2024年12月 1日 (日)

森ともの声を社会運動へ反映したいと願う

 先月、私は二人の感想文を読んで気候危機等から自分の命を守ることの危機感が薄氷のようなものであることを突きつけられました。

 その感想文は、11月3日に実施した「中倉山のブナを元気にする恩送り」というブナ保護活動でご一緒した登山ガイドのMさんと9日に行われたJREU大宮シニアの森の散策と以前植樹した地の草刈りに参加してくれたMさんからのものでした。

 ガイドのMさんは「一歩一歩自分と向き合い登っていくとそこに凛々しく立つブナが待っており、“このくらいで大変と言ってはダメだよ”と、まるで“人生の師”のような圧倒的なブナに逢う事が出来ました」(一部)と感想を書いていました。シニア会のMさんは「今、我々が行動しなければ手遅れになる。子や孫たちが気付いた時では間に合わない。現状に危機感を持っていない自分に気づかされた」「自分に出来ることを考え、危機意識を共有する場をつくる」と書いていました。その後、登山ガイドのMさんは、今後は中倉山を案内したいと言ってくれました。

Photo

 東京郊外に住む私は、気候危機という生存の不安定な社会を前にして、LED電球の交換、あるいは中倉山のブナの種から苗を育てるという程度のものでした。私は、二人の感想文を読み返し、2024年の世界平均気温が過去最高を示すと言われている中で、次期米大統領の「燃やせ!燃やせ!」に現われている温暖化姿勢、COP29での二酸化炭素大量排出国や産油国等の温暖化対策へのブレーキ踏み言動等を見聞きすると、海水温度は更に上昇するとともに気候も変化し続けると思います。世界各国の人々は年を追うごとに異常気象に怯えた生活を強いられます。

2024119ob

 このような予測をすると、二人の感想は“気候危機には待ったなし!”というレベルではなく実践的であると思い、感動し、嬉しく思いました。運営委員2年目に入る私の1本の柱がふたりから提案されました。本格的に始まる「エコ散歩in足尾」では、私の生存の危機を一緒に散歩する方々と共有していきたい思います。そして、この危機感を社会へ拡げていく私たちの勇気へ繋げていきたいと考えています。

Photo_2

 最後になりましたが、己の生存危機に向き合う姿勢を振り返ることの大切さに気づかせてくれた二人に感謝申し上げます。 

 運営委員  田城 郁

2024年11月27日 (水)

来夏を彩る紫陽花の開花を願い「こころの園」に移植

 11月26日(火)、足尾「松木郷」は灰色の曇に覆われ、9時の気温は2℃、昼になっても7℃と寒くどんよりとした天気です。作業小屋に入るとストーブに火が入れられ、体の芯まで暖まります。森の恵み(薪)に感謝です。

Dsc05998

Dsc05907

 作業責任者の大野さんより今日の森作業が報告され、「みちくさの庭」から「こころの園」にアジサイの移植を3班に分けて行うことにしました。1班は「みちくさの庭」のアジサイの掘上げ(鎌田、本間、田村)、2班はアジサイの運搬(加賀、田城、清水、橋倉)、3班は、「こころの園」に植付け(大野、栁澤、坂口)と担当分けし、作業を開始しました。

Dsc05918

 「みちくさの庭」のアジサイの株が生長して密集しており掘り上げるのも一苦労です。加賀さんが運び出しをしてくれましたが、重いものは二人で運び出しました。

Dsc05922

Dsc05930

 枯れた枝と長く伸びた枝を剪定して、一輪車に積み込み「こころの園」に運びましたが、石がゴロゴロし、坂あり、砂場ありで、押したり引いたりと四苦八苦しながら、72本のアジサイを運びました。

Dsc05953

Dsc05962

Dsc05933

Dsc05920

 サルの食害にあわないように運び出し口のネットをふさぎ、全員で植付け作業を行いました。事前に掘った穴が小さく、株の大きさに合わせて穴を広げ、黒土を入れて植えました。

Dsc05944

Dsc05946

Dsc05975

Dsc05995

 階段東側に51本、西側に21本を移植することができました。来年は森づくり20年になります。サクラの開花が過ぎた6月から7月の梅雨時期にアジサイの大輪が花開き、「松木郷」を訪れる皆さんの目と心を楽しませてくれることを願い移植作業を終了しました。午後まで掛かると思いましたが12時に終了し、昼食にしました。

 

Dsc06027

 午後は、「果樹園」の防草シート剥がしと「りんねの森」の生長調査を行いました。

 苗置き場だった「果樹園」では防草シートに生えた草の根がガッチリとシートを押さえているため、手で剥がすことができない場所もあり、つるはしで草の根を切り離しながら数人がかりで剥がしていきました。ブドウ棚、ビニールハウス内、外側全部を剥がし終えることができました。シートを押さえていた金具は一輪車に一杯となりました。次回は、もみ殻を敷き、木の根を温めたいと思います。

Dsc06079

Dsc06082

Dsc06085

Dsc06147

 「りんねの森」の木々の生長(樹高)調査は、各エリアで一番樹高の高くなった木を測定しました。2022年10月に植えた時は60㎝程だった苗木たちですが、砂地のヤマハンノキは樹高5mにもなり、驚くような生長を見せていました。改良地のヤマザクラは1.9m、赤土のヤマボウシは2.4m、湿地のカツラが2.2m、河川敷のネコヤナギは2.3mと順調に育っています。

Dsc06050《5mに生長した砂地エリアのヤマハンノキ》

Dsc06067《改良地エリアのヤマザクラ 1.9mに生長》

Dsc06094《赤土エリアのヤマボウシ 2.4mに生長》

Dsc06097《湿地エリアのカツラ 2.2mに生長》

Dsc06121《河川敷エリアのネコヤナギ 2.3mに生長》

 森の調査で、びっくりする発見もありました。砂地のヤシャブシの木に実が生っているのかと見たら、モズのハヤニエ(速贄)でトカゲが刺さっていました。干物にして保存食にするようですが、森の生長に伴って生き物が増え、食物連鎖がつくられていく様子を垣間見ることができました。

Dsc06053

 赤土エリアでは、9日にJREU大宮地本OB会の皆さんが草刈りを行ってくれたおかげで林床が見えるようになり、「フユノハナワラビ」を見つけました。花を3本見つけ、枯草をかき分けると葉があちこちに見られました。数年後には「民集の杜」のように苔むした林内に変化するのではないかと想像しました。

 Dsc06102

Dsc06104

 作業小屋での終了ミーティングでは、柳澤さんから「森はともだち!カルタ」の紹介がありました。19年の森作業を通じて学んだことや森に生かされていると感じたことを四十四句につづられたもので、森づくりを思い出す内容です。「みなさんが体験・経験してきたことを句にしていきましょう!」とチャレンジしていくことを確認し、本日の森作業を終了しました。

Dsc05915

Dsc06025

Dsc05957

 今日は朝早くから日光市の「衛生管理センター」の作業員の方々が「みちくさ」と「森びと広場」の簡易トイレの「し尿処理」に来てくれました。ありがとうございました。

Dsc05908

Dsc05910

 本日の森作業は、大野さん、加賀さん、鎌田さん、橋倉さん、本間さん、栁澤さん、坂口さん、田村さん、田城さん、林子さん、筆者・清水でした。

 い:「いつまでも いのちをつなぐ 森づくり」(作 柳澤 肇)

(報告:清水 卓)

2024年11月24日 (日)

今年最後のみちくさ日記です

今日は快晴。少し風がありましたが空気が澄んで気持ちの良い天気です。足尾ダムのゲート前には、中倉山に向かう人たちの車が沢山停まっていました。この日は舎人(みちくさの番人)6名が集まり、まずは大掃除をしました。一年分のホコリと汚れをキレイにします。それにしても、汚れるもんですね。ただ、6人がみっちり動くと仕事は早いものです。小一時間で一通り終え、その後は森の動画を撮ったり車のメンテナンスをして午前を終了しました。

Dsc05802_2

足尾の街から松木方面

Dsc05838

今日のみちくさ

R0002438

お掃除の風景①

R0002439

お掃除の風景②

R0002437_2

お掃除の風景③

お昼は舎人頭の橋倉さんがけんちん蕎麦を振る舞ってくれました。具だくさんで美味しかったです!腹一杯頂きました。ごちそうさま!

Dsc_0820

R0002463

けんちん蕎麦で腹が満ちる面々

午後に宇都宮からいらしたお二人が立ち寄ってくださいました。道を間違って久蔵川を進んでしまったそうですが、今日は本当に良い天気でしたので、それもまた良い散策になったのではないでしょうか。次は春の花の時期に是非またいらしてくださいね。

R0002464_2

Dsc05888

その後は今年の振り返りを少しだけ。猿の大きな群れが辺りを賑わし、そろそろ帰れと促された頃に解散となりました。さすがに日が落ちてくると寒さを強く感じましたが、それでも例年よりはずいぶんと暖かい1日でした。今日はサルもシカもアナグマもでてきて、本年最後のみちくさを盛り上げてくれました。

R0002451

 

Dsc_0821

今年のみちくさは本日で閉舎となります。次は2025年の4/5(土)にオープン予定です。また来年お会いしましょう。(舎人 小柴、清水、小黒)

R0002459

2024年11月23日 (土)

初雪が風に舞う足尾・松木郷

 本日(11/23)の足尾・松木郷の天気は曇り、朝8時30分の気温は5度でした。

 「みちくさ」に向かっていく私たちは古河橋のロータリーの所で一緒になりました。足尾ダムゲートをくぐって松木渓谷のジャンダルム谷筋に向かっていくと、稜線にはうっすらと雪が積もっているようでした。松木郷にも風に吹かれてちらちら雪が舞ってきました。

Cimg0003

Cimg0001

 遊働楽舎「みちくさ」に到着し、ストーブに火を入れて暖を取りながら本日の打ち合わせを行いました。

 福原さんは「夜も寝ないで樹々の越冬作業を考えた」と言って、急遽「みちくさ」周辺の手入れに参加してくれました。福原さんは「森びと広場」周りに植えた樹木がシカやサルの餌食になってしまうことが心配なので来たと言ってくれました。この気持ちは、森に生かされ、森に寄り添う優しさと敬う気持ちの現れとだと思い、それは足尾を訪れる方々の心を動かすことにつながるようです。

 その木は「みちくさ」入口にある数年間も霜に耐え抜き、衰弱しては元気を取り戻しているクスノキです。厳しい冬に備え、防寒と獣害対策に来てくれました。私たちの森づくりはこのような樹々を愛する心に支えられています。福原さん、ありがとうございました。

Cimg0007

Cimg0010
Cimg0016

 午後は、橋倉さんに「みちくさ」の留守番をお願いし、福原さんと私は、福原さんが持ってきたコオニユリの球根を「こころの園」のキバナフジの所に5株植えました。少しづつですが人が集まって楽しいひと時を過ごす場所になることを願いました。

Cimg0013

Cimg0017
 その後、「果樹園」のブドウやラズベリー、お茶の木などに森の栄養が行き届くようにと、防草シートを二人で?がしました。

Cimg0019

Cimg0021

 本日の「みちくさ」訪問者は、群馬県渋川市から来た親子の2人でした。お茶を飲みながら、初めて松木沢に来た気持ちや興味のある足尾銅山の歴史の話などで交流をしました。帰りに、“地球温暖化ストップ”の森びとの手ぬぐいを購入していただき、カンパもいただきました。ありがとうございました。

Dscn3316

Dsc_0028

Dsc_0025

Cimg0029 今日は、一日中雪が降るかと思いましたが、いつの間にか雪は止み、舞い降りてきたのは小さなアラレのようなものでした。しばらく顔を見せなかったアナグマが「みちくさの庭」に現われ、食事しているところを見ていると気持ちが癒されました。福原さん、寒い中お疲れ様でした。本日の森作業は福原、舎人は橋倉、大野でした。<報告は大野昭彦>

2024年11月17日 (日)

異常に暖かい足尾・松木郷は紅葉が一段と進みました

 11月17日(日)、足尾・松木郷の天候は曇り、9時の気温は13℃、温かい朝でした。「みちくさ」に行く途中で回りの杜を撮影しました。12日には臼沢はうっすらとしか紅葉していなかったのですが、今日は山一面が赤や黄色に染まっていました。Img_0022

雲が多いが青空も見えるジャンダルム方面

Img_0002「民集の杜・北」

Img_0009「民集の杜・西」Img_0017「臼沢の森」下のカラマツも綺麗です。Img_0024「みいくさ」前のモミジとカラマツ

 今日の最初の「みちくさ」訪問者は、10:50頃小山市からという3人。朝早く備前立山に登り、時間があるのでと松木渓谷のハイキングに行く前に立ち寄ってくれました。「苔テラス」のベンチで昼食を取り、出発前の記念写真は、進行方向に向かっているので後ろ向きで失礼します。

P1050695 次の訪問者は、足尾に住んでいる「和朗庵」という一棟貸し宿のオーナーとその友達のMさん2名が訪れました。橋倉さんと山田さんが「民集の杜・東」へ案内しました。モミジを見て「すごい!!綺麗!!」、Mさんさんは色々な苔や「フユノハナワラビ」を見て大興奮でした。

P1050700

P1050702 二人は「いいものを見せてもらいました」と喜んで帰っていきました。

 12時30分頃には、松木渓谷を散策してきたという埼玉県川口市と群馬県高崎市から来た3人が寄ってくれました。森びと手拭いを3枚買ってくださいました。ありがとうございました。

Img_0030 この時間になると太陽が顔を出し、この時季とは思えないほど暖かくなってきました。温度計をみると27℃にもなっていました。でも、太陽が中倉山に沈むと急に冷えてきました。

Img_0032

本日の「みちくさ」担当は、山田さん、橋倉さんと筆者・加賀でした。(報告:加賀春吾)