2021年9月 8日 (水)

栃木県議会に地球温暖化防止の陳情書を提出した森びとファンクラブ

 世界中の多くの人々は気候危機を何とかしてなければならないと思っているのではないでしょうか。その対策は“待ったなし”です。今は、評論している場合ではなく、できることを実行していくことだと思っています。やれることは小さいかもしれませんが、実行することは人類生存の基盤(地球)を健全にすることです。 

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            9/8の下野新聞報道記事

 私たちも気候危機には無関心ではいられませんので、各県の森びとシニア世代は培った知識を絞り出して、地球温暖化にブレーキをかけています。二酸化炭素を吸収してくれる木を植え、森を育てています。昨日、森びと栃木県ファンクラブは、県議会事務局議事課へ「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロへの取組に関する陳情書」を提出し、自治体や各団体・市民と心をひとつにして、具体的な行動を展開することをお願いしました。 

Photo          事務局へ提出する県FC

Photo_2           提出後の記者会見

 陳情を要約すると、①日本の「2050カーボンニュートラル」栃木県版を県議会として決議すること。②県下の企業はCO2排出量の多い化石燃料を燃焼しないことや原発に頼らない再生可能エネルギーへの転換・導入の現状とそれらに関する今後10年の計画を県民に明らかにすること。③CO2を吸収する森林再生などの緑化活動は益々その重要度を増している。県が管理する土地に県民運動としての植林を実施すること。特に、日光市足尾町愛宕下(旧松木村跡)の松木川対岸の荒廃地と宇都宮市が進めるLRTの線路沿線に植林をすること。④義務教育では森、里、川、海に触れ、人の命は大地と海の恵みで育まれていることを学ぶ体験型の授業を行うこと等です。20074 上:2007年当時の足尾「臼沢の森」・下:2018年の「臼沢の森」

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 私たちの陳情書は完璧な内容ではなく県民からの意見をいただき、多くの県民で豊富化できれば有難いと思っています。勿論、この活動は県民に強制するものではなく、全ての生きものの生存が持続できる地球(基盤)を健全にしていきたい方々との協働の恩送りとして推進できれば幸いです。

2005121 足尾の森づくり会場を判断してくれた福田知事と故・岸井理事長(2005年)

 この活動を共にサポートしてくれる県議の松井正一さん、山田美也子さん、今月22日から始まる県議会本会議、常任委員会、関係委員会での審議をよろしくお願いします。(運営委員 大野昭彦)

2021年9月 6日 (月)

宮脇昭先生の慰霊植樹と9月里親植樹へ向けた準備作業

Dscn7612  今日の足尾・松木沢はいまにも泣きだしそうな空模様でした。9時の気温は17℃、秋真っ盛りと思えるような涼しさでした。作業打合わせでは、大野さんからこの間の事業報告と今後の取組みについて提案されました。その後は、早速、作業現場の「臼沢西の森」へ出発。

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Dscn7616  現場から足尾ダムゲート方面を見ると真っ白でした。と思った瞬間、雨が降ってきました。雨は小降りでしたので鎌田さんは刈払機での草刈り、大野さん、加賀さんの二人は土留柵を造り、私は5月から7月に行った里親植樹地の草刈りを行いました。時折強く降る雨の中、予定した作業を進めながら、15日に行う慰霊植樹と8月と9月分の里親植樹の準備作業もしました。

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Dscn7620  昼食後は、明日(7日)行う栃木県議会への陳情書提出とその後の記者会見を想定したリハーサルを行いました。県FⅭ代表・加賀さんは真剣にプレゼンしていました。濡れた体と衣服をストーブで乾かしながら、「ああしよう、こうしよう」と意見を出し合いました。

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Dscn7627  その後は、雲集亭の荷物を片付け、慰霊植樹に向けた喪章やリース作りの準備を行いました。泥だらけで草刈りをした鎌田さんに感謝をしながら、きれいになった森びと広場を後に本日の森作業は終わりました。

Dscn7622        草刈りが終わった「臼沢西の森」

 今日の作業は、鎌田、大野、加賀、そして筆者でした。(報告 橋倉)

【活動報告】国連に要望書を送付しました。

森びとプロジェクトでは、6月に開催した第1回運営委員会で議論した「2050年温室効果ガス排出ゼロに向けた経済政策、吸収源の森を元気にする国民参加の森づくりの要望について」の要望書を英語に翻訳し、国連アントニオ・グデーレス事務総長に郵送しました。
 
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今年11月に英国で「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」(COP26)が開催されます。この会議では、「パリ協定」と「気候変動に関する国際連合枠組条約」の目標達成に向けた行動を加速させるため、締約国が一堂に会し議論されます。

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森びとの要望書が世界の気候変動対策の一助になれば幸いです。要望書の英語への翻訳をしていただいた会員の武川さん、ありがとうございました。 

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2021年9月 5日 (日)

東北の地から気候危機に歯止めをかけたい!

 前線が九州南部から本州沿岸を通り東に延びており、盛岡市の空もどんよりしています。

 本日は、東北地方で活動する森びとプロジェクトの岩手県、秋田県、宮城県ファンクラブ代表者の合同会議をJREU盛岡地本の会議室をお借りして開催しました。

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 地球温暖化によって異常気象が狂暴化し、人間の暮らしといのちを脅かしていることに対して危機感を持ち、東北では八幡平松尾鉱山跡地を拠点に森づくり活動を行ってきました。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降は太平洋沿岸での森の防潮堤づくり活動を県ファンクラブの皆さんと行ってきました。しかし、気候変動による異常気象の猛威は世界中を襲い、毎年その被災者は増え続けています。

 気候危機に対して少しでも歯止めをかけられないかと、「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」への取り組みについて各県ファンクラブ代表の皆さんと意見交換を行いました。宮城県ファンクラブからは、名取市、仙台市荒浜の“いのちの森”の草刈りや補植活動について。岩手県ファンクラブからは、八幡平の森の育樹活動について。秋田県ファンクラブからは、大館市での植樹活動について報告をいただきました。

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 コロナ禍で県ファンクラブの活動も制限され苦労している状況も報告され、県ファンクラブの体制を整え、温室効果ガス吸収源である森を元気にする活動をつくりだしていくことの認識を合わせました。

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 東北3県ファンクラブ代表者で10月に八幡平の森の観察会を開催することを確認し、生長した森との再会を楽しみに会議を終了しました。会議室を貸していただきましたJR東労組盛岡地本の皆さま、ありがとうございました。

Img_4029(報告:清水卓)

森の生きものたちの社会を覗いてほしい!

 今月は久しぶりに足尾入りができる。憲法9条を大切にしている皆さんに足尾での森づくりの話をする機会があり、話を聞いてくれた皆さんが現場を見たいというので案内することになった。16年前は草地だった急斜面に森が育っている様子を案内できることが嬉しい。多くのボランティアの森作業、それに応えてくれた土壌分解動物たちとの共同作業の様子を案内したい。

2006     2006年の「臼沢の森」

 15年前、森びとインストラクター養成で教えられた「木は根、根は土が命」、その土は土壌分解動物(ミミズ、ササラダニ類)がつくるという現場をみてもらう。その働きぶりを説明するために、約1坪の庭に穴を掘って生ごみを埋めてみた。どの位で土になるのかを試してみた。8月上旬、深さ10cmの穴に生ごみ入れ、5cm位の土を盛った。2週間後に穴を掘り返してみると、卵の殻や野菜類の形はほとんど見えず、大根の皮のみが残っていた。ミミズが2~3匹見えた。5日後には、土を掘り返すと、殆んど土になっていた。ネズミや他の生きものの動きもあったと思うが、改めて土壌分解動物たちの働きの有難さを実感した。

Photo_3        生ごみ

Photo_4      2週間後の土

Photo_5    足の下で働く土壌分解動物たち

 これからの「臼沢の森」は落ち葉が堆積するシーズンに入る。風に飛ばされる落葉もあるが、足尾に皆さんには、忙しくなる森の生きものたちの社会の様子を描いていただければと願う。その恵みで私たちは生存している。

2021082 (東京FC・松井富夫)