2022年4月 9日 (土)

真夏のような陽気の中で、新植樹地“りんねの森”づくりに汗を流す!

 足尾・松木沢は夏を思わせる陽気で、朝9時の気温が18℃もありました。

 森びと広場の桜も蕾が膨らみ、もうすぐ開花しそうです。松木の杜のスイセンも葉を伸ばし、枯草の中で鮮やかな緑を放っていました。Dscn8098

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 今日、筆者は遊働楽舎(愛称:みちくさ)の舎人担当ですが、森作業には猛者と呼ばれるメンバーが集まっていました。新たな植樹地”りんねの森”づくりの準備をしていました。松木川沿いの植樹地に降りる作業通路用の階段をつくり、獣害防止用の柵を運び入れました。

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 もう一組は、今月29日に行われる中倉山のブナ保護活動の下見に向かいました。下山してきた済賀、坂口スタッフから報告を聞くと、「尾根の一部に雪を残す中倉山の稜線で、厳しい環境の中にあっても元気なブナに会えた」と二人は喜んでいました。

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 今日は、”みちくさ”を訪れる人はいませんでしたが、中倉山のブナに会いに行った人は多かったようです。

 煙害の歴史と足尾の山々の姿を見続けた”無言の語り木”が今、気候変動と向き合っています。いつまでも元気に、足尾の森の回復を見守ってもらえるように、29日は森ともの皆さんと一緒に”孤高のブナ”に恩送りします。

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 今日の森作業は、鎌田、福原、弘永、大野の皆さん。中倉山ブナ保護下見は、済賀、坂口。みちくさ担当は橋倉でした。

(報告 橋倉喜一)





2022年4月 3日 (日)

冬に戻ったような松木の里で森作業に汗流す

 4月3日(日)「みちくさ」オープン2日目、今日の午前中は森作業です。新型コロナウイルス感染症の影響で植樹祭などのイベントが出来ず、木を植えたい方の代わりに森びとスタッフが植樹を代行する「里親植樹」を今年も5月から開催する予定ですので、植樹地である臼沢西の森の土留め作りを行います。

 天気は、小雪がちらつく寒い曇り空。気温は9時現在2℃でした。Img_3150

 甲羅板や鉄筋などの資材は、先日荷揚げをしましたので、万能と大ハンマーだけを持って、いざ現地へ!昨年作った土留めの一部に崩れているところがあるので、手直しと新たな植樹地の土留めを合わせて5段の整備を行いました。前回は、10㎜の太さの鉄筋で石に当たると曲がってしまい苦戦をしましたが、今回は13㎜の太さを使いました。この太さだと少々の石でも砕いて刺さっていくので、スムーズに作ることが出来、ストレスが溜まらずスッキリした気持ちで作業が出来ました。

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 午前中の作業を終えて下山すると雨が降って来ました。作業中に降られず助かりました。雨は冷たく気温も5℃と冷え込んだままです。中倉山も雲が低く垂れこめていました。

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 午後は済賀さんが、29日に開催する「中倉山の無言の語り木(孤高のブナ)保護」活動に使う黒土をビニールハウスの中に広げて乾燥させる作業を行いました。これは、昨年11月の活動時に「(水分が多く)黒土が重たい」との感想を頂いたので少しでも軽くするための対策です。

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 午後から「みちくさ」をオープンしましたが、天気が悪いせいか、松木を訪れる森ともの皆さんの姿はありませんでした。

 本日の担当者は、森作業・済賀、舎人当番・加賀でした。

(報告:森びとスタッフ 加賀春吾)

2022年4月 2日 (土)

心地よい小鳥の囀りが響く中での森作業

 4月2日、足尾の天気は晴天。9時の気温は2℃と肌寒い朝でしたが、12時には気温が12℃に上がり、森作業日よりとなりました。

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 今日は「みちくさ」がオープンする日です。「遊働楽舎(愛称:みちくさ)」を開設してから12年になります。これまで、釣り人やハイカーなど多くの方が“みちくさ”に立ち寄っていただき、交流を深めてきました。今年も新型コロナウイルス感染が続きますが手洗い、換気、消毒などを行い、土曜、日曜のひと時を快く過ごしていただけるようお待ちしています。

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 今日のスタッフ・サポーターは5人です。午前中は、分かれて作業を行いました。

 加賀、済賀、清水の3人は、先日の臼沢の森作業でできなかった、西側の獣害柵の点検・修繕を行いました。鎌田、大野の2人は、午後からのみちくさオープンに向けて、室内の窓拭き、トイレ清掃、食器洗い、ペンキ塗りなどを行いました。その後「りんねの森」の枯れ草刈りと階段づくりを行いました。

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 13時を過ぎても臼沢の森の点検・修繕組が下山してきません。双眼鏡で探すと3人は、まだ山の中腹で作業をしていることが確認できましたので13時30分に先に昼食をとりました。

 14時ごろ降りてきた3人に話を聞くと、西側の中腹から獣害柵の点検を行うと、シカに金網が何か所も破られ、金網の下の土を掘り侵入している場所もあったようです。急斜面で砂地の場所もあり、足を滑らせて滑落しないように神経を使うなど、大変な修繕作業であったことを聞きました。

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 今日の“みちくさ”は、釣り人が通り過ぎただけで、立ち寄る方はいませんでした。

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 “みちくさの庭”のミツマタが黄色い花を咲かせ始めました。足元を確認するとカタクリの紫色の花が可憐に咲き、私たちの目を楽しませてくれました。

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 こぶしは白い花弁が顔を出し始めました。桜はまだ蕾です。これから松木の森は花に包まれます。多くの森ともの皆様の来舎をお待ちしています。

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 本日の森作業は、鎌田、加賀、済賀、清水、そして大野でした。皆さんお疲れ様でした。

(報告 大野昭彦) 

2022年4月 1日 (金)

新年度を迎え、日光板橋城山のこれからを想う!

 今朝、足尾・松木沢の山々は雪に染められていた。冷え込みも厳しく、予報通りの天気でした。

 今日は栃木県ファンクラブのメンバーと、城山の「観桜会」をしに行くことにしました。本当ならば、2年前植樹をしてくれた皆さんや、地域の皆さんと一緒に見たいところですが、新型コロナ感染拡大防止のために諦めました。

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 4人のメンバーは、桜の花に出会える期待を胸に、階段を登って植樹地に着きましたが、ガッカリしてしまいました。早咲きの河津桜は花びらを散らし、それ以外の桜たちは、まだ蕾のままでした。

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 少し気落ちしてしまいましたが、そこは森びと。桜の木の手入れや、まだ小さい広葉樹周辺の手入れ作業を始めました。雪をかぶった日光連山を眺めながら、新鮮な空気を吸い込み、清々しい気分になりました。

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 登山してきた高齢の女性は、「河津桜の咲いてるところを見たわよ! あと4~5年したら綺麗な花を沢山つけてくれるわ!楽しみにしています。それまで生きていなくちゃ!」と笑顔で激励してくれました。

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 この1年、ここ城山で何をしなければいけないのか?県ファンクラブメンバーの頭にいくつか課題が浮かんだ一日でした。草刈りなどの育樹活動、地域の皆さん・子供達との交流、大和木材・福田社長との連携、など温暖化問題を見据えた取り組みが求められます。  

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  「観桜会」が済んだ後、近くの知り合いのレストランで、イノシシ肉入りのカレーランチを食べ、3・26シンポジウムの感想などを出し合いました。途中、線路巡回のJRの皆さんが昼食に立ち寄り、思わぬ出会いもありました。

 今日の参加者は、鎌田、山本、加賀と筆者・橋倉でした。

2022年3月30日 (水)

私と森をつなぐ40のアクションにLet’s try!

 3月26日に開催された森びとプロジェクト主催の「脱炭素社会の課題を考える3.26シンポジウム」では、林野庁「森林×SDGsプロジェクト」メンバーの皆さんからコンセプトブック「私たちと森のこれから~幸せな未来に向けた5つのアクション~」を作成した思いが紹介されました。「私たちの暮らしが、森や木と関わったら、もっと幸せになれるのではないか」というメンバーの願いが込められていました。

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 Let’s try! 「私と森をつなぐ40のアクション」として、“森を知る・学ぶ”、“森の恵みを楽しむ”、“森や木に触れる”ための具体的な行動を起こすヒントが示され、いくつかの項目にチェックを入れてみました。

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 私の住む下野市(旧国分寺町)に「天平の丘公園」があり、昔、下野国分尼寺(奈良時代)があった場所で、歴史的な史跡の保存と市民が集う場所として桜が植えられ、4月から5月のGW頃まで花まつりが開催され、特に大輪の八重桜が見事で多くの市民が花を愛でに訪れます。

 桜の開花も伝えられたことから、チェックした「森と人の生業や文化との関係を知る。」「近くの公園で木を見る。名前を知る。」「森の中で五感を使って自然を感じて楽しむ。」ために、ぶらりと公園へ散策に出かけました。

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 新型コロナウイルス感染拡大により“天平の花まつり”が今年も中止(3年目)となってしまいましたが、ソメイヨシノや淡墨桜は見ごろとなっています。八重桜の蕾はまだ固いですが開花を待つ準備をしています。

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 白色、薄い桃色、淡い桃色、紅い色など様々な彩りの花が私たちの目を楽しませてくれます。古民家の庭先にはロウバイ、梅、桜が植えられ、3月上旬から花が咲き、小さな子供を連れた家族が花見を楽しんでいました。

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 5分咲きの桜の木の下に、由来を記した看板があり、読んでビックリしました。20年以上前に故角岸幸三さん(元NPO法人森びと副理事長)に案内していただいた盛岡裁判所の庭に咲く「石割桜」(シロヒガン)の子孫が、“雪子”・“霜子”と名付けられ、平成8年にこの地に移植されていました。岩の間から太い幹と大きな枝を伸ばし、枝先まで花を咲かせていました。

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 ハクモクレンも真っ白い花が満開です。2011年3月11日に発生した東日本大震災後に被災地へのボランティア活動に参加した市民が、震災を忘れない祈念樹として植えられたことを知りました。筆者も昨年10月に開催された第9回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭に参加し、いのちを守る防潮堤に苗木を植えました。まもなく震災発生から11年です。温暖化によって引き起こされる自然災害は場所を問いません。市民の皆さんの絆に胸が熱くなりました。

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 南側には森が広がり、林内に入るとコナラを中心にヤマザクラ、シラカシ、スギ、ヒノキ、シデが空に向かって枝を伸びていました。樹高が12m~15mほどに生長しています。園路が整備され、林床には落ち葉が積もりコナラやシラカシのドングリがたくさん落ちています。中には根を地面に伸ばしている実もありました。

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 森の中央付近には6世紀後半に築造された帆立貝形前方後円墳「オトカ塚古墳」が保存されていました。1500年以上前から営々と受け継がれ、森に寄り添って生きてきた人々の暮らしの跡が、こんな身近な所にあったことにも驚きました。筆者の身近にある歴史・森へのアクションへいざなって下さった「森林×SDGsプロジェクトメンバー」の皆さん、ありがとうございました。

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 国立環境研究所の江守正多さんは、温室効果ガス(CO₂)を排出し続ければ地球全体のシステムを調整する機能の臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまい、深刻な被害が私たちの暮らしを脅かすことを伝えています。

 『「脱炭素社会」はしぶしぶ努力して達成できる目標ではない。社会の「大転換」が起きる必要がある。』と、人々の世界観の変化が求められていることが話されました。「石器時代が終わったのは、石が無くなったからではない」という元サウジアラビア石油相の言葉を紹介し、『人類は「化石燃料文明」を今世紀中に卒業しようとしている』と、私たち一人一人がCO₂を出さないのが当たり前の社会を目指して、地球全体のシステムを調整する機能(北極、南極、海洋巡回、大規模森林など)を高めていかなければならないことを教えてくれました。

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 温室効果ガスの吸収源である森と海を元気にするために、私たち森びとは1億本植樹の国民運動をサポートしていきます。

(運営委員会副代表 清水 卓)