« “森は大切な友だち”と仲良くする樹徳高校生の感想! | メイン | 想像できない100年後の足尾の森を夢見て!・・・育樹祭報告その③ »

2019年7月26日 (金)

森づくりは心にも木を植えた・・・育樹祭報告その②

 足尾・ふるさとの森づくり第1回育樹祭では、森づくりに協力してくれている方々から感想などを伺った。感想をまとめてみると、森づくりにかかわった方々の心には、様々な木(気)が植えられているのではないかと思った。

Photo     臼沢の森の草を刈ってくれた皆さん

 奥山光昭さんは、人と森は共生関係にあったと記憶している。ある時から人間は自然を支配し、自分たちの利益のために自然を壊してきた。今、ここに立って感じることは、地球が大変なことになってしまうという不安。人間は同じ過ちを繰り返してはならない。

Photo_2奥山さん

 松林英夫さんは、私は南相馬市で森づくりをして8年経つ。当初は、市民ボランティアや市役所職員の参加も少なかった。でも、コツコツと森づくりを継続していれば人は集まってくれると信じて森作業を続けた。今は100名以上が育樹作業に集ってくれる。

Photo_3松林さん

 鎌田孝男さんは、当初、森づくり作業では、こんな重いものを背負わせて何になるのだ、もう足尾には来たくない、という声が聴こえた。森づくりをやってみて感じていることは、自分との闘いだと思っている。

Photo_4 森を案内する鎌田さん(赤いベスト)

 松村宗雄さんは、すべての作業は木が育つ環境づくりであると思っている。人間の都合で木が育たないのは臼沢の森を見てもらえば分かる。臼沢の森は草がいっぱいで、小さな木々がよく見えない。これを放置することは人間の都合だ。木々のためには木々に寄り添う心がなければだめだ。

Photo_6 松村さん

 熊谷茂さんは、ダラダラした作業をしていると土嚢の荷揚げができない。先輩から「荷揚げが終わらないよ」言われた。そう言われると皆で一生懸命にやるしかない。そのうちに荷揚げは終わり、「やった!」という声が出てきた。皆でひとつのことを一生懸命やりきるということの大切さを教えられた。現在、その当時の若者が労組の役員を担っている。信念は多くの友達との森づくりを通じて育てられるということを体験した。

Photo_7 熊谷さん

 加藤誠さんは、私たちが植えた木が生長している姿を見て、自然の力強さをひしひしと感じている。また、企業の営利目的で傷つけられた自然を、人間の手で取り戻していくことは本当に大切なことだと思っている。足尾に来ることは様々な意味で自分自身の成長につながると思っている。この地は、日本のグランドキャニオンと言われ、生涯緑が戻ることはないと先輩から教えられた。その場に立つと強い憤りを感じ、足尾鉱毒事件と闘った田中正造の生き方も学ぶことができた。さらに、宮脇先生の「まじぇる、まじぇる」という考えに共感し、木を植えてみると、数年で苗木が生長していることに驚き、おのずとドングリ拾いにも生がでた。

Photo_8 加藤さん

 育樹祭での「森とものつどい」で述べられた感想を短く要点をまとめました。森と寄り添うことの大切さ、命を育む活動を支える心の耕し、その心は友だちとの協働で育てられるということを教えていただきありがとうございました。(理事 髙橋佳夫)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/330076/34186586

森づくりは心にも木を植えた・・・育樹祭報告その②を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

森びと検索

最近のトラックバック