2025年3月11日 (火)

暖かな一日。紫陽花を守るネット補修に汗をかく

 今朝(3月10日)の足尾・松木沢の気温2℃、快晴。寒さも和らぎ、穏やかな一日を予感させます。足尾から松木沢に入る途中、ゲートの真下には三川が合流しています。銅橋(あかがねばし)から見た砂防ダムの、滝の白、山の白が空の青に映えて早春の雰囲気を醸し出しています。途中、牡鹿が格闘する貴重なシーンを、済賀さんがカメラに収めました。

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 筆者は昨夜、橋倉さん宅に泊まらせていただき、2日連続の森作業を体験します。本日の責任者、済賀さんから「昨日に続いて午前中は紫陽花エリアのネット補修」が提案され、午後は森づくり20年の打ち合わせをする事にしました。早速、3人は「みちくさ庭」の扉を開けて、アジサイエリアへ。

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 現場に着くと真っ先に目に入ったのが、真っ青な空に浮き出て、蕾を付けたミツマタでした。奥にはジャンダルムが見えます。

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まずは、竹をノコギリで切って支柱づくりです。

 作業の途中で分からない点はその都度確かめ合いながら、少しでも樹々の生育のことを意識しながら作業をすすめました。

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お昼近くになって、かなり骨組みが出来てきました。

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 作業を終えて足元を見ると、福寿草が昨日のまっ黄色から少し色を落としていました。見ごろは終わりに近づいているようです。何十年間も荒廃した草地ではこのような花を見ることができなかった地で輝く自然の美しさは儚さを感じます。

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 その後、森づくり欠かせない水源を見に行きました。昨年夏の豪雨によって、簡易ハウスの「みちくさ」が流されそうになったのは既報のとおりですが、その後、足尾砂防事務所に浸水報告を行い、土のう配備を行ってもらい、今では大口径の排水管で排水路が整備されつつある現場をみました。工事が終盤に差し掛かっていることを確認し、遅いお昼を食べました。


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 14回目の3月11日を迎えるなか、心配だった大船渡の山火事がやっと鎮圧しました。しかし、日本海側の大雪、太平洋側の乾燥等によって私たちの生活環境は今まで通りにいかないので不安が絶えません。気候危機が叫ばれる中、激甚化する自然災害による被害を極小化するには積極的に向き合っていかなければならず、それは行動に現さなければならなくなっています。その知恵は市民力で行政に訴え、できるところから始めていくことの大切さを実感した筆者でした。


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 本日の作業者は、橋倉さん、済賀さんと筆者でした。(報告者:田城 郁)

2025年3月 9日 (日)

「重い春の雪」に負けず森作業!

  昨夜は、今日(3月9日)の森作業が可能かどうか?気になって寝つきが悪かったが、天気予報が少し外れ、大雪ではなく「小雪」でホッとしました。ダムゲートから見る松木沢はすっきりとした青空で、氷点下の佇まいを見せていました。

Dscn9601_3  今日の森作業は加賀責任者から述べられ、①「みちくさの庭」にある紫陽花エリアのネット補修、②第4回運営委員会報告、③臼沢西植樹地の捕植作業の下見を行う事になりました。Dscn9602

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 「みちくさの庭」に向かう皆さんを、福寿草がにこやかに迎えてくれました。しかし現場に着いてみると、2月からの大雪で、獣害防止用ネット全体がつぶれてしまっていました。

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 雪の重さに唖然としましたが、「一から作り直そう」という結論になり、ネットを外す人、支柱の竹と鉄筋を打ち込む人、芽を着け始まった紫陽花を剪定する人等などを手分けして行いました。

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Dscn9609  午前中は全体の半分を仕上げ、昼食にしました。

 午後は臼沢西へ向かう班と、午前中の続きの班に分かれ作業を行い、次回の作業に繋がる状態にして終了しました。田城さんは、記念ÐⅤÐ編集を目指し、作業の合間に動画の撮影を行っていました。

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Dscn9612  作業詰め所に戻り一息ついて、田城運営委員が運営委員会の報告をしてくれました。森びとは今年、植樹をはじめて20年を迎え、その祈念事業内容が報告されました。皆で創り出していくことを心に秘めながら帰路につきました。

Dscn9616  本日の作業者は、加賀、矢口、濟賀、柳沢、坂口、田城、田口、小柴の皆さんでした。                        報告は、橋倉喜一でした。   

2025年3月 8日 (土)

厳冬期の森作業と足尾の歴史を知る

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  本日(3月8日)の足尾・松木沢の気温はマイナス3℃(9時20分)で曇りです。風が無いので寒いとは感じませんでしたが温度計を見て驚きました。作業小屋のヤカンの水も凍っていました。

Dsc00466 森作業は、先日撤去したビニールハウス1棟の跡地の整地です。橋倉さんと二人で石をビニールハウスの脇に並べて、ハウスの中に雨水が少しでも入らないように作業をしました。地面は、雪解けで土が柔らかでしたので順調に整地作業が進み昼には終わりました。Dsc00471_3

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 昼食後は、「みちくさ」で乾燥したハーブのお茶を飲みながら「襤褸の旗(らんるのはた)」を鑑賞しました。

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Dsc00476 本日の作業者は、橋倉さんと筆者でした。  (報告者:済賀正文)

2025年3月 1日 (土)

本気の本気で森づくりに取り組む!

 2/25、約1か月ぶりの森作業集中日に参加しました。(詳細はHPの森びとブログをご覧ください。)
 ひと月空いたのは、前回の作業日(2/9)に、足尾・松木郷も大雪に見舞われ、安全第一を優先し作業中止の判断をせざるを得なかったからです。この大雪は、南米海域がラニーニャ現象で高温になり、影響を受ける対馬海流が日本海の水温を上げ、大量の水蒸気を発生、北極からの最強寒波に冷やさ
れ、記録的な大雪をもたらしたようです。加えて、長期間の同じ地域への降雪は、夏によく発生する「線状降水帯」が冬に起きているという事です。大雪は、各地でホワイトアウトによる交通事故、鉄道の混乱、雪下ろし中の落下や雪の下敷き等、多数の事故により尊い命が奪われ、高齢世帯では生活が困窮する事態に見舞われました。

2 また、気象庁は「今夏、気温は平年より高い予想・・・『また猛暑』となる見込み」と発表しました。大雪に関連する犠牲者に加え、熱中症による死亡も想定される猛暑の再来は、特に高齢者等、社会的弱者に犠牲を強いることになります。長年、健康に留意しつつ社会に貢献されてきた方々が、雪に埋もれて人生の最後を迎えるなどあってはならない。大雪で先が見えない中、不安に苛まれながらの運転、そして事故などあってはならない。何とか、気候崩壊を克服しなければならない。 

1 森は、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収し、人間にとって必須である酸素を供給することに加え、大雨時にダムとして機能し、土砂流出を防止し、真夏の気温を低下させ、多くの動植物の生活の場となるなど、地球環境保全機能を備えています。地球環境を維持し、激甚化する自然災害から「命」を守り、子や孫に繋いでいくためには、「森」の育成が絶対的に必要だということです。ここまで地球を危機的状況に追い込んでしまった私たち人間が、何を成すべきか。まさに20年前の先達の先見性が如何に優れていたか。スタッフが森に学び、積み上げてきた20年の森づくりが如何に正しかったか。そしてこれからの20年、森に学びながら森づくりを実践し、自立して生長していける本物の森=母なる森になるよう、一つ一つの活動を積み上げていかなければならない。身体を動かすことが好きな私は、65歳で退職後老化防止のために森づくりのお手伝いをする感覚で、森びとプロジェクトに関わろうとしていました。しかし、老化防止云々と言ったレベルで本物の森は作れないし、失礼であると思った。

3 本気の本気で森づくりに取り組み、学んだことを発信し、足尾・松木郷の森を自立的に生長できる森へ育て、「次世代の担い手」に引き継ぐべく、これからの20年を頑張らなければ、この危機は克服できない。足尾の大雪を目の当たりにし、そして運営委員2年目にして、その責任の重さを再認識させられました。まずは、自分の心に木を植えなければならない。(運営委員・田城 郁)

2025年2月25日 (火)

久しぶりの森作業に心わくわく、筋肉痛も久しぶり。

 2月25日、足尾に向かう途中で見た日光連山は雪化粧でした。久しぶりの足尾森作業日です。前回(2/9)は大雪の影響で中止になり、約1か月ぶりに会う森ともに「お疲れ様。久しぶりです。元気でしたか?」とのあいさつでした。寒い日が続きましたが、今日は9:30、気温は2℃と比較的暖かです。雲一つない快晴です。思わず、携帯カメラで動画を映していました。下のほうでは、ピューと鳴き声がしたので見るとシカが出迎えてくれていました。

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Img_0006 今日の責任者大野さんから作業の説明がされ、午前中は、以前の苗床に植えた桜の木の幹ガードを補強と福原さんから伝授されている獣害柵の補強をする事にしました。午後からは、「りんねの杜改良地」の桜が猿か鹿に樹皮を食べられてしまっているので、幹ガードで保護することになりました。

打ち合わせ風景

Img_0009_2獣外柵のスカート部分を運びます。

Img_0010スカート部分を5枚つなぎ合わせます。突起部分を引っ張り上げて繋ぎますが、結構力技です。

Img_0026出来上がった幹ガード

Img_0020巻いてある古い幹ガードを外します。

Img_00123本鉄筋を打ち込み、5枚繋げたスカートを縦に使い木を囲みます。

Img_0037針金で鉄筋と金網を結び付けて出来上がりImg_0019 Img_0050最後にみんなでジャンダルムをバックに記念写真。

Img_0071 桜の木10本、イチョウの木2本の補強を完成させ、11:30頃に終了しました。皆さん、「今日はあったかいなぁ」と口々に言っていました。

 作業小屋に戻ると、先日小柴さんと友人たちがCハウスを取り壊してくれましたが、ビニールが凍り付いて剥がれませんでした。今日は暖かく土が緩んでいるので一部を除いて剝がすことが出来ました。Img_0074 午後からは、「りんねの杜土地改良地」の桜の樹皮が食べられて幹が裸状態になっているので、幹ガードで守っていきます。桜の木は美味しいのか、ほかの木よりも被害が多くなっています。

Img_0079こちらも鉄筋を2本打ち込み、幹ガードを針金で止めて出来上がりです。

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 56本の木に幹ガードを取り付けました。終了後、来年度(4月)からの「エコ散歩IN足尾」を中心とした森びとプロジェクトの取り組みの大まかな内容が大野運営委員から提案され、意見交換をした後に解散となりました。

本日の作業者は、大野さん、松村宗さん、本間さん、山本さん、橋倉さん、田村さん、柳澤さん、坂口さん、林子さん、田城さん、筆者加賀でした。(報告:加賀春吾)