2025年7月15日 (火)

現場で日々勉強し、やりがいを感じる

 今日(13日)は2日続いての舎人になりました。朝方は、昨日と同じ濃霧注意報が発令されていましたが、天気の回復が昨日より早く、日差しもさし暑い1日となりました。作業集中日と重なり、大勢の先輩がいらしたので、森の手入れ方法等を詳しく教えていただくことになりました。001

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004 村の入り口にあるお墓に花を手向け、民集の杜(西)に入り、幹ガードの付け替えや下草の刈り取り等に汗を流しました。午前中の終了を予定していましたが、終わらすことができず、庭の手入れ組と合流し、やっと終らすことができました。人数が多いとあっという間に終わるので、ある程度の人数を揃えての作業が効率もよく楽しく作業できました。006

 杜の中には案内は無いものの、それぞれいわれのある樹木もたくさんあり、一朝一夕には覚えられないと思いました。

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 本日の舎人は、田城郁と坂口真理(筆者)でした。

2025年7月14日 (月)

いのちを大切に、無駄なものはない。

 7月13日(日)の足尾は、昨日とは打って変って、暑い一日となりました。

 今日は足尾のお盆の入りです。朝一番に旧松木村にある三か所のお墓と祠に参加者全員でお花を供えました。

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 120年以上前に廃村に追い込まれた松木村で、20年間森づくり活動を行ってきた私たち。村人が森と生きてきた想いを忘れないことと、「森びとプロジェクト」をリードし、道半ばで亡くなられた方々の勇気と情熱に感謝し、「母なる森」の手入れ作業への安全を祈念しました。

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 今日の森作業の責任者は田城さん。ミーティングを行い、今日の作業は「みちくさの庭」に植えた花が草と間違えて抜いたり刈ったりされているので、草花がどこに植えてあり、何の花があるのかわかるようにすること。「みちくさの庭」にある草花に名札を付ける作業を行うことにしました。

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 すると、「みちくさの庭」担当の松村宗さんから、「庭にあったセンダイハギが伐られてしまったので、自宅に持って行って芽を出させた」と、青々とした葉っぱを付けた「センダイハギ」を見せてくれました。それを見て、森びとの心は、すべての命を大切にする・無駄にしない心を育むことだと思いました。

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 それから先日、作業小屋にオオムラサキが舞い降りました。それは松木郷の森に「棲めるかどうか見にきたのではないか」という話もありました。「民集の杜西」のエノキに、数年前に取り付けた幹ガードが窮屈になってきたので取替えることにし、午前中はこの二か所に分かれて作業を行いました。

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 昼食後は、エノキの幹ガード取替えが終らなかったので、”みちくさ”の舎人に田城さん一人を残して、二人一組で幹ガード取替え作業を行いました。

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 暑さを気にし、休憩を取りながら幹ガードの取替えをしていると、橋倉さんが突然「あ、オオムラサキが飛んでいる!」と大声で叫びました。全員が中倉山方面を見ました。約10メートルにも生長しているコナラやクヌギなどの緑豊かな「民集の杜」にオオムラサキの姿が消えていきました。

 間違いなく、森(杜)とオオムラサキが森ともの心を育み、“森は友だち!”と絆を深めていく架け橋になると確信しました。

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 参加者したスタッフも、この森を「オオムラサキが舞う松木」に蘇らせようと、29本のエノキの幹ガード取替え作業に汗を流しました。そして、命日(7月16日)も近いので、オオムラサキが天空からメッセージを運んできているのかもしれないと想い、宮脇昭先生の記念樹に寄って「20年の森づくりの感謝と母なる森への手入れを地道に進めて行くこと」を改めて報告しました。

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  本日の森作業は、田城さん、松村宗さん、橋倉さん、武田さん、田口さん、済賀さん、加賀さん、坂口さん、大野でした。

<報告は大野昭彦>

2025年7月13日 (日)

頑張ろう!「オオムラサキ」の舞う姿を夢見て!!

 7月12日(土)、松木郷の午前9時の気温は21℃、霧雨が降ったり止んだりと生憎の空模様です。松木に向かう道すがら松木川が6段に流れ落ちる滝をカメラに収めると、松木郷方向の山々には靄がかかっていました。昨日のゲリラ雷雨で増水を予想していた流れも穏やかでした。1

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 さて、舎人担当の坂口さんと筆者、作業をしてくれる高橋さんと済賀さんで、朝のミーティングをしました。話題の中心は、7月10日のブログで大野さんから紹介されている「オオムラサキ」についてです。高橋さんをはじめとしたシニアの先輩方は、「いつかこの松木郷でオオムラサキの舞う姿を実現したい」という強い思いを持っています。そのために、山梨県北杜市のオオムラサキセンターの跡部さんから「エノキ」の提供を受け、長年にわたり植樹にも参加していただくなどご協力を得ながら並々ならぬ思いを持って取り組んできました。それは、「この地が煙害にあう前の緑豊かな松木村には、「トキ」が飛び、「オオムラサキ」が舞っていたという話を祖父から聞いた」との市民の方からお聞きした事がきっかけという事です。その「オオムラサキ」が、作業小屋に迷い込んできたのです。早速、跡部さんに連絡すると「足尾・松木郷で自分たちが生きていけるか、下見に来たのではないだろうか」との言葉をもらいました。4 「オオムラサキ」は、幼虫の時は「エノキ」の葉を食べ、成虫になるとクヌギやコナラの樹液を吸って生きていきます。その条件が、この松木郷の杜に揃っているのか時間をもらい観察することにしました。私たちが「民衆の杜・西」と名付けた杜に入ると、跡部さん提供の「エノキ」が元気に生長しています。

5 そして、木くずが目立ち、そこから樹液を称える「ミズナラ」の木を見つけました。

6 良く見ると、蜂が木の割れ目に入り込み、樹液を啜っているのが分かります。

7 なんと、「オオムラサキ」の生きていくことができる条件が既に揃っているではありませんか。終わりのミーティングでこの写真を皆で確認すると、「昆虫は正直だから、条件が揃っていれば近い将来ここでオオムラサキの舞う姿が見られるかもしれないぞ」という高橋さんの期待と希望に満ちたその言葉に、私たちもその優雅な姿を思い浮かべながら、明日の作業を確認して松木郷を後にしました。今日、「みちくさ」を訪れた方はおりませんでした。

舎人担当は、坂口さんと田城、高橋さんと済賀さんに作業をしていただきました。(報告者 田城 郁)

2025年7月10日 (木)

忘れてはならない「怒り、悲しみ、希望」がある

 7月10日(木)、足尾「松木郷」の9時の気温は25℃、天気は晴れていました。

 今日は、経験と苦難を乗り越えてきた森の番人:鎌田さんより「お盆前に草刈りをするものだ」との叱咤激励を受けて、旧松木村に残る祠と墓石周りの草刈りを行いました。

 忘れてはならないことは、旧松木村の村民の怒りや悲しみに想いを寄せること。多くの方の支えなしに20年の森づくりは継続していないことの重みに改めて気づかされ、お盆を前に松木村民のご先祖様を迎える準備を行いました。

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 清水さんが責任者で、その想いを心に込めて、お墓と祠の回りの草刈りを行うために刈払い機や鎌、燃料の準備をしました。

 旧松木村の「下のお墓」と祠は、鎌田さん・福原さん・橋倉さん。そして、ウメコバ沢方面に行く途中にある「上のお墓」は、清水さんと大野の二か所に分かれて、墓石や祠の回りの枯れ枝や岩などを取り除き作業を行いました。

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 それが終わると、5人全員が手分けして森びと看板の回りや通路、そして「民集の杜西」の通路やハリギリの記念樹があるところなど背丈ほどあるススキやセイタカアワダチソウなどを刈払い機で刈りました。

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 昼食後は髙橋さんも加わり、「りんねの森」の草刈りを行いました。そこに林子さんも参加してくれました。

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 「りんねの森」は、3年前に植えた幼木の回りの草をノコギリ鎌で手刈りして、間隔が広いところは鎌田さんのワイヤー式の刈払い機が大活躍しました。赤土エリアの草刈りがほぼ終わるころにゴロゴロと雷が鳴り始め、雨も落ちてきたので作業小屋に戻りました。

 小屋で話し合っていると大粒も雨がトタン屋根を打ち、大きな雨音で話声がかき消されました。小雨になってきたのを見計らって帰宅することにしました。

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 20年前から森づくりに参加して、初めての出来事に遭遇しました。数年前から、足尾にオオムラサキを飛ばしたいと思ってエノキを植えたりしてきました。そのオオムラサキが、作業小屋に迷い込んでいました。

 初めてホンモノを見て、品格と重量感がある蝶を見て、驚くと同時に、「森は友だち!」命のつながりの大切さを感じさせてくれたオオムラサキ一号に感謝です。大空に放しましたが、必ずや「松木郷の森」に松木村民の心を宿す「オオムラサキ」を蘇らせようと心に誓う記念すべき2025年7月10日になりました。

今日の森作業は、鎌田、橋倉、髙橋、福原、清水と大野でした。

<報告者:大野昭彦>

2025年7月 7日 (月)

足尾「松木郷」のお盆を迎える準備に汗を流しました。

 7月6日(日)、「松木郷」の天気は晴れ。「遊働楽舎(愛称“みちくさ”)」に到着した9時の気温は28℃でしたが、10時には33.5℃に上昇しました。室内の清掃、湯沸かし、冷水の準備などオープン準備をし、打合せを行いました。足尾のお盆は7月13日(迎え)~16日(送り)になるので、午前中は「松木郷」入り口にある「下の墓」周りの草刈りと墓石の清掃をすることにしました。

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 熱中症予防のため飲み水を多めに準備して向かいました。小柴さんが刈払い機で草を刈り、小黒さん、清水で墓石周りの草刈りを行い、松木村民のご先祖様を偲びながら、墓石の文字をブラシとタオルでやさしくなぞり清掃しました。

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 草刈りをやっていると玉粒の汗が流れ目に沁みます。体感温度は35℃を超え、水分を摂りながら作業しました。

 清掃後、墓石を水で清め手を合わせました。「祠」と「上の墓」は10日に「森の番人」のシニアスタッフと行います。

 

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  “みちくさ”に戻り、体の火照りを鎮め昼食をとりました。

 12時30分過ぎに3名の登山者が立ち寄り、何と、福原さんご一行でした。中倉山に登った帰りに仲間を誘い来てくれました。

 「NPO法人太平山南山麓友の会」の皆さんで、親子ブナの様子を伝えてくれました。4月29日のブナ保護で張り付けた「植生袋」(草の種の入った袋に黒土を入れたもの)から草が生えだしていたことや、「希望のブナ」が葉を広げ生長していたことなど、嬉しい話を聞かせてくれました。

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 太平山の麓ではブドウ栽培が盛んで、巨峰やデラウェア、シャインマスカットなどが栽培されています。「ブドウが収穫できるようになるには植えてから5年程かかる」ということを聞き、帰る際に「果樹園」を見ていただきました。福原さんが張ってくれたロープに沿って蔓が伸び、何本かのブドウの木に房がつきました。「おおー、房がついているじゃないか」と喜びの声を上げてくれました。「房が多くついているものは間引きした方がいい」などアドバイスもいただきました。福原さんの指導を受けながら育てていきたいと思います。

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 「みちくさノート」にお二人が感想を書いてくれました。

 「中倉山のブナの木に会えて幸せ。こんな頂上にまでの保全活動大変お疲れ様です。以前見た山が緑になり、見違える山に感動。「森びとG」でのおもてなし、ありがとうございます」(Nさん)

 「冷たいお茶を出していただきありがとうございました。素敵な休憩時間で楽しい会話をさせていただきました。また機会がありましたら立ち寄らせていただきます。(Sさん)

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 午後は、小黒さんが「みちくさ」の番をし、小柴さんと筆者で「みちくさの庭」の草刈りを行いました。小柴さんは松木川沿いの「アジサイ」エリアの草刈り、筆者は入り口のコオニユリ周りを刈りました。腰を下ろし鎌で刈ると伸びた葉が顔をこすり、かゆくなります。汗を拭きながら刈り進め、風通しがよくなったせいか、コオニユリが風に揺れていました。

 アジサイエリアも、絡みついた「ヤブカラシ」の蔓が取り除かれスッキリとしました。

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 間もなく夏休み、家族で「松木郷の森」の散策はいかがですか。皆さまのお越しをお待ちしています。舎人は小黒さん、小柴さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)