2023年10月23日 (月)

森づくりで培った経験を暮らしに生かす

 10月22日、宮城県ファンクラブは、今年4回目の育樹作業を行いました。植樹してから10年目の「荒浜いのちの森」は、木々が大きく生長し、初めてヤブツバキの実生が出ていました。狭いながらも着実に「ほんものの森」になりつつあります。

Dsc01262 作業は、木に巻き付くクズの蔓の処理と仮払い機による除草・下枝払いを行いました。森の中にはびこるクズの処理は、根まで取り除かねばならないため、なかなかやっかいです。今回初めて参加した仲間は、「10年経つとこんなに大きくなるんだ!これからも作業に参加して生長を見届けていきたい」と話していました。

Dsc01260

Dsc01267 今年は、あまりの猛暑のため活動日程の中止・変更を余儀なくされましたが、育樹活動の中で、地球温暖化に少しでもブレーキをかける想いを仲間達と共有することができました。また、人間活動が自然に負荷をかけすぎてきたことは明らかで、自然界に負荷をかけない生活を実践して行くことの大切さと、森に寄り添う暮らしを目指していくことを話し合ってきました。

Dsc01264

(報告:宮城県ファンクラブ・林雄一)

栃木県ファンクラブ第2回「お茶会」を開催!

 10月21日(土)、栃木市・市民会館(岩下の新生姜ホール)会議室において、県ファンクラブ主催の第2回「お茶会」を開催しました。昨年は県北の那須塩原で、今年は県南の栃木市での開催となりました。

Dscn9271 栃木市での開催では、「孤高のブナ」保護など、森びとの活動を支えてくださっている地元の荒川光司さんに、大変お世話になりました。呼びかけに答えて頂き5名の皆さんに参加して頂きました。また、JRОBで地元の福田さん、深津さんも参加して頂きました。森びと側からは、清水副代表をはじめ、加賀、弘永、山田、橋倉の5名、計12名の参加で開催しました。

Dscn9288

Dscn9276

Dscn9283

Dscn9277 「温暖化による異常気象の中で、未来に生きる子供たちにどの様な社会を残すのか?」を大きなテーマとし、まず、自己紹介と「いま自分にとっての危機とは何か?を述べてもらいました。

 その中では、豪雨によって巴波川が堤防を越え、床上浸水した経験談や、「100年に1度の豪雨」のくりかえしで、今まで予想できない水害が発生している。等の意見や、都市部ではアスファルトで地表を覆ってしまっている事の問題。また、若い人たちを中心に、スマホに取りつかれたようになっている。気候変動で電気代がどこまで膨らんでいくのか!昔のようにつつましい生活をすることも必要等の意見が出ました。

Dscn9281 本日の参加者は、温暖化・気候変動問題にかなり見識をお持ちでしたので、子供たちの未来のためにどの様なことを今私達はしなければならないのか?の議論をしました。

 その中では、①ボーイスカウト活動をしていて、キャンプなどを通じて子供たちに自然と触れ合ってもらっている。 5感を養う教育を。②自分で使うエネルギーは自分(達)で創ろう。③(針葉樹)主体の林業から広葉樹への転換を。④職場でアスファルトをはがして芝生にしている。家庭でも実行しては。等々。

Dscn9286_2

 清水副代表の感想では、

①自分の経験を伝えることの大切さ。そのことが考えるきっかけを作る。

②CО2の削減、企業はあくまでも利益の確保を前提にしていて真剣に考えてはいない。

③森びとは、「森の観察会」を行い、子供たちに自然の大切さを伝える。地域の中に森を創る。

④環境問題を突き詰めていくと、政治の問題になってくる。

Dscn9291

 お茶会参加の皆さん!活発な議論有難うございました。

 後で聞いた参加者の感想では、①、皆さんから多くの意見を聞けて大変良かった。ただ、一度だけの開催では駄目。もっと議論を深めたい。②、まじめな人たちが集まり、いい会だ。しかし、エネルギー問題を論議していて、エアコン使用の部屋が寒かった。議論したら行動に移さないと。③、「今まで洪水は起きていない」そんなデーターは今、あてにできない。そんな考えは危険だ。④、近所の人が家の庭をコンクリート化した。都市の中では、アスファルトで地球にふたをしているようだ。コンクリートをはがして芝生にしている。この3人の意見が共通していて繋がったのではないかと思った。⑤、こうした意見交換の場所がないと、考えたり気づくこともない。「地球にとって人間は、がん細胞の様なものではないか!」という意見が印象的だった。

                                       以上

                    (報告)栃木県ファンクラブ・橋倉喜一


 


 


  

 


 

2023年10月20日 (金)

科学的根拠に目を背ける裁判所

 本日、東京高裁で横須賀石炭火力発電所訴訟の第2回目の控訴審が行われ、森びとからは5名が参加し、また今日の傍聴席はほぼ埋まっていました。

20231020_191513

20231020_191531 最初に、原告団の1人岩澤さんから話がされました。2012年に横須賀市に引越しをしてきた当時、海風がありクーラーが必要なかったそうです。しかし、翌年からクーラーを使用し、2020年からは常時使用なければならないほどの危険を感じている。また、生活保護を受けている友人がクーラーを持っておらず、熱中症にならないか心配が絶えず、地球沸騰化によりいのちの危機を覚えているなど、当事者の具体的事実を裁判所に訴えました。

 続いて、小島弁護団長からパワーポイントを使用して口頭弁論意見陳述が行われました。世界各地で発生している気候変動の現状や海水温上昇、気候変動影響の深刻化、熱中症の深刻な増加、日本近海の海水温の上昇と、それらとも関連する豪雨災害の激化などについて話しました。環境影響評価の確定通知の取り消しを再度訴えました。

 最後に、千葉弁護士から、前回に続き、科学者の江守正多さんの尋問を求めました。裁判長から意見を求められた国側は「必要なし」と返答。裁判長と裁判官らが数分裏に回り、合議が行われたのち、裁判長から「必要なし」と言い、次回判決の日程は(来年)2月22日が言い渡されて、多くの傍聴者から不満の声があがる中、終了しました。ますます、江守さんが法廷で科学的根拠を述べられることを露骨に嫌がる国の姿勢と、それに忠実に従う裁判所の姿を見ることとなり、結論ありきで進められていることにさらに怒りが湧いてきました。

 その後行われた報告集会では、小島弁護団長から「7月に開いた口頭弁論では、地球温暖化の進展状況とPM2.5などの話をしました。それで、その時に残ってる課題として、原告適格の問題と、それ以外の科学的な最近わかってきてることについて、今日話させていただきました」、「日本の国内だけで10万人を超える人が、熱中症で救急搬送されるという状態自体です。ちなみに、2018年は1300人を超える人が熱中症で亡くなりました。その比率から言うと、今年も1200人とか、それくらいの方が亡くなるんではないかと。ちょうど、2018年から2023年までの6年間で見ると、6年間合計で多分6000人を超えるんじゃないかと。ちょうど同じ時期に重なるようにコロナの問題がありましたけれども、あの熱中症の問題は極めて深刻な問題なのに、熱中症でし、これだけ死者が出てるって話があんまり報道されてないような気がします。そこのところは深刻ですし、このヨーロッパの6万1000人、このうち実はスペインとイタリアで半分ぐらいなんです。だから、去年スペインもイタリアに1万5000人ぐらいです。なぜかと言うと、ヨーロッパって冷房がないわけですよ。だから、一気に熱くなったんで、しかも日本よりちょっと熱くなっちゃいましたから。だから、一般的には、湿地が日本ほどないので、熱中症被害はそこまで出ないんじゃないかと思われたんです。けれども、結構出ています。また、次々と新しい言葉が出ています。地球沸騰化や気候崩壊っていう表現が出てる状態です」、「裁判所にどこまで通じたのかなっていうのはありますが、原告団長のスズキさんのリクエストで。本件で 国は一体何を主張してるのかを控訴審で。それをちょっとまとめてみました(下図)」20231020_171725

20231020_171811_3

20231020_171836

20231020_171924

 本日で結審となり、次回が判決となります。2024年2月22日午前11時~東京高裁で行われます。ご一緒できる方がいらっしゃいましたら、森びと事務所・小林までご連絡下さい。また、情報の共有となりますが、東京電力と中部電力の合弁会社・JERAは日本最大のCO2排出企業です。新規の化石燃料事業からの撤退を求めてアクションが10月25日に行われます。時間がありましたら、現場へお願い致します。

20231020_171415

(運営委員・小林敬)

紅葉に歓迎されてブナ保護

Dsc09441

   10月19日(木)、森びと足尾サポーターの矢口さんの友人の皆さんと森びとスタッフ7名で中倉山に登り、「無言の語り木」のブナ保護を行いました。一行は、天気と紅葉に恵まれ、ケガも無く私たちの気持ちブナに届けてきました。

 参加者は足尾ダムゲートに8時10分に集合、分散乗車して登山口に向かい登山準備。荷物は、乾燥した黒土と草の種の入った袋。まとめてリユックザックに入れて、9時には出発、皆さんの足はとても軽そうでした。

Dsc09410

Dsc09420_2 秋晴れに恵まれましたので紅葉を楽しむ時間を多めにとりながら、うっすらと汗をかきながら歩をすすめました。約3時間でブナに会うことが出来ました。参加者の年齢は61才~76才のシニアでしたので安全登山でした。

Dsc09416

Dsc09425 歩を西の稜線へ向けてすすめると青空をバックにした「孤高のブナ」(無言の語り木)が凛とした姿で私たちを迎えてくれました。その姿はいつみても”パワー”がみなぎっているように見えます。早速、ユックザックから乾燥した黒土と草の種の入った袋を取り出し、その袋の貼り付けを福原サポーターからレクチャーを受けて、稜線の土砂が雪融けや大雨等で流失しないようにその袋を丁寧に地面に貼り付けました。12枚の袋(植生袋)を張り付けた皆さんは、煙害に耐え抜き、100年後の今は異常気象に耐え抜かなければならないのでそれにも頑張って欲しいと願っているようでした。

Dsc09428

Dsc09431

Dsc09435

Dsc09437

Dsc09452  今年4月に植えた「孤高のブナ」の子孫(「希望のブナ」と命名)も元気そうにしていました。少ない葉を綺麗な秋色に染め、寒風舞う厳冬を乗り切ろうとしていました。私は、頑張れ!と心の中で声をかけました。

Dsc09450  昼食後、全員が登山口に無事到着。本日は、天候に恵まれて紅葉を楽しみながら、「孤高のブナ」から森と生きる心得をいただきました。参加された皆さんお疲れさまでした。

Dsc09411 11月3日には、森びとプロジェクト主催の「中倉山のブナを元気にする恩送り」を実施します。

Dsc09456 (足尾スタッフ 済賀正文)

2023年10月15日 (日)

市民・子どものいのちを奪うことは許せない

 10月7日以降、イスラエルとパレスチナで事実上戦争状態に入り、市民を含む多くの人々が犠牲に遭うなど、激しさを増しています。世界ではイスラエルは多くの西側諸国を中心に支持をし、アラブ諸国はパレスチナの支持を表明しています。

F77sxkcauaa44hv そもそも戦争はどのような理由があろうとも犯罪行為であり、歴史を見ても人が人でなくなり、人道的にもありえません。日本が取るべき立場は、どちらを支持するということではなく、平和のために即時停戦を求め全力を注ぐべきです。ロシアがウクライナに侵攻したことと、何ら変わらないにもかかわらず、多くの西側諸国がイスラエルを支持しています。最も愚かな行為に対して無力であることを痛感させられますが、「一切の戦争を許さない!」声をあげ続けていきます。20211112israelpalestine216716x448

(運営委員・小林敬)