2021年8月 6日 (金)

想定外の暑さの中で、“水”に感謝しました

Dscn0448  秋田も大変な暑さです。多くの人は温暖化の影響で、地球環境がどんどん悪化しているよう感じていると思います。私もその一人です。雨の降り方もこれまでと違うことを実感しています。熱帯夜で眠れないという心配はここ秋田県内の私は経験していません。森林のお陰だと思っています。しかし、このままの生活を続けると孫の世代には熱帯夜で眠れない夜が続くのではないかと心配します。森林も疲れ果てるのではないかと思います。

Dscn0444  上の二枚の写真は地元の水資源の写真です。大きな森林が水を貯え、適度な量の水を森から里へ流してくれています。改めて日本の水資源に感謝します。ところで私たちの生存は大気圏や地球上の水に支えられていると思っています。身体も水分が殆どですし、北極から南極に至るまでが水分です。南極や北極では水分が溶けたり凍ったり、湖や沼そして地中に溜まり、流れたりしています。大気中には蒸発した水分が雪や雨になって大地に降っています。

Dscn0450  この循環が私たちの命を育む日常の水として蛇口から出ています。すべてがつながって私たちが生存しています。そのように考えると、森づくり活動は誇れる活動だと思います。水資源の確保では紛争が起きることがあります。猛暑の中、子供たちが水遊びをしている様子を観ていると、水の有難さをつくづく感じます。

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Dscn0449  近くの水資源を歩いていると、私たちの生存の足元をじっくり見つめなおしていくことの大事さを突き付けられます。その水には草木の存在が欠かせないことも実感できます。森林が無くなれば砂漠化が進むことは歴史が証明しています。清流を眺めながら感じた一日の報告をしました。健全な森づくりに力が入ります。(秋田県FC・船木藤典)

2021年8月 3日 (火)

台風8号上陸直後の森の防潮堤づくり

7月28日の育樹作業は台風8号の直撃を受け、中止することにしました。しかし、朝には雨が上がり風も弱まり、予想していた被害もありませんでしたので、午後から集まれる人たちで作業を行いました。

Dsc01053  今年3回目となる作業は、刈払機による草刈りと下枝払いを行いました。下枝を払うことで、日陰で生長が遅くなってしまうシラカシ、アカガシ、シロダモ、ユズリハ、ヤブツバキなどに太陽の陽が当たるようにしました。

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Dsc01050  今年の台風8号は直で宮城県に上陸するという観測史上初でした。近年いたるところで「観測史上初の」というが言われるようになってきました。二酸化炭素等の温室効果ガス排出が増えることにより、各国でその影響が出ています。そのスピードは毎年早まり、巨大化し、その対策は深刻化しています。この時季は、毎年、豪雨災害を心配しなければならなくなりました。

Dsc01052  仙台市の荒浜、名取市の「いのちの森」が少しでも役に立ってほしいと願っています。私たちは、森作業をしながらそんな気持ちを共有しています。(宮城県FC・林雄一)

2021年8月 2日 (月)

新しい植樹地の植生を調査しました

地主である古河機械金属株式会社のご協力により、足尾の地に新しく木を植える場所を確保することができました。今回はその新たな土地で、今現在どんな植生となっているのかを知るための調査を行いました。生えている草本、木本の名称とどの程度の生え方をしているかを記録していきます。木を植えてどのような変化があるのかを知るためにも大切な調査となります。

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今回は、奥田重俊先生(横浜国立大学名誉教授)の植物観察グループで活動されている、植物に詳しいお二方にお手伝い頂き、植樹地5か所を調査しました。

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一面チカラシバとシナダレスズメガヤ(ウィーピングラブグラス)に覆われた場所だと思われている場所ですが、60種類近くの植物を確認することができました。

雲がある間はいいのですが、晴れるとその日差しの強いこと。くらっとするような暑さの中調査にご協力頂いたみなさん、お疲れ様でした。

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本来ですと、同じ標高で近くにある似たような自然林でも同様の調査をすることが、どのような木を植えていくかを調べるために必要な手順になります。今回は時間的な制約もあり、現在植生を調査するだけで終わりましたが、比較になるような自然環境についてもこの後有志で実施したいと考えています。(本日の参加者:田尾、宮原、佐々木、小黒)

木々のささやきに応えつつ足尾の夏の森作業

3_2  昨日(8/1)は「みちくさ」の舎人でしたが、コロナウイルス感染が急速に拡大しているために「みちくさ」は閉舎になりました。天気は晴、朝の気温25.3度はでした。「みちくさ」の管理となくなりましたが、森の木々と草の競争は続きます。足尾・松木沢の夏は森作業が目白押しです。

2  9時前に小柴さんと待ち合わせ、足尾ダムゲートを通過して進んで行くと松木川の水量が多く、道には深い水溜まりが出来ていました。ここ数日、栃木県日光市は激しい雷雨でしたから、その影響でしょう。

5   作業小屋に到着するなり目に入ったのは培養土ビニール袋の散乱。風か猿か猪か?拾い集めながら犯人捜しをしましたが、証拠は見つかりませんでした。小柴さんは、刈払機のエンジン始動テストも済み、準備万端でした。

4  今日の草刈りは二手に分かれ、柵内部の通路と脇を中心に草を刈ります。入口から緩い坂を上りながら一直線なので、ここは簡単でした。次の通路は、2㍍もある極太背高な雑草の群落に突入。恐らくスカンポって奴だなと思いながら、相当に手ごわい草を刈りました。

6  その結果、見晴らし風通し良くなりました。奥には、銅の精錬で出た滓ですが、約100年経っても残っています(写真は最初のもの)。一日も早く森に甦らせたいと願っています。小柴さんは、「民衆の杜」入口前の通路までビシッと綺麗に草刈りをしていました。 

8  この時季、足尾・松木沢はトンボの乱舞が見られます。私たちから逃げずに、私をジッと見つめいました。今日のトンボは「逆立ち」まで披露してくれました。55年の人生で初めて見たトンボの曲芸でした。昨日の作業は小柴さんと筆者で行いました。(報告・弘永)

2021年8月 1日 (日)

ポストコロナ社会像のヒントに『ダニが刺したら穴2つは本当?』を

大雨が降り、土砂流出や土石流が発生すると何十年以上もせっせと土壌をつくっている土壌分解動物たちはどうしているのかと心配しています。流された岩石のでは草木が直ぐに生えない。岩石の上では地衣類等が土壌づくりをはじめてくれてから、植物遷移がはじまります。

Photo  昨日、『ダニが刺したら穴2つは本当か?』(法政大教授島野智之著・風濤社発行)が著者から送られてきた。土石流の後のそのヒントはこの本に書かれていた。以前から、島野さんとはこんな話をしてきたが、この本はポストコロナ社会像を考えるうえでその基礎が分かる。

Photo_2    ダニを運ぶトキ

 土壌づくりをしてくれるダニたちの働きが、私たちの生存基盤である森の生長を助けていることがこの本で分かる。そして、ダニたちは渡り鳥や他の生きものたちとの連携を巧みにやっていることも知ることができる。

Photo_3  このようなダニを調査・研究し、分かり易くまとめている島野さんに感謝です。私にとって、この書はポストコロナ社会像のヒントを与えてくれる大切な一冊です。島野さん、ありがとうございました。(顧問・高橋佳夫)