2022年5月30日 (月)

森は人間を心地よくしてくれる

 今年初めての猛暑日、最高気温が30℃以上になるところが多くなるとの天気予報です。特に、暖かい空気やフェーン現象の影響を受けやすい関東地方では気温が高くなると、車のラジオから聞こえてきました。まだ、暑さに体が慣れていない時季、熱中症には気をつけたいものです。

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 休日の日光市内の混雑を避け8時に足尾ダムゲートに到着。作業小屋に着き温度計を見ると、すでに気温は21℃を超えていました。コロナ禍で県外移動の制限がかかり中々足尾に来ることができなかった千葉県の武田さんが久しぶりに足尾入りしてくれました。

 お湯を沸かしモーニングコーヒーを飲みながら、地域の人々と共に取り組んでいる花嫁街道の整備の話しを聞き、本日の打ち合わせをしました。

 9時近くになり“みちくさ”に移動。お湯を沸かし、室内の清掃を行い、立ち寄る方を待ちました。10時30分を過ぎ入口の温度計を見ると、気温は31℃を差していました。松木渓谷を訪れる方も見受けられず、臼沢の森を眺めながら、「林内は何℃あるのか」と興味がわき、温度計とカメラをもって調べに行くことにしました。

 臼沢の森に入り、少し階段を登るとM&Mベンチがあります。そこで気温を測ると、24.5℃が表示されました。「植物の力はすごい」と二人で驚きました。

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 その後、臼沢西の森の「里親植樹」会場に行くと、先日植えたばかりの木々たちの葉は太陽に向かい、そよ風のリズムに乗って歌っているようでした。

  昼食後は、森びと広場の西側にあった「掲示板」を“みちくさ”横のベンチがある木陰に移動し、登山者やハイカーへの「お知らせ板」として使うことにしました。早速、「里親植樹」のチラシを貼りました。14時過ぎに“みちくさ”に戻り、温度計を確認すると32℃を差していました。

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 先人が荒廃した松木川源流に木を植え煙害のよる森の回復を目指し、地球温暖化にブレーキをかける森づくりへと緑化回復に取り組む人々の思いを受け継ぎ森が育てられてきました。

 32℃に耐え、緩和させられる植物の力を実感し、いつまでも森に寄り添っていたいという気持ちになりました。

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 本日は“みちくさ”に立ち寄る方はいませんでした。松木の里の木々、みちくさ庭の草花と生き物たちに癒されました。

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 6月は梅雨入りです。苗木たちの成長には3年間は草刈りが大事です。その作業に欠かせない、ゴーグルとマスクの差し入れが武田さんよりありました。武田さん、ありがとうございました。

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 本日の舎人は、武田、そして大野でした。

(報告 大野昭彦)

 

2022年5月28日 (土)

幼木をウサギ食害から守るため網を張りました

 5月28日(土)、8:40足尾・松木の気温は15℃、天気は快晴です。今日は暑くなりそうです。まず目についたのは、「臼沢の森」の木々の緑が若葉色から深緑に変わってきていました。そして気づいたことは、冬には龍が登っているように見えていた改修した階段が全く見えなくなっていることでした。朝の打ち合わせでは、「里親植樹」の苗木がウサギの食害にあっている原因と思われる金網囲いの下に付けている低い網を高くする作業をすることにしました。また、「臼沢西の森」の西側に出入り口を作りました。

Img_3503 Img_3505 Img_3507 西側の作業が終わり、東側の亀甲金網も高くしました。落石が金網囲い柵で止められて積み重なっている所があり、そこからはウサギや野ネズミなどの小動物がいとも簡単に苗木がある囲いのうち側に入ることが出来るようになっていました。Img_3511
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 作業に夢中になっていると、正午を過ぎていました。昼食後は、鎌田さんと福原さんが「ヤナギ」の苗を持って来ましたので、その苗を「りんねの森」の河原に植え、51本を植えました。Img_3517 Img_3516 筆者は、13:00「みちくさ」をオープンしました。「みちくさ」の周りを散策すると、昨日の大雨で川の流れは急になっていました。「みちくさ」に戻ろうとすると、アナグマが目の前を歩いています。聞くところによると、アナグマは目が悪いのですが、鼻はすごく良いようです。風下にいる私には全く気づいていないようです。前を通り過ぎて、私が風上になると一瞬止まり、ジッと私の方を見て鼻をヒクヒクさせていましたが、突然走りだして逃げていきました。Img_3527 Img_3540 13:30頃、一人の男性が松木沢の方から降りてきました。「寄って休みませんか」と誘ったのですが、バスの時間があるのでと立ち寄らず去っていきました。15:00過ぎに戸締りの準備をしていると、二人の男性が寄ってくれました。朝、中倉山に登り、下山してからこちらに来たとのことです。これから、ジャンダルムの下の方まで松木沢散策に行くということでした。何ともタフなお二人は、東京からお越しのYさんとKさんです。Img_3526 Img_3544 一方、我が森びとサポーターは、いつの間にか「臼沢西の森」に行き、午前に残した部分の亀甲金網を張っていました。お疲れさまでした。今日のメンバーは、鎌田さん、福原さん、弘永さん、筆者でした。(報告:加賀春吾)


2022年5月23日 (月)

植樹祭まであと2週間、待ったなしの森作業

 今日(5/23)は、南相馬市雫育苗場において応援隊「第1回役員会」を10時から開きました。前段に苗木の嫁ぎ先になった応用地質株式会社のスタッフ2名がお礼のあいさつに現地に来てくれました。応援隊・渡部代表は、これまで一本一本に愛情を注ぎこんできた苗木を立派に生長させてほしいことを切にお願いをしました。13時からは一緒に補植作業をしていくことになりました。

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 その後、役員会を開きました。年間事業計画と第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭の成功に向けた取り組みについて議論を深めあいました。今年は、一歩外に出て各県ファンクラブとの交流(隣接する宮城県荒浜地区海岸防災林の視察)や11月上旬には日光市足尾ふるさと森視察をしていくことを計画していくことを確認しました。スタッフからはお互いに苦労していることや楽しいことなどを共有し学んでいこうとの前向きな発言もありました。                            役員会終了後、嫁ぎ先の苗木の根切作業と農園に植える苗(メロン、キュウリ、カボチャ、ヤーコン)の作付けを行いました。

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2022523_3農園では、霜よけカプセルを利用した苗保護作業と植え付けする苗たち

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13時からの補植には11樹種373本を軽トラックに詰め込み第2回植樹会場(原町区)まで運搬し作業に移りました。

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ようやく小さなポットの育苗作業から解放され、嫁ぎ先が決まってホッとするスタッフたち(上・下の写真)。その笑顔がなんとすばらしくすがすがしいですね。

2022523_96月5日の第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭もあと2週間後になりました。これからは待ったなしの森作業が続きます。応援隊は全力を投球して事前準備を取り組んでいきます。全国の植林ボランティアの皆さんと植樹会場でお会いできることを快くお待ちしています。

 補植作業お疲れさまでした。また、応用地質株式会社の地球環境事業部の大林さん、菅井さん大変お疲れさまでした。今日の作業には、渡部代表、松林副代表、菅野副代表、岩橋事務局、小川事務局、山田事務局、道中内スタッフ、岩橋恵美スタッフ、筆者でした。                                (報告 東城敏男)

2022年5月22日 (日)

「里親植樹」の苗木調査で一喜一憂。

 5月21日日曜日、足尾・松木の里は曇り空、8:15気温は13℃、暑くも無く寒くも無く作業には丁度良い気温です。今日は濟賀さんと筆者のが担当。打ち合わせ後、午前中は森作業、午後からは「みちくさ」をオープンします。午前中は、「里親植樹」の苗がかなりの数で食害(うさぎと思われる)にあっているので調査をすること、その後は崩れている土留めを修繕することにしました。軽トラに大ハンマー、鉄筋、筆記用具を積み込み現地へ向かいました。Img_3457 Img_3456 Img_3474調査は、①動物の食害に遭わずに元気に育っている苗木②食害はあるものの残った幹の横から芽が出ている苗木③食べられて短くなった幹の根元から芽が出ている苗木④枯れている苗木、苗が引き抜かれて無い苗木に区別し、全ての苗木をチェックしました。結果は、①80本②193本③268本④95本という結果でした。元気な苗を見ると「いいぞ!良かった。このまま育ってくれ。」とエールを送り、食べられてしまっても根元から芽が出している苗木には、「かわいそうになぁ。でもこれから頑張ってくれよ。」と励ましながらチェックしました。Img_3465 Img_3464 Img_3462 1時間ほどで調査は終了し、続いて土留めの修繕を行いましたが、杭にしている細い鉄筋が飛び出していて、危険なものがあるので抜こうとしますが、曲がっていて抜くのに苦労しました。太い鉄筋に交換してしっかりと打ち込みました。Img_3470 Img_3469

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P1040786 筆者は12:50頃「みちくさ」をオープンさせ、訪問者を待ちました。濟賀さんは、6月11日に延期した「中倉山ブナ保護」の時に持っていく土を乾燥させるために、ハウスの中に広げています。また、その後は、道路の修繕も行いました。Img_3491 今日の足尾・松木の里は鹿や猿の姿も無く、エゾハルゼミの鳴き声が響き渡るだけの静かな佇まいでした。ロッククライマーの方が数人通りましたが、「みちくさへ」へは寄らず、本日の訪問者はいませんでした。。本日の、担当は濟賀スタッフと加賀でした。(報告:加賀春吾)

人工林の高齢樹と後期高齢者の恩返し

P5052846 3年後の日本社会では人口の4人に1人が後期高齢者になります。私もそのひとりですが、年金を含め支えてくれている関係者には感謝しています。何か恩返しができないかと、私は17年前から荒廃地に木を植え、若者たちの持続可能な生存基盤になってほしいと願っています。 

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Photo 新緑が眩しくなってきた日本各地の山の森。目に入る緑色は濃い色をした杉、檜が多い。この木々は人工林として植えられ、その面積の半分は植林してから50年以上経っています。森林は人間活動から排出される二酸化炭素を吸収し、私たちの生存を持続させています。ところが杉、檜の吸収量は寿命が40年過ぎるとその吸収量は低下します(林野庁推定)。2019年の吸収量は2014年度をピークに減少しているそうです。高齢化問題は日本の森にも到来しているようです。 

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P5193183 次世代が安心して生存できる基盤を健全にしていくためには、高齢者と高齢樹が何らかの恩返しをしなければと思うと、木を植えて森を育てる活動はそのひとつだと思います。だからと言って高齢化した人工林は勝手に伐れません。人工林の所有者には伐採していただき、その木を積極的に暮らしに使ってほしいと思います。伐った後地には幼木を植え、二酸化炭素吸収力の高い森へ育ててほしい。Photo_2 林野庁は地球温暖化防止の一環として1億本の木を植える国民運動を提唱しています。高齢樹と高齢者対策のひとつとして、その運動を実現してほしい。私は、その運動をサポートしていきたいし、運動の拡大を期待しています。(顧問・高橋佳夫)