2022年7月22日 (金)

【アーカイブ】森びと・心の宝物

タイトル:森びと・心の宝物
作成日付:2020年11月
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概要:
森びとプロジェクトの前身、NP法人O森びとプロジェクト委員会時代に、森づくりスタッフが森づくりで得た「心の宝物」をまとめた小冊子です。

本文より:(編集後記抜粋) 
 森びとシニアから貴重な心の宝物を寄稿していただきました。八幡平市の松尾鉱山跡地の森づくり、足尾町の松木村跡地の森づくり、南会津での森を元気にする炭による樹勢回復実証調査、そして森の防潮堤づくりの現場に起ってきたシニアの方々に執筆をお願いした結果、十九名の森びとシニアから次世代の森びとへ伝えたい「心の宝物」が送られてきました。文章にはたくさんの宝物が秘められていましたが、編集では、森びとの次世代にとって忘れてほしくない「心」に絞って文章をまとめさせていただきました。
 
 何故なら、寄稿された文章は、地球温暖化にブレーキをかけなければならないという人類の問題に初挑戦してきた一五年間の試行錯誤の歴史だからです。短い歴史とは言え、現役をリタイヤした多くのシニアが経験したことのない森づくりでありながらも、故・松崎明さんの問題提起に賛同して森づくりを理論的かつ実践的に指導してくれた宮脇昭さん、その活動をけん引してくれた故・岸井成格さん、故・角岸幸三さん、故・竹内巧さん、故・宮下正次さん達の志の端緒をつくり出したことは後の世代にとっての宝物にしてほしいと願っているからです。また、人類の生存が危ぶまれている現代社会においては、生存を持続させる活動の小さな種火になってほしいと願っています。

Img_5411森づくりスタッフの様子(本文とは無関係です)

2022年7月20日 (水)

松木渓谷から吹き抜ける風が心地よい臼沢・臼沢西の森の草刈り

 本日は7月20日(水)、育樹デーです。足尾の天気は晴れ。雲が多く9時の気温は25℃でした。さっそく朝のミーティング、加賀スタッフから本日の作業説明を行い、午前中は臼沢の森と臼沢西の森の草刈りを行い、午後はりんねの森の土壌改良ブロックに植樹用の穴を掘る作業を行うことにしました。Dsc06620

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 臼沢の森は加賀さん、済賀さん、筆者清水。臼沢西の森は鎌田さん、山本さん、松村宗雄さん、松村健さん、柳澤さんに班分けしました。臼沢の森は刈り払い機と鎌での手刈り、臼沢西の森は鎌での手刈りです。道具を軽トラックに乗せ臼沢の森に出発しました。

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 臼沢の森の階段を上り、まずは最上部から2段目の植樹地の草刈りを行いました。草を刈ると虫たちが飛び跳ねてきます。出てきた虫を食べに来たのか、ウグイスが木の上で鳴いています。また、ヒグラシの鳴き声も響きわたり、トンボも飛び交っています。これから夏本番ですが秋の気配も感じられる草刈りとなりました。

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 長袖シャツで草刈り作業を行うため体がほてってきますが、松木渓谷からの風が臼沢西から臼沢の森へと吹き抜け、体を冷やしてくれました。臼沢の森は3段目の半分まで刈り進むことが出来ました。草の中に埋もれた苗木も多く、鎌での手刈りも慎重に行いました。

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 臼沢西の森では西側の上部から草刈りをスタートさせ東側へと刈り進めました。草を刈っていると草の中に蜂が潜んでおり、松村健さんが左手の指をアシナガバチに刺されてしまいました。すぐに刺された箇所の毒を出し、水ですすいだ後、氷で冷やしました。済賀さんに同行していただき足尾双愛病院に向かい診察と治療をしていただきました。

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 臼沢西の森の植樹地は、土留めに細長い甲羅板を使用しており、石や岩を甲羅板側に寄せて黒土をいれるため、隙間に蜂が巣を作るようです。なので、どこに巣があるか見つけるのも難しい場所になっています。終了ミーティングで、「刺されてからの対処ではなく刺されないように長い棒で草むらをたたき、蜂が潜んでいないかを確認したらよいのではないか」「薄手の手袋ではなく、ゴムの手袋や皮手袋、厚手の手袋を使用するようにしよう」など意見を出し合いました。

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 午後の作業は、臼沢の森入口東側の金網が倒れており、鎌田さんと山本さんが新しい獣害柵を軽トラに積み修繕に向かいました。松村宗雄さんはみちくさの畑の草取り、他のメンバーはりんねの森の土壌改良ブロックの穴掘りと苗木への撒水を行いました。

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 土壌改良ブロックは土壌の中に小石や岩がごろごろしており穴を掘るのも一苦労。ツルハシ、マンノウ、スコップを使い穴を掘り、黒土を入れて元の土壌と混ぜて篠竹を立てて目印にしました。18か所の植樹場所をつくりました。

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 草取りを終えて、りんねの森に合流した松村宗雄さんから「甘茶(アマチャ)の花が咲いた」と報告があり、林子さんが写真に収めてくれました。

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 15時過ぎに作業を終了し、道具を片づけ、終了ミーティングを行い16時に解散、帰路につきました。今日は、柳澤さんが玉ねぎとお菓子、松村宗雄さんがピーマン、林子さんがお菓子を差し入れてくれました。ごちそうさまでした。

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 本日の森作業は加賀さん、鎌田さん、山本さん、松村宗雄さん、松村健さん、柳澤さん、済賀さん、林子さん、筆者清水でした。(報告 清水 卓)

2022年7月18日 (月)

臼沢上2段目の草刈りと柵修理を行いました。

 7月18日、8:20、足尾松木は快晴、気温は22℃、久しぶりに真夏日になりそうな天気です。

今日は「臼沢の森」上段から2番目の草刈りと、前回最上部の獣害防止網が破られている所があるのを確認していましたので、亀甲金網を持参し修理をすることにしました。今日は、小柴さんが初々しい後輩を連れて来て下さいました。刈り払機を扱うのは初めてということで、まずは小柴さんから講習を受けていました。

Img_3752_2 Img_3755 Img_3754 「臼沢の森」の階段600段を、刈り払機、亀甲金網、水などを持参し登っていきます。小柴さんの後輩上野さんは学生時代に陸上100mの選手だったそうで、体力には自信がありそうです。軽々と登っていきます。草刈りも講習の成果がすぐに現れているようでした。Img_3756 Img_3761 Img_3762 休憩を取り、水分補給をしながらの作業です。今日は、約半分ほど終了しました。その後、破られている獣害防止網の修理を行いました。前回確認した所だけでなく、あちらこちらに穴が開いていましたので、修理を行ってきました。

Img_3758 Img_3768 ここまでの作業をして時刻を見ると既に13:00になっていました。下山途中で、上野さんに作業の感想を聞くと、「初めてでしたが楽しかったです。」と言っていました。「今度は一人でもいいので来てください。」お誘いしました。下山後、昼食を涼しい「うんしゅう亭で」とり、その後、筆者加賀は「りんねの森」土地改良ブロックに穴を掘る予定でしたが、体力の消耗が激しく断念。上野さんと苗床に水やりを行いました。小柴さんは、刈り払機のメンテナンスを行ってくれました。。そして、森の案内のパンフ作成に使うためのドローン撮影を行いました。

Img_3769 Img_3784 Img_3776 Img_3781 Img_3771今日の作業者は、小柴さん、上野さん、お疲れさまでした。そして、筆者は加賀でした。(報告:森づくりスタッフ 加賀春吾)

2022年7月15日 (金)

天空の宮脇先生に見つめられて1年

 7月16日は宮脇先生が天空へ旅立って1年目。年のせいなのか、時の流れが若い頃と比べると倍以上速く感じられるこの頃の私です。

 先生の命日を前にして、この一年を振り返ってみました。森びとスタッフとして、そして一人の人間としてどうだったのか?。先生は常々、「本物になれ!、死ぬ気になってやれ!」と檄を飛ばしてくれました。「本物とは、幾多の困難を乗り越え、長く生き続けること」と教えられていました。

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 こんなエピソードがありました。植樹祭の前日、サンレイク・草木の一室に宮脇先生、高橋さんと私が寝ることになりました。先生は、中国地方から山梨県を経て宿に遅くなって到着しました。時間を惜しむように布団に入って、ペンを走らせていました。私は緊張していて他の部屋で、仲間と酒を飲んで過ごしました。翌朝目を覚ますと先生は、もうテーブルに向かいまたペンを走らせていました。(高橋さんも)そんな二人を見てとても気恥ずかしさを覚えたのでした。本物になることとは、日常のあらゆる場面で、自分自身との闘いがなければ実現でき得ないのだと感じたのでした。

 そんな私が、6月の熱波で保管中の苗木を枯らしてしまいました。異常な高温が続いたにも関わらず、水やりに真剣に向き合わなかったからです。茶色くなった苗木を見て、愕然としました。人間の都合を優先していると木は育てられません。と、頭では分かっていたのですが。

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 宮脇先生の教えの中で「人間は植物に寄生して生きている」と言われていました。いま森びとでは「森に生かされている」と表現していますが、植物が無かったら、どんなにお金を持っていても、権力を持っていても生きていけません。植物だけが生産者で、人間をはじめ全ての動物は植物に寄生した消費者だと、先生は単純明確に説いています。人間一人が生きていくために27本の成木が創り出す酸素が必要だと言われています。こんなことを多くの人に理解してもらえれば、気候危機の社会に大きな光が差し込むでしょう!

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 足尾は今、お盆を迎えています。森びとスタッフが手向けた花が、旧松木村の先祖の墓石に供えられ、それに見守られながら「民集の杜」が広がっています。その入り口に宮脇さん、岸井さんの祈念樹のイヌブナ、ホウノキが植えられています。いつまでも天空から森びとを見守っていてください。

                  森びと栃木県ファンクラブ・橋倉喜一

森づくりの一歩を踏出した足尾での森作業

7月9日、神奈川県ファンクラブのメンバーとJR東労組横浜地本OB会の有志の皆さん15名は足尾に行ってきました。Photo 当初の予定では里親植樹で苗木を植える予定でしたが、先月下旬からの猛暑によって植樹場所が乾燥して植えた苗木が枯れてしまう恐れがあるということで、植樹は延期になりました。森作業は初めてという方が3名いましたので、神奈川県在住の熊森協会の方から預かった苗木15本を、日陰があって比較的水分の多い松木川沿いの場所に植えました。Fc20220705      上:預かった苗木
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2苗木植えから変わった森作業はヘルメットを着用して、鋸鎌を持って里親植樹会場の除草でした。参加者の多くが里親植樹に参加した方々でしたので、自分の苗木の生長をチェックしながら、皆さんは大汗をかいていました。Photo_3 その後は、里親の東側で生長している「臼沢の森」に入り、17年前に植えた木々が恵んでくれた涼やかな風を浴び、ほてった身体をすっきりさせました。森の中では、森が人間にとっていかに大切なものなのか等のレクチャーを大野さんから受けました。作業の疲れをひと時忘れ、安らぎを感じられました。Photo_4 昼食後は意見交換を行いました。初めての方からは「今回来られてよかった。また来て頑張りたい」、何度も足尾入りしている方からは「第1回目当時は草地だった所が立派な森になり、やってきた意義を実感できてよかったと思う」、「これからもファンクラブの仲間を増やして足尾を訪れたい」などの感想が述べられました。Photo_5 私たちは昨11月に結成総会を行い、今までこれといった活動ができませんでした。今回、植樹・育樹作業を行うことで一歩を踏み出すことができました。今後も足尾に入り、森と友だちになりながら、神奈川の地で何ができるのかを知恵を出し合っています。(神奈川県FC 滝沢和男)