

 先日、政府が原発を「可能な限り依存度を低減する」の言葉を削除しようしている記事を目にしました。

20241215_191118_2 先月、国民民主党の玉木代表が石破首相を訪ね、原子力発電所の稼働や建て替え、増設といった活用方法を政府の新たなエネルギー基本計画に明記するよう要請しています。言うまでもなく地震大国の日本では、今年元日に発生した能登地震において土砂崩れや海面の隆起・道路の陥没が起き、原発の立地する地域での災害時の避難の難しさが露呈し、安全面の不安は増したばかりです。9月には豪雨にも見舞われ、いまだに数万人もの人が避難を余儀なくされている中で、住民の方の不安を解消することなく、政府へのこのような要請や原発回帰への動きに怒りしか出てきません。

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 そのような中、アメリカのIT大手の間では、原発による電力を活用しようという動きが広がっているそうで、AIの利用拡大でデータセンターの電力使用量は、2023年~30年の間におよそ3倍になるとの予測もあります。日本では、JR東海の進めるリニアの消費電力は東海道新幹線の約3倍、原発3~5基分の電力が必要と言われています。

20241215_191349 さらに、経済産業省は原発の新増設を進めるため、建設費を電気料金に上乗せできるようにする制度の導入を検討していることが報じられ、私たちの生活を苦しめようとしています。

20241215_194634 果たして、便利になること=私たちの暮らしが良くなるのでしょうか。政府や企業等一部の利益がもたらされる人たちのために原発の利活用が推進されるとしか思えません。原発の利活用に舵を切るということは、原発事故によるリスクを堂々と包み隠すことなく明らかにして議論するべきです。ちなみに、福島原発での廃炉が13年でデブリの12億分の1の回収しかできていません。反省をすることなく、いつとも分からない未来へ廃炉を押し付けていく企業の責任は極めて重大です。

 最後に1つ明るいニュースですが、全国知事会で栃木県の福田富一知事は、新たな温室効果ガス削減目標をより高く設定するよう環境省に要請しました。政府は2035年度までに温室効果ガスを13年度比60%減とする方向で調整中ですが、研究者や市民団体などは75%とも80%減が必要と言っており、削減目標の引き上げのうねりを大きくしていかなければなりません。ひとたび事故が起きれば土地を汚染し、市民のいのち・暮らし・仕事を奪う原発の利活用にはNOをあげ続けていきます。(運営委員・小林敬)

2024年12月10日 (火)

冬日和に汗をかく越冬作業

今日は12月に入って初めての森作業。集合時間が冬時間になりダムゲート10時集合でしたが、参加者の皆さんは早めに集りました。

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 責任者は加賀スタッフ。11名全員が作業小屋に集合した所で、前回に続き「果樹園」の除草シートを剥し、籾殻を敷くこと。それからハウス、コンテナ、「うんしゅう亭」の整理・整頓を行うことが報告され、直ちに作業を開始しました。

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「果樹園」の除草シートはがしが大変な作業になりました。ブドウやミカンを植えた所は2重にシートが敷いてあり、萱などの草も生え、鉄の留めピンも錆びていて抜くのが大変でした。それぞれがグループになり協力して万能鍬やバールを使ってやっとのことで除草シートを剥し終えました。

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果樹園の奥にリンゴ、ナツハゼの所は、来年「みちくさ庭」にあるイチゴの苗が植えられるように土を均しました。その後、樹木の根の周りに追肥し、霜や雪から根を守るために柳澤さんが持ってきてくれた籾殻をフカフカの毛布のようにかけてやりました。

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12時を回っていましたが、後片付けをして「果樹園」の冬支度が終わって昼食を取りました。

食後の少しの時間でしたが、柳澤さんが、「森びとカルタ第2弾」を作って持ってきてくれたのでお披露目していただきました。

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「ふ」・・腐葉土を おしどり夫婦が 2000袋。

「た」・・暖流が 三陸沖で さようなら。

「ま」・・まだまだ 序の口 20年。

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などなどを聞いて、参加者らは「その心」を改めて柳澤さんから聞いて「なるほど」と納得でした。これを一夜で書き上げた意気込み、情熱には敬意を表するところです。楽しく、あれやこれやと話は盛り上がりました。これまで「ふるさとの森づくり」に参加された森ともの皆様も足尾の思いの句を読んで盛り上がってみてはいかがですか。

 午後は、午前中に使った道具類をみんなで片付け、うんしゅう亭に置いてあったヘルメットを棚から降ろして整理しました。

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 今日は、身も心も綺麗になるような清々しく穏やかな一日でした。そして一年が間もなく終わると共に越冬作業で汗を流し、森づくり20年を区切りに新しい一年に想いを馳せる「冬日和」になりました。お疲れ様でした。

 本日の森作業は、鎌田、松村宗、橋倉、加賀、柳澤、坂口、田城、清水、林子、そして筆者の大野でした。

<報告:大野昭彦>

2024年12月 8日 (日)

「第9回エコ散歩」で師走の明治神宮を歩きました!

12月7日(土)はエコ散歩で、前回に引き続き、明治神宮を歩きました。ご存じの通り、この明治神宮の森は100年前に人の手で作られた森ですが、一木一草たりとも持ち出すことは禁じられ、折れた木や落ちた葉はすべて森に戻すことになっています。この時期は落葉も大量にありますが、それらがすべて分解され、森に還っていくのですから、自然の力は凄いですね。葉を集めてゴミに出すことが実に無意味なのだということが良く分かります。

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森に入ると街の喧騒がふわっと消えて、人々の歩く音と、少しの会話の声が、鳥の声に満たされます。やはり少し気温は下がりますね。少し前までは都内ではまだイチョウも色づかないと聞いていましたが、常緑の森の中に所々赤や黄色の葉っぱが青空に美しく映えていました。

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この日の参加者は20名。森の案内は、今回も森びと植生アドバイザーの中村幸人先生です。この時期ですので紅葉の仕組みからスタートです。落葉する木々の奥深いしくみについてわかりやすく説明してくださいました。

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今回は、人数も多く、明治神宮という場所がら大声を出すわけにもいかないため、FMラジオを全員に配り、それをトランシーバーのように使って先生の話を聞きました。少し離れてしまうともともとの周波数から送られてくるアニメ音楽が聞こえてくるおまけつきです。道すがら見つけた木々を一本一本解説してもらえるので何とも嬉しい限りです。

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クスノキは九州に植生があるものの、はっきりした出自がわからない木だと言います。船の材として有用で液果で鳥によって至るところに運ばれるものの、明治神宮では実生はありつつなかなか次の世代を作れないのだとか。この地には合わない木なんですね。タブノキ、シラカシ、アラカシ、ツクバネガシ、ケヤキ、エノキ、ムクノキ、ヤシ、モチノキ、ネズミモチ、サザンカ、サカキ、ヒサカキ、チャノキ、ヒノキ、イチョウ。このほかにもたくさんの木本、草本類の話がありました。これだけの種類の木々があるというのですから実に豊かな森なのでしょう。

Pc074617_2イイギリの実がついていました

今回もリピータで小学2年生の女の子とそのご家族が参加てくださいました。縦横無尽に森を楽しんでくれていて、みんなを笑顔にしてくれました。お馴染みの「宝さがしビンゴゲーム」は史上最ムズでしたが、美味しいドングリも見つかったし、松ぼっくりも、ふ〇〇う(笑)も見つけられたので良かったですね!土壌動物を見るミニ企画でも興味津々に観察してくれていて、準備しがいがありました。解説は少しだけ難しかったかもしれませんね。

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今回も前回と同様、原宿駅前の鳥居から北参道に入り、本殿をぐるっと回り、西側の客殿の前で解散というコースとなりました。以下、皆さんから頂いた感想や気づきです。

・同じ場所を歩いても季節によって変わるし理解も深まる。また参加したいです。
・普段みているものも植物といろいろ関係があるのだと知った。
・植物をいろいろ教えてもらい面白かった。
・こんなに時間をかけて森を歩いたのは始めてだった。
・戦争があるとこういう豊かな森も一瞬で破壊されてしまう。
・人間はろくなことをしないけれど、こういう森を作ることもできる。
・100年で森ができる。鳥が種を運んでくる。感動した!楽しく学べた。

また今回のエコ散歩に初めて参加下さり正会員になってくださった方もいらっしゃいました。本当にありがとうございます。

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この日は同じ時間に「緑と空の神宮外苑ウォッチ」という集まりがありました。森びとのメンバーも参加していたと聞いています。内苑も外苑も、植物の大切さは変わりがありません。もっと森が大切に扱われる社会になると良いなと願います。

来年の森散歩は、20周年記念事業があるため一時休止します。再来年(2026年)にパワーアップしてまた開催しますので、その際にはたくさんの皆さまにご参加いただけたら幸いです。(運営委員会 小黒)