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2019年5月の20件の記事

2019年5月14日 (火)

森作業集中日。臼沢西の森を造る準備が大きく前進しました。

今日の松木の里は曇り空です。ジャンダルム方面には黒い雲が見えていました。天気予報は、午後は強い雨が降るとのこと。早速朝の打ち合わせを行い、今日の作業は、6月に植樹をしようとしている「臼沢の森」に黒土を運び入れることを中心に行うことにしました。

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Cimg8980 背負子に2個~4個を積んで約100mの通路、その後はきつい急斜面を登ります。背負子が無い人は鉄筋や土留め用の板を上の方に揚げていきます。また、鉄筋を打ち込み板を石などで止め、土を入れたときに流れないように土留めを作る作業もやりました。今日は作業集中日で人数が多いため、土の運搬はかなり進むと考えていましたが、それを上回り3個のフレコンに入れてあった黒土の袋を、何度も往復して全部運び入れることができました。作業を担った皆さん大変お疲れさまでした。

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今日は、久しぶりに参加した小西さんは慣れない手つきで鉄筋を打ち込んでいましたが、足元が滑り悪戦苦闘のようです。

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午後は、6月2日の南相馬市鎮魂復興植樹祭と今月25~26日の只見町布沢での支援活動の打ち合わせを行い、その後雨が降ってこないようなので、再度「臼沢西の森」で今度は土を入れる作業を行いました。また、土留め用の板が無くなり竹を使うことにし、200本を取り出しました。

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今日の作業で、土留めが西の端まで2本目が完成し、達成感を味わいました。これで738本の苗木を植えることができます。それでも、苗木の数からするとまだ半分ほどですが、一段に2列にして植えるともう少し増えると思います。

今日集中作業日参加者は、高橋、鎌田、松村宗、松村健、小川、福原、大野、済賀、小林、福澤、加賀(筆者)(敬称略)でした。大変お疲れさまでした。

2019年5月13日 (月)

ミシガン大学生達と田中正造の生き方を探りました・・・その①

 今日は朝からスタッフたちに緊張が漂っているようでした。アメリカ・ミシガン大学生を迎えての環境学習サポートがうまくいくのかと真剣な顔でした。そんな雰囲気の中で朝の打合せ、早速、歓迎の八重桜の下でその準備に入りました。

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Photo_3  12時に森びと広場に到着した学生の昼食中に、私たちの自己紹介。その後は、足尾銅山の歴史を簡単に振り返り、その現場を見ていただきました。 

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Photo_6  続いて、同大学先輩が3年前に植えた森を散策しました。当時は60㌢程だった苗木が3㍍程に生長していることに、学生たちからは驚きの声があがりました。

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Photo_8  森びと広場に戻ってからは、「足尾isハートランド」訪問記念にサクラの苗木を植えました。穴を掘り、土を混ぜる、苗木の根の気持ちになって丁寧に植える、最後に沢山の水をあげました。その前で全員集合、お互いに素敵な桜の花を見せてくれるように願って記念写真をとりました。

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2_2  15時から1時間は討論、そこでは田中正造が貫いた闘いの精神力や考え方を探りました。その中では、自然環境破壊は人間の暮らし方の「毒」にある、その毒とは何か、地球温暖化防止のアイデアがテーマとなりました。討論を通じて“連帯感の大切さ”を実感する討論がつくりだせたようでした。

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Photo_12  最後は、自国ですすめる運動の共通スローガンを互いに考えよう、となって討論は終わりました。残念でしたが、交流時間が無くなり、学生たちと再会を願って別れました。報告は続きます(報告 高橋佳夫)

山と心に木を植えて15年、木々は見上げるほどに育ちました。「森の案内人」が皆さんをお待ちしています。

2019年は「森の案内人」の活動がスタートします。
本日12日は、森の案内を具体的に行っていくための打ち合わせを行い、15年間で育ててきた木々の生長を確認しました。

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7月21日(日)に開催される「第1回足尾・ふるさとの森 育樹祭」では、下草刈りなどの育樹作業の後、15年間“森とも”の皆さんと一緒に育ててきた“臼沢の森、松木・新松木の杜、民集の杜”を散策します。“その土地本来の木による本物の森づくり”を目指し植樹を行ってきましたが、それぞれの森の成長に伴う変化や特徴などを“森とも”皆さんと一緒に感じたいと思っています。

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また、日光市足尾町に多くの皆さんに足を運んでもらうための応援ができないかと、子供たちの夏休み期間に、「かじか荘」が管理・運営する銀山平キャンプ場の一角をお借りし“森は大切な友だち”ということを伝えたいと考えています。
私たち人間の暮らしは植物と土壌をつくる生物に支えられていることに気づいてもらえるよう、15年の森づくりを担ってきた強者スタッフを中心とした“森の案内人”でつくりたいと思います。楽しみにしていてください。

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打ち合わせを終え、午後は各森を踏査し樹高や胸高直径の計測など木々の生長を調査しました。
2009年から植樹をおこなった松木の杜ではシラカバの生長が著しく、樹高9.5m、胸高直径13.5㎝に生長していました。新松木の杜では2011年に植えたコナラが樹高7m、胸高直径6.4㎝に。松木川対岸から飛来した種が活着したとみられるヤマナラシ(ポプラ)は樹高5.0m、胸高直径6.5㎝に生長しています。

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続いて調査した民集の杜では、2014年に桐生ローターアクトの皆さんが植えたコナラが樹高5.0m、胸高直径4.1㎝、ヤマザクラが樹高5.3m、胸高直径4.8㎝に。各森の土壌づくりの違いによって森の構成に違いが表れていることもわかりました。

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最後は、臼沢の森で15年目の木々の計測を行いました。2014年に最高樹高7.9mだったコナラは樹高11m、胸高直径11.3㎝。ヤマザクラは11.5m、胸高直径13.5㎝。見上げると首が痛くなるほどに生長していました。木の根元を調査すると、コナラやヤマザクラ、ヤマモミジの実生が生えていました。最初は人間の手で植えられた苗木でしたが、15年の時を重ねることで落ち葉が土となり、ふかふかの布団に包まれて二世が生まれ、“本物の森”が形成され始めています。細い木々が落石を止め、落石防備林としての役割も発揮していました。

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本日の「森の案内人」養成には松井、加賀、大塚、宮原、小黒、清水が参加し調査を行いました。森のあちこちでウグイスの鳴き声が聞こえ、臼沢の入口ではアナグマが歩いていました。皆さんと一緒に植えた40㎝ほどの苗木が15年で11mに生長しています。多様な木々の生える森が形成されると、さまざまな生き物が見られるようになりました。

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15年間の森づくりに携わっていただいた“森とも”のみなさんと一緒に森を歩き、私たち人間もまた、生物社会の一員として森に生かされていることを実感できればと思います。
(筆者:清水 卓)

2019年5月11日 (土)

木工品作りが楽しみな工作室が完成!

 今日の足尾・松木沢の昼頃の気温は20度以上、現地に着いた頃には昼食時でした。舎人の二人は「みちくさテラス」で、春の陽差ざしを満喫しながら昼食を食べていました。

P5115544  「森びと広場」の八重桜は満開で、そこから見上げる「臼沢の森」は色々な緑色した若葉が輝いていました。

P5115546  その手前にある工作室の窓にビニールが張られていました。昨日、小井土スタッフが設置してくれました。これで工作室は完成です。小井土ご夫妻、ありがとうございました。

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P5115561  どんな木工品が作れるのか楽しみです。まずは、松木渓谷入口を訪れる方々を出迎えるコケシにチャレンジしたいと思います。(報告 高橋佳夫)

南相馬市民「鎮魂復興植樹祭」へ群馬県から苗木が届く!

 ほんのり塩味がするような春の浜風が吹いていた南相馬市の苗床。昨日は来月2日に実施される南相馬市「鎮魂復興市民植樹祭」に植える苗木の選定を行いました。応援隊のメンバーと「鎮守の森」の箱崎さんで7樹種810本の苗木を選定してきました。その後、ポットの草取り、水かけや遮光ネットの取り外しを行い風通しのよい状態にしました。

Img_20190510_132744 Img_20190510_132213  午後になると、群馬県高崎市から森びと会員の長井さんご夫妻が苗床に到着しました。ご夫妻は、シロダモ、シラカシの苗木233本を車に積んで、はるばる当地まで運んでくれました。

Img_20190510_132637  苗木は、3年ものでかなり立派に生長していました。長井さんは、苗木を育ててきた思い、植樹祭参加への気持ちを微笑みながら話してくれました。

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Img_20190510_133927  第7回鎮魂復興市民植樹祭まであと24日となりました。植樹祭会場の小高区塚原は急ピッチに高盛土の整備がされています。市民応援隊スタッフはその成功に向けて準備をすすめたいと思っています。全国の植林ボランティアの皆さん!植樹祭でお会いできることを楽しみにしています。箱崎さん、長井さんご夫妻昨日はお疲れさまでした。昨日の森作業は、松林、岩橋、東城でした。(報告 東城敏男)

2019年5月 9日 (木)

足尾・松木沢に吹く「足尾isハートランド」の風!

 足尾・松木沢周辺の木々の若葉が眩しくなってきました。若葉に近寄ってその輝きを観ていると、同じ緑色でも濃淡があり、紫色が混じった緑色の葉があることに気が付きます。 

P5052860  “足尾は緑が多くなりましたね!”という声がありますが、その緑色は、色々な木々たちの個性が成り立って「緑色」に見えています。

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P5052897  この輝きを楽しみにしているのは人間だけではないようです。朝夕は冷えますので、葉に水分が溜まる時がありますが、その水分や若葉を求めてアブラムシ、蟻、テントウムシが集まり、その虫たちを求めて鳥たちも集まってきます。

P5045431  時には、トカゲやカナヘビも動きだし、その動きに敏感なのがモズです。今、モズは子育て中です。他の鳥たちよりも早めに命をつないでいます。

P5063023 5/6臼沢の森に現れたツキノワグマ 

P4085003  春の訪れ、若葉が輝く頃は“命をつなげる活動の始まり”です。ツキノワグマも穴から抜け出し、当会が植林している「臼沢の森」の草木の若葉を食べています。満腹なった時は昼寝をしているようです。食べつくすということはないようです。

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P5052881_2  「臼沢の森」にはヤマグリ、ヤマザクラも植えています。その実はやがて私たちにも旬の味として楽しませてくれます。森を観ていると、“命のつながりが見えてくる”、それも“循環しながらつながっている”気がします。その源は森にあるようです。“ほどほどにする”という事も森が私たちに伝えたのかもしれません。(理事 髙橋佳夫)

2019年5月 6日 (月)

足尾・松木沢で奏でられなかったレコードの魅力

 森と暮らす楽しさを感じてもらうための出会いのきっかけを見つけようと始めた第一弾の屋外レコード鑑賞会。

Photo  青空が顔を見せてくれたのどかな春日和の下で、アンプとスピーカー、レコード・ターンテーブルを用意しました。

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Photo_3  接続部分の埃や腐食を取り除いたというのですが、30数年の埃はつしこいものでした。チェックを専門家にお願いして、再チャレンジすることにしました。

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P5065540  そんな訳で、若葉が美しい森の中で奏でる鳥たちの囀りを聴くことにしました。オオルリ、サメビタキ、センダイムシクイ、キビタキ、ウグイス合唱団の歌声を聴くことができました。

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P5052787  「みちくさ庭」の草たちも心地よいのでしょうか。春風に葉を揺らしていました。

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2019年5月 5日 (日)

木々は人間の努力を加勢する

Photo  松木村跡地を訪れる方々からは、足尾は緑が多くなりましたね!という声が多く聞こえてきます。それはとても嬉しいことです。

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Photo_3  「2年前に植えたポット苗が猿にいたずらされてしまった。自宅で育てているエゴノキを植えなくてはならない」と、土運びをしながら話していました。

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Photo_5  昼飯を桜の木の下で食べ、鎌田さんが造ったベンチで横になり、暫くして再び土運び。ウグイスやモズの囀りが鎌田さんを応援しているようでした。 

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 自然は人間の地道な努力に加勢しているような足尾・松木村跡地の「臼沢西の森」作業でした。(報告 高橋佳夫)

2019年5月 4日 (土)

春雷に打たれながらの足尾の森作業

 昨日は「どくだみ荘」に宿泊、朝、福原さんを待ちました。車に乗せて頂き、舎人の小川さんと「みちくさ」へ向かいました。久しぶりの足尾入りで、ブログで紹介されていた桜の様子や草木の息づかいを楽しみにしていました。

Photo  透きとおっていた青空を見て、久し振りに清々しさを感じました。その内に舎人の高橋さんが到着、お茶を飲みながら「みちくさ」屋根の雨漏り対策の話になり、その流れで屋根をチェックしました。

Photo_2  今日の森作業の師匠は福原さん、午前中は育苗の撒水方法を教えて頂きました。そうしているうちに急に雨雲が現れ、二人はびしょ濡れになってしまいました。

Photo_3  昼食後は、雷の音を気にしながら「臼沢西の森」へ土を運び揚げました。来月の植樹会場づくりです。福原さんは写真の通り、10ℓの土を5袋背負って運び揚げていました。筆者は4袋に挑戦しましたが、最後の頃は3袋になってしまいました。

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Photo_8  植樹会場は写真の様な石ころだらけですので、土運び揚げはとても重要な作業であることが身に沁みました。福原さん、丁寧に教えて頂きありがとうございました。お疲れ様でした。

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Photo_10  疲れを流してくれそうな桜色とコブシの白色を写真に収めました。今日は疲れました。(事務局員 塚崎将幸)

2019年5月 2日 (木)

足尾・中倉山の「孤高のブナ」を元気にする知恵とご支援を!

 令和の時代に入りました。中倉山のブナは明治、大正、昭和、平成を生き抜いていますが、令和そして次の時代も生き抜いてほしいと願っています。

P5016830  このブナは、幹の太さが直径45㌢以上あるので、1年に2㍉生長したとすれば松木村が廃村になった1902年頃から生きていることになります。

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Cimg8923  当時の中倉山稜線の南北は岩だらけになっていたでしょう。現在でも中倉山から沢入岳まで足を延ばすと、枯れた木が何本も残っていますし、岩が風化して小石になり、荒れている土壌が残っています。

Cimg8925  このブナは、そんな岩だらけの稜線の僅かな土に必死に根を張り、草木たちが松木川に流されていった悲鳴を聴きながら生きてきたのかもしれません。

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P4290552  ブナは標高1600㍍以上の環境で生きていくのは難しいと言われています。中倉山山頂は標高が1539㍍なので、ブナが生き抜く環境はとても厳しいといえます。

P4290558  厳しい環境で生き抜くブナをなんとか元気にしようと、稜線北側斜面に露出したブナの根に土を運んでいる「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の3回目が先月29日行われました。

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P4290572  10㍑の土を担ぎ揚げた森とも達たちが、笑顔で、楽しそうに土のう袋に土を入れ、露出した根の上にその土のうを被せている様子を動画で見ていると、胸が熱くなりました。

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 下山した森とも達からの話を訊くと、土砂が崩れている状況は早まっているので、この対策は急がねばならない、といことでした。筆者も急いでブナを元気にする森作業をやらなければならないと思いました。森を愛する全国の皆さん!「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の知恵とご支援をお寄せください。お待ちしています。(理事 髙橋佳夫 写真:清水卓、加賀春吾)

 

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