2024年10月26日 (土)

天空の仲間に届け!残された私たちの思いを!

  今日( 10月25日)、今は亡き小井土スタッフの奥さんと友人が足尾・松木沢を訪ねてくました。森づくりをしてきた小井土さんと言えば、私たちには”頑固一徹”なイメージが真っ先に浮かびみます。「ハリギリ」という木は幹をまっすぐに伸ばし、鋭いトゲを幹や枝に持つ。老木になるとそのトゲは消え、樹皮には縦に深い割れ目ができます。我々にとっては小井土さんにぴったりの「木」だと誰もが言っていました。

Dscn3192 そんな小井土さんと奥様は「雲集亭」(うんしゅうてい)の名付け親です。今は荷物置き場になっていますが、以前は多くの植林ボランティアが集い、学び、食べ、語り合ってきました。まさに雲が湧くように足尾の森づくりに人が集まり、雨を降らした所になっています。

 記念に植えたハリギリに明記した小井土さんの名字は正しくは看板の様な「土」の字の右上に「、」がついています。松村(宗)さんのアドバイスで気が付きました。そんなことを気づかなかった自分は恥ずかしくなりました。 

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 私たちは、その看板を立てる前にハリギリのネット内の草をきれいにしてあげました。

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 予定より少し遅れて二人は「みちくさ」に到着。直ぐに昼食を済ませましたが、私たちが用意した手作りの「けんちん蕎麦」は好評でした。デザートを食べながらの和気あいあいの話では、足尾に来た奥さんの気持ちを伺うことができました。奥さんは、「夫の足跡をたどりながら、一緒に通った16年間の足尾の森を見たくなっことを友人の山口さんに話し、彼女も一緒に行きたい!と言ってくれたので二人で来ました」と、話してくれました。
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 昼食後、奥さんと私たちはそんな二人の気持ちを宿したハリギリの看板を立てました。

Dscn3186 立てた後の記念撮影の時のみなさん顔はとても和んでいるようでした。天空の森の小井土さんもさぞかし喜んでいると思いました。

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 民集の杜(東)散策中、珍しい植物を見つけました。「冬の花ワラビ」と呼ばれるもので、松村(宗)さんも大喜びでした。

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 「しばらくぶりに足尾に来て、夫と一緒に森づくりをしたことを懐かしく思い出しました。その後、19年が経ち、樹々の生長は素晴らしく育って森になっている様子を見て、主人も私も素晴らしい人生が送れた」と話してくれた小井土さん。山口さんからは、「色々なお話しと大自然の中にいることができ、貴重な体験をさせていただきました。また是非来させて頂きます」と、感想を述べてくれました。小井土さん、山口さん、私たちの歓びと励みは皆さんが足尾・松木沢においでいただき、育った森を見て頂くことが一番です。紅葉の本番はこれからですので、人が壊した自然界の一角を人が手入れをすると「松木郷」になることを見てください。今日の案内は、松村(宗)、大野、橋倉(筆者)の3人でした。

2024年10月22日 (火)

森づくりの師匠を迎えての森作業

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 本日(10月22日)の足尾・松木は、11℃(8時30分)で大変寒い朝でした。鎌田さんに薪ストーブに火を入れて頂き、作業小屋は寒さ知らずでした。

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 房総半島の先端から森づくり師匠の相川さんと武田さんが松木の杜の観察に見えました。森づくりを始めた頃、斜面地での植樹に欠かせない階段造りのアドバイスをくれた相川さん。その階段は今でも安心して利用しています。森(杜)の案内は清水副代表が行いました。相川さんは「臼沢に森」について「植樹した苗木が森になりびっくりした!」と述べていました。森びとインストラクターの武田さんは「身体の治療が終わったならばまた来たい」と、森から元気を頂いたようです。

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Img_2329 今日の森作業の「松木びと」が全員集合する前、柳澤さんがモミガラをトラックで運んでくれましたので荷下ろしをやりました。

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 続いて到着したのは、矢口さん。軽トラックの荷台いっぱいにヒガンバナを積んできました。植物大好きの矢口さんの気持ちを大事にしたいと思いました。ありがとうございます。

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 また、本間さんは折れてしまった大ハンマーの柄を新しい物に取り付け、怪我や事故ないような道具にして持参してくれました。ありがとうございます。

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 今日の森作業は、「みちくさの庭」のガクアジサイとアジサイを「こころの園」に移植します。ガクアジサイに白いテープで目印が付けてありましたので、スコップで根を切らないように慎重に掘り出しました。午前中にガクアジサイ(21本)を移植することが出来ました。

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 昼食後は、午前中に掘り出したアジサイ(20本)を、一昨日に掘った「こころの園」の穴に黒土を混ぜて移植をしました。年内には移植を終わらせ、来年の森づくり20年を迎えようと思います。

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 矢口さんから提供された「ヒガンバナ」は、「森びと広場」へ下りてくる右側の「こころの園」に移植しました。来年秋には満開の「ヒガンバナ」が訪問者や私たちの心を和ましてくれるようです。

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Dsc00383 遠方より森の観察に来てくれました相川さん、武田さんありがとうございました。二人の笑顔を見られて、私たち「松木びと」も森の手入れの持続性の大切さを感じ取れました。森作業は、鎌田さん、本間さん、柳澤さん、矢口さん、山内さん、大野さん、清水さん、加賀さんと筆者でした。(報告者:済賀 正文)

 

2024年10月21日 (月)

「孤高のブナ」保護準備で新たな出会い

Dsc00340 本日(10月21日)は、11月3日に開催する「孤高のブナ」保護活動の準備と「希望のブナ」の生長調査に中倉山に登りました。登山口で出会ったのは山岳ガイドをしている松原さん。登山ガイドの下見に来られていました。松原さんは足尾ジャンダルムにロッククライミングに来ている方ですが中倉山の「孤高のブナ」に会うのは初めてということでした。「孤高のブナ」の場所で会えると良いなと思いながら別れました。Dsc00321 今日の準備登山は、東京事務所の坂口さん、足尾スタッフの山田さんと筆者の3人が登りました。途中、秋を感じる木々の色づきに心を和まされて2時間30分間登ると、「孤高のブナ」に会うことが出来ました。

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 途中の落葉広葉樹が秋の化粧をして我々を迎えてくれました。昼食を終えると「沢入まで行ってきました」とニコニコ顔の松原さんと再会しました。「希望のブナ」の観察記録には松原さんも付き合ってくれました。ブナの実から苗木に育てたものを昨年4月29日に植樹をしたと話すと、松原さんは驚いていました。「希望のブナ」は小さいながらも葉を黄色に染めていました。高さは、約120cmに伸びていました。今年は2度目の冬を迎えますが、筆者は厳冬に耐えて生きて欲しいと願いました。

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Dsc00351 「孤高のブナ」が生きる石だらけの松木川斜面地は、7年前に張り付けた種が混ざっている土袋からは草が生い茂っていました。それを見た松原さんは、「完全に草が土と一帯になっている」と驚いていました。地道にブナの根を守る活動に参加して頂いた方々に感謝です。11月3日に行う作業用の土留めが一部崩れていましたので、山田さんと必要な機材の最チッエクしました。松原さんとは、途中まで下山しましたが、松原さんからは尾瀬でのミズバショウ保護などの話を聞くことが出来ました。

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Dsc00346 下山後、山田さんと筆者は11月3日のと最終チェックを行い、中倉山のブナ保護準備を終了しました。

Dsc00353 松原さん、「希望のブナ」の観察にご協力頂き、ありがとうございました。

本日の作業者は、坂口さん、山田さんと筆者でした。(報告者:済賀 正文)

2024年10月20日 (日)

秋空に誘われて、多くの出会いがあった「みちくさ」!!

  10月20日の足尾・松木沢は、快晴だが14時になっても17℃の気温で肌寒い一日でした。中倉山の「孤高のブナ」と「希望のブナ」に会いに行く皆さんが大勢見え、ダムゲートの駐車場から車があふれていました。

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 「みちくさ」に到着すると、来訪者と思われる方が小屋の近くで写真撮影をしていました。東京・杉並から来られたその男性は以前、対岸の山腹で熊を撮影したのでその再来を期待して来られたそうです。有害ガスを無毒化する機械を作っているそうで、足尾については強く関心を持っていました。

Dscn3141  その後は、常陸大宮市の山とカメラが大好きなシニアの男性、続いて日立市から来られた女性ふたりと矢継ぎ早の来訪者です。二組とも茨城県から見えたとあって、同県に住む済賀舎人は「茨城県人会だ!」と大喜びで対応をしていました。

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 山岳写真で様々な展覧会に出展にしている男性はマレーシア人のホームステイ女性を連れてきたロッククライミング大好きな女性に出会って嬉しそうでした。その元気さに圧倒された筆者。

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 松木沢の紅葉時期はもう少し先になりそうです。臼沢の木々も「みちくさ」脇のモミジもまだ緑色のままです。

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 午後からも人の流れが続きました。以前寄って頂いた足尾ジャンダルムをこよなく愛するグループの皆さんが、時間がないと今日は立ち話だけで去っていきました。

Dscn3168  次の来訪者は、栃木県・さくら市から見えた親子です。小学生のお子さんは、学校でドングリから苗木を作り植樹をした経験があり、森びとの取り組みを真剣に聞いてくれました。

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 最後の来訪者は、16時少し前に見えた足尾ジャンダルム帰りの4人のグループです。「今日も閉まっているかと思ったら開いていた!」と喜びながら見えました。みどり市の大木さんから寄贈された岩登りのアルバムを見て、大喜びでカメラに収めていました、森びとの取り組みにも興味を持っていただき、「孤高のブナ」保護活動への参加要請を行いました。

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Dscn3176  「みちくさ」舎人の私たちは、地球温暖化による大雨対策で建屋周りの排水溝の工事をおこなっています。その重要な部分の作業を写真・済賀さんが行なっていました。この後は、26日、27日の両日で完成を目指します。

Dscn3172 今日の舎人は、済賀と筆者でした。(報告者は橋倉喜一)

 

2024年10月19日 (土)

秋なんですよねぇ

10月後半と言えば子供のころは秋からいよいよ冬を感じるような季節感でしたが、標高が700メートルに近いここ足尾も、まだまだ秋の深まりには程遠い感じがします。朝9時半の気温は23度。むしろ陽が射すと暑いぐらいでした。

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植樹地である臼沢をみてもまだ緑が青々としていて、広場に植えた柿だけが秋を少し伝えてくれています。

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みちくさの準備で、水源のチェックに行く間は濃い獣の匂いが時折流れてきました。ハンターでもある済賀さんから、風上にもしクマがいたら匂いに気づかないから注意したほうが良いというアドバイスをもらいます。ついせんだても、夜ではあるけれど民集の杜の植樹地にクマの親子が現れたらしいとのこと。

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ちょっと出会いを期待したものの、残念ながらクマどころかここ良くでてくるアナグマも、やたらといるシカもサルもキジも(そして訪問者も!)この日は全く姿を見せてくれませんでした。

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今日は午前中はなかなかの天気でしたが、お昼当たりから暗くなりちらほらと小雨が舞う天気となりました。天気の良い午前中はどなたも訪れず、森びとの20周年の企画について話し合う時間となりました。そこででた、みちくさに来た人たちに松木の杜の恵みを分かち合おうという提案があり、みちくさの庭に生えているドクダミとペパーミントを採集しました。しばらく干してお茶にでもしようという魂胆です。

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お昼過ぎに3名ほどのロッククライマーの方が通りすぎましたが、残念ながら雨が降りそうということで急いで通り過ぎていきました。もう1名の方も、歩いて松木村の墓石群のところに行ったとのことでお誘いしたのですがまた今度!と通り過ぎていきました。

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本日もまた静かな森の一日でした。(舎人 田城、小黒)