2023年5月 5日 (金)

脱炭素社会の”希望と不安”を曖昧にしない

 5月なのに真夏のような天気予報。朝夕と日中の気温差が20℃以上もある「こどもの日」。行楽日和かもしれないが、アメリカやスペイン、中国大陸等も温暖化による異常気象が人々の生活を脅かしている。そんな中で、私たちは「脱炭素社会」下での生活スタイルへ向かっている。この地球で生きていくためには避けて通れない生活スタイルの見直し。20230505 将来社会を生きる世代にとっては「脱炭素社会」にはどんな希望を持ち、どのような不安を抱えているのだろう。労働現場と生活現場の変化にどのように対応していくこうとしているのか。シニア世代にとっては「脱炭素社会」の“希望と不安”から逃げるわけにはいかない。何故なら、世界の人々が初めて体験している「複合災害」の要因は我々の世代も含めた人間活動の結果であるから。220505

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 先月29日に実施した「中倉山のブナを元気にする恩送り」では拓陽高校生と話す機会があった。生徒達とは中倉山に植えた「孤高のブナ」の子孫を見守っていく話ができた。今月27日には、「地球環境危機下で“いかに生きるか”を考えるシンポジウム」が実施される。足尾の森づくりを一緒に行ってきた桐生市の樹徳高校生と討論ができることになっている。当時三年生だったK君は、シンポジウムのパネラーの一人として意見を述べてくれる。森びとのシニア達は現役時代と森づくり活動で培った事をまとめて、パネラーとの討論が嚙み合うようにしていきたい。20230505_2

20230505_4 想定外の異常気象の猛威を少しでも抑えていくためには温室効果ガス(二酸化炭素排出)の排出を削減しなければならない。そこには化石燃料関連で働く方々の仕事を奪い、労働現場を再編するということ等が含まれる。農家の方は、化石燃料燃焼によるビニールハウス栽培の変更を迫ることになり、消費者からすれば季節外れの野菜や果物の消費は諦めなければならない。そのような生活は反対だ!ということであれば、毎年巨大化する想定外の異常気象の猛威に怯えた生活に耐えていかなければならない。さらに、原発は想定することが難しい異常気象下で稼働していくことになり、私たちの命と健康維持はますます不安定になる。Photo 脱炭素の生活は避けて通れない。将来世代の“希望と不安”を自分のこととして向き合い、「脱炭素社会」を働く者、漁師・農家・若者たちの視点から深掘りしなければならない。その出会いの場を大切にしていきたい。(顧問 髙橋佳夫)

2023年5月 4日 (木)

“森に帰ってきた”ハイカーで賑わう新緑の松木渓谷

 連休期間の5月3日は、日光ばかりでなく、足尾にも多くの登山者、釣り人、クライマーが訪れ、あかがね親水公園の駐車場は満杯です。晴天に恵まれ、中倉山を目指す人、松木渓谷を目指す人で“コロナ”前の賑わいが戻った感じです。朝の気温は20℃、昼過ぎには27℃と汗ばむ1日となりました。

 

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 今日の“遊働楽舎”(愛称みちくさ)の舎人担当は大野さんと筆者ですが、千葉県から武田さんが奥様と一緒に足尾入りしてくれました。早く到着した武田さんが先に“みちくさ”に入りストーブに火を入れお湯を沸かしてくれました。8時30分過ぎに大野さんと到着。コーヒーを飲みながら打ち合わせを行いました。

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 大野さんと筆者は杜の調査があり、武田さんご夫妻に“舎人”をお願いしました。 

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 松木の杜に植えた小井土さんの祈念樹“ハリギリ”は芽をふくらませていました。民集の杜に補植した故岸井理事長のホウノキも芽をふくらませており根付いていることに安心しました。

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 民集の杜に入ると杜全体が一回り大きく膨らんだかのように杜の生長を実感します。2018年の植樹地とロータリークラブ植樹地の通路は木々のトンネルのようです。足元には石が散乱し、クマがアリの巣を捜し歩いた跡がうかがえます。

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 樹徳高校生の植樹地は木々が競争し合い樹高が4mを超え、鬱蒼(うっそう)とした杜になっています。野木町レンガ窯の会の桑の木は小さな葉が開き始めました。ウグイスの鳴き声が響き渡り、深呼吸をすると杜の一員になったかのような気分になります。

 

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 新松木の杜ではウワミズザクラの花が満開です。白い小さな花が房のように咲いています。これから熟す実はクマの大好物ですから枝を折って食べられないか今から心配になります。林床では可憐な花が咲き、東側の林縁はヤマブキとツツジが満開です。

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 りんねの森では苗木たちが葉を広げ始めました。同時に草も生え出し、競争がはじまります。すでにロゼッタに葉を広げるビロードモウズイカが存在感を示しています。

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 松木渓谷方面には10人ぐらいの方が向かっていきましたが、“みちくさ”に立ち寄る人はいなかったようです。松木の空を飛ぶトンビを武田さんが撮影してくれました。

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 午後になると足早に帰る方が多く、3時過ぎに久喜市の橋本さん親子3人が立ち寄ってくれました。コーヒーを淹れお話しを伺うと、備前楯山に登り、その後松木渓谷に向かったそうです。奥のゲートを超え松木川沿いを歩いていくと道が落石で塞がれていたので戻ってきたとのこと。

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 机の上の“南相馬市鎮魂復興市民植樹祭”のチラシが気になった様子で、防潮堤の森づくりに協力していることを紹介すると、奥様の出身が相馬市で2011年の東日本大震災の時は実家が被災し、家族と連絡が取れず不安な日々を過ごされたそうです。家が損壊したが、家族は無事で安心したと当時の状況を話してくれました。

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足尾の煙害や緑化活動などの話も聞いていただき、帰りには森びと手拭いを2枚購入していただきました。楽しい時間をありがとうございました。植樹活動に生かしていきます。

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4時を過ぎ、みちくさの戸締まりして帰路につきました。

本日の舎人担当は、大野、清水、武田ご夫妻でした。

(報告 清水卓)

 

 

2023年5月 2日 (火)

鎮魂と森の生長を願い草刈り枝払いに汗を流す

 本日(5/2)の天候は晴れ。10時の気温は18℃でした。南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊メンバーは前回(4/24)に引き続き3回目の草刈り、枝払い作業を行いました。場所は、原町区南萱浜地区の第2回植樹会場(2015.3.27植樹)です。会場に向かう途中の水田は代掻きが終わり、田植えの準備が行われていました。

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 参加者が10時に集合し打ち合わせを行いました。今日は草刈り班と育苗場での苗木のチェック・整理班に分けて作業を行うことにしました。

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 早速、刈払機の点検・給油と帽子、保護メガネ、マスクの3点セットで安全操作を心掛けて草刈りを行いました。時折西風が強く吹く中での作業となりました。

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 通路は、セイタカアワダチソウに占拠され、刈払機を駆使して草刈りを行いました。枝払いも行い第2回植樹会場をきれいに整備することができました。

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 休憩タイムでは、麦茶を飲みながら那須のタルトクッキー(清水副代表の差入れ)を頂きました。話題は、5月27日に開催される”地球環境危機下で「いかに生きるか」を考えるシンポジウム”の参加者把握と第1回植樹祭実行委員会の報告、第11回植樹祭の成功に向けての話です。

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 4月28日に南相馬市鎮魂復興市民植樹祭第1回実行委員会が開催され、6月11日の第11回植樹祭の具体的な取り組みがスタートしました。私たち応援隊は、全国の植樹ボランティアの皆さん、福島県民、南相馬市民と共に成功に向けて取り組んでいきます。

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<次回の作業は5月20日(火)第2回植樹会場に10時集合。草刈り、枝払い作業を行います>

 参加された応援隊の皆さん、お疲れ様でした。

 今日の参加者は、渡部顧問、松林代表、菅野副代表、山田事務局、東城スタッフ、道中内スタッフ、事務局 岩橋でした。

(報告 岩橋 孝)

 

2023年5月 1日 (月)

都政、国政も反対の声を無視

20230501_191503 現在、明治神宮外苑地区の再開発計画が進められていますが、その計画の見直しを求めて闘っている団体そして市民等が多くいらっしゃいます。音楽家の故・坂本龍一さんが闘病中にもかかわらず、反対の声をあげていたことでご存知の方もいると思います。計画では、超高層ビルを建てて商業開発を行うとともに、神宮球場や秩父宮ラグビー場の建て替えが行われるため、樹木の大量伐採やイチョウ並木への影響が問題となっています。20230501_143539

 遅まきながら、現地を歩いてみました。上の写真は外苑前から望むイチョウ並木です。気温が20℃を超える日でしたが歩道は太陽の光を遮ってくれ、涼しく感じましたし、カフェやベンチで寛ぐ人の姿を見ると、ここは市民にとっての憩いの場だと感じます。

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 球場の脇を通り、新国立競技場の裏には白いフェンスに覆われた一帯があります。すでに工事が始まっているのか、看板の設置やガードマンの配置がされていました。仕事のため、参加できませんでしたが、4月1日にはこの建国記念文庫の森のまわりを「人間の鎖(ヒューマンチェーン)」で抗議活動が行われた場所です。

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 この森には低木を含め3,000本以上の樹木があり、樹齢100年を超えるものもあるそうです。まさに貴重な都市の緑よりも金儲けに走る愚行としか言えません。SNSでは再開発反対の抗議行動の情報は随時発信されていますので、気になる方はチェックをしてみて下さい。また、下記はすべてではありませんが、いくつかオンライン署名が行われていますので、気になる方はチェックしてみて下さい。

経営コンサルタントのロッシェル・カップさんが行っている神宮外苑再開発計画の見直しを求める署名https://www.change.org/p/%E7%A5%9E%E5%AE%AE%E5%A4%96%E8%8B%911000%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%A8%B9%E6%9C%A8%E3%82%92%E5%88%87%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-%E5%86%8D%E9%96%8B%E7%99%BA%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%AF%E8%A6%8B%E7%9B%B4%E3%81%97%E3%82%92?utm_source=share_petition&utm_medium=custom_url&recruited_by_id=e7f772f0-85a2-11e8-aa85-3f9d4b12376c&s=03

元ラグビー日本代表・平尾剛さんが呼び掛けている「ラグビーの聖地」の移転・改悪を止めよう署名

https://www.change.org/p/%E7%A7%A9%E7%88%B6%E5%AE%AE%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%93%E3%83%BC%E5%A0%B4%E3%82%92%E3%81%93%E3%81%AE%E5%9C%B0%E3%81%A7%E7%B6%99%E6%89%BF%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84-%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%93%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%81%96%E5%9C%B0-%E3%81%AE%E7%A7%BB%E8%BB%A2-%E6%94%B9%E6%82%AA%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%88%E3%81%86

(運営委員・小林敬)

2023年4月30日 (日)

中倉山のブナの親子を見守り続けたい

 29日の足尾松木沢は新緑が眩しく感じた一日でした。「中倉山のブナを元気にする恩送り」の協力者の受付を終えて「みちくさ」に到着すると、舎人の高橋さんは室内の清掃を終え、「みちくさ庭」の草刈りをしていました。Photo 松木渓谷へ向かう昨日(4/29)の人々は釣り人、ハイカー、沢登りが目的のようでした。4名は、コーヒーを飲みながら本日の中倉山でのブナ保護活動から戻ってくる方々のもてなしと出会いの広場としての「みちくさ」の運営の中身を出し合いました。様々な方々との出会いを大切にしていくことを前提に、その環境を整えていくことにしました。室内の整理整頓・あまり使用しない真空管アンプの使い方、「みちくさ」周辺の季節の移り変りの魅力発信方法などを出し合い、私たちの身の丈に合った新しい環境のもとで新しい情報を発信していくことにしました。Photo_2

Photo_3 昼食後は、4名で「みちくさ庭」の枯れ草を刈り取り、これから楽しませてくれる野イチゴやヒガンバナ等の生育を加勢できるようにしました。Photo_4 午後、ブナ保護活動に協力してくれた森林管理署の皆さん、拓陽高校教諭と生徒の皆さん、いつも協力してくれる足尾の山を知り尽くしている荒川さんとその友人が「みちくさ」に寄ってくれました。森びとからはチーズケーキと手作り甘酒でもてなし、林野庁の若い職員と高校生たちと森と人の結びつきに関する話をする事ができました。皆さんが植えてきた「希望のブナ」と「孤高のブナ」親子の生長を見守っていけるよう雰囲気がとても嬉しく感じました。Photo_5

 外の草地では、キジが大声を出して羽ばたき、アナグマは草むらを忙しそうに動き回っていた松木渓谷入口の一日でした。Photo_6

Photo_7下野新聞の報道は下記の通りです。

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/732526 
(舎人:大野、髙橋)