2020年10月24日 (土)

秋はじまる 足尾の森

  今日は、足尾に向かう途中の日光宇都宮道路は、日光インター手前からの渋滞でした。

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足尾の天気は、9:00現在 気温14℃ 快晴。臼沢の森も色ずきはじめました。

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臼沢の森を拡大しました。

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中倉山

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松木渓谷

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赤倉山

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森びと広場からみちくさ

Photo_19 来舎は、館林からの女性の疑問、「途中の黒い斜面は何ですか?」と聞かれ足尾銅山で出た銅の精錬後のゴミですと答えて、納得していただました。

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クライマー、ハイカー、キャンパー、チャリダーと多くの方が、秋の行楽を楽しんでいました。チャリダーの一人は、渡良瀬遊水地近くの東武鉄道 新古河駅から来て、これから東京まで新古河経由で帰りますと言って元気よくペダルを踏んで行かれました。

Photo_12 鎌田さん、福原さんは、午前中JR貨物労組東京の植樹地に、食害防止用のネット張り(東側)午後に、臼沢の森西の階段造りと奮闘しました。お疲れ様でした。

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みちくさの庭では、ドウダンツツジの紅葉と秋の草花が綺麗に咲いています。

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二度目の蕎麦は、可憐な花を咲かせていました。

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みちくさ脇の桜の木にモズが獲物を探していました。

Photo_18 本日の舎人は、松村宗さんと小川 報告小川 放射線量 0.117μ?

地球温暖化にブレーキをかけていくぞ!と防潮堤の森づくり

 今日は、天気予報では80%の雨情報でしたのでかなり心配していました。しかし、南相馬に着く頃には小雨となり9時の打ち合わせ時は雨も上がりました。

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今日の作業は、応援隊スタッフが中心となり育苗場の苗木を第6回植樹会場(鹿島区)に補植作業する苗木5樹種300本ずつを軽トラに積み、現地に向かいました。

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2年前に植樹した苗木は大きく生長していたものの、セイタカアワダチソウも群生していました。2~3年の下草刈の大切さを考えさせられました。

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 午後からは、第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭会場の準備作業を鎮守の森の箱崎さんと5名のスタッフで盛土の整備と草刈り、補植と事前準備を行いました。

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 今回の植樹祭はコロナ禍の影響で南相馬市民限定となっています。明日以降もその成功に向け準備作業を進めていきます。全国の植林ボランティアみなさん、鎮魂復興市民植樹祭は10年継続していく予定です。私たちは、地球温暖化にブレーキをかけていくために地道に、木を植え、森をつくり、育てていくことを合言葉に頑張っていきます。

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 明日はJREU大宮からスダジイ130本が南相馬にプレゼントされます。これまで組合員、家族が育樹・育苗された苗木を大切に育てていきます。今日の作業は、渡部、菅野、松林、岩橋、道中内そして筆者でした。(報告 東城敏男)

 

2020年10月21日 (水)

JR貨物労組関東の皆さんが森の冬支度作業

 昨年に続き、今年もJR貨物労組関東の皆さんが「臼沢の森」作業に来てくれました。今日(21日)の天気は晴れ、気温8.5度、秋の爽やかな風が心地よい日の作業でした。

Photo 現場から森びと広場

 まずは、作業前の打合せ、当会から筆者が歓迎の一言、貨物労組からは委員長の菊地さんから挨拶をいただきました。自己紹介をした後、早速、作業を開始。

Photo_2  軽トラに単管パイプ30本、2mの鉄筋30本、70m分の金柵を積み、「臼沢の森」まで運びました。

Photo_3  そこからが大変な作業でした。緑のトンネルの300段の階段を一人3回、パイプと金柵を担ぎ揚げました。この作業は、苗木が鹿やウサギ等に樹皮を食べられないためのものです。山眠る時季に入りましたので、鹿やウサギの食べるもの樹皮などに限られます。少しでもその被害を少なくし、来年の春には元気な芽をだしてほしいと願って、5名は必死になって作業してくれました。

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Photo_6  昼食時には、「初めて来て、楽しかった」、「人間が壊した自然を蘇らすのは大変」、「いのちと森の大切さがわかった」などの感想を組合員は述べてくれました。

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Photo_10  その後は、加賀スタッフが「民集の杜」と「みちくさ庭園」を案内し、森の役割と私たちの暮らしの密接な関係など伝えてきました。

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Photo_9  皆さんは、今後は多くの仲間と来てみたいと話してくれました。後片付けをして、解散しました。本日のスタッフは、鎌田さん、橋倉さん、加賀さん、小川さんそして筆者でした。(報告・大野昭彦、写真・橋倉、加賀)

「生物多様性」の森は一本の植樹からはじまる

 10月の森作業の帰り道。この日は国道122号線の旧道“細尾峠”を超えて帰ることにしました。12㎞のつづら折りの細道です。1978年3月に日足トンネルが開通するまでは足尾と日光を結ぶ主要道路でした。

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 日光「いろは坂」に負けない急カーブが続き、峠の頂上に着くと道の両側に森が広がっていました。通過するだけで降車したことが無かったので、車を止め森内の散策をすると、林床には笹が生い茂り、ミズナラやブナの木が天に伸びていました。

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 足尾銅山周辺の森の木々は坑内の支保抗や燃料として伐採されたと聞いていたのでおどろきました。ひときわ太いブナの木を見つけ、幹の直径を図ると70㎝ほどありました。標高850mほど、1年に2㎜の生長だと樹齢175年、1㎜だと350年です。“森びと”が植樹を始めた「臼沢の森」と標高が同じなので、煙害や山火事が無ければ足尾の山々にはミズナラとブナの巨木の森が広がっていたのだろうなと想像しながらブナを観察しました。

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 ブナの裏に回りビックリしました。この時季にはいるはずがないと思っていたミヤマクワガタがとまっていました。本物を直に見るのは夏休みにクワガタ取りをしていた子供時代、45年以上前になります。成虫が地上に出てくるのは7月~8月、地上にでてからの寿命は1カ月程度と言われるので、夏の長雨で季節を間違ってしまったのか、気候変動は虫の世界にも及んでいるのかと心配になりました。(ミヤマクワガタは写真に収めるだけで採取はしていません)

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 10月15日(木)の毎日新聞で元村有希子論説委員が「生物多様性の保全」について取り上げた記事が載っていました。記事では『個性豊かな生き物が共生する「生物多様性」を保全する取り組みが進まない。各国が合意した20のゴール「愛知目標」は最終年の今年、達成できた項目がゼロという残念な結果となった。』と日本の取り組みの現状を伝えています。『今後のヒントになるのは、里山の再生を目指す日本各地での活動だ。人々が暮らしの中で利用し、手入れしながら守ってきた里山は、私たちが生物多様性を身近に感じられる貴重な環境でもある。』と課題を投げかけています。

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 「生物多様性基本法」(2008年6月6日制定)の第十四条で『国は、地域固有の生物の保全を図るため、我が国の自然環境を代表する自然的特性を有する地域、多様な生物の生息地又は生息地として重要な生物の多様性の保全上重要と認められる地域の保全、過去に損なわれた生態系の再生その他の必要な措置を講ずるものとする。』とあります。

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 かつて養蚕が盛んで農作物を収穫し生活を営む村民が暮らした松木村。煙害や山火事で「生物多様性」を失った足尾の山々、そのふもとにある旧松木村での植林を初めて15年。1年目に植えた苗木はすべてシカとウサギにかじられました。しかし、翌年春には芽を出し、食害を防ぐことの大切さを教わりました。木々が生長するとそこに生息する虫や鳥が増え、風や動物が運ぶ種が活着し森の仲間を増やしていきました。現在、森びとの植栽地では命の営みをする生きものの姿を見ることができます。

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 元村論説委員は記事の最後に『生物多様性が失われると、その悪影響は、生態系の一部である人間に確実に及ぶ。10年を実効性のある行動につなげるための努力が求められる。』と国や私たち市民に投げかけています。国の検証結果は「達成できた項目がゼロという残念な結果」かもしれないが「過去に損なわれた生態系の再生」は木を植え、育てることで「実現が可能だ」ということを15年の森づくりが示しているのではないか。オオムラサキが舞い、ミヤマクワガタが暮らす渡良瀬川源流の森、“未来の宝”へ育てていくのも私たち人間の責務である。

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(筆者・清水 卓)

2020年10月18日 (日)

足尾・松木渓谷入口の秋を見つけにきませんか

Photo  本日の「みちくさ」当番・舎人は久しぶりでした。日光方面の昨夜は相当冷えたとみえ、日光連山は初冠雪でした。いつも見ている景色ですが、昨日の雨のせいもあって今日の天気は気分が爽快でした。

Photo_2  足尾・松木村跡の朝9時頃の気温は12℃、無風に近い晴天でした。とても静かで今日はのんびりと深まりゆく秋を楽しもうと思っていました。聴こえるのは雄鹿の遠吠えだけでした。

Photo_3  お茶を飲んでいると、いつもお世話になっているFさんが来て、熊の親子が斜面を歩いているよ、と教えてくれました。慌てて外に出て、カメラを構えてシャッターをきりました。昨年に続き、今年も熊の親子を見る機会が多くありました。

Photo_4  昼頃、ダム方面から数人が歩いてきたので気持ちをスタンバイ。訪れてくれた方々は、なんと5人の外国人(中国、オーストラリア、カナダ、アメリカ2人)でした。男体山に行く予定でしたが初雪が降ったので足尾に来たと言っていました。

Photo_5  そこで、当会が育てている森の様子を案内し、当会の自費出版の『サルト人と森』の英訳版を読んでいただきました。英訳の評価は良い!文を読んでも「理解できました。とても良い本です。」と言ってくれました。

 昼食後は、冬支度で薪を作りました。

Photo_6  午後3時前、男性1名と犬1匹が訪れ、「紅葉が見ごろかと思ってきたのですが、上の方だけですね。少し早かったかなあー」と、ちょっと残念そうでした。皆さんが帰った後、モズが囀って秋らしさをつくってくれました。気持ちも安らぎました。

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Photo_8  秋の陽気に満足していると心が温かくなり、深呼吸すると山の気をもらって元気になったような気がしました。足尾・松木村跡地の紅葉は例年通り、来月上旬頃ではないかと思います。是非、松木渓谷入口へお越し下さい。

Photo_9  本日の遊動学舎「みしくさ」舎人は、高橋、加賀でした。放射線量は、0.126μ?でした。(報告・加賀春吾)