2021年9月 5日 (日)

温暖化にブレーキをかける福島県の松明

 今日(9/5)は、森びとプロジェクトが取り組んでいる地球温暖化にブレーキをかける具体的な取り組みについて、その福島県版としての活動を福島県ファンクラブがすすめていく話合いを行いました。中身は、県議会と南相馬市議会へ提出する「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロへの要望書」提出と、議員と市民がその活動の輪を拡げていくことです。

202195  今日は、県会議員の高野さんがその要望書の趣旨を快く賛同してくれました。さらには議会への紹介議員にもなってくれました。今後の進め方についてもアドバイスをしてくれました。高野さんからは、全会一致で可決を図るためにも各議員に働きかけていくことを約束してくれました。

202195_2  私の森づくり活動は、鎮魂復興市民植樹祭を通じて温暖化防止につながっています。その意味を分かり易い資料にまとめ、その資料を議員や市民に配布し、要望書の可決にアピールしていくことを話し合いました。

202195_3  私たちは、早速、チラシ作りに入りますが、議員と市民との報連相がとても大事なことであることを学びました。

202195_4  高野さん、ご指導ありがとうございました。(報告・東城敏男)

JR東労組東京のシニア世代と連帯して温暖化にブレーキをかけたい

 昨日(4日)、私たちの活動を応援して下さっているJR東労組東京地本のシニア世代が集うOB会の再建総会に出席してきました。東京都内の会場には40名程のシニア世代が集い、13時からの会議では現役の活動とシリア世代の活動の再出発を誓いあいました。

20210905  島崎 明準備委員長からは、これまでの経過が話され、「失ったOB会の信用・信頼の回復に向けて、現役の活動とその家族を支え、歴史に学び働く者のための運動の再出発をしたい」という旨の挨拶がされました。

Photo   私にとって感動したのは、「脱原発、憲法改悪反対、森びとプロジェクトなど環境問題を取り組んでいる団体との連携を強化していく」ということが、今後の活動方針に明記され、承認されたことでした。OB会員ひとりである私は、人類の緊急課題である気候危機とコロナウイルス感染のパンデミックと向き合う活動のアクセルを踏むパワーをいただくことができました。

Photo_2  JR東労組東京のOB会の皆さん、昨日はお世話になりました。(運営委員・大野昭彦)

2021年9月 2日 (木)

ヤング世代に助けられながら森の防潮堤用の苗づくり

 先月24日、私たちは南相馬市「鎮魂復興市民植樹祭」に提供するポット苗と、荒浜・名取「いのちの森」に補植するための苗分け・ポット苗づくりをJREU仙台の組合員の協力を得て、403個のポット苗を作りました。

Dsc01056  ドングリ拾い、ポットに種を蒔き、撒水、草取り、ポット分け等の作業をしながら苗木を育てています。冬の寒さや水やりが行き届かず枯れてしまったり、葉に虫がついたりと、苗づくり作業では自然の厳しさを実感しています。

Dsc01062  今年も昨年同様、南相馬市植樹祭は縮小開催となり、ポット苗を送ることはできませんが、名取「いのちの森」の補植がまだまだ必要です。

Dsc01061  ポット苗づくりを通じて、生態系を保つ上で必要な森林を再生し、一本でも多くの木を植えることの大切さを組合員と共有しながら、ポット苗づくりを行うことができました。JREU仙台の皆さん、ありがとうございました。(宮城県FC・林雄一)

2021年8月30日 (月)

宮脇先生、天空の森から応援してください。いのちを守る本物の森づくりを!

 「一番困難な場所で森がつくれれば、世界のどこでも森がつくれる!」2004年9月、足尾銅山跡地に立った宮脇昭先生は、草の生い茂った松木村跡の土を掘り、手に取って匂いを嗅ぎました。

 「地球温暖化にブレーキをかけるために、温室効果ガスの吸収源となる森をつくる」という「森びと」の調査に同行させていただいた私に「土の匂いがするか。匂いを嗅いで、舐めてみなさい」と言われ、茶色い砂の多い土壌からは、ミミズなど土壌動物が分解したあとの腐葉土のような匂いはしなかったことを覚えています。のちに開催される「森びとインストラクター」養成講座での講義で「木は頭から枯れる。木は根、根は土だ」とその意味を知りました。

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 2005年から植樹を行った「臼沢の森」は県が植栽した場所ですが、植樹後の育樹作業の不足と思いますが、竹に支えられた苗木の大半が枯れており、根を確認すると根腐れを起こしていました。宮脇先生は「苗木を植えた後の3年間は下草刈りを行う。3年経てば幼木は草より生長し、草に負けず、木々との競争で成長する。競争しながら、お互いに少し我慢し、共に共生していく」と人間が手をかけた森づくりは、赤ん坊を育てるように、子供の成長を促すように、植樹地の状況を見ながら育樹を行わなければならないことを教えてくれました。しかし、働きながらのボランティア活動のため、どうしても人間の都合に合わせた森づくり参加になっていきました。

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 足尾の松木地区はシカやサルが多く、禁猟区のため冬になると尾瀬や日光中禅寺方面からシカが越冬にやってきました。木々を守る獣害柵が張られていますが、落石やシカの体当たり、イノシシが柵の下を掘り入り込んできます。点検を怠ると幼木の頭が全部食べられてしまった年もあります。また、草刈りを怠り、苗が蒸し風呂に入ったように草に覆われ枯らしてしまうこともありました。常に問われていることです。

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 こうした足尾の荒廃地では、3年の草刈りで木々への手助けが終わるわけではなく、豪雨による落石や動物たちに穴をあけられた獣害柵の修繕、植栽地の階段づくり、土留めづくりなど、多くボランティアや献身的なスタッフ、サポーターの皆さんの手仕事によって森がつくられてきました。

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  2005年に宮脇先生と一緒に植えた40cmほどの木々は、10mを超える森へと生長しました。「公害の原点」と呼ばれ、はげ山(荒廃地)となった足尾の山々ですが、巨大化する豪雨災害に強い森へと育てていく挑戦は終わることはありません。

 

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 森づくりの巨人・宮脇昭先生が7月16日に“天空の森”へと旅立ちました。先生、旅立つにはまだ早いですよ。9月15日、森びとプロジェクトは宮脇先生の森づくりへの情熱を少しでも継承できるようにと、臼沢西の森に93本の苗木を追悼植樹します。強者スタッフ、サポーターの先輩方と気持ちを一つにして、山と心に木を植え、いのちを守る本物の森へと育てていきます。

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 『希望の明日を拓くのは他人まかせではいけない。一人一人が、自分の命、愛する人の命、かけがえのない遺伝子の細い絆を守るために、木を植え本物の森をつくる。これは、いつの時代でもどこでも、人類が生き延びるための正攻法であると確信している。まず植える。植えながら議論しよう。机上の議論をいくら繰り返しても、それだけでは不十分である。実際に木を植え、いのちを育てていこう』(宮脇昭著:いのちを守るどんぐりの森)より。

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 (運営委員・清水卓)

松木渓谷を吹き抜ける風に秋の気配を感じ、里親植樹の準備に汗を流す

 本日は8月29日(日)、曇り空ですが作業小屋の9時の気温は25℃、蒸し暑さを感じます。橋倉さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら本日の作業打ち合わせです。9月15日の森作業集中日には第4回(8月里親植樹)と第5回里親植樹、そして、7月16日に“天空の森”に旅立ちました宮脇昭森びと顧問の追悼植樹を行います。コロナ禍での準備を進めていますので、作業にはワクチン接種2回目を済ませた栃木県在住のスタッフ、サポーター4人が集まりました。

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 15日は臼沢西の森の階段西側の上部Q~Tの段に植樹を行います。Tの段に黒土が運ばれていないので、午前中は黒土運びを行い、午後は臼沢西奥の森の草刈り、T段の下の土留めづくりを行うことにしました。さっそく、背負子を軽トラに積み出発です。

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 背負子に黒土20ℓ袋を載せ臼沢西へ向かいます。水分を含み重さは倍増です。2袋積むと体感は30kgを超える重さに感じます。自分の体力、体調に合わせ無理のないように運びました。 

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 まずは階段下に積み上げ、階段2段ずつ黒土袋を上げていきました。一番下の段は風の通りが悪いため、汗だくです。上の段に行くにつれ松木川からの風が通り、爽快感を感じます。無理せず、声を掛け合い、休みを取り、呼吸を整え、48袋をT段まで運びきりました。 

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 午後は、岩が多く植樹地が地続きでは無くなってしまうため、安全に植樹が出来るようにT段に繋がる階段をつくろうということになり、甲羅板を半分に切り、階段づくりです。甲羅板を押さえる鉄筋を打ち込みますが、地中の岩に当たり、打ち込むのに苦労しました。何とか5段つくることができました。

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 鎌田さんは刈り払機で臼沢西の奥の森に繋がる道の草刈り、橋倉さんは奥の森の草刈り、加賀さんと筆者はT段下の土留めづくりを行いました。

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 岩の多い急斜面のため、土留め(植樹地)づくりは大変です。甲羅板を押さえる鉄筋がスムーズに打ち込めても、残り10cmぐらいで岩に当たりやり直しです。何とか足場となるU植樹地に甲羅板5枚分の土留めをつくることができました。残りは6枚分です。 

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 奥の森に繋がる通路はきれいに草が刈られました。奥の森の下草も刈ることができ、幼木が元気な顔を出しました。

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 臼沢西の森にもススキが生え、穂が風で揺れています。トンボは里に降りる準備をしています。秋が近づいていることを感じます。3時を過ぎたので、作業に区切りをつけて、道具を片付け、本日の作業を終了しました。

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本日の森作業は、鎌田、加賀、橋倉、清水でした。(報告・清水)