2024年9月10日 (火)

「気候変動関連死」のリスクを下げる市民の力

 先月は足尾・松木渓谷入口にある「みちくさ」で、今月は一昨日の深夜に体験した一時間に100㍉もの大雨の恐怖。足尾では土砂で簡易ハウスが流されるのではないかとビビり、自宅では草木が踏ん張って土砂流出を起きないように祈った。20240910 9月に入っても猛暑日で熱中症に注意する日々が続き、同時に、局地的な大雨災害にも注意しなければならない日々が続く。日本各地は日本海と太平洋からは温かい大量の水蒸気を含んだ雲が陸地に流れ、山にぶつかり、寒気に冷やされ大雨になっている。その気ままな雲の動きでビビったり、森の力に頼って災害から逃れたい私。暑さは農漁業にも被害をもたらし、弱者の食生活をも苦しめている。台風シーズンのなかにあって、今までのような生活観でいられなくなった。202409105 夜(9/10)、「クローズアップ現代」いうTV番組を観た。感じたことは、気候変動関連死のリスクは弱者や低所得者が高いということ。リスクを低くするためには、①正しい情報をつかみ拡げる②共有した情報を基に声をあげて、リスクを減らす目的を実現させるアクションを起こす③その力を借りて私たち生活をも見直す④この市民運動が世界の海水温度を下げていく「地球びと」のうねりとなる“希望の松明”を掲げよう、ということであった。20240910_2 誰もが感じていることは、一時間に100㍉以上の大雨の勢いは人間力で防げるという考えは通用しなくなったことではないか。自然界の猛威には逆らうのではなく、「いなす」という先人の知恵が役に立つ時代がやってきた。台風10号が教えてくれたことはコンクリートだらけの都市や街では先人のその知恵も活かされないようだ。目先きだけの備えたけではいのちを縮める結果につながっていくということが見えてきた。 (森びとアドバイザー・高橋佳夫)

まだまだ暑い中での森作業、でも風は爽やか。

 9月10日(火)、8:30、気温は23℃、天候は雲が多くも日差しも差して暑くなりました。今日は、筆者加賀が杜番で、鎌田さんと橋倉さんが森作業に参加してくれました。清水さんは、ゲートキーの交換のため栃木県県西環境森林事務所に行ってくるので後からの参加となりました。

 今日の作業は、「民集の杜・北」の2018年に植樹した場所で、蔓が蔓延(はびこ)っていると以前から指摘されていたので、橋倉さんと加賀は蔓切りを、鎌田さんは「メガネ橋」の奥の草刈りをすることにしました。メガネ橋付近では穴熊が巣を作っているので影響を与えないよう気を付けて実施することにしました。また、熊・蜂対策の熊スプレーと蜂ジェットをもって出かけました。Img_0005_2

Img_0020 しかし、いざ草刈りが始まると通路の草が伸び放題になっており、こちらを優先して草刈りを行い、「メガネ橋」奥までは辿り着きませんでした。

 蔓は、木に撒きつくようなものではなく、まっすぐに伸びて木の上のほうで葉っぱが出て、木を覆っています。蔓を引っ張り木から外し根を切りました。

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Img_0015 強く引っ張ると、蔓が途中で切れてしまい、木の上のほうに蔓と葉っぱが残ってしまいました。Img_0014

 取り除いた蔓です。(下写真) 作業をしていると、橋倉さんのズボンに虫が付いており尺取り虫のように段々と上に登っていました。橋倉さんは「ヒルだよ」と言って掃っていました。幸い蛭はこれ一匹しか現れず血は吸われなくて済みました。Img_0019 

Img_0016 蔓取りが終わり、出口に行くと岸井さんの記念樹の獣害防止の囲いが草でおおわれているので、鎌田さんが光が当たるように上の部分を取り除いてくれましたが、周りも草だらけなので、下から鎌を入れて草を取り除きました。

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 午後は、先日残した「りんねの森・改良地」のヤシャブシ抜きをすることにしました。上から見ると、まだかなり残っています。

Img_0032 現地に降りると、ヤシャブシは以前よりかなり大きく生長し太くなっていて、抜くのには相当の力が要りました。植えた苗木はヤシャブシに隠れて呼吸できないようになっています。それでも栗の木は小さいながらも実をつけています。Img_0044

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 気温が上がっています。抜いても抜いても一向に無くなりません。疲労感が出てきて熱中症もおこしそうになってきました。あと少しで終わりそうですが、体が持たないようなので残念でしたが、終了しました。Img_0043

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 本日の作業者は、鎌田さん、橋倉さん、清水さん、加賀でした。(報告:加賀春吾)

2024年9月 9日 (月)

秋の気配を感じながら、育樹活動を行いました

    昨日(8日)宮城県ファンクラブは、名取「いのちの森」で育樹作業を行いました。Dsc01323

    現地の気温23.6度・湿度は午前中少し雨が降ったためか86.6%と若干高めですが、ヤマグリの実が色づきはじめ、秋の気配が感じられます。

Dsc01325    周りは草が勢いよく伸びていましたが、森の中は生長した木々の日陰になり、それほど草は伸びていませんでした。

Dsc01324    作業は、仮払い機による草刈り、森の中に侵入したクズの蔓の刈り取り、ヤブツバキ・シロダモ・アカガシ・シラカシ・アオキ30本の補植、下枝払いを行いました。

Dsc01326_2    今年の夏も、気候変動(=地球温暖化)の問題が深刻化しつつあることが感じられました。化石燃料の消費による二酸化炭素の排出を抑制することが重要で、そのため再生可能エネルギーを増やしていくことが必要ですが、脱炭素社会の実現に向けて、あまり進んでいない状況です。人間活動によって、生物多様性が失われ生態系に影響を及ぼし、生きものの命が脅かされる危機的な状況にある今、森づくりを通じて、問題意識を仲間達と共有し、できることを話し合っています。

(報告:宮城県ファンクラブ・林雄一)

2024年9月 8日 (日)

大粒の雨と森が人と人の繋がりを加勢する

  本日(9/8)の足尾の朝9時の気温は29℃でした。午前中は晴れ間もありましたが、午後は不安定な天気で大粒の雨が降ったり止んだりでした。

 朝、橋倉さんと二人で「今日は天気もあまりよくないし、「みちくさ」(Googleマップで検索)を訪問者はいないかなー」と話していました。でも立ち寄って欲しいと願い、オープンの準備をしました。

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 その後、水道の出が悪いので取水口の点検と沢水の状況を点検することしました。「みちくさ」に置いてあるスコップと鎌を持ち、現場に行ってみると、取水口には水が流れていなく、水槽の底は土砂が溜まっていました。二人で水路を確保し、水槽の土砂をスコップでかき出しました。

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 先日の大雨の時に、急遽、大川建設会社の皆さんに修繕していた道路に埋め込んだ塩ビ管と鉄管5本のうち2本が土砂で詰まっていました。このままにしておくと、また大雨が降った時に沢水が道路に溢れ、「みちくさ」まで流れ込んで大変なことになると思いました。一度、「みちくさ」まで戻り、4メートルの竹竿で直径20cm以上もある管の両側から突いて詰まりを取り除きました。管の中からコブシ大の石がゴロゴロ出てきました。正常な水の流れに戻ったことを確認して「みちくさ」に戻り、昼食をとりました

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 昼食をとっていると、釣り人が帰りに寄ってくれました。その方は宇都宮から来た35歳の男性、県庁に勤めていると言っていました。

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 話しをしている途中で大粒の雨が降りだしましたが、森びとの活動の話や台風10号や人生についての話になりました。中倉山の「孤高のブナ」保護の話をすると、「中倉山に登ってみたい」ということになり、釣り人には11月3日に実施する「ブナ保護のイベント」のチラシを渡し、再会することになりました。

 みちくさノートには「釣場までたどり着けず、雨に打たれている所をお声掛けいただきコーヒーをごちそうになりました。人生のお話までお聞きでき、リフレッシュ出来ました。ありがとうございました。」と書いてくれました。

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今日の舎人は、橋倉喜一、大野昭彦でした。(報告者・大野昭彦)

2024年9月 1日 (日)

台風10号の恐ろしさから改めて心に誓う

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 台風10号は衰えを見せてきましたが、その猛威は驚くほどでした。中心気圧が935hPaまで発達し、瞬間風速70㍍、台風の動きは遅く、広範囲に記録的な大雨を降らせながら土砂災害や河川の氾濫など被害を各地に巻き起こしています。私は、想定外を超える”スーパー台風”に直面し、恐怖感を感じています。離れて暮らす子や孫を心配すると同時に、台風の進路上に生活している方々の様子をTVで観ていると、今後もこのような異常気象が襲ってくるのではないかと不安になっています。

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 少しでもこの不安を無くしたいと思い始めたのが足尾の荒廃地での森づくりです。台風10号の猛威から息子や孫たちの社会を考えると、気候危機に向かっていく「社会運動」を創りださなければならないと思いました。

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 今から130年程前の足尾松木沢は、豊かな森の恵みに支えられて松木村の村人は生活していました。ところが傲慢な人間の経済活動が山を荒らし、川を荒らし、村人の生活を奪いました。その村人と渡良瀬川流域の農民を鉱毒から守るために闘ったのが田中正造ですが、「真の文明は山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」ということを改めて振り返りました。そこから気づいたことは、“山を荒らさず・・・”の背後にある彼の考え方には、“人は森に生かされている!人は森に寄り添っていかなければ生きていけない!森は大切な友だち!”ということがあったのではないかということでした。さらには、官憲に弾圧され続けながらも農民たちと闘ってきた運動の大切さと、そのリーダーの志と情熱を現代社会の社会運動に活かしていくことではないかと思いました。

 農民と田中正造の闘いは、政府や議会の「治水論へのすりかえ」や官憲の弾圧で追い込まれてしまったので、広く社会の人々に訴えることを決意した田中正造は命を賭して明治天皇に直訴(1901年12月10日)しました。

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 かつての松木村民や渡良瀬川流域農民の思いに寄り添いながら、足尾のふるさとの木を植えて来年で20年を迎えます。多くのボランティアの皆さんと共に約8万本の木を植えて、小さな森が育っています。いま私たちがやらなければならないことは、台風10号からの警告をうけて、「いのちの母体である地球(森)を破壊する自由はない」、「森は大切な友だち」、「森に寄り添って生きていくためにはエコシステムのサイクルを健全に戻す」という立場を鮮明にした社会運動の実現ではないかと思います。

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(運営委委員:大野昭彦)