2020年10月 4日 (日)

“みちくさ”再開!秋を探しに松木の森散策を。

 本日は10月4日(日)、9時の気温は16℃と肌寒く、足尾の天気は終日曇り空でした。新型コロナウイルス感染者が減少傾向にあり、GoToキャンペーンも始まった影響か、日光や足尾を訪れる方も増えてきました。

 

Pa042186

 7月以降、感染拡大防止のため遊働楽舎(愛称:みちくさ)を閉舎していましたが、感染対策(手洗い用石けん、消毒用アルコール、マスク)を図り、10月から再開することにしました。久しぶりの舎人ですので、”みちくさ”内の清掃を清水が、みちくさ周りの草刈りを鎌田さんが担当しました。

Pa042045

 水道から水が出ないので水源を確認すると塩ビ管が外れていました。桶の中には砂が溜まっており、砂を排出し、塩ビ管をつなぐと勢いよく水が出ました。

 

Pa042052

Pa042059

 “みちくさ”の周りには実を付けたチカラシバが生え、畑のようです。実がズボンや服に着くと外すのが大変です。

 

Pa042065

Pa042066

 “みちくさ”で作業を行っていると、足尾ジャンダルムにロッククライミングに向かうクライマーや登山者、松木渓谷へハイキングに向かう家族などが“みちくさ”前を通過していきました。久しぶりの外出でみなさん楽しそうです。

 

Pa042014

Pa042053

Pa042051

 放射線量の測定の後、その足で民集の杜・樹徳高校植樹地の栗の木を確認に行きました。

 実が熟し、イガが口を開け始めています。木の下、地面を見ると栗の皮が散乱しており、動物が食べた後のようです。枝に着いた青い栗のイガもかじられており、サルの仕業のようです。イガのトゲは痛くないのか、上手に口を開けています。

 

Pa042159

Pa042165

Pa042167

Pa042170



 栗の実の周りをスズメバチが飛んでおり、林内に蜂の巣がつくられているようです。殺虫剤を持ってこなかったのでスズメバチを刺激しないように杜を後にしました。蜂はクマを見ると襲う習性があるそうで、黒い帽子や暗い色の服は危険です。次に杜に入る時は、殺虫剤と明るい色の作業着で、蜂の動きに注意を払いながら入りたいと思います。

 

Pa042160

 昼過ぎに橋倉さんが差し入れを持って“みちくさ”に来てくれました。バナナとみたらし団子をいただきました。ごちそうさまでした。

 

Pa042177

 本日、来舎する“森とも”はいませんでした。“みちくさの庭”ではヒガンバナとイヌサフランが、畑ではソバが花ざかりです。朝夕の気温が下がってくると森の木々は少しずつ色づいてきます。

 

Pa042021

Pa042024

Pa042031

Pa042043

 森ともの皆さん、秋を探しにどうぞ松木の森へ。来舎をお待ちしています。

 

Pa042183

本日の放射線量 0.123μsv/h、舎人は鎌田さん、筆者・清水でした。

心に植えた森づくり15年の心得・・・その➀

 昨日は、15年間のNPO法人としての森づくり活動の幕を締めさせていただきました。全国から活動支援してくれました森ともの皆さんに心から御礼申し上げます。と言っても、15年間の森づくりを行ってきた私たちは、昨日の午後、新生「森びとプロジェクト」という任意の団体を結成し、NPO法人として活動してきた森づくりの実績と社会的な意義を磨き上げ、新たに“山と心に木を植えていく”活動を行っていきます。これからも地球温暖化にブレーキをかけていくための森づくりへのご支援、ご協力をお願いします。

Photo 八幡平市の植樹祭2018年

 今後のブログでは、幕を締めた15年間の森づくり活動が私たち人間に教えてくれたことを紹介していきます。私たちが木を植えてきた場所は、足尾銅山の煙害で荒廃地となった草地、八幡平市の旧松尾鉱山跡地の荒廃地です。足尾は今でも土砂流出防止に植えられた外来種の草地が広い、松尾鉱山跡地は硫黄製錬滓を堆積させた草地で、今でも広大です。草地を放置していれば半世紀たった今でも草地です。私たちは、この地を耕し、土や炭等を混ぜて土壌を作りました。

Photo_2 生長している八幡平の木々 

 これから迎える冬は、松尾鉱山跡地の苗は半年以上が雪の下、足尾・松木沢は禁猟区で鹿、猿、ウサギ、イノシシが集まり、獣害が多い地域です。春から夏には、幼木と草の競争が激しくなります。

Photo_4 雪の圧力で幹が曲げられる木々

 このような自然環境の中では、「寒いから、暑いから」と言って、獣害対策、草刈りを止めるわけにはいきません。“森は人間の都合では育てられない”ということを私たちは学びました。また、木を植えても枯れてしまう率は高いのですが、枯れ木はやがて土になるように、何もしないと荒廃地の草地は永遠に草地であるということを知らされました。

Photo_5 盛土つくって幼木を植えた

(理事・高橋佳夫)

2020年10月 3日 (土)

“山と心に木を植える”活動は新たな地平に ~第16回臨時総会~

 本日、当会は東京都内で第16回臨時総会を開催しました。コロナ禍であり、感染拡大防止に気をつけ、会場に入る前の体温チェックと手指のアルコール消毒の徹底は必須です。

20201003_123249_copy_1008x1344_2 正会員270名中231名の出席(本人出席47名、委任状184名)が確認され、議長には加賀春吾会員が選出されました。Line_59217010455066_copy_1008x671_2

議長の加賀会員

20201003_130449_copy_1008x756

中村理事長あいさつ

 理事会より高橋副理事長が、理事会で確認された第1号議案と第2号議案を一括提案しました。第1号議案では、当会は会費納入者の激減、足尾の森づくり現場を担っているスタッフが年を重ね、森づくりが始まった当時60歳のスタッフが後期高齢者を迎えている状況であり、今までのような森づくり事業の運営は極めて難しくなりました。森びと設立の先人の遺志や森びとの会員の願いは森づくり活動を継続することであるとして、その事業を運営する新たな任意団体の発足、森づくり事業を担う次世代の育成に舵を切ることになりました。NPO法人を解散することはとても残念なことなのですが、11月30日(月)をもちまして解散とさせていただくことが提案されました。

20201003_180742_copy_1008x984

高橋副理事長

 また当会は、この15年間で栃木県日光市足尾町と岩手県八幡平市の山に約53,000平米(東京ドーム1.3個分の広さ)、約11万本の木を植えてきました。あわせて子供たち、学生、外国の方々たちとともにふるさとの木による命の森づくりを行い、私たちの心に木を植えてきました。この活動の中心には、現場で厳しい議論を重ねて森づくりをされてきたシニアスタッフの皆さんの献身性が脈々と流れています。そのようなシニアスタッフの皆さんの活動の一端が記録されたYoutube (もりともchで検索して下さい)が紹介されました。

20201003_181746_copy_1008x761
20201003_181623_copy_1008x673

20201003_181655_copy_1008x653_2

Youtube もりともchより

 発言は6名の会員からいただきました。詳細は今後報告していきます。

20201003_142717臨時総会では提案された議案すべてが賛成多数で可決され、NPO法人は11月30日をもって解散することになりました。15年間活動してこられましたのは、ひとえに会員の皆様や物心両面で支えてくださった皆様の温かいご支援、ご協力の賜物です。心より感謝申し上げます。

20201003_201408

井上理事閉会あいさつ

(報告:東京事務所・小林敬)

2020年10月 1日 (木)

10・17 城山の森づくりの準備がすすむ

10月に入りました。いよいよ17日の日光「城山の森づくり」が近づいてきました。本日の作業は、植樹地をA・B・Cのエリアに分け、境界にロープを張ること、苗木を植える場所に篠竹を1,000本刺すことです。

Img_0355 ロープ、杭、ペグ、刈り払い機などを持って、最初の急登を登ります。眼下にのどかな里山の風景が広がっていくと心が和みます。

Img_0357 先日、この城山の頂上に日光「城山の森づくり」の参加者募集のチラシ20枚を置いてきました。それを見に行くと、チラシが無くなっていましたので15枚置いてきました。

Img_0322

Img_0326 エリア毎にロープを張つた後、篠竹を刺していきました。Aブロックは低木を中心に150本、Bブロックは410本、Cブロックは440本合計1,000本を刺しました。

橋倉さんは刈り払い機で草を刈るのですが、もともとあったアジサイやカシの幼木などを切らないように気を使いながらの作業でした。

Img_0339

Img_0359_2

Img_0343

Img_0370

Img_0375 今日も様々な花が咲き、少し疲れた身体を癒してくれました。とくに驚いたことは、松村宗雄スタッフから託され彼岸花が咲いていたことです。もっと驚いたのは、なんと桜(四季桜)が4輪花を付けていたことです。

Img_0318

Img_0321

Img_0381

Img_0385

Img_0373

Img_0377

Img_0382_2 本日のスタッフは、鎌田、山本、橋倉、小川、加賀(筆者)でした。お疲れさまでした。

2020年9月30日 (水)

脱炭素社会への本気度を私たちから

 9/25、有志の学生によるネットワークが主催して、日本各地で政府に対して気候変動に迅速な対策を求める「シューズアクション」が開催されました。

Buz_origin_1_1_thum8001  EUのフォンデアライエン欧州委員長は16日のEU一般教書演説で、2030年に域内の温暖化ガスの排出量を、従来の40%減から引き上げ、1990年比で少なくとも55%減らすと表明した(時事通信 9/22)。

20200921at32s_p_1  中国の習近平国家主席が22日、国連総会一般討論でのビデオ演説で、2060年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すと表明した(東京新聞 9/23)。

K10012631631_2009232150_2009232156_  国連のグテーレス事務総長は、「世界経済の脱炭素化を加速する必要がある」として、各国政府に対して、化石燃料を生産する産業に対する補助金をやめて、貧しい人々の雇用創出に資金を充てるよう呼びかけました(NHK 9/25)。

 世界の主要国の排出量は、2017年時点で二酸化炭素に換算して約328億トンに達しています。1位が中国の28.2%、アメリカ14.5%、インド6.6%、ロシア4.7%、そして5位が日本の3.4%です。

Chart03_01_img01_1  二酸化炭素排出量世界5位の日本は、今月3日に環境対策の国際会議を開催しました。国連のグテーレス事務総長はその会議へのビデオメッセージで、今世紀中の地球の温度上昇を1.5度以内に抑えるには世界の温室効果ガスの排出量を2030年までに半分に減らし、2050年までにゼロにする必要があると改めて強調しました。そして、「目標の達成は可能だがめどは立っていない」として、温暖化対策の現状に厳しい認識をしました」、「合わせて7100万人が暮らす151の地方自治体が、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする目標を支持している」と述べ、国内での温暖化対策の意識の高まりに期待を示しました。そのうえで、「海外の石炭火力発電所への融資をやめ、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることや、石炭の使用を段階的に減らして早期にやめるとともに、再生可能エネルギーの割合を大幅に増やすことを心から期待している」と述べ、日本政府が主導して温室効果ガスのさらなる削減に取り組むよう求めました(NHK 9/4)。

146443f58e921e6178dc2ffe3936b43b1  日本は、菅総理大臣の国連総会へのオンライン演説では、これらの問題について一切触れませんでした。日本は2030年に2013年度比26%の削減目標を掲げていますが、1990年比ではわずか18%にしか過ぎず、消極的であると受け止めざるを得ません。さらにこの目標には原子力発電や化石燃料による発電が含まれています。

 そのような中、「2050年までにCO²排出ゼロ」を宣言する自治体も増えてきました(今日現在、26自治体)。実家のある神奈川県相模原市では政令指定都市として初の気候非常事態宣言を表明しました。

D2353567de9533be61864bd4fd158a60  私たちは、15年間木を植えることを通じて、ほんの僅かかもしれませんが地球温暖化にブレーキをかけてきました。しかし、それだけでは追い付かないほどのスピードで、日本で世界で生物の生存を危ぶむ異常気象が常態化しています。今後も森づくり活動を継続しながら、地球温暖化にブレーキをかけていくとともに、培った心を磨き上げ、各地域で志を同じくするすべての人々と連携を図り、政治にも訴えていかなければならない。

0_camscanner_10012020_003824

(東京事務所・小林敬)