2022年3月28日 (月)

積雪の多かった今冬。人間の都合の森作業を反省!

 本日は3月27日、朝から気温も上がり、9時の森びと広場の気温は12℃もありました。

 足尾に向かう車の中から男体山がとてもきれいに見えたので、車を道路わきに止めて写真を撮りました。今日も「怪我無く安全」森作業を祈りました。

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 本日は、獣害柵(金網やポール)の搬入があり、8時30分に加賀スタッフがゲートでトラックを出迎えました。森びと広場に到着後、クレーン操作による荷下ろしを4人で手伝い、40分程かかりました。荷下ろしが終わり、運転手さんも一緒に朝のコーヒータイム。話を伺うと、昨日京都を出発し足尾まで一般道を走行してきたとのこと。安全運転で届けてくれたご苦労に敬意払いました。

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  その後、森作業の打ち合わせを行いました。先日21日に、臼沢の森を案内したときに、林内の樹木がシカやサルに樹皮を食われていると報告があり、今日は獣害柵の点検と修繕をすることにしました。


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 森の入り口から少し階段を登ると林内の両側のクリやモミジサクラなどの樹皮が軒並み食べられていました。それも見て、「大きなショック」を受けました。気持ちを抑えながら登っていくと、食害を受けた木々が点在する光景が続いていました。 

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 臼沢の森の上部に到着し点検を始めると獣害柵に大きな穴を見つけました。そのシカの出入り口を担ぎ上げた金網で修繕し、懸案だったJRFU植樹地の尾根側の獣害柵に目の細かい緑の金網を張り付けました。 

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 ここまでウサギが登ってくるとは思いませんでしたが、昨年補植した苗木が食害に遭い、計画した獣害柵点検を新型コロナウイルス感染拡大と降雪で延期した結果、林内の木々が食害を受けてしまいました。

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 西側の獣害柵を点検しながら降りてくるとシカやウサギなどが侵入していると思われる所が何か所かありました。今年は、雪が多く降り、草が食べられなかったので「樹皮」の被害が出ましたが、気候変動が激しくなれば、荒廃地の広がる足尾の森は大きな打撃を受けるのではないかと心配になりました。

 「今年は雪が多いから」「新型コロナウイルスで森作業参加者を制限しているから」という「人間の都合」により、渡良瀬川源流の森を無くしてはならないと反省しました。

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12時30分に作業小屋に戻り昼食をとりました。食べながら、昨日の「脱炭素社会の課題を考えるシンポジウム」の感想などを聞きました。

午後は、新植樹地「りんねの森」の面積を測り直しました。そして、シカやウサギの獣害に合わないように柵を設置するための目安となる杭を四方に打ちました。

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 桜の開花はまだですが、気の早いサルが森びと広場の桜のつぼみを食べていました。人間が食べる桜餅を包む葉はオオシマザクラ、塩漬けした桜の花を桜茶として楽しむなど、「おいしいもの」に我慢は出来ませんが、それを教えてくれたのも森に生きる動物たちだったのではないでしょうか。

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 本日の森作業参加者は、鎌田、加賀、清水、そして大野でした。

(報告 大野昭彦)

2022年3月27日 (日)

森びとシニアの前向きな生き方から学ぶ

 森びとでも昨年秋ごろからZoomを使用しての会議(運営委員会や各県ファンクラブ会議)が主流となりました。新型コロナウイルスの波が繰り返しやってきて、足尾、南相馬、八幡平、荒浜や名取での育樹活動は移動の制限もあり、現場のスタッフ・サポーターは森(杜)に入ることができずにストレスが抱えています。20~30代の若い人からすると、SNSやオンライン会議をすることは簡単であろうが、こと足尾のスタッフ・サポーターは60代~70代が中心です。これまでパソコンでのメールはできましたが、写真をメールに添付することやブログを更新することに果敢にチャレンジしています。現場で直接会って話をすることがベストであることは言うまでありませんが、そのようなことを言ってはいられない現実だからです。かくいう私も初めてZoomを覚えました。画面越しですが、表情やしぐさが分かるのは非常にありがたく、電話にはない意思疎通ができるものとして重宝しています。

Photo_4(写真)目黒のサクラ

 昨日は、森びとでZoomによるオンライン形式でのシンポジウムを開催しました。北は岩手県、南は神奈川県まで森びと各県ファンクラブの皆さんの協力のもと、会議室を借りていただき、そこに参加者を呼び掛けて視聴して下さいました。ご尽力をいただきましたすべての皆さん、ありがとうございました。

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 先日、70歳を超える先輩がZoomを覚えられて、様々なセミナー等に参加している話やマナーを伺いました。また、他の70歳を超える先輩からは「私のパソコン人生はほとんどインターネットとメールだけでしたが、リモートという世界が開かれる機会を与えていただきありがとうございました。使いこなせるように練習いたします」と連絡がありました。

Zoom_2 “サンデー毎日”と謙遜する先輩方が、歩みを止めず、困難に立ち向かい、常に進化されている姿を見て心強く思います。森づくり以外でも若手の私が現状に満足していてはいけないと刺激を受けています。(運営委員・小林敬)

2022年3月22日 (火)

大きく生長している苗木に感激!足尾・ふるさとの森を散策

 昨日(21日)は彼岸の中日。「暑さ寒さも彼岸まで」と、先人の教え通りの暖かさでした。ところが今日は、朝から雪が降り大雪模様の一日です。

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 足尾・松木沢を訪ねてくれた登坂さんと桜井さん、一日遅れた「臼沢の森」の散策はこの雪で無理だったと思います。登坂さんは日立市に住む御年80歳を過ぎた「命の森づくり20」というグループのメンバー。足尾での森びとの植樹祭にも何度か参加していただき、南相馬市での鎮魂復興市民植樹祭にも参加されています。

Dscn8060 桜井さんは、群馬県の藤岡市在住で「NPО法人ぐんま緑のインタープリター協会」副理事長をされており、自然に親しみながら学ぶカリキュラムを主宰しています。

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 今回の見学は、小黒運営委員から連絡をいただき準備をさせていただきました。案内をした加賀スタッフと私は、新年度の活動である「森の案内」をイメージしながら案内を行いました。お二人とも森づくりの経験や知識もある方なので、生長した森に入り木々に触れて「何を感じてもらえたのか!」を学びたいと思う案内でした。

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 民集の杜、臼沢の森、臼沢西の森(里親植樹地)を案内しましたが、登坂さんは、名前のごとく臼沢の階段をぐんぐん登っていきます。とても80歳を過ぎているとは思えませんでした。以前、臼沢植樹地最上部に木を植えたそうで、どうなっているか気になっていたそうです。

Dscn8045 ”みちくさ”で今回の感想をお聞きしました。①植えた木が生長していて感心した。②人力による資材の運搬などの苦労が実感できた。③きれいな森が出来て、「密植・混植」の宮脇先生も喜んでいると思う。④シカやウサギの食害もあったが、自然が戻ってきたことだから、素晴らしい。⑤若葉が出るころ、紅葉の頃、また訪ねてきたい等の喜びの声を私たちは受け止めました。

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 私たちは食害対策の検討と、森を案内するための心得を豊かにしていく話合いをつくり出していくことを思いながら、お二人を見送りました。今日の森作業は、加賀春吾、橋倉喜一でした。(報告:橋倉喜一)   

2022年3月21日 (月)

草木の恵みを生活に取り入れられる温暖化対策は待ったなし!

 4ケ月振りに足尾・松木沢に入った今月16日。春の陽気になった都内の草木のように、足尾の木々の新芽の膨らみを楽しみにしていました。もう一方の気持ちは春を待つ木々が寒そうにしているのではないかということでした。Dsc_1442 現地の森の木々は春を待つ冬芽が少しばかり膨らんでいる程度でした。その陰には、森づくりチームの冬の森作業の姿が目に浮かんできました。獣害対策や育樹作業のお陰で雪の多かった冬をのりこえて、木々たちが元気そうでした。Dsc_1443 2月28日、IPCCは5つの温暖化シナリオを公表し、これまでより表現を強めて「人為的な気候変動が自然や人々に広く悪影響と損失・損害を与えている」と警告しました。この警告を読んで、私は、今までの足尾での森づくり活動に何をプラスできるかを考えながら足尾現地に向かいました。Dsc_1427 現地に立っての私の結論は、生活の中での二酸化炭素削減と草木の吸収力を高めることでしかない、それもできるだけ多くの方々と一緒になっての活動にしていくしかないということでした。そこで私は、林野庁が打出した「2050年カーボンニュートラル実現に向けた国民運動」としての10年間で1億本の木を植える運動をサポートできればと思っています。100年以上も生き続けている神宮外苑の木々を伐採して再開発をするという都の事業には驚いていますが、このような気候変動にアクセルを踏む行政にも都民の怒りの声を突き付けていきたいと思います。東京都FC 松井富夫

2022年3月20日 (日)

日光板橋・城山の桜(河津桜)が咲き始めました!

 暖かい日が続きサクラの開花と3月16日に発生した地震の影響も気になり、日光板橋「城山・ふるさとの森」の観察に出かけました。朝から青空が広がり、城山のふもとを9時55分に出発し登山道を登りました。

 福島県沖を震源とする地震は栃木県でも震度5を観測したので、登山道や間伐された地に植樹した斜面が崩れるなどの影響はないか心配しながら歩きました。登山道はスギ、ヒノキや低木の根に守られ、斜面もカシなどの常緑樹や植樹した苗木たちが守ってくれていました。地震の影響がなく一安心しました。食害なども見受けられませんでした。

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 登山道の西側に植樹した桜を観察すると、河津桜の葉が旺盛に出ています。連日の気温20度超えで早咲きも見られました。

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 他の桜を観察すると、どれも新芽が出た程度でした。しかし、樹高は3m前後で順調に生長している様子です。河津桜の他には、江戸彼岸桜、四季桜、大島桜、神代曙桜、染井吉野桜が植えてあり、ハイキングや登山に訪れた皆さんの憩いの「桜街道」となるよう開花の時期が待ち遠しいです。

 

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 我が家に戻り、庭に植えた果樹を観察。20数年の梅が満開です。続いて開花中は今冬に植えた桜桃(サクランボ)。次に咲きそうなのはプラム。幸水と洋梨ル・レクチェは蕾が出たてです。プルーン、桃、デラウェアは期待薄です。

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 足尾や日光城山での植樹活動に参加していますが、コロナ禍が長引く中で、山林でなくても木を植える。小さな庭でも木を植える。楽しみながら木を植える。一人一人が木を植える。実際にやってみての感想は、「意外に出来る」です。身近な所から温暖化にブレーキをかけられます。

(報告・森づくりサポーター 弘永裕介)