2018年12月18日 (火)

平成31年への森作業

今日の足尾は気温2℃、晴れ(8:45)。中倉山には昨晩降ったと思われる雪が残っています。みちくさ庭の池には、氷が張っていました。

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Photo_5  スタッフはいつもの温かいコーヒーを飲みながら、作業の打ち合わせ。先週に撤去したテント撤去した所の防草シートはがし、水道修理、散水機修理、みちくさ看板を建てるアカマツの皮はぎ、凍結防止と盛りだくさんの作業内容を話し合いました。

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午前中の作業は、シートはがしと水道修理をすることにして作業開始。シートは、使えるシートと廃棄シートに分けて、廃棄シートは土のう袋に入れ整理、一輪車(ネコ)に入れたシートを止め金具は再利用としてまとめて保管しました。

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Photo_12  水道修理はホースの手順通り接続直しで水漏れがなくなりましたが、水が出てきません。水源とホースを点検するとホース途中の接続部分が外れ水が漏れていました。接続部分を修理することで水は流れ出しました。

Photo_13  午後は散水機直し、延長ホースの凍結防止をする事で散水する事ができました。外では凍結防止作業、ホースの水流調整コック部分に保温材を巻きました。「みちくさ」入口では、8年間訪問者を迎えてくれた「みちくさ」の看板を新しく立て直すために、樹齢約65年のアカマツの間伐材を伐り、樹皮を剥きました。

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Photo_23  今までの「みちくさ」看板は根元が腐り、手で押すと簡単に倒れてしまい、埋まっていた木を取り除くのに苦労をしました。

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Photo_26 新しい看板木に切れ目を入れて後日、削り取る事としました。

Photo_27 帰り道途中にあるカラミ(銅を精錬する過程で出た滓の堆積場)のう上には月が見えていました。

Photo_28 本日の作業スッタフは、高橋、松村宗、鎌田、橋倉、加賀、小川。お疲れ様でした。(報告者 小川薫)

2018年12月17日 (月)

カモシカにあやかりたい厳寒を乗り越える知恵

 日光市内を抜けて日足トンネル付近に来ると男体山は雪を被り、道路端には残雪があった。車のスピードを40㎞程に落として走り、足尾「どくだみ荘」(長屋)に着くと、ここでも日陰には雪が残っていた。いよいよ本格的に冬と向き合う意識になった。

Pc164046  水道の凍結防止で元栓を閉めていたので、コックを開けていると郵便配達人が来て、「最近、この近くに二匹のニホンカモシカが現れた」と嬉しそうに話してくれた。

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Pc164050  社宅近くの残雪を観察していると、ニホンカモシカらしい足跡と糞を発見。10月頃にも、近くの駐車場にカモシカが現れた。20年前頃には、間藤駅付近でもカモシカに遭えるのは珍しくなかったが、それ以降はめっきり街内では姿を見せてなかった。

Pc164052  郵便配達人が嬉しそうに話してくれたのは、20年前頃の身近なカモシカと暮らせた街になるのではないかという期待感かもしれない。

Pc275034  本格的な冬を越す心得をカモシカから教えてもらいたいものだ。草木も厳寒を乗り越える準備を整えている。明日から今年最後の森作業だ。(理事 高橋佳夫)

森と暮らす日本人の文化を歌にして全国を回るチョージさんに拍手!

 暮らしで学んでいる日本人の文化を歌詞にして、曲をつけて各地を回り、その素晴らしさを伝えている三重県の“森とも”チョージ。数年ぶりに横浜のコンサートで彼に会った昨日(16日)。

Pc154039  ♪「冬が来る前に 薪をそろえて 斧を振りおろす 音が山に響く・・・」(曲名:土の上に生きて)、♪「晩酌のつもりが一合二合と手尺酒・・・酒の肴はうちの畑にあるものでいい・・・」(曲名:まわせ一升ビン)と、自然と向き合っているチョージ。

Pc154036  最後の曲は、生前の岸井成格理事長への想いを語って、10年前、当会のイメージソングを創ってくれた「心の森」、♪「想像できないような、1000年後の未来も 今この瞬間から始まっている 僕らが植える、小さな苗たちは 共に命をかけて未来をつくる・・・」と熱唱してくれた。

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Epson055  現在、彼は三重県津市で田んぼをもって米づくりをしている。里山や地域の暮らし、そして無農薬で米を作りながら日本人の自然観を歌にしている。“森とも”のひとり、チョージさんに心から拍手をおくることができたひと時が嬉しかった。(理事 髙橋佳夫)

2018年12月16日 (日)

宇大・留学生が現地に立って、見て、考えた「足尾isハートランド」

 昨日(15日)、宇都宮大学・大学会館多目的ホールで「足尾の歴史を活かした観光地づくり」を国際的視野から考えるシンポジウムが開催されました。

2018_1215_101312dscn5998  このシンポジウムは、宇都宮大学国際学部付属多文化公共圏センターと日光市国際交流協会が主催し、日光の魅力を①文化遺産、②国際交流、③地域づくりの観点から再発見し、学生の気づきによる提言を行う、というものでした。この活動のひとである足尾町の活性化を目指すテーマが決定され、先月17日、その1グループが松木沢の「みちくさ」と臼沢の森に訪れてくれました。

 そのシンポジウムに出席してきました。現地での私たちのサポートをどんな感想を持っているのかとても楽しみで、森びと栃木県ファンクラブの福田修一さん、弘永裕介さんと参加してきました。受付を過ぎると、訪問留学生チームのリーダー・シャン シンレイ(写真上:中国人)さんと出会う事が出来ました。

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2018_1215_103328dscn6002  シンポジウムの前半は、「足尾まるごと井戸端会議」代表の山田さから『足尾地区における歴史とまちづくり』と題した講演、その後の講演は、宇大准教授・高橋若菜さんが「足尾鉱毒事件の今日的意義」と題して行われました。高橋さんは、政治学博士らしく“環境問題は政治の問題”を強調されていました。

2018_1215_122315dscn6010  後半は学生の報告では、5グループから提言があり、共通していたことは「SNS」の活用でした。その最後に登壇したのがシャン シンレイさんのグループです。彼女は、①   URLの発信、若者にはSNSの活用、中高年には松木の自然でストレスの解消を!②   近隣の小中学校の生徒に呼びかける。③   森びと合言葉「山と心に木を植える」という“心”を説明し、大切さを強調していました。最後には、「足尾isハートランドという表現の意味を活かしていく大切さを訴えていました。

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2018_1215_122418dscn6012  討論では、筆者も発言し、頑張っている学生の皆さんへのお礼、中倉山の孤高のブナから見る現実、森びとの取り組みと想いを述べました。このシンポには、日光市観光課の佐藤さんも参加され、行政の立場で、多くの学生の提言を受け止め、その実現に向かって頂きたいと思いました。シンポジウムに参加した筆者は、足尾地区の活性化の為に、森びとも出来ることを着実に進めていきたいと心に誓いました。(報告 橋倉喜一)

2018年12月14日 (金)

AI時代を生き抜く術を磨きたい

 昨日、森びとアドバイザー・島野智之(法大教授)とお会いした。現在は、春から秋にかけて調査・観察結果を整理して、レポートを作成しているので超忙しい、と言って、先生は好きな酒を飲まなかった。話は色々と興味のあることばかりであったが、全てシークレットということなのでオープンにできるまで楽しみを残しておく。

Pc274992  ところで森びとインストラクター・山本さんからメールが届いた。「我が家の車庫の住人は最近、姿を見せません。生きているのか心配です。カワニナの死骸が確実に増えているところを見ますと生きているようです。最初に幼虫と一緒入れたカワニナは全部食べられて、100匹ほど補充しましたものが確実に食べられているようです。来年の3月がどうなるか楽しみです」というメールだ。

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P8132793 カワニナが棲む沢つくりと池つくり(上:3枚写真)

 その幼虫とは蛍である。来春3月、この幼虫は「みちくさ庭」の沢に放つ予定なので、その幼虫を山本さんに飼育してもらっている。幼虫は車庫に置いてある水槽の環境に慣れて、来春まで生き延びる適応策を得たのかもしれない。

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Cid_166c4d2a40ede1a11e92 庭造りの様子(上:写真2枚)

 AI時代を生き抜くためには、AIだけに頼っていると、“いざ!という時”の適応策が手遅れになる。私たちがもっている優れた五感で感じたことを身体に蓄積していくことをお勧めしたい。

Pa273523  来年、蛍が舞う日を森ともの皆さんと楽しみたい。(理事 高橋佳夫)