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2017年8月 4日 (金)

異常気象による大雨と向き合う心構えを磨き上げる?

 九州北部豪雨から今日で一ケ月。まだ家族の生存が確認されていない方や避難生活をしている方、そして見通しもつかない中で、土砂と瓦礫の片付けに汗を流している方を報道で見聞きしていると、他人ごとではない気がして身が引き締められる。 

P8037213_640x480 時として、もしかして近年の大雨による土砂流出災害は人災ではないか、と思ったりする。一昨年の鬼怒川堤防決壊、昨年の岩手県と北海道の台風10号の直撃、そして広島市での住宅街を襲った深層崩壊、東京都大島町の土砂流出などを振り返って考えてみると、土砂流出災害が他人事のようにしていた結果であると思わざるをえない。

P8038209_640x533  九州北部豪雨ではJR鉄橋の橋げたが流木の力で流されたが、その上流の橋げは四年前の大雨で流木が溜り橋げたが壊され、流木が溜らないような橋げたにしていた。今度の大雨では、流木が下流のJR鉄橋の橋げたを壊してしまったという。九州大の教授は河川全域の橋げた対策を提言していたというから、財政の問題はあるにせよ対策が遅れて地域住民の命と暮らしを奪ってしまったことを、行政はなんと言うのか。

P8037221_640x589  足尾の森作業の昼休みなどでスタッフの話になる事は、1時間に100㎜の雨が降ったら中倉山の少ない土砂と松木川はどうなるのか、である。100年以上もの時間と費用そして労力をかけて、やっと草木が生きられるようになった斜面は流されてしまうのか。土砂が溜っている砂防ダムは大丈夫なのか、という話である。

P8037214_640x522  国交省足尾砂防出張所に聞いてみると、「砂防ダムは土砂が満杯になっていることが正常な状態。土砂が溜って安定勾配になると水の流れが緩やかになり、一気に水や土砂が流れないようになる」、また、松木川の急斜面は岩石が露出している所が多いから「斜面は土砂が少ないので、土砂が流れ大変だ」という認識はないという。

 なるほどであるが、100年以上もかけて育ててきた少ない土砂と一緒に草木が流されてしまうことに私は危機感と恐ろしさを感じる。こんな時、田中正造さんはどんなアクションを起こすのだろう。正造さんの研究をしている方々のご意見を伺いたいものだ。

Photo  私たちはやっている”つもり人”からできることを実行に移す”つくり人”になろう、と日夜努力している。「知的に武装」しているだけでは異常気象の暴走に、権力者の暴走に向き合っていけないと思うからだ。「局地的集中的大雨」、「ゲリラ豪雨」と向き合うにはその原因と要因に向き合っていかなければと思う。つまり、地球温暖化にブレーキをかける暮らしと社会を築き上げることではないかと思う。そのために私たちは「知的武装」していきたい。明後日は、足尾のスタッフが東京に集い、現役からリタイアしたシニア達の志をさらに磨けあげる。(理事 髙橋佳夫)

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