カテゴリ「森の声」の168件の記事

2008年8月 6日 (水)

自然環境と人間の命を大切にする心を磨く

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 「昨夜は雷様が怒って一晩眠れなかった」と、お世話になっている足尾の金物屋のおじいさんが言っていました。車で「森びと広場」へ向かっていると、話のとおり道の至る所に石ころと土が流された形跡が残っており、「雷様」の怒りの凄さが感じられました。
 広場に到着すると、事務局員の松村さんが遮光ネットを張っていました。今年発芽した若木たちが猛暑に負けないようにと、苗木分けしたトレイの列をネットで覆っていました。午後3時半頃にはネット張り作業は終わりました。西北の山並みには黒い積乱雲が現れ、雷の音がしていました。
 周囲を見わたすと松木沢の山々は積乱雲に覆われていました。積乱雲の中にはキノコ雲に似ものがありました。今日は、アメリカ軍によって広島に原爆が投下されて63年目の日です。高校野球放送の合間に流れていたラジオニュースでは、広島で平和を願う方々の様子が報道されていました。ここ松木沢は、戦争政策の勢いで銅の増産が行われ、製錬の過程で発生した亜硫酸ガスによって村人が被害を受け、廃村に追い込まれました。
 今、「低炭素社会をめざして」とか、「持続可能かな社会」として原子力発電所が各国で建設されています。「洞爺湖サミット」ではフランス大統領が中国での原子力発電所建設を約束した、という話があります。また、アメリカ国内ではその建設工事が盛んに行われ、その企業は日本の企業が中心と言われています。
 ここ松木沢に立って、核兵器の廃絶は勿論ですが、地球とともに生きていこうとする私たちは、「エコ」の名の下に進められている原発建設にも厳しい態度を堅持していかなくてはならないのではないでしょうか。キノコ雲ではなく、花火の文化に平和の心を見いだしたいものです。

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2008年8月 1日 (金)

 日光・「千年の森」を散策!

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 本日の朝はホウジロのさえずりで目が覚めました。天気は曇りです
。昨日(31日)は約6~7㎞歩きましたので、目覚めの時間は5時頃でした。
 昨日は、今月8日から10日に開催する「親子自然教室」の授業のひとつである、「森の宝物探し」コースの最終下見をしました。散策は宮下正次先生と料理長の小口さんです。コースは日光の菖蒲ケ浜キャンプ場(中禅寺湖畔)から千手ケ浜までの約4㎞、帰路の約2㎞です。
 千手ケ浜までのコースは、800年以上もこの地で生きている巨木が森を形成しているまさしく「千年の森」です。静かで、なだらかな道を歩くと、森の中には様々な宝物が発見できます。水と森とのつながり、森と動物とのつながりが確かに実感できる、まさしく「キングオブフォレスト」にふさわしい森です。
 クロブナ、イヌブナ、ミズナラそしてハルニレ、トチノキ等の巨木は、ゆうに800年以上生きていることが分かります。とくに、今となっては珍しいと言われているオノオレカンバ、泥の木の巨木に触れられます。とくに、オノオレカンバは名のごとく、斧が折れてしまうほど固い木である、言われているそうです(宮下先生と写っている木)。また、ミズナラの巨木は周囲4㍍もあり、その姿は森のキングです。当日は楽しい授業ができそうです。
 昨日(31日)の草刈り作業は06年に植樹した場所の草を刈りました。会場の三分の二の草を刈りました。ボランティアの皆さん、ありがとうございました。

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2008年7月29日 (火)

森と生きる人間の進路が見えてきた・・・その1

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 27日午後、横浜国大キャンパスには各地から180名の皆さんが集まってくれました。「本当に集まってくれるのか」、と心配していたスタッフたちは、11時から始まる「横国大の命の森散策」の参加者が50名程に達したことに驚き、その心配は吹っ飛んでしまいました。その後は、不安から緊張に変わったスタッフ達の運営で第1回「森と生きるキャンパスフォーラム2008」は時間通り始まりました。
 第1部は「森から学ぼう」と題して、足立旬子記者(毎日新聞社)と藤原一繪教授(横国大)からの講演です。

 環境馬鹿に流されないように!
 
 足立記者からは次のようなメッセージが参加者へ送られました。丹沢の森が異常だ。ブナ枯れ、笹は鹿が全て食べ尽くし、草は生えているが鹿の食べない草ばかりだ。その鹿の角も他地区で棲息している鹿の角と比較すると小さい。考えられる原因は大気汚染だ。この問題は神奈川だけの問題でなく、全国的な問題であり、場合によっては世界の問題である。
 ノーベル平和賞受賞のマータイさんを取材して感じ取ったのは、「森は人間の気持ちを変える力を持っている」ということだ。アフリカでは彼女のリードで女たちが森づくりをやっている。それを観ている村人、特に男たちの目が変化した。アフリカでは今も女性たちの発言権は弱いが、植樹をしている彼女たちと育っている木々を観ている男たちが彼女たちの発言権を認めている。反面、「神が宿るイチジク」の木は伐ってはならないとされてきたが、この木が「邪魔だからとして」伐られてしまっている。生活に使用する分の木だけを伐ってきた村人たちの気持ちが、取りすぎても仕方ない、という考え方に変わっている。
 自分も含めて環境馬鹿ですが、50年先までに温室効果ガスを半減しなければならない地球の危機なのに、洞爺湖サミットではそのための目標が決まらない。50年後には、ブッシュさんや福田さんがお元気なのか知りませんが、国の最高権力者たちは後生に責任をとっていない。こんな情勢を若者たちは許してはならない。私も含めて発信していかなければと思う。
 その後、参加者から足立さん達ジャーナリストの活躍を期待する発言がありました。

2008年7月26日 (土)

肩に力を入れず、大いに語り、舵をいのちの森へ!

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 本日も気温35度以上の猛暑になるようです。いよいよ明日は「第1回森と生きるキャンパスフォーラム2008」の開会です。運営スタッフたちの準備もほぼ終わりました。昨日(25日)はパンフレット、報告集や看板を作りました。
 フォーラムの準備と本番の運営は第2期のインストラクターが中心となっています。スタッフ達は平日は仕事、準備は毎週土日という中で準備を進めてきました。2012年までの5年間、このフォーラムを通じて大人たちが若者の目線で若者たちと語り合い、自然環境と人間の命を大切にする心を育んでいきたいと、スタッフたちは願っています。
 準備の過程では意見の対立は勿論、辛い作業を我慢し、作業が終わった後の苦労話と抱負を語り合った懇親の場、また、猛暑の中で育苗作業が続けられている足尾の話に耳を傾けるなど、準備作業の過程では、私たちの活動や社会は人から支えられ人が支えていることを、スタッフたちは教えられているようです。
 サミット後、一部報道機関では「持続可能な社会」とか、「低炭素社会の実現」等を報道しています。その主旨は、今後の社会は限りあるエネルギーに依存せず、身近なところから省エネ、節約を行い、企業が開発した新エコ商品を購入・消費していくことだ、ということです。ある学者は、「エネルギー効率の低い製品を長く使うことは地球に対する犯罪だ」として、「巨大な買い換え運動」を提案しているありさまです。
 エネルギー効率を良くしても生産量が増えれば温室効果ガスの排出量も増えます。しかし、この問題は排出量の売買で相殺する、というように温室効果ガス削減問題は、全生命体の命を優先するのではなく、経済優先となっているようです。
 新宿事務所には明日のフォーラム会場を癒やしてくれる苗木が届きました。これは足尾でボランティア作業を手伝ってくれている磯崎さんが、自宅のベランダで大切に育てている苗木です。明日は、若者たちが主役になる日です。

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2008年7月25日 (金)

鹿に笑われるぜ!

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 昨日(24日)14時、私は毎日新聞社内で27日開催するフォーラムの打ち合わせをしました。そこでは文字通りキャンパスフォーラムとして創りだすことが大切であり、討論を通じて世の中で踊っている「持続可能」とか、「低炭素社会」の欺瞞がなんであるかという疑問をもてるきっかけをつくっていこう。フォーラムの前提は、フォーラムに集まってくれた約200名の方々との共通認識を図っていくことであるので、大いに語れるフォーラムにしよう、と話し合いました。お楽しみに。
 その後、事務局では活動報告の準備やフォーラム会場設営の準備をしました。運営スタッフとしての基本は、参加してくれた皆さん同志が話し合えることで、そこから共通の認識が生まれる環境を創っていくことだ。その場合、理屈でなく、私たちが足尾や八幡平で学んだ経験を発信していこう、となりました。
 ところで足尾では鹿の食害に悩まされましたが、唯一、鹿が食べない植物はアセビです。どういう分けか、鹿は絶対と言って良いほどアセビを食べません。準備作業を終えて一杯呑んでワイワイ話していると、友人より鹿よりも人間が劣る話がでました。
 なんとニラと水仙の葉を間違えて、うどんの薬味にスイセンの葉を刻み、それを食べてしまった、という。食べてしまった方は下痢に追い込まれ、一日中ひとどい目に会ったという。
 本物のを見極める目は、失敗の積み重ねがそうさせる。フォーラムでは若者の目線からの発意・討論を深め、民衆の知識と行動力を発揮させよう。

2008年7月23日 (水)

本番間近!「森と生きるキャンパスフォーラム2008」

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 本日(23日)、猛暑の中、私は横国大キャンパスを訪れ、藤原一繪教授とフォーラムの打ち合わせを行ってきました。お忙しい中で時間を割いていただき、100年先も私たちが地球とともに生きていくために、現代に生きる若者たちへ問題提起をしていただくことになりました。題して「森は人類の未来を救う!」となりました。短い時間の講義ですがお楽しみに。横国大の掲示板には、フォーラムへの参加を呼びかけたポスターが貼ってありました。呼びかけていただいてありがとうございました。
 明日はノーベル平和賞を受賞したワンガリー・マータイさんの植林運動を取材してきた新聞記者の足立旬子さん、世界の人々を裏切った洞爺湖サミットに厳しいジャーナリストの岸井成格さんとの打ち合わせです。本番まであと中3日となって、スタッフは初めての「フォーラム」を、キャンパスらしいフォーラムにしようと汗しています。地球最大の危機に対して、若者たちのトークとアクションで、私たちの進路を“生命(いのち)の森へ”と舵をきっていきましょう。
 18日以降も足尾では苗木分け作業と遮光ネット張り作業が行われています。20日は、12日の苗木分け作業の感想をメールしてくれた坂野上さんが2回目のボランティア作業をしてくれました。暑い中、ありがとうございました。
 足尾は雷の本場ですが、梅雨明け後は雷も少なく、雨が降りません。猛暑の勢いで若木が負けないように、事務務局は遮光ネットを張っています。本日は3列のネットを張り、計7列張りました。本日は480本の若木に元気を与えました、と現地から報告がありました。
 

2008年7月18日 (金)

森と人のつながり、人と人とのつながりを求めて

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 「洞爺湖サミット」は何を決めたのか?「温室効果ガス削減目標を決めることは難しい、ということを意思統一しだけのサミットだ」等の意見。この意見は13日東京都新宿区内で開かれた、第1回理事会で出されました。会議の審議事項は、春の事業を振り返り、秋の事業に向けた内容でしたが、初めて開催する「森と生きるキャンパスフォーラム2008」を意義のあるものに創りだす審議に時間を割きました。
 主要国サミットの無様な現状は、自然を征服できるとした考えを基にした国益(経済優先)がぶつかり合って生み出されました。フォーラムでは、人間は森から生かされているとした考えの基に、森(自然環境)とともに生きていくために、人間の課題を探り、できることをやっていこう、ということを探求します。その中核は若者たちです。身近で起こっていることや活動していることを報告し合って、討論を深め、先輩諸氏からのアドバイスを受けて、100年先もこの地球(自然環境)ととも生きていく進路を探し求めます。
 フォーラムには13日現在、東京都内、埼玉県、千葉県、栃木県、岩手県の公・私立の8校、首都圏の大学生、NPO法人と若者たちが応募しています。応募者の中には熊本県からの参加者もおります。
 事務局は6月中旬、首都圏を中心に1500箇所の高校、大学、各種施設へ参加呼びかけを行ってきました。反応は鈍い状況ですが、私たち事務局スタッフはこれが首都圏の現状であることを認識し、森と人間のつながりと人間と人間のつながりを創りだしたいと最後の準備に汗しています。
 社会では「世の中を騒がせてやりたかった?」等と、若者が引き起こした悲惨な事件が起こっています。今、現代に求められていることは森と人とのつながり、人と人とのつながりから湧き出る人間の知恵ではないでしょか。フォーラムではこんなことも討論できればと、スタッフ一同は汗を流します。多くの若者の皆さん!、7月27日(日)・13時には横浜国大キャンパスで会いましょう。
 

2008年6月30日 (月)

自然を征服できる、とする考えは地球と人を破壊する

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 昨日(6/29)、第4期「森びと教室」(3回目)が日光市足尾町で開講しました。4名の欠席がありましたが、受講者24名は午前中の講義と午後の実習を受けました。
 講義は、「世界の異常気象」と「遺伝子組み換え食品」をテーマとして、その現状と原因を探るものでした。講師は、大石正道先生(理学博士)です。質疑を通じて、地球温暖化の原因は人間の影響であり、世界中の人々が知恵を出し合って国際的に協力していかない限り、この地球は救えないことを学びました。また、遺伝子組み換えでは、組み替え作物の作付け面積が年々拡大している中で、私たちは遺伝子組み換え食品の知識をどん欲に得ていく大切さを学びました。とくに、遺伝子組み換え技術を使わなくとも、品種改良によって良質の作物が生産できることも学びました。
 午後は、苗分け作業の実習です。昨年秋、どしゃ降りの雨の中でドングリ5万個以上を蒔きました。このドングリは6割から7割程度が発芽し、眩しいほどの若葉をつけています。赤ん坊の苗木の根をポットの中で充満させる環境づくりが苗分け作業です。受講者の皆さんはテントの中で、100年先を生きる人間のために生命(いのち)の森の主役になってほしい、と丁寧に苗分けを行いました。
 受講者のみなさんお疲れ様でした。大石先生ありがとうございました。

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森びと検索

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