2020年12月 6日 (日)

足尾・松木沢の寒桜のささやきに耳を傾けて

 昨日、足尾町から寒桜の写真が送られてきました。この桜は、新生「森びとプロジェクト」が育てている「松木の杜」内に生きています。背景の足尾グランドキャニオンの岩の鋭さを和らげている感じの桜です。撮影者の足尾町住人・森づくりサポーターの橋倉さんはどんな気持ちだったのでしょうか。

2  いつもよりは遅い開花ですが、「松木の杜」の日常が観られることがとても嬉しく思いました。厳冬を迎える松木沢で棲息する生きものたちと出会えることがこれからの愉しみです。

3  秋田県ファンクラブメンバーからは今年はハタハタが獲れないという報告、千葉県ファンクラブからは九十九里浜のハマグリが異様な動きをしているとの報告、そして、ニュースでは北海道沖でマンボウが網にかかった、というニュースが入ってきました。

Photo  原因は「海洋熱波」で海水温度が上昇したからではないかと言うことです。イカやサンマの不漁から拡大している漁業関係者への打撃。大雨で家屋が壊され、台風で果物や野菜が打撃を受け、今度は「海洋熱波」て暮らしを脅かしている想定外の異常気象。コロナウイルス感染と気候変動による「複合災害」は自然災害ではなく、人災であるという実感させられている師走です。

寒風が吹く中で咲く寒桜は、そんな事をささやいているのかもしけません。(広報スタッフ・高橋佳夫)

2020年12月 3日 (木)

新生「森びとプロジェクト」の森作業が始まりました

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Photo_2  本日(12/3)、森びと広場の10時の温度は5℃で大変寒く、急いでストーブに火を入れました。足尾の山頂付近はガスがかかり、時間がゆっくり流れているように感じました。

Photo_3  今月からは新生「森びとプロジェクト」(任意団体)としての活動が始まりました。足尾ダムでスタッフを待っていると、シラサギが舞っていましたので、新生「森びとプロジェクト」を歓迎しているように思え、気持ちを引きしめていかなくてはと思いました。

 本日の作業責任者・橋倉スタッフのリードによる作業打合せ。前身の森びとプロジェクトから引き継ぐ森づくり。まずはスタッフの気持ちを一言で語ってもらいました。

Photo_4 寒桜も新生「森びとプロジェクト」を歓迎?

 「サポーターとして作業日を空けて森づくりに参加する」(鎌田)、「自治体の役員任期が終わり、楽しく足尾で過したい」(松村健)、「これまでど同様に森作業で元気をもらっていく」(小川)、「月一の森作業集中日にアルバイトを休んで作業に来たい」(福原)、「今までにない苦労があると思うがしっかり担いたい」(橋倉)、「再スタートに当たり改めてご指導をお願いします」(済賀)、との気持ちを共有し、作業開始。

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Photo_6  本日の森作業は、散水用タンクの給水と給水口とホースのチェック、「臼沢西の森」と「臼沢の森」内のJR貨物労組の森の獣害対策です。撒水関係は準備とチェック作業は問題なくできました。臼沢西の森」へ向かったスタッフは、大ハンマー、スチールネット、針金、ペンチを持参して、急斜面での落石で壊された柵を補強しました。

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Photo_9  昼食後の作業は、「松木の杜」と「新松木の杜」の柵点検、「臼沢の練」の獣害対策を行いました。柵点検では、柵を支えているポールが変形していましたので、次回に補強することにしました。

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Photo_11  「臼沢の森」の獣害対策では、イノシシやウサギの侵入を防ぐための目の細かいネット張り、柵をガードする鉄筋をロープで補強しました。作業終了後、本日の作業結果と次回の作業の打合せを行い、15時に帰路に付きました。

本日の作業は、鎌田、松村健、橋倉、小川、福原と筆者でした。(報告:済賀正文)

 

2020年11月30日 (月)

脱炭素社会実現に向けて、原発の新増設はあってはならない

   菅総理大臣は、10月26日の臨時国会での所信表明演説で、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことをここに宣言する」ことを表明しました。それを受けた形で、11月19日に衆議院が気候非常事態宣言を可決・採択し、翌20日に参議院でも同宣言の決議案が全会一致で可決されました。

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 これで日本は、脱炭素社会に向けて舵を切ることになりましたが、もろ手を挙げて喜んではおれず、ようやく脱炭素社会の国際的な潮流に乗ったに過ぎないことは言うまでもありません。なぜならば、原発依存を続ける方針を崩していないからです。政府はよく「現時点では原発の新増設は考えていない」と言いますが、2050年のカーボンニュートラル宣言が原発新増設に弾みをつけるものであってはなりません。

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 小泉元総理大臣は、原子力発電所に依存しなくても、再生可能エネルギーの普及によって達成できるという考えを示しました。

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    気候非常事態宣言は、「パリ協定」が採択された翌2016年以降、急速に世界で広がりを見せ、国内でも40を超える自治体が宣言しています。政府は温暖化対策に取り組む団体や産業界の代表から意見を聴く「国民会議」を12月中旬に開催することや地方自治体との協議の場を年内に立ち上げる方針ということです。政府による都合の悪いことは覆い隠したり、はぐらかしを認めず、国民が正しく判断できる材料を示していく国民会議に期待するとともに、新生森びともうねりを作り出していきたいと思います。

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(筆者:小林敬)

2020年11月29日 (日)

ふるさとの木によるいのちの森づくりを県議へ要望

Photo  朝9時の気温は9度、青空が天まで届くような晩秋の足尾・松木渓谷入口。無風でしたが昨日よりも冷えた一日でした。初めて訪れたというハイカー二人は松木渓谷へ歩いていきました。

Photo_2  今日は、森づくり活動でお世話になっている鈴木さんが栃木県会議員を「みちくさ」に案内してくれました。議員には、当会の森づくり現場の様子を説明し、大雨時の松木川の状況を報告しました。煙害でハゲ山になった松木沢村跡の山々が、今では温暖化による想定外の大雨で土砂が流出している現状を見てもらいました。その上で、県事業による森づくりの重要性を要望しました。

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Photo_4  昼食後、シラカンバを「みちくさ庭園」内に移植し、庭園内の水溜りに太陽の陽が当たらないようにしました。

Photo_5  その後は、「うんしゅう亭」内のテーブルや椅子をきちんと整理しました。間もなく師走ですので、作業小屋や「みちくさ」内の最終チェックを行いました。本日は、仁平と高橋が作業しました。

2 帰宅途中、街の中を歩くアナグマ

(報告・高橋佳夫)

師走を運ぶ冷たい浜風の中の森の防潮堤作業

20201128_7  潮の臭いを運ぶ浜風とヒンヤリ寒い苗床。昨日(11/28)は、今月最後の森作業を行いました。10時からは打合せですが、浜風が強く、ガスコンロの火が消えてしまいお湯が沸かず、ホットコーヒー無しでの打合せになってしまいました。

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20201128_3  作業は、水撒きと枯れた苗木の処分を行いました。ところが枯れたと思ったポットには新たな芽が顔を出しているのが分かり、慌ててポットに戻し、肥料と水をやりました。木の生命力に驚き、人間の都合では苗を育ててはならないことを実感しました。

20201128_4  作業終了後、菊地スタッフから応援隊スタッフのライン設定の説明をうけ、役員間の連絡網をセットしました。これからは情報交換がし易くなりました。 

20201128_5  この原稿を書いている時、15年間の足尾の森づくりを支えたシニアスタッフの慰労懇談会報告をブログで読みました。はげ山が立派な森へ生長させた強者たちに敬服します。お疲れ様でした。

20201128_6  応援隊も足尾スタッフに学び「いのちをまもる森の防潮堤づくり」に向けて森作業を取り組んでいきます。昨日の作業スタッフは、渡部、菅野、松林、山田、岩橋、道中内、菊地そして筆者でした。(報告 東城敏男)