2021年6月14日 (月)

森の恵みに感謝できる暮らしをいつまでも

Photo  秋田も急に暑くなり、梅雨の気配を感じています。5月~6月の時季は山菜が食卓や宴の場を豊かにしてくれます。この頃は、この恵みを独り占めにする人が私の周りにも目立ち、残念です。山菜採りは熊に注意です。私はいつも友人と一緒に森へ入ります。先般、トリカブトを山菜と間違えて病院に運び込まれるという情報がありました。本やネットだけの判断は危険です。秋のキノコ採りも同じことなのですが、最初は安心な恵みであることを現場で教えてもらうことをお勧めします。 

Photo_2 上の写真は孟宗竹とわらびです。このころに気になるのは、例年の時季に採る山菜が固い感じがします。また、草の伸びが早く感じます。今までは猪や鹿の姿を見たことがなかったのですが、この頃は森に現れてきました。秋田の森が生息可能な自然環境に変化しているのかもしれません。これからは、熊以外の獣に向き合わなくなってきました。

Photo_3  山菜採りが早まってきたようなので、これからは山菜の保存方法を見直しする必要がでてきました。塩が山菜の腐りを防いでくれますので、保存食を作る知恵を爺様から訊いて、次世代に伝えていかなければならないようです。

Photo_4        もみじ傘

 森の恵みがなければ誰もが生きていけないと思いますので、人間がすこし手を加えることを学び、暮らしに活かしていきたいと思っています。森と生きていくことの大切さを感じる活動を続けていきます。

Dscn0438       サンショウ

風で種が飛んできたのか、山椒の木が根づいています。(秋田県FC・船木藤典)

地球温暖化防止を願い「第2回里親植樹」の準備を整えました

 本日は6月13日(日)、関東地方への梅雨入り宣言はまだ出ていませんが、曇り空の下での森作業となりました。8時30分の気温は20℃、13時には25℃に上がりました。

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 8時30分には森作業参加者が揃い、コーヒーを飲みながら本日の作業打ち合わせを行いました。午前中は、6月16日(水)に開催される「第2回里親植樹」の苗木の準備と「みちくさ庭園」内の草刈り、午後は臼沢西の森の植樹地づくりを行うことにしました。

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 苗木の準備は加賀さん、山本さん、筆者。「みちくさ庭園」の草刈りは済賀さん、弘永さん。2班に分かれ9時に作業を開始しました。

 2回目となる「里親植樹」は3段の植樹地となるので、それぞれの段に植樹する苗木をトレーに振り分けました。ブナやミズナラ、ヤマザクラ、イタヤカエデなど8種類を選び、各トレーに29本、合計87本の苗木を準備しました。その後、補植用の苗木も準備しました。

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 「みちくさ庭園」の草刈りに向かおうとすると、足もとを小さな虫が跳ねていきます。よく見るとハンミョウです。「道先案内」の名がついていますが、「温室効果ガス排出削減」への道案内に来てくれたのかなとうれしくなり、カメラのシャッターを切りました。

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 「みちくさ庭園」内は、色とりどりの花が咲き私たちの目を楽しませてくれますが、園内の草も伸び放題となっています。通路やアジサイ、花の周りの草を鎌で刈りました。

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 イチゴ畑では実が赤く熟しています。収穫し、お昼のデザートとしていただきました。小粒のイチゴは酸っぱさが強いですが、森の恵みをおいしくいただきました。

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 13時頃雨が降り出しましたが、すぐに止みました。軽トラに万能鍬、背負子を乗せ「臼沢西の森」に向かいました。各自、背負子に黒土2袋を載せ植樹地に運び降ろした後は、まず補植する場所の整地を行いました。枯れた苗を整理し、草を刈り、万能鍬で植樹地の岩を掘り、補植場所を整えました。

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 次に、今年10月までの「里親植樹」用の土留めづくりと、4月のプレ「里親植樹」で植えた苗木の周りの草刈りを行いました。甲羅板で土留めをつくり、万能鍬で斜面を平らに整地し植樹地をつくるのですが、急斜面のため草で足が滑り、作業も容易ではありません。怪我に注意しながら作業を行いました。

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 気温も高くなってきたことから草の生長も早く、苗木に草が覆いかぶさってきています。苗木が草の生長に負けないよう3年間は草刈りが必要です。植樹を申し込まれた方に代わり、幼木たちを育てる気持ちも強くなり、握る草刈り鎌にも力が入ります。刈った草は根元に敷きマルチング。表土の乾燥を抑え、枯れると栄養に変わります。

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P6130422 15時を過ぎ、10月の植樹地も整い、プレ「里親植樹」地の草刈りも終えたので下山し、本日の森作業を終了しました。本日の森作業は、加賀、山本、済賀、弘永、筆者でした。(報告・清水)

 

2021年6月12日 (土)

心地よい一日を過ごせた足尾の森作業

Cimg0008  本日の朝9時の気温は18℃、天気は晴れでした。作業小屋に着くと、松木川方面の土木作業小屋方向から聞いたことがない鳴き声がしました。近くに行ってみると、サルの群れが河原に近くにいて、親子がじゃれあっていました。

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  3人は簡単な作業打ち合わせを行い、軽トラックに背負子、唐鍬、カッターナイフ、大ハンマー等を積んで「臼沢西の森」作業に出発。今日は、16日に実施する第2回里親植樹の最終準備です。作業道具を持って、植樹会場へいざ出発。

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Cimg0021_2  現場では、培養土や黒土が入った袋を破り、植樹地の土を攪拌させました。その後は、補植する場所の草刈りを昼食時間まで行いました。この時季は草の伸びが早いので、現場に向かう時は鎌が必需品ということが分かりました。

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Cimg0044  昼食後は、「みちくさ庭園」に草花を見に行きました。ちょっとした癒しの時間を愉しみました。その後は、「臼沢西の森」に再度出向き、土留めを4段造り、ポット苗にもたっぷり撒水しました。

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Cimg0023  帰路の途中、「民集の杜」入り口では餌を食べているキジの雌を見ていると、キジから「お疲れ様」と見送られている気がしました。心地よい森作業の一日でした。

Cimg0063  本日の森作業スタッフは、福原、加賀そして筆者でした。(報告・大野昭彦)

2021年6月 9日 (水)

木々が果たす機能を願って足尾・松木沢の草刈り

 昨日(8日)の足尾・松木沢は真夏の陽気でした。朝9時の気温は23℃でした。足尾ダム周辺には、ニセアカシアの白い花、ヤマボウシの白い花、そして山肌には外来種のエニシダの黄色い花が濃くなった緑色の中でアクセントになっていました。

Dscn7401  森作業にはシニア3人が集まり、コーヒーを飲みながらの話題は中倉山のブナ保護の報道記事(『下野新聞』)に関してでした。それは、記事を書いてくれた鈴木記者への賞賛でした。当日、鈴木記者は培養土を背負い、ボランティアと共に荷揚げを手伝ってくれました。その記者の姿勢に、3人は拍手喝采でした。

Dscn7402  新聞報道された日、栃木県内の友人たちから「新聞見たぞ!頑張ってるな!」との激励の電話をいただき、新聞報道の有難さを改めて感じました。

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Dscn7412  スタッフは作業前の嬉しい気持ちで草刈りに出発しました。「民集の杜」の散策コースの草刈りを行いました。4年前に植えた60㌢程の木々は3㍍以上の樹高にまで大きく育ち、その姿を見ながらの刈払機のエンジン音は軽やかでした。無理せず、でも頑張るシニアの森作業は、暑さをはねのけて、大きく育っている木々の役割に期待しています。

Dscn7408 昨日の森作業は、鎌田、松村(健)、そして筆者でした。(報告・橋倉喜一)

九十九里浜は今世紀末には消えてしまうのか

 昭和30年代までの千葉・九十九里浜には、広く、熱い砂浜が広がっていました。海岸の水辺までたどり着くには何度も足の裏を冷やさなければ辿り着けなかった頃、海の人たちは一生懸命に生きていました。生活は楽ではなかったけれど、大人も子供も心は清らかで、海には豊かな幸があり、魚介類は驚くほど良く採れました。浜の女衆は漁船を砂浜から海に出す「オッペシ」という作業のために半裸で過酷な仕事に耐えました。男衆は素裸で漁に出ていきました。生きることに大人も子供たちも目が輝いていた時代です。 

Photo_2  それから半世紀が過ぎました。海も魚介類も砂浜も生活も大きく変貌しています。九十九里浜は千葉県北東部の太平洋沿岸に沿って弧を描いた砂浜です。北東方向屏風岬(銚子市)から南西方向太東岬(いすみ市)まで約66キロに渡って続き、遠州灘に次ぐ規模を誇ります。この砂浜に今異変が起きていて、砂浜が急速に減少しています。

Photo_3  千葉県の気候変動対策(2018年)では、九十九里浜など21世紀末(2081~2100年)の砂浜面積が20世紀に比べて最大9割縮小する可能性があるとの推計を示しました。要因は、温暖化の影響で海水面の上昇が懸念されるとしています。 

2  海面上昇の観測では1901年から2010年の110年間で19㎝も海面が上昇したと言われています。また、2013年に公開されたICPP第5次評価報告書では、今後2100年までに海面上昇は最低でも26㎝、最大で82㎝となると見積もられています。

Photo_4  海面が上がると海岸が「水没」します。台風や高潮の影響で「海岸浸食」が起きます。これは砂浜が削れていくことになります。1m海面が上昇すると海岸線は「水没」によって約20m後退しますが、「海岸浸食」によって全体で100mも後退します。実際、九十九里浜・白里海岸では1961年と比べ50年後の2015年では最大で90mも砂浜が消え、海岸線が後退したところがありました。 

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Photo_6 「子供のころ、砂浜はちょうど、あそこの白波がたっているあたりだ。昔は砂浜で野球をするなど、この浜辺は遊び場だった」と、森びとOB・斎藤さんがよく話していました。斎藤さんは地元で海岸松の復活に尽力し、10年前から仲間とともに黒松を植樹していました。その松は現在、東京2020オリンピックサーフィン競技会場の入口ゲート脇で元気に育っています。

Photo_7  先日、現地を訪れました。会場設営準備のため、現場は入場禁止となっていましたが、海岸部分は自由に入れました。また、多くのサーファーがオリンピック会場やその周辺で波乗りを楽しんでいました。少年サーファーも多くいました。

Photo_8  私は海を見ながら、「50年後にはこの海岸は無くなってしまうのか。いや30年後、少年が大人になり結婚し、子供と一緒にこの海岸に来れるのだろうか?」と思いました。波先に転がっているハマグリや足元のカニを見て、そう思わずにはいられませんでした。

2_2 「小さなことから、出来ることから」自分たちの住む千葉県の海岸線を守るため、千葉FCは地球温暖化防止に向けて活動したいと思います。千葉ファンクラブ 髙梨 厚