2024年11月27日 (水)

来夏を彩る紫陽花の開花を願い「こころの園」に移植

 11月26日(火)、足尾「松木郷」は灰色の曇に覆われ、9時の気温は2℃、昼になっても7℃と寒くどんよりとした天気です。作業小屋に入るとストーブに火が入れられ、体の芯まで暖まります。森の恵み(薪)に感謝です。

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 作業責任者の大野さんより今日の森作業が報告され、「みちくさの庭」から「こころの園」にアジサイの移植を3班に分けて行うことにしました。1班は「みちくさの庭」のアジサイの掘上げ(鎌田、本間、田村)、2班はアジサイの運搬(加賀、田城、清水、橋倉)、3班は、「こころの園」に植付け(大野、栁澤、坂口)と担当分けし、作業を開始しました。

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 「みちくさの庭」のアジサイの株が生長して密集しており掘り上げるのも一苦労です。加賀さんが運び出しをしてくれましたが、重いものは二人で運び出しました。

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 枯れた枝と長く伸びた枝を剪定して、一輪車に積み込み「こころの園」に運びましたが、石がゴロゴロし、坂あり、砂場ありで、押したり引いたりと四苦八苦しながら、72本のアジサイを運びました。

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 サルの食害にあわないように運び出し口のネットをふさぎ、全員で植付け作業を行いました。事前に掘った穴が小さく、株の大きさに合わせて穴を広げ、黒土を入れて植えました。

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 階段東側に51本、西側に21本を移植することができました。来年は森づくり20年になります。サクラの開花が過ぎた6月から7月の梅雨時期にアジサイの大輪が花開き、「松木郷」を訪れる皆さんの目と心を楽しませてくれることを願い移植作業を終了しました。午後まで掛かると思いましたが12時に終了し、昼食にしました。

 

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 午後は、「果樹園」の防草シート剥がしと「りんねの森」の生長調査を行いました。

 苗置き場だった「果樹園」では防草シートに生えた草の根がガッチリとシートを押さえているため、手で剥がすことができない場所もあり、つるはしで草の根を切り離しながら数人がかりで剥がしていきました。ブドウ棚、ビニールハウス内、外側全部を剥がし終えることができました。シートを押さえていた金具は一輪車に一杯となりました。次回は、もみ殻を敷き、木の根を温めたいと思います。

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 「りんねの森」の木々の生長(樹高)調査は、各エリアで一番樹高の高くなった木を測定しました。2022年10月に植えた時は60㎝程だった苗木たちですが、砂地のヤマハンノキは樹高5mにもなり、驚くような生長を見せていました。改良地のヤマザクラは1.9m、赤土のヤマボウシは2.4m、湿地のカツラが2.2m、河川敷のネコヤナギは2.3mと順調に育っています。

Dsc06050《5mに生長した砂地エリアのヤマハンノキ》

Dsc06067《改良地エリアのヤマザクラ 1.9mに生長》

Dsc06094《赤土エリアのヤマボウシ 2.4mに生長》

Dsc06097《湿地エリアのカツラ 2.2mに生長》

Dsc06121《河川敷エリアのネコヤナギ 2.3mに生長》

 森の調査で、びっくりする発見もありました。砂地のヤシャブシの木に実が生っているのかと見たら、モズのハヤニエ(速贄)でトカゲが刺さっていました。干物にして保存食にするようですが、森の生長に伴って生き物が増え、食物連鎖がつくられていく様子を垣間見ることができました。

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 赤土エリアでは、9日にJREU大宮地本OB会の皆さんが草刈りを行ってくれたおかげで林床が見えるようになり、「フユノハナワラビ」を見つけました。花を3本見つけ、枯草をかき分けると葉があちこちに見られました。数年後には「民集の杜」のように苔むした林内に変化するのではないかと想像しました。

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 作業小屋での終了ミーティングでは、柳澤さんから「森はともだち!カルタ」の紹介がありました。19年の森作業を通じて学んだことや森に生かされていると感じたことを四十四句につづられたもので、森づくりを思い出す内容です。「みなさんが体験・経験してきたことを句にしていきましょう!」とチャレンジしていくことを確認し、本日の森作業を終了しました。

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 今日は朝早くから日光市の「衛生管理センター」の作業員の方々が「みちくさ」と「森びと広場」の簡易トイレの「し尿処理」に来てくれました。ありがとうございました。

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 本日の森作業は、大野さん、加賀さん、鎌田さん、橋倉さん、本間さん、栁澤さん、坂口さん、田村さん、田城さん、林子さん、筆者・清水でした。

 い:「いつまでも いのちをつなぐ 森づくり」(作 柳澤 肇)

(報告:清水 卓)

2024年11月24日 (日)

今年最後のみちくさ日記です

今日は快晴。少し風がありましたが空気が澄んで気持ちの良い天気です。足尾ダムのゲート前には、中倉山に向かう人たちの車が沢山停まっていました。この日は舎人(みちくさの番人)6名が集まり、まずは大掃除をしました。一年分のホコリと汚れをキレイにします。それにしても、汚れるもんですね。ただ、6人がみっちり動くと仕事は早いものです。小一時間で一通り終え、その後は森の動画を撮ったり車のメンテナンスをして午前を終了しました。

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足尾の街から松木方面

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今日のみちくさ

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お掃除の風景①

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お掃除の風景②

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お掃除の風景③

お昼は舎人頭の橋倉さんがけんちん蕎麦を振る舞ってくれました。具だくさんで美味しかったです!腹一杯頂きました。ごちそうさま!

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けんちん蕎麦で腹が満ちる面々

午後に宇都宮からいらしたお二人が立ち寄ってくださいました。道を間違って久蔵川を進んでしまったそうですが、今日は本当に良い天気でしたので、それもまた良い散策になったのではないでしょうか。次は春の花の時期に是非またいらしてくださいね。

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その後は今年の振り返りを少しだけ。猿の大きな群れが辺りを賑わし、そろそろ帰れと促された頃に解散となりました。さすがに日が落ちてくると寒さを強く感じましたが、それでも例年よりはずいぶんと暖かい1日でした。今日はサルもシカもアナグマもでてきて、本年最後のみちくさを盛り上げてくれました。

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今年のみちくさは本日で閉舎となります。次は2025年の4/5(土)にオープン予定です。また来年お会いしましょう。(舎人 小柴、清水、小黒)

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2024年11月23日 (土)

初雪が風に舞う足尾・松木郷

 本日(11/23)の足尾・松木郷の天気は曇り、朝8時30分の気温は5度でした。

 「みちくさ」に向かっていく私たちは古河橋のロータリーの所で一緒になりました。足尾ダムゲートをくぐって松木渓谷のジャンダルム谷筋に向かっていくと、稜線にはうっすらと雪が積もっているようでした。松木郷にも風に吹かれてちらちら雪が舞ってきました。

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 遊働楽舎「みちくさ」に到着し、ストーブに火を入れて暖を取りながら本日の打ち合わせを行いました。

 福原さんは「夜も寝ないで樹々の越冬作業を考えた」と言って、急遽「みちくさ」周辺の手入れに参加してくれました。福原さんは「森びと広場」周りに植えた樹木がシカやサルの餌食になってしまうことが心配なので来たと言ってくれました。この気持ちは、森に生かされ、森に寄り添う優しさと敬う気持ちの現れとだと思い、それは足尾を訪れる方々の心を動かすことにつながるようです。

 その木は「みちくさ」入口にある数年間も霜に耐え抜き、衰弱しては元気を取り戻しているクスノキです。厳しい冬に備え、防寒と獣害対策に来てくれました。私たちの森づくりはこのような樹々を愛する心に支えられています。福原さん、ありがとうございました。

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 午後は、橋倉さんに「みちくさ」の留守番をお願いし、福原さんと私は、福原さんが持ってきたコオニユリの球根を「こころの園」のキバナフジの所に5株植えました。少しづつですが人が集まって楽しいひと時を過ごす場所になることを願いました。

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 その後、「果樹園」のブドウやラズベリー、お茶の木などに森の栄養が行き届くようにと、防草シートを二人で?がしました。

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 本日の「みちくさ」訪問者は、群馬県渋川市から来た親子の2人でした。お茶を飲みながら、初めて松木沢に来た気持ちや興味のある足尾銅山の歴史の話などで交流をしました。帰りに、“地球温暖化ストップ”の森びとの手ぬぐいを購入していただき、カンパもいただきました。ありがとうございました。

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Cimg0029 今日は、一日中雪が降るかと思いましたが、いつの間にか雪は止み、舞い降りてきたのは小さなアラレのようなものでした。しばらく顔を見せなかったアナグマが「みちくさの庭」に現われ、食事しているところを見ていると気持ちが癒されました。福原さん、寒い中お疲れ様でした。本日の森作業は福原、舎人は橋倉、大野でした。<報告は大野昭彦>

2024年11月17日 (日)

異常に暖かい足尾・松木郷は紅葉が一段と進みました

 11月17日(日)、足尾・松木郷の天候は曇り、9時の気温は13℃、温かい朝でした。「みちくさ」に行く途中で回りの杜を撮影しました。12日には臼沢はうっすらとしか紅葉していなかったのですが、今日は山一面が赤や黄色に染まっていました。Img_0022

雲が多いが青空も見えるジャンダルム方面

Img_0002「民集の杜・北」

Img_0009「民集の杜・西」Img_0017「臼沢の森」下のカラマツも綺麗です。Img_0024「みいくさ」前のモミジとカラマツ

 今日の最初の「みちくさ」訪問者は、10:50頃小山市からという3人。朝早く備前立山に登り、時間があるのでと松木渓谷のハイキングに行く前に立ち寄ってくれました。「苔テラス」のベンチで昼食を取り、出発前の記念写真は、進行方向に向かっているので後ろ向きで失礼します。

P1050695 次の訪問者は、足尾に住んでいる「和朗庵」という一棟貸し宿のオーナーとその友達のMさん2名が訪れました。橋倉さんと山田さんが「民集の杜・東」へ案内しました。モミジを見て「すごい!!綺麗!!」、Mさんさんは色々な苔や「フユノハナワラビ」を見て大興奮でした。

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P1050702 二人は「いいものを見せてもらいました」と喜んで帰っていきました。

 12時30分頃には、松木渓谷を散策してきたという埼玉県川口市と群馬県高崎市から来た3人が寄ってくれました。森びと手拭いを3枚買ってくださいました。ありがとうございました。

Img_0030 この時間になると太陽が顔を出し、この時季とは思えないほど暖かくなってきました。温度計をみると27℃にもなっていました。でも、太陽が中倉山に沈むと急に冷えてきました。

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本日の「みちくさ」担当は、山田さん、橋倉さんと筆者・加賀でした。(報告:加賀春吾)

2024年11月15日 (金)

物流で暮らしを支える労組員が温室効果ガスを吸収する森づくりに汗を流す

 11月11日から国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)がアゼルバイジャンで開催されました。伝えられるニュースを聞くと、地球温暖化・気候変動に歯止めがかけられるのかと危機感を覚えます。

 世界気象機関(WMO)は2024年1月~9月の世界平均気温を巡り、産業革命前の水準と比べて上昇幅が1.54℃を超え、今年の平均気温は観測史上最も高くなる見込みだとの分析を発表しました。そして、世界のリーダーが一堂に会して生物生存の危機をいかに防ぐかを議論しなければならないCOP29の首脳級会合に、二酸化炭素排出量1位から5位の中国、アメリカ、インド、ロシア、そして、日本が不参加という現実です。2025年以降の途上国支援の資金規模の目標や出し手の範囲などに合意できるかが焦点とされていますが、温室効果ガス排出削減と同時に、吸収源の森を回復・元気にさせる議論にも注目しなければなりません。

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 日本の物流を担い人々の暮らしを支えるJR貨物労組の皆さんが、地球温暖化の進行に危機感を持ち、2009年から足尾松木郷「臼沢の森」で植樹・育樹活動を行っています。

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 「貨物労組の森」と名付け愛着を持って草刈りや森の観察をしていますが、臼沢の中腹東側にある急斜面の植樹地は木々が葉を落とす冬場は上部からの見晴らしがよく、ウサギやシカの食害にあっていました。毎冬、植樹地を囲う獣害柵の点検・補修をしていますが、補植した幼木の糖分を含んだ芽は動物たちの絶好の餌として狙われ、木々の生長が阻まれてきました。大きく育ったミズナラもクマ棚がつくられ、「どんぐりの実」を食べる際に枝が折られてしまいました。

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 植樹地周りの獣害柵だけでは木々を守れないことから、貨物労組の皆さんが今年5月に幼木1本1本を食害防止ネットで囲い、11月1日に草刈りを行いました。食害防止ネットで守られた幼木は枝を伸ばし、光を吸収していました。木々の生長は急斜面を登る苦労も草刈りの疲れも忘れさせ、荒廃地の森づくりの厳しさを学んだ組合員の皆さんは「貨物労組の森」を本当の「森」にしたいという熱意と喜びに変えてくれたようです。

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 11月1日の育樹作業に参加された組合員から届いた感想を紹介させていただきます。

 ≪いのちの森づくり≫ JR貨物労組 Nさん

 私が足尾の森づくりに参加するようになってから、初めて晴れて作業できた日でした。

 貨物労組の森までは相変わらずの山登りの辛さでしたが、今回は休憩を取ったり自分のペースで登ったりという事を意識したので、前回よりは疲れずに登れました。

 草刈りは森びとの方々が下の方を刈っていただいていたので、頂上まで行きやすかったです。ありがとうございます。秋になり枯れている草も多く、植樹した木は幹ガードがついているので、ガシガシと草刈りが進んでやりがいがありました。自分が作業した前後で写真を撮りましたが、ボーボーに生えていた植樹地が、真っ平らになって気持ち良かったです。また、幹ガードを付けた苗木がグングン伸びていて生長しているのを感じました。これから寒くなりますが、クマが入ってきて幹ガードを壊したりしないことを祈ります。

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 民集の杜の散策では苔のふかふかが気持ち良かったです。暖かくて桜が咲いてしまっていたのは温暖化を身近に感じました。そして、森を見ると貨物労組の森はまだまだ補植しないと「森」には程遠いなと思いました。

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 10月14日に明治神宮外苑の「いちょう並木」の観察に家族と行ってきました。老朽化しているスポーツ施設を再構築するのは良いですが、沢山ある木々が伐採されてオフィスビルなどが建つのは違うと思います。緑が今の25%から30%に増えると言っていますが、あくまでそれは完成した時であって、長きにわたってきちんと木々が成長していくかは不安な部分があると思います。

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 これからも積極的に森びとの活動に取り組んでいこうと思います。 以上

(運営委員会副代表・清水 卓)