2021年11月 8日 (月)

南相馬市から感謝状をいただきました

 本日、福島県南相馬市から感謝状が届きました。これは、東日本大震災から10年の節目に際し、南相馬市民や市内の団体に対し支援をした方々が対象となるようです。本来は11月3日に南相馬市で市民が参加する感謝状贈呈イベントが開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら延期となりました。

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 2011年4月から会員に呼びかけをして岩手県、福島県、宮城県に復興の応援をしました。

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    2012年NPO法人での第7回通常総会において、南相馬市の進める復興事業計画を応援することを決定し、海岸防災林や森の防潮堤づくりがスタートしました。

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 桜井勝延市長(当時)には、「足尾・ふるさとの森づくり」に参加をしていただき、苗木を提供していく目録を手渡しました。

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Cimg2734 2013年10月6日、第1回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が開催されました。相馬農業高校農業クラブの生徒、南相馬市民と一緒に前段に宮脇方式の森づくりについて学ぶ市民サポーター養成講座を開催し、森びとインストラクターと一緒に、植樹祭の参加者への植樹方法をレクチャーを力強く行ってくれました。

1562_1 2015年2月に「南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊」(通称:応援隊)を発足しました。市民が中心となって植樹祭の準備、植樹後の育樹、各地から届く苗木への撒水や草取りを行うことになりました。初代代表の西銑治さん(左)、現代表の渡部俊一さん(中)、事務局の小川尚一市議(右)。

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 JR東労組の皆さんは組合員・家族がどんぐりを拾って、3年間ポット苗で育てたものを毎年南相馬市に嫁いでくれました。

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 また、組合員の皆さんが市民植樹祭や草刈りにも来てくれました。植樹祭会場の草刈りは最低3年間は必要となります。応援隊の皆さんが市役所と連携をして草刈りを開催し、毎回150名以上の市民が参加をしてくれるようになっています。

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 植樹祭実行委員会では、震災や津波そして原発事故で犠牲になられた方々への追悼と鎮魂を捧げ、復興への祈りを願う場としての献花台の設置を要望し、実現しました。金子恵実衆議院議員(下)には草刈りにも参加をいただいています。

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 現在の2013年の第1回植樹祭会場(下)です。すでにヤマザクラの樹高は4mを超えています。幹回りは30cmほどにまで成長しています。

Photo_13 今回の感謝状は、森びとプロジェクトだけではなく、この間協力をしていただいた森びとの会員の皆さん、現場で活動を担ってくださっている応援隊の皆さん、植樹祭での植樹指導を担ってくれた森びとインストラクターの皆さん、地元相馬農業高校農業クラブの皆さん、市民サポーターを担ってくださった市民の皆さん、前段準備や草刈りに協力をして下さったボランティアの皆さん、苗木づくりをはじめ協力をしていただいたJR東労組の組合員・家族の皆さん、活動を支えてくださったイオン環境財団のお陰と思っております。本当に心から感謝申し上げます。今後もお力添えをいただきながら、これまで同様南相馬市のいのちを守る森の防潮堤づくりを応援していきます。(報告:運営委員 小林敬)

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2021年11月 5日 (金)

来年から始める新しい森づくりを土から考えてみました

Pb050755 今日の足尾は天気予報通りの秋晴れでした。朝の気温は10℃、ストーブに薪を入れて本日の作業準備。午前中は来年から始める植樹方法の考え方を固める土壌観察です。運営委員・井上さんとその友人の田中さんの協力を得て、土壌条件の違いごとにどんな木を植えて、その生長の具合を観察する前提的なことを掴みとる作業です。Pb050763 Pb050767 2人が到着する前には、高橋さんと鎌田さんが「みちくさ庭園」に植えたアジサイの幹がサルに食べられない対策をはじめていました。Pb050774 Pb050775 Pb050781 10時、二人が到着し、作業内容の話合いを行った後、現場へ向かいました。河川敷、岩と石と砂が多い土壌、土が少なく砂が多い土壌、砂が少ない土壌等の水分量、水や空気の流れ具合を考えつつ、土壌を調べました。Pb050792 午後、二人には「松木の杜」、「新松木の杜」、「民集の杜」の木々の生長を観てもらいました。鎌田さんと高橋さんは午前中の作業を続けてくれました。Pb050760 Pb050758            リンドウの紅葉

 3時頃、全員で本日の感想を出し合い、感想は運営委員会へ提案する内容へ反映させることにしました。茨城県から来てくれました田中さん、長野県から来てくれました井上さん、本日はお疲れ様でした。また、森作業をしてくれました鎌田さん、高橋さんお疲れ様でした。(報告・大野昭彦)

2021年11月 3日 (水)

秋晴れの下で、足尾『中倉山のブナを元気にする恩送り』を開催!

 本日11月3日(水)、足尾『中倉山のブナを元気にする恩送り』を開催し、森びとスタッフと森ともの皆さん28名で「無言の語り木」“孤高のブナ”に元気を届ける活動を行いました。新型コロナウイルス感染者数が減少傾向にありますが、感染予防に努め取り組みました。

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 足尾ダムゲートに7時に集合。久蔵川にかかる橋を渡り、「足尾に緑を育てる会」にお借りした広場に参加者の車を駐車させていただきました。

 そこから、登山口を目指し、仁田元川沿いの道路を1時間ほど歩くと登山口に到着。森びとスタッフが出迎えてくれました。天候は秋晴れとなり、絶好の登山日和となりました。

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 登山口でブナの根を保護するための黒土10ℓ1袋と植生袋2枚を参加者に持っていただき、コロナ感染予防のため、少人数のグループに分けて距離を保ちながら中倉山山頂を目指しました。地上スタッフを除く24名でブナを目指しました。

 

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  つづら折りの登山道を登ると木々の葉も色づき、足もとには落ち葉が積もり始めています。枯葉で足を滑らせないように注意しながら登りました。こまめに休憩を取り、水分補給をしながら登りました。

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 登りはじめて1時間、最初の尾根に到着し小休憩をとりました。南の山々の斜面は紅葉のピークは過ぎたようですが、黄や赤が点在し、遠くには頂が雪で真っ白な富士山を眺めることができました。木々の彩を楽しみながら登り続けて2時間。10時に中倉山の尾根に到着しました。煙害に耐え、現在は気候変動に耐え生きる「無言の語り木」“孤高のブナ“が私たちを待っていました。

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 24名の参加者が全員到着し、リュックから黒土の袋を取り出してもらい、済賀スタッフ、鎌田サポーター、矢野さんが植生袋づくりのデモンストレーションを行った後、2人一組となり植生袋に黒土を詰めました。30枚の植生袋をブナの北斜面の土壌がむき出しとなっている場所に張り付けました。

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 2018年から張り付けた植生袋は周りの笹や草と一体化しており、根で土壌を押さえています。

 ブナの根を守るため登山ルートに張っている麻ロープが劣化し、所々切れており、大塚さんと小川さんが張り替えてくれました。

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 ブナを見ると葉を落とし始め、冬に備えているようです。枯れた枝も見受けられ、厳しい環境下で耐えるブナの「叫び」が聞こえてくるようです。

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 遠目にブナを眺めると、ブナの生える北側に草のエリアが広がっていますが、東西の北斜面は崩壊が止まらないようです。日光森林管理署の徳川署長、伊藤森林官に斜面の状況を見ていただきましたが、まだまだ崩壊地は広く、市民やボランティアの努力には限界があり、国有林を管理する林野庁や自治体など行政が「本気」になり、崩壊地の土砂の流失を止め、緑化していかなければならないと感じました。

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 作業終了後、全員で集合写真を撮影しました。その後、徳川署長からご挨拶、参加者から感想をいただき、森びとを代表して副代表の清水からお礼を述べました。

 

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  早めの昼食をとり、11時に下山を開始しました。尾根伝いを戻り、ツツジのトンネルをくぐり抜けていきます。

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 北側の松木川沿いに目を向けると、森びとプロジェクトの植栽地、臼沢の森や松木の杜、民集の杜の木々が色づき、一幅の絵画を見るようです。森の中では落ち葉を食べ分解する土壌動物が忙しく働き始め、冬に備え木の実を食べ、命をつなぐ動物たちの営みもおこなわれていることでしょう。

まだまだ荒廃地は広く、温室効果ガスの吸収源であり、いのちの源でもある森づくりは世界的な取り組み課題です。英国グラスゴーに各国の首脳が集まり「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)」が開催されました。(10月31日~11月2日)温室効果ガス排出削減と同時に、吸収源である森と海を元気にする政策目標も一致させて欲しいと願います。

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 12時30分に登山口に到着。登山口に待機している加賀さんから参加者の皆さんに冷やした紙パックのジュースが配られ、乾いた喉を潤しました。

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 本日の「中倉山のブナを元気にする恩送り」参加者の車を止める駐車スペースを提供していただきました「足尾に緑を育てる会」の皆さま、横断幕作成に協力をいただきましたJREU大宮の皆さま、同行していただきました日光森林管理署・徳川署長様、伊藤様、共同通信社・鰍澤様、大変ありがとうございました。本日参加していただいた皆さま大変お疲れ様でした。

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 本日の参加者は、徳川さん、伊藤伸さん、鰍澤さん、野澤さん、福田さん、伊藤典さん、木村邦さん、目黒さん、鎌田順さん、荒川さん、ザイさん、カエルさん、矢野さん、木村有さん、鈴木さん、山田さん、山内さん、大川さん、鎌田さん、大塚さん、橋倉さん、加賀さん、小川さん、弘永さん、坂口さん、済賀さん、そして筆者でした。(報告・清水)

 

2021年11月 2日 (火)

足尾の森は紅葉真っ盛り

 足尾に向かい、日足トンネルを抜けると「わぁ~、キレイ!!]と声が出るほどの紅葉が目に飛び込んできました。先月27日に来た時には「まだまだだなぁ」と思っていたのですが、赤や黄色、緑のコントラストが見事に朝日に映えていました。Img_2508Img_2506 Img_2510今日の作業は、17日から始まる臼沢の森の階段の修理のための横杭200本、縦杭400本の搬入があり、荷卸しと明日の中倉山「無言の語り木」(孤高のブナ)を元気にする恩送りの準備をすることです。運搬の車が予定より早く到着したので打ち合わせも無く直ぐに作業に入りました。濟賀さんの提案で臼沢に運ぶのに便利なように、直接軽トラックに降ろして貰いました。

Img_2516 Img_2518 軽トラに積めない残りの杭は、黒土置き場の横に置きました。その後、軽トラの分を臼沢の入り口まで運び、パレットを敷き、杭を手作業で降ろしました。

Img_2523 Img_2528 Img_2530 午後は坂口さんも合流し、明日の中倉山ブナ保護の準備です。10ℓの土と植生袋2袋をビニール袋に入れたもの11セット、土を半分にしたものに植生袋1袋を入れたもの8セットを作りました。その他、植生袋を打ち付けるペグ、ゴムトンカチ、駐車場と登山口の目印となる「森びと旗」、背負子などを濟賀さんの車に積み込みました。

Img_2539 Img_2543 本日の作業はこれで終了ですが、杭が思ったより太く、臼沢への荷揚げには苦労しそうだなと濟賀さんと顔を見合わせ、臼沢の森を見上げました。

Img_2544 Img_2547 本日の作業スタッフは、濟賀さん、坂口さん、筆者でした。(報告:加賀春吾)


2021年10月28日 (木)

念入りな準備を整えて冬の森作業に入る

Cimg0017 昨日(27日)の足尾は気温9℃、晴れ時々くもりでした。9時、作業小屋でミーティングを行い、今日のスタッフ5人は全員がシニア世代。まずは、寒くなってきましたので体力を考え、午前中は階段補修の点検と整備、午後は臼沢西の補植になりました。Cimg0016 Cimg0020Cimg0030  11月からスタートする15年間の森づくりの歴史がしみ込んでいる600段の階段。一部が腐食し、歩くのに危険な丸太を交換する点検・調査を行うことにしました。最上段までの階段を登りながら腐食具合を点検してみると、425段の間伐材を取り換える必要がありました。11月2日納品される間伐材が不足することが分かり、追加注文することにしました。Cimg0066 準備作業をしながら感じたことは、草刈りや獣害対策をしながらも森の木々の動きや足元の様子を観ておくことの大切さでした。年間100日程足尾の森に入っている先輩たちは、そのようなことが身体にしみ込んでいる“森びと”でした。Cimg0062 Cimg0065 昼食後は、「臼沢西の森」にモミジ、サクラ、ミズナラなど80本を補植しました。枯れた苗木をスコップで掘ってみると、黒土と砂土がよく混ざっていないところが多く見受けられましたので、“まじぇるまじぇる”して丁寧に補植しました。Cimg0083 その後、少し時間がありましたので、「新松木の杜」の桜の木の保護・環境整備を行いました。みちくさから見た小さな秋景色は、私たちの心を癒してくれていました。Cimg0076 本日の参加者は、鎌田さん、福原さん、加賀さん、済賀さん、そして筆者の大野でした。