2025年6月 6日 (金)

「日光城山・ふるさとの森」の草刈りを行いました!

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 6月2日(月)栃木県ファンクラブは、日光板橋・城山の植樹地の草刈りを行いました。

 5年前の10月、小雨の中で17種1000本の苗木を植えた場所です。地元の大和木材・福田社長のご厚意で、杉などの針葉樹を伐採した跡地に広葉樹を植えました。

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  5周年の区切りに企画した草刈りですが、8人の皆さんが集まってくれました。その中には、ケガで長らく療養していた鎌田さんの元気な姿があり、群馬県から松村(宗)さんも参加してくれました。やっぱり鎌田さんは、この姿がピッタリ!皆んな大喜びです。

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 今日の作業は、これまで通りのお昼までの作業。篠竹を刈ることをポイントにスタートしました。隣接する登山道の草を刈る人、沿道沿いのサクラの回りを奇麗にする人、藪のような中に突入する人と作業を進めます。

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 植樹地には、足尾のような草はほとんど生えていませんが、その代わり杉、檜の実生苗、カシや榊類の切り株から芽を出したもの、ウルシ類などが藪を形成しています。

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 サクラの木は、太さを増しています。毎日城山に登っている近くに住む女性に話を伺うと、「河津桜の咲き方が悪かったが、それ以外の桜は楽しめました。心が和みました。」とおっしゃっていました。

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Dsc089471(ソメイヨシノ 4月13日撮影)

Dsc089801(シキザクラ 4月13日撮影)

 作業の合間に経口補水液を飲みながら、鎌田さんから近況報告をして頂きました。森びとも高齢化していますので、真剣に耳を傾けて教訓としながら、回復を喜び合いました。

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 最後に、気づいた問題点・今後の課題等を出してもらいました。

①半日作業ではなく、お弁当持ちで午後作業もしてはどうか?

②植えた木以外は最大限伐採したほうが良いのでは?

③集中日を設けて、一気に整理しては?

④急で滑りやすいので、下から攻めたほうが良い。

 等々の意見が出されました。

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 栃木県ファンクラブとしても検討を約束し、加賀事務長からは、コロナ問題を境に停滞しているファンクラブ活動を活発化させ、メンバーの拡大、対面総会の実施等を約束して散会しました。

 皆さんご苦労様でした。森作業の参加者は、

鎌田、山本、本間、松村(宗)、橋倉、加賀、福原、山田の皆さん。

(報告:橋倉喜一)

2025年6月 1日 (日)

いま一番大事なことは、木を植えて森をつくること

 いま私たちは、誰もが経験したことがない「気候危機」に突入し、台風や豪雨、熱波や干ばつなど「極端な気象現象」と呼ばれる異常気象が世界各地で発生し、すべての生物が“いのちの危機”にさらされています。

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 このまま各国が地球温暖化対策を進めても、21世紀末の世界の平均気温は産業革命前に比べて2.7度上昇すると予測し、事態はさらに深刻化すると「国際環境NGO、クライメート・アクション・トラッカー」が5月に発表しました。

 また、国内で発生した高温や豪雨などの異常気象に、地球温暖化がどれほど影響したのかを科学的に分析し、温暖化対策の機運を高めたいとして、研究者有志団体「極端気象アトリビューションセンター(WAC)」が5月20日に国内初の組織が発足し、今年度は猛暑を中心に分析し、来年度以降は大雨についても分析結果を公表し、気象キャスターらの情報発信に役立ててもらうということです。

 「人間の経済活動」により、温室効果ガス排出が増加。それによって引き起こされる気候変動の危機に対して、「情報発信」の動きが見えてきました。

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 危機を回避するための情報は極めて重要なことです。いま地球人に求められているのは、安定した気候と、そのもとでの安定した暮らしと生活ができる地球を取り戻すことであり、そのために何をするかが重要なことではないでしょうか。

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 誰もが「豊かな暮らしをしたい、安くて美味しいものを食べたい」と思うかもしれません。しかし、地球温暖化が進行する中で、森林を破壊し、さらに化石燃料を掘りまくれ!と叫ぶ為政者や、資源や領土をめぐる国家間の争いなど、際限のない欲求や欲望が、地球環境破壊、不当な利益を得る行為が内包されているという現実を見極めることが問われているのではないかと思います。そして一番大事なことは、一時しのぎではなく、世界中人々が温室効果ガスを吸収する木を植えて森を作ることが一番の早道であり、人間が成せる恩返しの原点ではないかと思います。

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 私たちは20年前から「地球温暖化にブレーキをかけたい」と森びとプロジェクトを結成し、足尾で森づくり活動を地道に始めてきました。いま、その落葉広葉樹約8万本が形成する小さな森は、すべての生物の命を守る「母なる森」へと成長しつつあります。動物たちに幹や枝葉を食べられても翌年には芽を出し再生する木々たち。森づくりを通じて、「木々たちの生命力」と「人間は森に寄り添ってしか生きていけない」ことを学んできました。

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 その「松木郷の森」の案内(=エコ散歩in足尾)を通じて、森にふれ合いながら五感で感じ、人間が生存するために、森(自然)は必要不可欠な存在であることを共有し、森づくり活動に繋げていきたい。その原点は、気候変動と向き合う「母なる森」へと、さらに次世代と共に明治神宮のような「100年の森」を目指して「足尾・松木郷の森」の手入れに汗水流し、磨きをかけて行きたいと思います。

(運営委員:大野昭彦)

2025年5月28日 (水)

作業には絶好の曇り空 下草刈り、楽し!

5月27日(火)午前8時10分の気温は11℃、松木郷は、少し寒い曇り空です。久しぶりに顔を合わせた皆さん、近況報告で盛り上がる作業小屋。午前9時、「おはようございます。今日の作業ミーティングをはじめます。」作業責任者の加賀さんの号令がかかりました。一通りの説明を聞き、いくつかの質問のやり取りの後「では、各自道具を持って、臼沢の杜・西に向かいましょう。特に、スズメバチだけは気を付けて!!」との注意喚起。今日は、「臼沢の杜・西」の下草刈りです。

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ノコギリ鎌を片手に、スタッフ、ボランティアの皆さんと共に、足早に「臼沢の杜・西」に向かいます。

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道すがら、キンバリーさんが「牡鹿の角」を拾いました。1歳以上の牡鹿は、1年に1回春先に角が生え変わるそうです。

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獣害防止柵の入り口を開門し、臼沢エリアに入り、左手に進み「臼沢の杜」を右手に見ながら更に約300mほど進むと、「臼沢の杜・西」に到着します。Photo_5

臼沢の杜・西に着いたら、更に急斜面を上ります。ここには、2021年、22年の「里親植樹」で植えられた約1100本の背の低い幼木が、下草と闘いながら生長しています。

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今日の作業には、加賀さんより「ゴム手袋か皮手袋を付けるように」と、強い指示がありました。
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なぜなら、刺されやすい手をスズメバチから守るためです。この日も駆除スプレーで、一匹退治しました。

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ヤマボウシ

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右下がカシワ、左上がブナ

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栗の木にも、花が付きました。

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赤っぽいのは「白膠木」(ヌルデ)の幼木です。私たちが植えた樹種ではないので、「鳥が種を運んで、ここで実生から生長したのだろう。大きくなると秋の紅葉がとてもきれいだから育てよう!」と、ベテランの松村宗雄さんに教えていただきました。

Photo_19わずかですが、苔が生えていました。「土壌に保湿性が出てきた証拠だよ」と、スタッフの済賀さんが教えてくれました。

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ナラの木が、枯れて横たわっています。抜いてみると、根の殆どが文字通り「根こそぎ」食べられています。同じような状態のナラの木が6本あり、根を抜いた穴には、6ヶ所とも必ず横穴が掘られていました。「恐らくヤチネズミではないか?」、「土が肥えてきてミミズや木の根を食べにきているのではないか?」「いずれにしても、こういう状態は初めてだ」と、このような言葉が飛び交うくらい、珍しいことです。Photo_22

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午後3時近く、「臼沢の杜・西」の左上4段を残してかなりの面積の下草刈りを終えたボランティアとスタッフの皆さん。「ヤッター!」と充実感もひとしおです。

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今日作業をした「臼沢の杜・西」の木々が約4年にして、樹高は30㎝から1m、1m50㎝程度で下草刈りはまだまだ必要なようです。かたや、東隣りの「臼沢の杜」は20年目、樹高は15mの立派な森に生長していて、臼沢の杜と臼沢の杜・西は、森づくりの年月による生長の対比において非常に解りやすいエリアだなと感じました。

最後にボランティア、スタッフの皆さんは作業小屋で、6月10日に「臼沢の杜・西」の階段左上部4段に残った下草刈りをすることを確認し、松木郷を後にしました。

本日の作業に参加された皆さんは、キンバリーさん、山内さん、本間さん、武田さん、田口さん、松村さん、済賀さん、加賀さん、大野さん、清水さん、田城でした。(報告者 田城 郁)

2025年5月26日 (月)

森づくり20年記念「松木郷の森」案内

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 森びとは足尾・松木沢に木を植えて20年を迎えました。昨日5/25は、これまでお世話になってきた行政、諸団体等を中心に呼びかけました。

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 10時過ぎに、すべての参加者が集まり、「みちくさ」にて、スタッフの紹介と参加者の自己紹介をしてから、移動をしました。

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 まずは森びとの看板の前で、清水副代表からこの場所にはかつて松木村があり、住民たちは養蚕等で生計を立てていた様子や20年前の森づくり開始前の臼沢の森の写真と現在の臼沢の森との対比などが紹介されました。

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 また、山田組・山田会長からは随時森びとがここ足尾に入る前の様子を交えた貴重な話をいただきました。対岸等のはげ山になって茶色になっているのは、肥沃な土は緑化に使用されるために取ってしまったためであることが話をされました。

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 続いて、2005年に植樹を開始した臼沢の森に移動しました。宮脇方式では1㎡に1本のところ、ここでは1㎡に3本植樹を行ってきたこと、育ってきた森が落石を食い止める役割をしていること等を説明していました。手作りの階段設置、今では笑い話になりますが土や腐葉土を乗せた背負子を背負って何往復をさせられたボランティアからの怒りの声の紹介もされ、その当時苦労された人に今の森を見てもらうことが必要ではないかとも意見が出されました。

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 臼沢西の森に行くと、足元に石が目立ちます。加賀スタッフからは、この場所は穴を掘るとすぐに石とぶつかるため、植樹の前段の穴掘りや土づくりの苦労が話をされました。また、コロナ禍で里親植樹をした場所でもあり、新芽がウサギによって食べられてしまうので、幹ガードの設置をしてきたこと等動物たちとの知恵比べがある現実も出されました。

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 下山後は、民集の杜・北へ移動。足尾の「過去・現在・未来」を紹介

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 本日のお昼は、地元「わたらせ茶屋」様のお弁当です。美味しくいただきました。済賀スタッフの手作り味噌汁(写真はスミマセン)と一緒に。

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 三五自然共生財団・佐藤様よりお茶菓子を、他の方々からもお心遣いをいただきました。ありがとうございました。

P1010682 昼食後、5/4TBSのサンデーモーニング「風をよむ」を観てもらった後、出席された皆さまと森を観察した感想や今後のアドバイスをもらうための意見交換をしました。以下、要旨のみ報告します。

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元毎日新聞社 浅見茂晴様

「2014年までの9年間駐在。10年ぶりに来て緑が復活しており、驚いた。皆さんの努力に敬服する」

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JR総連政策・政治部長 荒木ユイ様

「足尾の過去・現在・未来の説明が分かりやすかった」「単に木を植えるだけではなく、階段づくりや土留めづくりの重要性が分かった」

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山田組会長 山田功様

「足尾で生まれ育った。仕事は譲って、ガイドとして(足尾の)産業の近代化と、影としての環境破壊を伝えている。木を植えるだけではなく下草刈りなど、愛情をかけて育てていけば木も応えてくれる。その気持ちを伝えていく」

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林野庁日光森林管理署署長 中村昌有吉様

「山から出てくる木材の恩恵を忘れがち」「やはり人手をかけてボランティアとはいえ、目に見えない費用をかけて森づくりをやってすごくうらやましい」「次の10年、20年でどう変わるのか。明治神宮はボランティアで100年経ってあのような森になった。足尾もそうなれば良いと思う」

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公益財団法人三五自然共生財団事務局長 佐藤和様

「本物の森を見せていただいた。森を維持していくのは大変だと感じた。(助成申請の)予算表を見せていただいて、こういうことに使用するんだと実感した」「(助成の)選考委員のコメントでは、20年間の実績、人と森とのつながり、土づくり、プロジェクトの意義が良いということでした」

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 一般財団法人国鉄・JR労働運動研究会 奥村隆夫様

「10年前からすると変わったことを実感している」「“1人の100歩より、100人の一歩”という言葉があり、大切にしている」「ここ足尾に来るツアーを組んでみてはどうか」

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 一般財団法人日本鉄道福祉事業協会代表理事 柳明則様

「待っているのではなく、どう行動するのかが問われている」

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 最後に、森びとプロジェクト副代表清水卓より20年の森づくりへのお礼のことばを述べました。

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 改めまして、当会の活動に賛同し、会員に加入していただいた皆さま、協力していただいた企業・個人の皆さま、20年間の活動を物心両面にわたり支えて下さった皆さまに感謝致します。次世代にいのちを繋ぎ、人間性を育む森になるよう整備し、人間は森に寄り添ってでしか生きていくことはできず、“森は友だち”であることを感じてもらえるよう活動をしていきます。今後も森びとプロジェクトの“山と心に木を植える”活動にご理解・ご協力を頂けますようお願い致します。(運営委員・小林敬)

2025年5月24日 (土)

甘い香りが町中に漂う季節到来!

 6月24日(土)、朝9時の気温は13℃。今にも降ってきそうな空模様に、薪ストーブに火を入れました。来る途中のニセアカシアには白い花が垂れ下がり、周りに甘い香りを放っています。

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 今日は嬉しいことに、森びとの「気候危機に向き合う生活を考えるシンポジウム」で発言をし、二度目の来訪を約束していたTさん親子が見える事になっています。昨年5月に親子三代で見えて、祖母の記憶力のすごさに驚きながら、昔の足尾の話に聞き入ったことがよみがえります。

 10時40分、清水副代表の案内で「みちくさ」に到着し、お土産を頂きました。少しお話をして、「森の案内」をする小黒運営委員を加え「臼沢の森」の植樹地を目指していきました。

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 午後に来訪してくれたのは、千葉県から来られたOさんです。「足尾ジャンダルム」を初登頂したそうですが、疲れも見せず「あれは何ですか?」と”カラミ”を指さし質問をしてくれました。

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 説明を終えて室内に戻るとナイスタイミングでTBSテレビ「サンデーモーニング」(風をよむ)の録画映像が流れてきました。来訪者4人、スタッフ4人全員で鑑賞しました。

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 今日済賀舎人は、明日行われる「松木郷案内」の準備に奔走しました。天候の悪さを予測して、案内場所の草刈りを始めとした準備です。これまで森びとを支えてくれた皆さんへの感謝を込めた作業です。

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 これから6月にかけ、「20周年記念行事」が続きます。多くの皆さんとの連携、支え合いをこれからも具体的に作り出し、進んでいきたいものです。

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 今日の舎人は、済賀、橋倉。森の案内人は清水、小黒。報告は橋倉喜一でした。